【例文付き】PREP法は結論重視!基本から練習まで分かりやすく解説

PREP法のアイキャッチ

PREP法とは、相手に用件を理解してもらうために論理的に説明する手法です。

Point(結論・要点)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論・要点の再確認)の順序で情報を整理して伝えます。

PREP法は特にプレゼンテーションや説明を行う際に用いられ、メッセージを説得力のある形で伝えることができます。

自分の主張をPREP法などを用いて論理的に話すことは、聞き手が納得して理解することに直結するため、ビジネスマンとして身に着けるべき能力です。

一見難しそうに思えるかもしれませんが、実は、PREP法は型を覚えて真似することで、徐々に慣れて実践できるようになります。

そこで本記事ではPREP法について、基本から例文、活用するメリットとデメリット、難しく感じる方への実践ポイントや練習方法をご紹介いたします。

「これPREPじゃないから分かりづらいなあ」と上司・顧客から指摘されないためにも、複数のシチュエーションからパターンを理解し、実際に活用できるようになりましょう。

目次


1.PREP法とは結論重視で論理的に説明する手法のこと

PREP法をひとことで説明

PREP法とは、相手に用件を理解してもらうために結論を重視した、論理的かつ説得力のあるコミュニケーション手法を指します。

Point(結論・要点)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論・要点の再確認)の順序で情報を整理して伝えます。

PREP法を使うときと使わないときの比較

ビジネスシーンでは、簡潔かつ論理立ててメッセージを伝えることが求められます。

そこで、聞き手に理解させるために効果的な文章を構築するためのテクニックとして「PREP法」が広く使用されています。

相手が最も知りたい「結論」を最初に伝えることで、相手のストレスを軽減し、「理由」「具体例」を述べた後、もう一度強調するために「結論」を伝えるので、相手の記憶にも残りやすい構造です。

PREP法の4要素

PREP法の4要素をピラミッド構造で説明

PREP法を活用するときは、4要素の構造に沿うことが重要です。

結論を出す→結論を理由・根拠で支える→理由を具体例で支えるというピラミッド構造をイメージしましょう。

Point(結論・要点)

自分が伝えたい主要なメッセージや意見を、最初に簡潔かつはっきりと伝えます。

最初にポイントを述べることで、聞き手は、あなたがこれから何を話そうとしているのか、何に注目すべきかをすぐに理解することができます。

例:今月の売上目標を達成することができませんでした。

Reason(理由)

要点を支える理由や根拠を伝えます。

なぜそのポイントが重要なのか、どのような背景があるのかを、根拠とともに伝えます。

データや事実を用いて要点の重要性を強調すると、さらに聞き手が主張の意図を理解しやすくなります。

例:主要顧客であるA社との取引量が減少したことが要因です。

Example(具体例・根拠)

主張を支える根拠を、具体的な例や実際のデータを使って示します。

実例を通じて、ポイントの信頼性を高めることができ、聞き手に納得してもらいやすくなります。

例:具体的には、A社の発注が先月比で30%減少しており、売上全体に大きく影響しています。

Point(結論・要点の再確認)

最後に、最初に述べた結論・要点を再度強調します。

これにより、聴衆に対して自分の主張や伝えたいことをより記憶に残すことができます。

例:今月の目標未達成を踏まえ、今後は、既存顧客へのフォロー強化と新規顧客開拓に注力いたします。

PREP法とSDS法の違いは結論重視かストーリー重視か

PREP法とSDS法の違いを例も含めて説明

PREP法とよく混同されるSDS法ですが、構造や用いるべき場面で違いがあるので押さえておきましょう。

SDS法とは、ストーリー重視の文章構造のことです。3要素「Summary(要約)、 Detail(詳細)、 Summary(要約)」で構成されています。

具体例を挟むことで説得力を増すPREP法とは異なり、SDS法では具体例よりも詳細な説明を重視します。

長いプレゼンテーションや説明が必要な場面で、全体像を把握させつつ、詳しい内容を順序立てて説明するのに適しています。


2.PREP法が有効な場面

PREP法を使うことで、相手に用件を理解してもらいやすく効果を発揮しやすい場面を一緒に押さえていきましょう。

短時間で要点を伝えたいとき

時間が限られている状況で、迅速に結論を伝える必要がある場面でPREP法は効果的です。PREP法を用いると、情報が整理された状態で伝わるため、相手が内容を理解しやすくなります。

