自社サービスの認知度向上や、ユーザーとのコミュニケーションを行うための1つの方法として、「オウンドメディア」があります。
しかし、オウンドメディアを制作した経験がないと、何から始めれば良いかから学ぶ必要があります。
オウンドメディアの目的は、制作すること自体ではなく、「自社の利益につなげること」です。制作初期の段階から、戦略を立てて臨む必要があります。
この記事では初心者の方に向けて、成功するオウンドメディアのコツを紹介したうえで、制作フロー・制作の方法などについても解説していきます。
目次
最高のオウンドメディアを作る3つのコツ
オウンドメディアは自社のリード獲得や収益化をゴールとして設計されています。コストをかけて立ち上げたオウンドメディアを、成果につなげるためには、どのようなポイントを意識する必要があるのでしょうか。
ここではSEOに強く、より多くのユーザーに見られるオウンドメディアを作る3つのコツを詳しく解説していきます。
オウンドメディアの目的がぶれないようにする
オウンドメディアの設計にあたってはまず、「サイトの目的」をはっきりとイメージすることがポイントになります。
特に最近では特化型メディアが主流になりつつあり、テーマをピンポイントに絞り込むほど成果に結びつきやすいです。
オウンドメディアの主テーマはそう簡単には変えられませんので、メディアを設計する段階で「どういう層の人たちにサイトをみてほしいのか」ということを具体的にイメージしたうえで設計図へと落とし込むプロセスが必要です。
ただし、はじめのうちは統一したビジョンと目的をもってコンテンツをアップロードしていても、PV数がのびないとどうしても目先の利益に誘惑されてしまい、ユーザーの短期的なニーズを追いかけたトレンドブログやニュースブログへと傾きがちです。
雑記ブログで成功する例もありますが、基本的には統一したコンセプトを大切にしつつ、それぞれの分野に特化したコンテンツを充実させたほうが長い目で見れば成果が上がりやすくなります。
誰に届けたいかを明確にする
オウンドメディアを制作する際、自社の商品を売り込むためだけに立ち上げると必ず失敗します。というのも、オウンドメディアの本来の目的は自社の「ファン」になってもらうことです。
顧客ロイヤリティの向上や他者との差別化がメインになるので、ただ商品を紹介するだけでは誰にもみられませんし、利用にもつながりません。ここでオウンドメディアを制作する前に徹底しておきたいことが「ペルソナの明確化」です。
ペルソナを決める際には、以下のことを実践しましょう。
・自社商品の顧客層の洗い出し
・潜在顧客層へのアプローチ
・顧客へ直接ヒアリング
オウンドメディアのゴールを設定しKPIを合意しておく
ビジネスとしてオウンドメディアを運営し、成果につなげるためには、数値的なゴールを設定することが重要です。
長期的なゴール設定の指標として、KGIとKPIがあります。KPIとは「重要経営指標」のことで、ビジネスにおける大きな目標を達成するために到達すべき通過点として設定されます。
KPIはつねに、ビジネス目的とセットで設定されます。
たとえば、「新規の資料請求を年間で10%増加させる」という目的がある場合、新規顧客によるサイトアクセス件数がひとつのわかりやすい指標になりますから、「ウェブチャネルからの新規アクセス数(月間)」などが適切なKPIとして挙げられます。
このように、長期的なビジネス目的、KPI、KGIを合理的に組み合わせていくことによって、オウンドメディアの目的がより明確化し、成果につながりやすくなります。
オウンドメディア制作の4ステップ
オウンドメディアを制作する際には、以下のような4つのステップがあります。
- オウンドメディアの企画を構築する
- サーバーの環境を整える
- オウンドメディアを制作し運用する
- オウンドメディアの効果を分析・検証して修正する
ここでは、単にオウンドメディアを立ち上げて運営するだけでなく、継続的に成果を検証して修正するまでのプロセスを含めて具体的に見ていきましょう。
1.オウンドメディアの企画を構築する
オウンドメディアの運営は企画づくりからはじまります。どんなユーザーにどのような情報を、どの程度まで届けたいか、ということを具体的にイメージし、設計図を作ったうえでサイト、コンテンツの設計を進めていきます。
2.サーバーの環境を整える
オウンドメディアの立ち上げには、サーバーとの契約が必須になります。制作したコンテンツや動画、音声ファイルなどはすべてサーバー上に蓄積され、半永久的に保存されていきます。
