広告代理店担当者がクライアントと信頼関係を構築してネット広告予算を拡大する方法

ネット広告を運用し、クライアントと信頼関係を構築しながら、継続発注もしくは予算アップを獲得していく。ネット広告代理店担当者が目指す理想の姿でしょう。

良い関係を築きながら、予算を拡大するためには、押さえておくべきポイントがあります。

本記事では、クライアントと信頼関係を構築する方法を伝授し、良い定例会の進め方・運用予算を拡大する方法を解説します。

日々クライアントと接しながら、広告運用業務をしている方は、ぜひ一読して予算アップのポイントを把握してください。

※本記事は「ジッセン!オンライン」の講座を基に執筆しております。


信頼関係を構築するコミュニケーション方法

どういうスタンスでお客様と接してコミュニケーションを整えていくことが、お客様の信頼に繋がるのか。コミュニケーションの方法やポイントについて具体的に紹介していきます。

コミュニケーションスタンス

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大前提として、すべてのコミュニケーションは「顧客視点」で行うことが、お客様から信頼を勝ち取る上での基本です。

顧客視点でのコミュニケーションとは、具体的に次のようなスタンス大切にしています。

  • 常に企業側の視点で企業が儲かるかどうか?
  • 広告系業ではなく事業(販促)コンサル
  • 売り手と買い手ではなくパートナー関係

なぜかといえば、顧客の成果が悪いと広告予算は削減されるため、企業と広告代理店は運命共同体だからです。また、WEBは成果が一目瞭然だからこそ顧客の成果に向かい、顧客視点で行動をすることが何よりも大切なのです。

お客様のことを考えて考えて、お客様のためになることを行えば、信頼を勝ち得ることができ、広告代理店の利益として返ってきます。

では具体的なポイントのお話しに入っていきましょう。

コミュニケーション頻度

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ポイントのひとつにコミュニケーションの頻度があります。WEB広告を始めたばかりの企業とは、週一回を目安にコンタクトをとるのがいいでしょう。

理由としては次のようなものが挙げられます。

  • 運用開始はどうしても調整期間になるので効果が不安定
  • 今何が起きているのか、何をしているのかを報告(教育)

商談の場でお客様に話を理解してもらっていても、いざ始まってみると最初はやはり不安があります。効果がみえるWEB広告だからこそ、成果が出ないと心配になってしまいますよね。

そのため、今何が起きていて、どんな対応をしているかを理解してもらううえでも、最初の期間は少し多いくらいのコミュニケーション頻度が大切なのです。

一方で、この頻度をずっと続ける必要はなく、運用が安定するまでの2,3ヶ月までで十分だと思います。運用が落ち着いたら2週に1回を目安にコンタクトをとるのがいいでしょう。

それでもやはり、常に周りの競合代理店がお客様に毎日のようにアプローチしているという危機感はもっておくべきです。

また一回一回のコミュニケーションは、レポート送付や重い情報である必要はなく、頻度が重要です。広告運用のパフォーマンスを毎日チェックする癖をつけ、変化があったらこまめにメールや電話、チャットなどで、市場のトレンドや競合サイトや広告内容の変化を共有するのがよいでしょう。

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なお、四半期に一回は上長同士のコンタクトをとっておくのがおすすめです。

特に掲載開始から3ヶ月目は重要なタイミングとなります。なぜなら、代理店の見直しや掲載停止のタイミングは、初動から3ヶ月目と年度末が多い傾向があります。

担当者から上長に正確に情報が伝わらないケースもよくあるため、いくら担当者の信頼を獲得していても、上長の信頼を勝ち得ていなければ失敗してしまいます。

また、可能であれば年に一度ぐらいは事業責任者同士のコミュニケーションも検討をおすすめします。

信頼関係を構築するコツ

次に信頼関係を構築するコツについて解説していきます。

成果が悪い時が最大のチャンス

実は成果が悪い時は信頼関係を構築するチャンスです。

成果がいいときに良くしてくれる広告代理店はいくらでもいます。成果が悪いときやトラブルが起きたときにどう向き合ってくれるパートナーか、というのがとても大事です。

広告はあくまで投資です。投資の方法がWeb広告というだけなので、その投資をしたときに投げ出さずにちゃんと付き合ってくれるパートナーを選ぶべきです。プライベートでも、良いときだけ寄ってくる友達よりは、自分が苦しいときにそばにいてくれる人のほうが信用できますよね。成果が悪いときには次の4つを徹底することで、信頼関係を構築する最大のチャンスに変えることができます。