「主張」を最初に紹介した後、理由や具体例で主張を支えるという順番で話を進めることで、相手に理解してもらいやすく、自分の意図も伝わりやすいです。

  • 短時間で結論を出す必要がある社内会議
  • 顧客との打ち合わせで、短いプレゼンテーション
  • テレアポなど、短時間での営業
  • 問題発生時の緊急報告

相手の説得が必要なとき

相手を納得させたい場面では、PREP法を使うことで、論理的かつ説得力のあるコミュニケーションができるようになります。理由と具体例によって主張に説得力が強まるので、相手を納得させる効果が見込めます。

「客観的に見ても正しい・おすすめできる」ということを強調したいときに使うと、特に有効です。

  • 上司に予算増額を申請するときの相談
  • 新しいプロジェクトやアイデアの導入を提案する際の会議
  • 顧客に新商品を提案し、購入を促す営業トーク
  • 社内で方針転換を支持してもらうためのディスカッション

緊張していても落ち着いて説明したいとき

落ち着いて説明したい場面では、PREP法を用いると話す順番が決まっているため、緊張していても話しやすくなります。

順序に沿って説明することで、何を話したかったか分からなくなって混乱してしまうといった事態を避けられるからです。

PREP法を使うと話す内容が明確になるので、複雑な内容でも自信を持って伝えることができます。

  • 複雑なプロジェクトの進捗報告
  • 初対面の顧客とのアポ
  • 複数の選択肢からの意思決定提案
  • 新しいシステムやプロセスの導入説明

3.PREP法が必ずしも有効ではない場面

PREP法には必ずしも効果を発揮するとは言えない場面があります。

PREP法は自分のものごとを簡潔に伝えること主張の説得力を強めることができるため、ビジネスシーンで多く用いられていますが、表現を工夫したほうが主張を理解してもらいやすいときもあるからです。

相手の感情に働きかける必要があるとき

感情や共感を引き出す必要がある場面では、PREP法の論理的な構造が冷たく感じられてしまい、用件を理解してもらいにくい可能性があります。

相手が退屈に感じてしまい、集中力を失ってしまう可能性があるからです。

このような場面では、PREP法を使うだけでなく、聞き手の感情に寄り添い、興味をひき続ける工夫が必要です。

  • 長時間のプレゼンテーションで、ひとりで話し続ける場合
  • 感情的なサポートが求められる、人間関係を重視する交渉や対話
  • チームビルディングやモチベーションを高めるための話し合い
  • 個人的なフィードバックや感謝を伝えるシーン

参考: プレゼンとは?聴衆を動かすための構成の作り方・デザイン・話し方まとめ│LISKUL
   部下を前向きにするフィードバックの正しいやり方・7つのポイント│LISKUL  

対話を中心にして話が進むとき

双方向のコミュニケーションが重視される場面では、PREP法の一方的な構造は適していません。

特に、相手との対話で議論を進めていく場面や、予想外の質問が飛んでくる可能性が高い場面が該当します。

PREP法は決まった順番で話す方法なので、相手がすぐに納得しない場合や、他の質問が出てきたときに対応するのは難しい場合があります。順番通りに話せなかったとき、流れが崩れたことで焦ってしまう可能性があるので注意が必要です。

一番伝えたい自分の意見や主張のみPREP法で話して、都度柔軟に対応するようにしましょう。

  • チーム全員で意見を出し合うブレインストーミングセッション
  • 相手との対話が求められる面接やカウンセリングの場面
  • アイデアを共有し、フィードバックを得るワークショップ
  • ディスカッション形式のミーティングや意見交換会

詳細な説明が求められるとき

複雑な問題や詳細な説明が必要な場面では、PREP法は適していません。

相手に全体像を把握させつつ、詳しい内容を順序立てて説明する必要があるからです。

経緯や背景を時系列順に説明するなど、相手に前提情報を丁寧に伝えましょう。

  • 技術的な内容を細かく説明する必要がある技術会議
  • プロジェクトの進行状況を詳細に分析し、報告する長時間のミーティング
  • 製品の細かな仕様を顧客に説明する技術プレゼンテーション
  • 複数の選択肢を比較して意思決定を行うディスカッション

