製造業の展示会に出展したいと考えているものの、さまざまな展示会があり、どの展示会に出展すれば効果的なのか迷う企業の担当者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、おすすめの展示会を紹介します。
製造業なら絶対に押さえておきたい展示会と展示会の効果を高めるセオリーを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- ものづくり・製造業の展示会は「主催者」に注目
- ものづくり・製造業なら絶対押さえたい展示会10選
- 1.「インターネプコン・ジャパン」アジア最大級のエレクトロニクス製造・実装展
- 2.「エレクトロテスト・ジャパン」エレクトロニクス検査・試験装置を扱う展示会
- 3.「機械要素技術展 (M-Tech)」ネジやバネ・金属を扱う専門技術展示会
- 4.「設計・製造ソリューション展 (DMS)」製造業向けITソリューションを扱う専門展
- 5.「組込みシステム開発技術展」CPUやミドルウェアなどPCに関わる専門展示会
- 6.「JECA FAIR~電設工業展 ~」国内最大の電気設備に関する総合展示会
- 7.「 TECHNO-FRONTIER 」メカトロニクス・エレクトロニクスに焦点をあてた技術専門展
- 8.「 INTERMOLD 金型展 金属プレス加工技術展」工作機械や金型・プレス加工メーカーが集結する展示会
- 9.「 JPCA Show 」電子回路やラージエレクトロニクスの製造を扱う電子機器トータルソリューション展
- 10.「IIFES」オートメーションと計測の先端技術総合展
- 展示会の効果を高める4つのセオリー
- まとめ
ものづくり・製造業の展示会は「主催者」に注目
製造業向けの展示会は「主催者」に注目することで、特徴を押さえやすくなります。
展示会専門の民間企業や出版社が主催
リードエグジビションジャパン株式会社や日経BP社など、展示会の開催を専門的に実施している民間企業や出版社が主催する展示会は、新しい顧客開拓に最も繋がりやすい展示会といえます。
幕張メッセや東京ビッグサイトなど、大規模な会場に複数の類似テーマで同時開催されることも多く、集客にも力をいれています。その分、費用もかさむ傾向にありますので、実施するときは万全の体制で臨むべきです。
業界団体や公的な機関が主催
業界団体や官公庁に関連する社団法人などが取材する展示会は、民間企業や出版社主催の展示会に比べると、商業色が抑えめなため、費用も抑えめな傾向になります。
来場者も各社の既存の取引先などが多くなるため、自社のポジションを明確に打ち出し、他の出展企業の顧客にアプローチしていきたい場合に適しています。
その他、シンクタンクや独自団体が主催
その他、シンクタンクや独自団体が主催する展示会もあります。多くの場合は、業界団体が主催する展示会同様、費用が抑えめな傾向があります。主催者によって傾向も変わるため、過去の実施実績なども踏まえて、傾向と対策をつかみましょう。
ものづくり・製造業なら絶対押さえたい展示会10選
ここでは、製造業向けのおすすめの展示会を10個紹介します。各地で様々な展示会が開催されているので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:BtoB製造業のマーケティング事例8選!広告・販売促進のデジタル活用術
参考:BtoB製造業のWebサイト参考事例9選と、ホームページ作成の3つのポイント
参考:製造業なら毎日チェックしたい情報ポータルサイト12選!イプロス・日経クロステック・NCネットワーク他
1.「インターネプコン・ジャパン」アジア最大級のエレクトロニクス製造・実装展
最新のエレクトロニクス機器の製造技術・実装技術が出展する展示会です。国内外の電子機器、半導体・電子部品、自動車・電装品メーカーなど幅広い関連事業の技術発表と商談の場として定着しています。
開催時期
前回は2019年1月16~18日
開催地
東京、名古屋
主催者
リードエグジビションジャパン株式会社
イベント概要
「インターネプコン・ジャパン」は、東京と名古屋で行われている展示会です。エレクトロニクス製造・実技に関する技術展としてはアジア地域の中でも最大級であり、これらの業種にとっては重要な商談場所となっています。
対象業種
電子機器、半導体・電子部品、自動車・電装品メーカーなど