  • 現状課題と解決施策の詳細な連絡
  • 迅速なホウレンソウと対策の役割分担
  • 中長期的な改善プロセスの経過を適宜報告
  • 担当だけではなく上長を交えた報告会の実施

これを実施せずに信頼を失う広告代理店は少なくありません。

悪いときに逃げたり言い訳したり隠したりせず、悪いことも徹底してすべて報告し、どう対応しているのか経過はどうなのかをしっかりと伝えていくことが、信頼関係を生んでいきます。


定例会の進め方と準備

Web広告の運用で欠かせないもののひとつが定例会です。まずは定例会の役割の理解と、正しい準備の理解について解説していきます。

定例会のあるべき姿

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定例会というものは、未来への意思決定をするための、意思決定の場です。そのため、意思決定を行える材料を用意する必要があります。

過去の事象(今回の広告の掲載結果)がどうだったのか。それを踏まえて未来に何をすべきかを意思決定するのが定例会でやるべきことです。

悪い定例会の例

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定例会で一番駄目なのは、単なる報告でレポートをただ読み上げて終わりというものです。お客様も忙しいため、メールで済む内容は時間の無駄です。

お客様からすれば、これからどうしたらいいのか、プロとしてこの結果を動捉えているのか、が知りたいことであって、読み上げられるだけの情報は不要です。

良い定例会の例

一方で良い定例会とは、次のようなものだと考えています。

  • 優先順位を含めた課題と原因や要因を伝える
  • プロとしての視点でそれらの解決施策の案と手順とリスクを説明し、提案内容をどう意思決定すればいいのかを明確化して意思決定を仰ぐ、または議論ができる

きちんと掲載の実績から何が言えて、何を意思決定するなければいけないのか、そのために、だからこういうものを用意してきましたと言えるのが、いい定例会です。

良い定例会にするために必要な準備

では良い定例会にするためにはどんな準備が必要になるのか見ていきましょう。

  • 事実情報(レポート)
  • 良かったこと悪かったことの整理
  • 問題と課題と解決施策案(優先度含む)
  • 解決施策案に対する効果(メリット)と想定リスク
  • 中長期的な計画(長期シナリオ)

事前に相手が知りたいと想定される情報はすべて洗い出しておくのがいいでしょう。そのレポートをみてお客様は何というのか、用意したレポートで足りているのかどうかなどを考えることによって、足りない情報が明らかになります。

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もうひとつ大事なのが、急な意思決定や報告が必要な問題や課題は、定例会を待たずに今すぐ連絡をするということです。とくに問題が起きている場合には注意しましょう。

効果が悪かった場合の定例会の準備

効果が悪かった場合の定例会の準備はとくに重要です。準備をしておくべきことを挙げていきます。

  • 主たる原因(外部環境、内部環境など)
  • 現状の詳細(悪化中?改善中?変わらず?)
  • 今後(現状)の改善シナリオ
  • 改善しなかった場合の撤退基準
  • 改善しなかった場合の意思決定のタイミング

広告はやはり投資ですので、投資を継続する意思決定ができるだけの材料を用意できているかが重要です。自分が逆の立場だったら意思決定ができるのか考えてみてください。

また、広告を止めようと思っている前提で準備することをおすすめします。そうすることで抜け漏れもなくなり、危機感を持って資料を準備ができるため、結果的に信頼関係も増すと考えられます。

効果が良かった場合の定例会の準備

いい結果だからといって気を抜いてはいけません。次のようなポイントに気を付けましょう。

  • 何が良かったのか?
  • 今後も期待できるのか?それとも特需化?
  • さらに効果を高める施策案(優先度含む)
  • 施策案に対する効果(メリット)と想定リスク
  • 中長期的な計画(長期シナリオ)

良かった場合はさらに売上を上げるチャンスでもあります。そのチャンスを逃すことはお客様にとって損になってしまいますよね。

さらに投資を拡大するための意思決定ができるかどうかがとても大事なので、その材料を準備できているかどうかを冷静に振り返り、しっかりと意思決定をしてもらえる材料を揃えましょう。


運用予算を拡大する方法

それでは、予算の把握の仕方と、それを把握した上で予算を拡大するポイントを解説していきます。

予算の商談に挑む上での心構えと前提

広告予算の商談に挑む際、まずは以下を念頭に入れておきましょう。

  • 企業の言いなりになるべからず!
  • 常に本質で商談をするべし!
  • 見えないキャップを自ら作るべからず!
  • 予算の拡大は常にチャンスと思うべし!
  • 営業ではなくコンサルというスタンス!