4.シチュエーション別に見るPREP法の例文

PREP法の使い方を、シチュエーション別の例文を通してご紹介します。

1.上司への報告や提案の場面

新しいプロジェクトを提案する場合や、既存プロジェクトの進捗を報告する際、PREP法を使うことで、上司に対して論理的かつ明確に自分の意見や報告内容を伝えることができます。

プロジェクトの進捗を報告したい(順調)

P(主張): 「今月のプロジェクト進捗は非常に順調に進んでおります。」
R(理由):「すべてのマイルストーンが予定通りに達成され、現在までの運営コストは予算内に収まっています。」
E(具体例):「機能Aは予定より〇日早く設定しており、既にテストフェーズに移行しています。そのため、他のタスクも前倒しで進められています。」
P(再主張):「この調子で進行すれば、プロジェクトは当初の予定通り、〇月〇日までに完了する見込みです。」

プロジェクトの進捗を報告したい(遅延)

P(主張): 「今月のプロジェクト進捗は遅れが生じております。」
R(理由):「開発フェーズで予期しない技術的な問題が発生し、その修正に追加の時間を要したためです。」
E(具体例):「具体的には、データベース統合の際にエラーが発生し、修正に〇週間を要しました。また、外部ベンダーからの納品が遅れ、システムテストが予定通りに進められていません。」
P(再主張):「この影響で、プロジェクト完了の見通しは当初の予定より約〇週間遅れる可能性があります。リカバリープランを〇日までにご共有し、遅延を最小限に抑えるべくチーム全体で対応してまいります。」

売上の進捗を報告したい

P(主張): 「今週の売上は目標に対して〇%で着地し、想定を上回りました。」
R(理由):「特に新商品のプロモーションが成功し、初週の売上が目標の120%に達しました。」
E(具体例):「具体的には、キャンペーン期間中に〇〇件の注文を獲得し、1件あたりの平均注文額も通常より〇%高くなっています。」
P(再主張):「この結果、今月の全体売上目標に向けて順調なスタートを切ることができました。引き続きこの勢いを維持し、さらなる売上向上に努めます。」

新しい企画を提案したい

P(主張): 「新しいオンライン講座プラットフォームの立ち上げを提案いたします。」
R(理由):「現在、リモート学習の需要が急速に拡大しており、オンライン教育市場が成長を続けています。当社がプラットフォームを立ち上げることで、市場シェアの拡大と新たな収益源の確保が期待できます。」
E(具体例):「たとえば、競合他社のZ社は昨年オンライン講座を開始し、半年間で収益が20%増加しました。さらに、Z社のプラットフォームは月間アクティブユーザー数が50万人を超え、ユーザー基盤の拡大に成功しています。」
P(再主張):「早期にオンライン講座プラットフォームを立ち上げることで、成長市場において競争力を高め、大きな成功を収めることができると考えております。」

チーム増員を提案したい

P(主張): 「次の四半期において、顧客サポートチームの増員を提案いたします。」
R(理由):「現状、対応時間が平均〇分を超えており、顧客満足度に悪影響を与えています。」
E(具体例):「実際に、最近の調査では、対応遅延が原因で〇%の顧客が他社に移行していることが判明しました。」
P(再主張):「したがって、顧客サポートチームを増員し、サービス品質を向上させることが急務だと考えます。」

新しいツールを導入したい

P(主張): 「新しいデータ分析ツールの導入をご提案いたします。」
R(理由):「このツールを使用することで、データ処理時間が〇%短縮され、精度も向上します。」
E(具体例):「先月、試験導入した部署では、レポート作成時間が〇日から〇日に短縮されました。」
P(再主張):「この成果を踏まえ、全社的にこのツールを導入することを検討すべきです。」

2. 顧客との商談やプレゼンテーションの場面

新しい商品やサービスを顧客に紹介し、購入や契約を促す際にPREP法を用いることで、提案内容が説得力を持ち、顧客の意思決定を後押しします。

自社ツールの導入の導入を勧めたい

P(主張): 「弊社のクラウドサービスを導入することで、貴社の運用コストを削減できます。」
R(理由):「クラウド化により、物理サーバーの維持費や電力コストが大幅に削減されるためです。」
E(具体例):「実際に導入いただいているA社ではクラウド移行後、年間運用コストが〇%削減されました。」
P(再主張):「ぜひ、貴社でも弊社のクラウドサービス導入をご検討ください。」