参考:オウンドメディアの作り方。6つのフェーズ別でみる必要な作業
3.オウンドメディアを制作し運用する
オウンドメディアを実際に制作します。そのうえで、コンテンツを拡充していきます。
コンテンツを拡充する方法として、自社制作とアウトソーシングのふたつのパターンがあります。
自社制作の場合、制作コストがおさえられ、制作工程の管理がしやすいというメリットがあります。
一方、アウトソーシングでは制作のコストがかさむ反面、実績のある制作会社に委託することで、メディアそのものの品質を高めることができます。また、コンテンツ制作や効果検証までを一気通貫で依頼できる企業も多いです。
4.オウンドメディアの効果を分析・検証して修正する
オウンドメディアを実際に運営したら、継続的な分析・検証を行いましょう。KPIやKGIなどの具体的な指標を用い、アクセス数や成約率を数量的に解析することによって、オウンドメディアの課題が具体的に見えてきます。
オウンドメディアにおいてもPDCAサイクルの考え方を応用し、「問題点があればその都度修正する」というサイクルを地道に繰り返すことによって、効果的に成果を生み出す主力チャネルへと成長していきます。
オウンドメディア制作は自社作成と外部委託の2種類
オウンドメディアを新規に構築する場合、自社で制作するケースと、外部に委託するケースが選択肢として考えられます。
自社制作の場合はCMSを使って構築するのが一般的です。自社リソースだけで済むので、コストがおさえられるというメリットがあります。
外部委託の場合、立ち上げからコンテンツ制作、システム保守までの一連のプロセスをパッケージにして委託し、要求定義書をまとめて作成する形が主流です。
それぞれの詳しいメリット・デメリットについては、以下の比較表を御参照ください。
費用を抑えてオウンドメディアを制作したい人は自社開発
自社でリソースが割ける場合は、費用を抑えるためにもCMSを活用して自社開発をするのがおすすめです。
ただし、コンテンツを自社で作らなければならないのがデメリットとして挙げられます。特にコンテンツ制作の経験が少ないと、不慣れな業務で工数がかかりすぎてしまい、外部委託よりも費用対効果が悪くなるケースも多いので注意が必要です。
全てを外注したい人は、制作から運用支援まで完全外部委託できる制作会社へ依頼
オウンドメディアの立ち上げから運用、保守管理を一括して制作会社に委託する方式です。費用はかかりますが、オウンドメディアの運営実績がある業者に頼めば結果が出やすくなります。
自社リソースを割けない、かつ専門家の正しい知見の元オウンドメディアを運営したい方には外部委託がおすすめです。
メディアの制作をコンセプト設計から良質なコンテンツの作成、運営までを依頼するとなると、平均相場は50万円〜100万円ほど必要です。
価格面も視野に入れて「費用を抑えられる自社開発」か「結果の出やすい外部委託」のどちらにするかを決めましょう。
オウンドメディア制作におすすめしたい主要CMS3選
外部委託をせず、自社リソースのみでオウンドメディアを制作する場合、CMSが必須となります。CMSの質によって作業効率が大幅に変わってきますので、オウンドメディアの特性に合わせ、使いやすいCMSを導入しましょう。
今回は「オウンドメディア CMS」で検索して出てきた上位10記事を比較し、出現頻度の高い3つのCMSを紹介していきます。
より詳しくCMSの種類を知りたい方は以下の記事を御参照ください。
参考:初心者必見!ホームページ作成時のCMSの選び方とおすすめしたい9つのCMS
WordPress
WordPress
世界各国のウェブメディアのうち、約35%が利用しているのが「WordPress」です。「WordPress」は大規模なオウンドメディアはもちろんのこと、個人向けのオウンドメディアでも導入されています。
WordPressの一番の特徴は、無料で利用できるという点です。その利点から世界のCMSシェアNo.1を誇っています。また、その関係で解説本も充実しており、カスタマイズ性が高いことも魅力です。
さらに、WordPressはWeb上で運営できるため、外出先から更新・管理を行うことができます。
おすすめの人・企業
- 無料でオウンドメディアを運営したい方
- Web制作初心者の方
- 外出先からでもコンテンツの更新、管理をする予定の方
はてなブログMedia
はてなブログMedia