クライアントから言われた予算が上限だと思わず、また年に一回しか予算変更がでいきないと言われても鵜呑みにしてはいけません。

効果が出て儲けが出れば、予算をとってもらうよう検討してもらえます。

予算拡大において重要となる大前提

当たり前ではありますが、以下の大前提を抑えておきましょう。

  • 相手を徹底的に知ること
  • 無い袖は振れない
  • 金庫番と話さないと意味がない

いくら予算があるのか、相手を知る必要がありますし、お願いする相手が間違っていても駄目ですよね。

次からさらに具体的なポイントを見ていきましょう。

予算の商談を行う上で把握するべきポイント

  • 相手の年商(売上、粗利、営利)原価率
  • コストに関する職務権限規程
  • コストに関する稟議フロー

上記を把握できていない人は多いです。

これらを知ろうとしないのに予算の話はできませんよね。相手を知るにはまずこれらを抑えるようにしておきましょう。

広告予算の商談に挑む際には、以下を常に念頭に入れておく必要があります。

  • 上限予算の把握
  • 予算設定の根拠(基準)
  • 意思決定者の把握
  • 意思決定機会の把握

この4つを抑えておけば、予算の商談をスムーズに進めることができます。逆にこれらを知らなければ必要な資料も作ることはできないでしょう。

各ポイントの把握(ヒヤリング)方法

基本は次の通りです。

ストレートに聞く

聞くことは失礼ではありません。聞くべきことを聞かないほうが広告主に不安を抱かせてしまいます。

具体的な例やヒヤリングからあたりをつけ逆算

とはいえ、信頼関係がまだ構築できていない場合には、具体的な例やヒヤリングからあたりをつけ逆算する方法が有効です。

今回は具体的な例やヒヤリングからあたりをつけて逆算する方法について、詳しく解説していきます。

上限予算や根拠の把握

次のような質問をすることによってあたりをつけて把握していきましょう。

  • 年商や利益率をヒヤリングして絞り込む
  • 受注件数(生産件数)の最大をヒヤリングして絞り込む
  • 客単価と利益構造のヒヤリングからCPAの根拠を絞り込む

意思決定に関連する情報のヒヤリング方法

職務権限規程やフローのかなり厳しい企業例を当てるのがお薦めです。

  • 決裁権者と決裁検者を例に当てながら絞る
  • 予算決定のタイミングを例に当てながら絞る
  • 予算変更の柔軟性を例に当てながら絞る
  • 予算決定のフローや期間を例に当てながら絞る

条件の厳しいものからヒヤリングしていくと、比較的相手も答えやすくなるためおすすめです。

抑えておくべき機会について

運用予算を拡大する際には抑えておくべき機会というのがいくつかありますのでご紹介していきます。

  • 初回提案は最大のチャンス
  • 定例会は常にチャンス
  • 年度末は大チャンス
  • 効果が良いときは大チャンス
  • 競合の予算が増えたときは大チャンス

お客様が年に一回しか予算変更をしないと言っていたとしても、それを鵜呑みにせず提案することがおすすめです。

ネット広告は投資対効果が数字で如実に現れるため、そのチャンスを逃すのは代理店としてだけではなく、お客様のビジネスを拡大するチャンスを逃すことです。

お客様のためであれば、予算を上げる提案はどんどんとしていただければと思います。


まとめ

クライアントと信頼関係を構築するためには、頻度の高いコミュニケーションやホウレンソウが鍵です。また、予算アップをしていくためには、チャンスを捉えて顧客が意思決定できるように提案することが重要です。

本記事を参考に、広告代理店とクライアントとのより良い継続した取引が増えれば、この上なく幸いです。