新製品の提案をしたい

P(主張): 「製造コストを大幅に削減できる新製品をご提案いたします。」
R(理由):「この製品は最新技術を採用し、従来製品よりもエネルギー効率が高く、低コストで維持可能です。」
E(具体例):「他企業での導入結果として、製造コストが平均〇%削減され、エネルギー消費も20%減少しました。」
P(再主張):「コスト削減と効率化を図るため、この新製品の導入をご検討ください。」

新規契約を提案したい

P(主張): 「弊社の新サービスをご契約いただくと、貴社の業務を効率化することができます。」
R(理由):「コンサルタントが貴社の課題を分析し、自動化するまで伴走するサービスが含まれており、時間を圧迫している業務の時間を削減可能です。」
E(具体例):「実際に導入いただいているC社では、従業員の業務工数が〇%削減されたうえ、時間外労働時間の減少をご報告いただいています。」
P(再主張):「ぜひ、弊社サービスのご契約をご検討ください。」

3.部下や同僚に対してのフィードバックの場面

部下や同僚に対してフィードバックを行う際に、PREP法を使うと、フィードバックが建設的であり、相手に理解されやすくなります。

フィードバックで褒めたい

P(主張): 「あなたのチームワークスキルは非常に優れています。」
R(理由):「チームメンバー全員があなたを頼りにしていますし、協力して問題解決に取り組む姿勢が素晴らしいです。」
E(具体例):「特に、前回のプロジェクトでは、あなたのリーダーシップにより全員が締め切り前に作業を完了することができました。」
P(再主張):「今後もこの調子でチームを引っ張っていってください。」

フィードバックで注意したい

P(主張): 「昨日、レポート提出が遅れた点について、改善が必要です。」
R(理由):「遅延が発生すると、他のチームメンバーの作業にも影響を及ぼすためです。」
E(具体例):「Eプロジェクトでは、レポート遅延によりクライアントへの納品が遅れ、信頼性が損なわれました。」
P(再主張):「次回からはスケジュールを守り、遅延を防ぐための対策を講じてください。」

5.交渉や問題解決の場面

意見の対立や問題解決を図る場面で、相手を説得し合意に導くためにPREP法が役立ちます。

契約条件を変更してほしい

P(主張): 「予算上限の制約により、今以上のリードをご提供することが難しくなっているため、ご予算の引き上げをご提案いたします。」
R(理由): 「現在のご予算では、リード獲得のための効果的なリソースやツールが不足しており、リードの質や数が限定されることで、貴社のビジネスチャンスを最大限に活かすことが難しくなっています。」
E(具体例): 「実際に、F社との契約で予算を増額した結果、リードの質と数が向上し、売上が増加しました。」
P(再主張): 「予算上限の引き上げについて、ご興味があれば、詳細についてお話しする機会をいただけますと幸いです。ご検討のほどよろしくお願いいたします。」

事前に納期を延ばしたいとき

P(主張): 「Gプロジェクトの納期を〇週間延長させていただきたいと考えております。」
R(理由):「現状のペースでは、品質を確保しつつ期限を守るのが難しいためです。」
E(具体例):「過去に急いで進めた結果、不具合が発生し、後で大きな手直しが必要になったことがあります。」
P(再主張):「品質を優先するため、納期延長についてご検討いただければ幸いです。」

プロジェクトの遅延についての解決策を提案する場面

P(主張): 「プロジェクト遅延解消のため、まず遅延原因の分析が重要だと考えます。」
R(理由):「原因を特定することで、適切な対策を講じ、スケジュールへの影響や追加コストを防げるためです。」
E(具体例):「実際にHプロジェクトでは、原因分析を行いリソース不足やスコープ変更に対応した結果、予定通りに完了しました。」
P(再主張):「原因分析を実施することで、今後の遅延防止とプロジェクト成功につなげたいと考えております。」


5.PREP法を活用するときのポイント

PREP法の要素を踏まえたうえで、本章でご紹介するポイントを押さえておけば、PREPの有効性を発揮しやすくなります。

1.伝えたいことは冒頭ではっきり明示する

PREP法では、まず最初に結論を伝えることが肝心です。

これにより、相手に伝えたいことを明確にし、聞き手の注意を引くことができます。

プレゼンテーションなど、聞き手の興味を惹きつける必要がある場合は、最初の結論(Point)で相手の関心を引きつけることが重要です。

相手にとって興味深い話題や、彼らに関係のあることを結論に持ってくると、注意を引きやすくなります。

たとえば、「課題である請求作業の工数削減を実現するために、A社のサービス導入をご提案します。」といった形で、相手に要件の重要性を伝えることを意識すると良いでしょう。

