スマホでの流入の割合が増える現在、BtoB、BtoCにかかわらず電話からのコンバージョンの対策は重要です。インターネット検索後のコンバージョンの43%は、電話からと言われています。(AdInsight調査より)
しかし電話からのお問い合わせが多いのはわかっていても、何を見てお問い合わせをいただいたのか把握できている企業は少数です。
ネット広告のCPA(獲得単価)が悪い理由は、もしかすると電話からのコンバージョンをきちんと測定できていないからかもしれません。効果がある広告を過小評価して、大切なお客様を取り逃している可能性も。
そこで今回は、電話計測の効果と導入をするべき企業の条件、電話からのコンバージョン計測の仕組みや具体的な導入方法をご紹介します。
目次
電話計測とは?電話からのコンバージョンを測定し、可視化すること
電話計測とは、Webサイトからの直接コンバージョンではなく、電話を通したコンバージョンを測定することです。
Webサイト上の申し込みフォームからの購入や資料請求は、広告効果測定ツールで正確なデータが取得できます。
しかしWebのキャンペーンやチラシを閲覧したユーザーがお問い合わせフォームではなく電話で問い合わせをした場合、広告効果測定ツールだけでは詳細な計測ができません。
電話計測の2つの効果
効果1:電話からの問い合わせ状況を把握し、プロモーションを最適化
電話計測ができれば、電話でのコンバージョンにいたるまでの架電日時、架電回数、発信者番号、通話時間、通話回数、ページ遷移や訪問回数はもちろん、どの検索キーワードでどういった経路(リスティング/SEO検索/バナー広告等)などさまざまなデータを得られます。
【事例】Web広告の出稿キーワードごとに電話番号を出しわけて電話の成果を計測し、CPAダウン。
Web広告を出稿していた法人向けオフィスサービス企業。AというキーワードのWebからのコンバージョンは少なかったため、広告費を減らそうとしていました。
ところがWeb広告の出稿キーワードごとに電話計測をしてみたところ、Aを見て電話をするお客様がたくさんいることが判明。広告Aの配信を続行し、結果全体のCPAを下げることができました。
このようにデータをもとにすれば、「チラシを減らして、Web広告を増やす」「Web広告でGoogleではなくYahoo! への配信を増やす」など、効果に合わせた正確なプロモーションの設計や予算の調整ができます。また架電情報とデータベースの紐付けることも可能です。
効果2:不在着信や通話中による機会損失を減らす
電話計測を導入すれば、不在着信や通話中の機会損失がいつ起きているか把握でき、電話お問い合わせの多い時間帯に合わせた人員配置や問い合わせへの対応ができるようになります。通話が多く鳴る時間のオペレーションの人数、営業時間外の対応などアナウンスやメール通知により通話の時間と電話番号のログをお知らせすることが可能です。
全問い合わせの4割以上が電話の場合は、電話計測をおすすめ
あくまで目安ですが、全問い合わせの4割以上が電話からのコンバージョンの場合は、電話計測の検討をおすすめしています。特におすすめは下記のような業種です。
緊急性の高い業種
冠婚葬祭(結婚式の予約、葬儀の準備)/美容系(エステ、脱毛など)/水漏れ・鍵の紛失
購入までの検討時間が長い商品
保険/不動産(賃貸、マンション、リフォーム)/ツール・システム会社
予約をするサービス
飲食/旅行・ホテル
他にもターゲットユーザの年齢層が高い、商品が複雑である場合も、電話コンバージョンが増えます。逆に通販などのECサイトでは申し込みフォームから購入が多く、電話でのコンバージョンは少ない傾向にあります。
電話計測の2つの仕組みとは?~流入元によって、表示される電話番号を変える~
電話計測には、大きく分けて2つの方法があります。
①Googleアナリティクスでスマホからの電話番号コンバージョンを設定
②電話計測ツールの導入
それぞれはまったく違う計測方法のためメリット・デメリットをおさえて、ご自身の状況にあった方法を選んでください。
方法1:Googleアナリティクスでのonclickタグを設置(スマホサイト内からのタップのみ)
これはGoogleアナリティクスのイベントトラッキングを使って、電話番号をタップした人を計測する方法です。
参考:イベントトラッキングとは?Googleアナリティクス初心者でも分かる設定方法
こんな企業におすすめ
・広告を出していないなど、スマホサイト内からの電話番号を計測できれば十分な場合
・無料で取り組みたい場合
〇メリット:無料で設定できる
×デメリット:スマホから電話番号をタップされた時しか計測できない。
実際のGoogleアナリティクスの設定は、下記の記事を参考としてご覧ください。
参考:【補足】電話コンバージョンを計測するGoogleアナリティクスの設定方法|株式会社インファクト
参考:Google・Yahoo!両方のonclickタグ設置方法《電話コンバージョン計測》|リスティング広告の運用代行ならカルテットコミュニケーションズ
方法2:電話計測ツールを導入
電話計測ツールは、電話計測に特化した広告効果測定ツールです。ユーザーがサイトにアクセスする際に経由した流入元ごとに、違う電話番号を表示し、リアルタイムに結果を計測します。
こんな企業におすすめ
・Web広告、チラシなど複数チャネルでプロモーションをおこなっている
・電話からの問い合わせが、問い合わせの中でも非常に重要
・電話からのコンバージョンでも正確に計測したい
〇メリット:電話でのお問い合わせを、デバイス、キーワードに分けて正確に計測できる
×デメリット:費用がかかる
おもな電話計測ツール
・ 初期費用、月額費用が“無料”の コールトラッキング┃運用型広告の統合管理プラットフォーム『ATOM』
・ADgainer | アドゲイナー
・電話計測のスタンダード コールマーケティング
・電話広告効果測定 – 株式会社オプティマイザー
・電話効果測定ツール|国内初のコールトラッキングサービスのパイオニア
・電話問い合わせを効果測定 楽天コミュニケーションズ 「コール・インテリジェンス」
・ペイパーコール広告| 電話効果測定ツールをお探しならAdSiP
電話計測ツール導入の一般的なフロー
電話計測に限らず各種ツールごとに設定方法は違います。ここではイメージが持てるように、方法2として紹介した「電話計測ツール」を導入する一般的な流れを簡単に紹介します。詳細は、各ツール会社にお問い合わせください。
①電話計測ツールを提供している会社に、電話番号を発行してもらう
電話計測ツールを提供している会社に、必要な数の電話番号を発行してもらいます。媒体別、キーワード別など100以上の電話番号が必要な場合もあります。早めにツール提供会社に連絡しましょう。
②発番した電話番号を計測したいページにタグを埋め込む
直接設置する方法と、タグマネージャー(Googleタグマネージャー、Yahoo!タグマネージャー)で設置する方法があります。コーポレートサイトとランディングページなど、タグの種類や設置場所が異なるため、Webサイトの制作会社や担当者と相談しながらの設置をおすすめします。
③計測したいページの電話番号が正しく切り替わっているかを確認
タグによってはサイトに合わないものもあるので、
・問題なくタグが動作しているか?
・メディアや広告の流入元別に、電話番号が表示されているか?を確認する必要があります。
電話番号の切り替えが完了した時点で、登録した電話番号になっていれば計測開始できます。
まとめ:電話計測をうまく使って、スマホ対応を
いかがでしたか?電話計測をうまくつかえば広告の効果が可視化でき、電話での機会損失を大幅に減らします。
上記にも説明したように、簡単に実施できるので、Webサイトのスマホ対応の1つとして導入するのもおすすめです。ぜひ電話計測をご活用いただき、早めにスマホ対策を立てていただければと思います。
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