【調査】広告業界に広がる生成AI、64.4%の広告主が事前案内が必要と主張|インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査

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広告業界に欠かせないものとなりつつある生成AI(Generative AI)。前記事(広告代理店の生成AI活用は76.2%の広告主が肯定的)に引き続き、SO Technologiesが2023年5月22日~23日に実施した、広告主438人への「広告代理店の生成AI活用」に関するアンケート調査の結果をまとめています。

本記事では、広告代理店の生成AI活用時に広告主への事前通知が必要か、具体的な通知手段、実際に広告代理店が生成AIを活用する際に気になる点、広告主データ利用の許容範囲についてをまとめています。

また、前記事では以下4点をご紹介しています。まだご覧になっていない方は、合わせてご覧ください。

  • 広告主の業務における生成AI利用頻度とその利用用途
  • 委託先の広告代理店が生成AIを活用する事に対する考え
  • 所属企業の対応方針
  • 広告業務別、生成AIの活用に対する考え

※本調査における生成AIとは、学習データを基に新たなデータや情報、オリジナルコンテンツを創造できるAIのことを指します。画像生成、動画生成、音楽生成、文章生成、データ処理タスクなどが対象です。

本調査の詳細は下記リンクより、無料でダウンロードできますのでぜひお手元においてご覧ください。

インターネット広告代理店の生成 AI 活用に関するアンケート調査レポート(無料)


広告主に対して「担当者間での事前通知」「企業としての正式な通知」が必要との回答が64.4%。「事前通知は必要ない」も34.7%に

広告業務を委託している広告代理店が、業務において生成AIを活用する際に、広告主への事前通知が必要だと思うかと聞いたところ、「担当者間での事前通知が必要だと思う」が49.1%、「事前通知は必要ないと思う」が34.7%、「企業としての正式な通知が必要だと思う」が15.3%となった。

いずれかの通知を必要と考える広告主が64.4%と多数派であることがわかった。(n=438、単一回答)


通知手段は「代理店のWebサイト上での情報公開」が79.4%。「履歴が残る連絡」「ガイドラインなどの資料提出」も70%を超える

担当者間出の事前通知・企業の正式通知のいずれかが必要だと思うと回答した方に、具体的な通知手段に対する考えを聞いたところ、いずれの手段でも「絶対に必要」「あった方が良い」とする回答が6割を超えた。中でも「代理店のWebサイト上での情報公開」が79.4%、「メールやチャット上の履歴に残る連絡」が75.5%、「ガイドラインなどの資料提出」は72.7%となった。(n=282、単一回答)


広告代理店が生成AIを活用する際に気になることは「品質・クオリティの変化」が最多で61.0%。広告サービスにおける提供価値の変化に注目が集まる

広告代理店が生成AIを活用する際に、とくに気になること、知りたいことを聞いたところ、「品質・クオリティの変化」が61.0%が最多となった。次いで「納品スピード」41.3%、「広告成果への影響」40.0%、「どの業務に利用するのか」34.9%と続く。

「利用する広告主データの範囲」「プライバシーやセキュリティ対策」「法律や倫理問題への対応」など、生成AI活用への懸念事項と比較すると広告サービスの提供価値がどのように変化するのかを知りたいとする広告主が多いことがわかった。(n=438、複数回答、5つまで)


広告主データ利用の許容範囲は「広告関連データ」が最多となるも54.1%と約半数の結果に

広告代理店が生成AIに入力する「広告主が保有するデータの利用範囲」について、利用してもよいと考えるデータを聞いたところ、「広告管理画面やGoogleアナリティクスなどの解析管理画面から見られる広告関連データ」が最多で54.1%、「顧客(匿名)の属性データ(年齢、性別、職業など)」が53.0%、「顧客(匿名)アンケートや商品レビューなど、顧客から回収したデータ」51.4%と続いた。

広告主が保有するデータの中でも、「事業戦略や方針に関するデータ」「自社保有の競合他社の分析データ」など、広告領域にとどまらないデータに関しては3割以下となった。(n=438、複数回答)


まとめ

  • 広告代理店の生成AI活用、広告主に対して「担当者間での事前通知」「企業としての正式な通知」が必要との回答が64.4%。
  • 通知の具体的な手段では「代理店のWebサイト上での情報公開」を求める広告主が79.4%。「履歴が残る連絡」「ガイドラインなどの資料提出」も70%を超える。
  • 広告代理店が生成AIを活用する際気になることは「品質・クオリティの変化」が61.0%と最多。「納品スピード」「広告成果への影響」などサービスの提供価値に注目が集まる。
  • 広告主データ利用の許容範囲は「広告関連データ」が最多となるも54.1%と約半数。

今回の結果により、広告代理店が生成AIを利用する際は、広告主への通知が必要との考えが過半数であることがわかりました。

広告代理店が生成AIを活用する際に気になる点や広告主データの利用範囲への回答内容から、広告主への説明や情報共有の際は、セキュリティ面のみならず、広告サービスの価値提供がどのように変化するのか、具体的なデータの扱い方やどのような影響があるのかなどを伝えていくことが必要であると考えられます。

なお、LISKULでは本記事で紹介した内容に加え、回答者の属性データやインターネット広告予算、広告予算ごとの回答結果などをまとめた資料をダウンロード可能です。下記リンクより、ダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

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調査概要

調査対象:自社商品・サービスのインターネット広告を広告代理店に委託している企業の経営者・事業およびマーケティング責任者、現場担当者
調査期間:2023年5月22日~23日
有効回答数:438人
調査方法:株式会社ジャストシステム「ファストアスク」によるインターネットアンケート
調査主体:SO Technologies株式会社

※本調査における生成AIとは、学習データを基に新たなデータや情報、オリジナルコンテンツを創造できるAIのことを指します。画像生成、動画生成、音楽生成、文章生成、データ処理タスクなどが対象です。
※集計時に小数点2位以下を四捨五入しているため、総計が100.0%とならない場合があります。
※本記事は調査結果の一部です。

本調査をもとにした「広告代理店の生成AI活用」に対する広告主の考えや対応方針についての調査結果は以下記事でも取りまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

【調査】広告代理店の生成AI活用、76.2%の広告主が肯定的。インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査