2.具体例は「根拠」を挙げる

例(Example)を挙げる際には、具体的で現実味のある事例を使うことが重要です。

曖昧な例よりも、具体的な事例の方が相手にイメージを伝えやすく、説得力が増します。

たとえば、「去年の売上が20%増加しました」という具体的な数字を示すと、話の信憑性が高まります。

3.一貫性を保つ

PREP法を使って話すときは、話の流れに一貫性を持たせることが重要です。

結論(Point)と理由(Reason)、具体例(Example)が論理的につながっているかを確認しましょう。

話している内容が一貫していると、相手に信頼感を与え、納得しやすくなります。

4.余計な情報を削り、シンプルな言葉を選ぶ

PREP法を使うときは、難しい専門用語や複雑な表現は避け、できるだけシンプルでわかりやすい言葉を使うことが大切です。

PREP法の効果を最大限に引き出すためにも、話や文章に不要な情報を含めないようにしましょう。

余計な情報が多すぎると、結論がぼやけてしまい、相手に伝わりにくくなります。

話す前に、伝えるべきポイントを明確にして、必要な情報だけを伝えるようにしましょう。


6.よくある失敗例

PREP法を効果的に使いこなすためには、よくある失敗を理解し、自分も同じ状態に陥っていないかを知ることが大切です。

前提として、PREP法は、構造4点(結論、理由、具体例、再主張)を組み込むことができていないと成り立ちません。

本章では、PREP法で上手く話せない・書けない方がよくやってしまいがちな失敗例を挙げ、それぞれの問題点を解説します。

時系列順に説明している

PREP法を使うとき、話の前後関係や時系列にこだわってしまい、結論を伝えるまでが長くなることがあります。

PREP法の基本は、まず結論から伝えることです。

順を追ってすべてを説明しようとするのではなく、最初に、相手へ要点を理解してもらうことを心がけましょう。

失敗例

「昨日の会議で、新しいプロジェクトについて話しました。最初に、部長がプロジェクトの概要を説明して、その後、チームリーダーが詳細なスケジュールを説明しました。それから、コストについて議論が始まり、最終的に、私はこのプロジェクトに反対意見を持っています。」

改善後の例(PREP法)

「このプロジェクトには反対です(Point)。理由は、現行のリソースではスケジュールが厳しいからです(Reason)。昨日の会議で、スケジュールがかなりタイトで、追加のリソースが必要だと話し合われましたが、その点がまだ未解決です(Example)。そのため、今のままでは成功の見込みが低いと思います(Point)。」

前提情報が長すぎる

前提情報が長すぎると、聞き手は結論にたどり着く前に話を聞くことに疲れてしまい、興味を失ってしまいます。

PREP法では、前提情報や背景は必要最低限に留め、早めに結論や理由を提示することが求められます。

前提情報が多いと感じたら、それが本当に必要な情報かどうかを見直し、削れる部分は省略しましょう。

失敗例

「この新しいマーケティング戦略についてですが、まず、昨年の売上データを見てください。昨年は、夏のキャンペーンが予想以上に成功しましたが、冬は売上が落ち込みました。その理由を分析すると、冬の商品ラインアップが乏しかったことが分かります。そこで、今回は…」

改善後の例(PREP法)

「今回のマーケティング戦略を実施するべきです(Point)。なぜなら、昨年のデータから、冬の売上が低迷していた原因を特定し、改善策を用意しているからです(Reason)。たとえば、新たに投入する商品ラインアップが、冬の需要にしっかり対応している点が強みです(Example)。この戦略によって、売上の向上が期待できます(Point)。」

主張の信頼性が分からない

結論をはっきり伝えられても、その理由を明確に説明しない場合、相手はその主張を信頼することができません。

理由が示されていないと、「なぜそう思うのか?」という疑問が残り、説得力が弱まります。

PREP法では、必ず結論の後に理由を述べることが重要です。

結論を伝えたら、それを裏付ける根拠や理由をしっかりと説明しましょう。

失敗例

「この製品は、もっと高価格で販売するべきです。」

改善後の例(PREP法)