日本国内でシェアを伸ばしているのが「はてなブログMedia」です。マニュアル不要ながら、本格的な機能が標準で実装されており、オウンドメディアの運営を始めたばかりのビギナーでも短期間で使いこなすことができます。
はてなブログMediaは初期費用・運用費用がかかりますが、ドメイン代とサーバー代が含まれており、ややこしい手続き等が必要ないという点は魅力の一つです。
はてなブログmediaはオウンドメディアのディレクション等もパッケージとして販売しており、運営を任せる場合はそれなりの費用がかかります。
費用
要問合せ
おすすめの人・企業
- オウンドメディアの立ち上げ方法がわからない方
- メディアの運営費を一箇所にまとめたい方
- 初心者でも簡単に更新・管理ができる操作性を求めている方
- ベーシックプラン:無料(10P更新のみ)
- プレミアムプラン:9,600円
- ブログ感覚でオウンドメディアを更新したい方
- おしゃれなデザインのオウンドメディアを運営したい方
- 料金プランがシンプルなCMSを選びたい方
- 戦略立案から運用まで、一気通貫で依頼したい方
- SEOに強いオウンドメディアを構築したい方
- Knowusオリジナルプラン:初期費用1,500,000 円~、月額15,000円~
- CMSオプション(オリジナルプラン):初期費用500,000円~、月額0円
- CMSオプション(スタンダードプラン):初期費用98,000円~、月額0円
- 実績のある会社に頼みたい方
- コンテンツの追加のしやすさなど、運用の手軽さも考慮したい方
- 戦略代行プラン:月額200,000円~
- ベーシックプラン:要問合せ
- おまかせプラン:要問合せ
- 構築・運用・改善まで、すべて依頼したい方
- メディアの効果検証をしっかりと行ってほしい方
- オウンドメディアを通して求職者とコミュニケーションをとりたい方
Ameba Ownd
Ameba Ownd
Ameba Owndは、初心者でも簡単に使えるCMSです。デザインテンプレートが用意されており、HTMLが使えない方でも活用できます。
ただしテンプレートの数は多くはなく、またHTMLを直接変更できません。オリジナリティを出しにくいのがデメリットです。
費用
おすすめの人・企業
オウンドメディア制作に強い制作会社3選
「妥協せず質の高いオウンドメディアを制作したい」「自社リソースを使えない」という場合は制作会社に委託すると良いでしょう。
ここではおすすめの制作会社を3社ご紹介します。
今回は「オウンドメディア 制作会社 比較」で検索し、上位10記事で紹介されていた制作会社の中から、特に出現頻度の高い3つの制作会社をピックアップしてご紹介します。
株式会社GIG
ホームページ制作実績が豊富な株式会社GIGは、オウンドメディアの制作においても高く評価されています。
拡張性のあるサイト制作が可能で、メディアのフェーズごとに最適なソリューションを提供してくれるのが特徴です。
SEOを意識したサイト制作を得意としており、ターゲット分析、キーワード設計、ペルソナ設計や競合分析など、戦略立案からの支援をおこなっています。
費用
要問合せ
おすすめの人・企業
スターティアラボ株式会社
スターティアラボ株式会社では、独自のCMS「CMS Blue Monkey Knowus」を利用したオウンドメディアの制作支援を行っています。
1,300社以上のWebサイト制作の実績をヒントに、オウンドメディア運営に必要な記事管理機能やシェアボタンの設置などの機能をCMSに搭載しています。
費用
※CMSオプションは、すでに「CMS BlueMonkey」を導入の方が対象
おすすめの人・企業
Appmart株式会社
Appmart株式会社は、オウンドメディアの制作支援から、運営の代行までを担当してくれる制作会社です。
同社は採用に特化したオウンドメディア制作を得意としており、オウンドメディアを通して求職者へのアプローチを強めたい方におすすめです。
費用
※サイト制作・サイト構築にあたり、別途初期費用が必要
おすすめの人・企業
まとめ
オウンドメディアを成功させるためには、戦略の設計と、その戦略からぶれずに運営していくことが必要です。
オウンドメディアの制作には自社制作、外部委託というふたつのパターンがあります。費用を抑えたい方はCMSを、品質にこだわりたい方やリソースの問題で社内での制作が難しい方は制作会社に依頼するのが良いでしょう。
CMSにせよ制作会社にせよ、さまざまな種類があるので、自社の目的や状況に合わせて選ぶようにしてください。