「この製品は、もっと高価格で販売するべきです(Point)。なぜなら、この製品は他社の同等品よりも高品質であり、付加価値も多いため、価格競争に巻き込まれないようにする必要があるからです(Reason)。たとえば、素材が他社製品の2倍長持ちし、アフターサービスも充実しています(Example)。そのため、より高価格でも市場で競争力を保てるでしょう(Point)。」


7.話をPREP法に整理できる生成AIプロンプト

PREP法を活用するときに不安がある場合は、chatGPTのような生成AIツールを活用して文章の流れをチェックしたり、アイデアを整理したりするのも効果的です。

これにより、論理の流れを確認し、より説得力のある文章を書いたり伝えたりすることができます。

このとき必ず、情報の漏えいを防ぐために注意を払い、場合によっては事前に情報の扱いについて上司に確認しましょう。

PREP法の基本プロンプト

以下の文章をPREP法に基づいて整えてください。PREP法の4つの要素に従い、文章を明確かつ説得力のあるものにしてください。具体的には、次のように構成してください。

Point(主張): 最初に伝えたい主張や結論を明確に述べてください。
Reason(理由): なぜその主張が正しいのか、理由を説明してください。
Example(例): 理由を裏付ける具体的な例やデータを示してください。
Point(主張の再確認): 最後に主張を再度強調し、結論をまとめてください。
以下の文章をPREP法で整えてください:

[ここに整えてほしい文章を入力]

PREP法のチャットツール報告用プロンプト

以下の文章をPREP法に基づいて整えてください。PREP法の4つの要素に従い、文章を明確かつ説得力のあるものにしてください。具体的には、次のように構成してください。

〇〇さん、おつかれさまです。
【#概要】Point(主張): 最初に伝えたい主張や結論を簡潔に述べてください。

Reason(理由): なぜその主張が正しいのか、理由を説明してください。
Example(例): 理由を裏付ける具体的な例やデータを示してください。
Point(主張の再確認): 最後に主張を再度強調し、結論をまとめてください。

以下の内容をPREP法で整理して報告してください。
このとき、【#概要】には本用件で伝えたいことを簡潔に示してください(例:ご報告、ご連絡、ご相談、ご依頼など)。

[ここに報告したい内容を入力]


8.PREP法を使えるようになる方法

PREP法を使いこなすためには、繰り返し練習して「癖付ける」ことが重要です。

最初は慣れないかもしれませんが、実際に数をこなすことで、自然に流れるように話せるようになります。

たとえば、日常会話やメールのやり取りなど、さまざまなシチュエーションでPREP法を意識してみましょう。

なかなか自分で使いこなせないと悩んでいる方は、生成AIを利用して簡単にPREP法にまとめてもらうこともひとつの手段です。

1.記事や本をPREPで要約する

記事や本をPREP法で要約する練習をしてみましょう。

読んだ内容を「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論の再確認)」に分けてまとめることで、PREP法の構造を自然に身につけることができます。

たとえば、ビジネス書やニュース記事を読み、その要点を簡潔にまとめる練習を繰り返すと、短時間で重要なポイントを押さえる力がつきます。

2.日々のメールやチャットをPREPにする

日々のメールやチャットのやり取りにPREP法を取り入れてみましょう。

たとえば、仕事の報告メールや友人への提案など、何かを伝える際にPREP法を使って書いてみると、メッセージが明確で伝わりやすくなります。

「何を伝えたいのか(Point)」「なぜそうなのか(Reason)」「具体的な事例(Example)」「もう一度結論を確認(Point)」という流れを意識するだけで、コミュニケーションの質が向上します。


9.まとめ

PREP法とは、Point(結論・要点)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論・要点の再確認)の順序で情報を整理して伝える手法です。

相手が最も知りたい「結論」を最初に伝えることで、相手のストレスを軽減し、「理由」「具体例」を述べた後、もう一度強調するために「結論」を伝えるので、相手の記憶にも残りやすい構造です。

本記事ではPREP法について、基本から例文、活用するメリットとデメリット、難しく感じる方への実践ポイントや練習方法をご紹介しました。

PREP法を使いこなすためには、例文や生成AIの活用によって理解を深めるとともに、型を覚えて真似することが重要です。

型を覚え、意識して繰り返し使うことで、徐々に自分のものにしていきましょう。

PREP法を使えるようになるために、本記事が一助となれば幸いです。