出展対象品目
実装関連の検査部品、測定関連の部品、パッケージ技術関連の部品、LED・半導体レーザー技術関連の部品など
出展社数
例年約2,500社以上が出展しています。
過去の来場者数
2019年は116,251人でした。
2.「エレクトロテスト・ジャパン」エレクトロニクス検査・試験装置を扱う展示会
検査や試験装置の主要メーカーが一堂に会する展示会です。外観・X線装置、テスタ、環境試験・信頼性試験装置や各種分析装置など、国内外の電子機器、半導体・電子部品、自動車や電装品メーカーなど数多くの関連企業が出展します。
開催時期
前回は2019年1月16~18日
開催地
東京、名古屋
主催者
リードエグジビションジャパン株式会社
イベント概要
検査や試験関連の装置が集まる展示会です。展示会には、X線検査装置、テスタ、環境試験装置、信頼性試験装置など様々な分析装置、検査・試験装置を製造する主要なメーカーが製品を出展しています。
対象業種
電子機器、半導体、電子部品メーカーなど
出展対象品目
分析装置、検査・試験装置など
出展社数
例年約900社が出展しています。
過去の来場者数
2019年は116,251人でした。
3.「機械要素技術展 (M-Tech)」ネジやバネ・金属を扱う専門技術展示会
ベアリングやねじ、ばねなどの機械要素、金属、樹脂などの加工技術が集約される専門技術展です。年に3回、東京・大阪・名古屋で開催されています。設計開発、製造や生産技術から勾配、品質管理部門まえ多数のユーザーが来場します。
開催時期
前回は2019年2月6~8日
開催地
東京、大阪、名古屋
主催者
リードエグジビションジャパン株式会社
イベント概要
ベアリング、ねじ、ばねなどの精密機器や金属、樹脂などに関する加工技術、ものづくりに関する各種最先端技術が展示されています。
対象業種
特に指定はありません。
出展対象品目
ベアリング 、減速機、歯車、ベルト、チェーン、潤滑剤 、油圧機器、水圧機器、空気圧機器、シール、各種モータ、ドライバ、コントローラなど
出展社数
2019年度は837社が出展しています。
過去の来場者数
2019年は66,049人でした。
4.「設計・製造ソリューション展 (DMS)」製造業向けITソリューションを扱う専門展
CAD、CAE、ERP、生産管理システムなどの製造業向けのITソリューションが数多く出展する専門展です。年3回、東京・大阪・名古屋と場所を変えて開催されています。
開催時期
前回は2019年2月6~8日
開催地
東京、大阪、名古屋
主催者
リードエグジビションジャパン株式会社
イベント概要
イベントでは、CADやCAE、生産管理システムといった製造業の現場では欠かせない各種ITソリューションが出展されます。展示会には、開発期間の短縮、コストダウン、グローバル化などを目的とした企業の情報システム担当者や設計・開発・製造、購買、さらには経営部門の担当者などが来場し、商談を行います。
対象業種
特に指定はありません。
出展対象品目
CADやCAE、生産管理システムなど
出展社数
2019年は139社が出展しています。
過去の来場者数
2019年は66,049人でした。
5.「組込みシステム開発技術展」CPUやミドルウェアなどPCに関わる専門展示会
自動車・輸送機器メーカー、FA機器メーカー、精密・医療機器メーカー、通信・モバイル機器メーカーなどを対象にCPU/MCU、ミドルウェア、ボード・コンピュータ、開発ツールなど組み込みシステムに関する技術が一堂に会する展示会です。
開催時期
前回は2019年4月10~12日(前期)、5月8~10日(後期)
開催地
関西、東京、千葉
主催者
リードエグジビションジャパン株式会社
イベント概要
MPU/MCU、ミドルウェア、メモリモジュール、画像処理技術、タッチパネルなど各種システムが出展されます。対象となる業種には、自動車・輸送機器メーカー、FA機器メーカー、精密・医療機器メーカー、通信・モバイル機器メーカーなどが挙げられます。
対象業種
自動車・輸送機器メーカー、FA機器メーカー、精密・医療機器メーカー、通信・モバイル機器メーカーなど
出展対象品目
MPU/MCU、ミドルウェア、メモリモジュール、画像処理技術、タッチパネルなど
出展社数
2017年は1,551社が出展しています。
過去の来場者数
2017年は88,725人でした。
公式サイトはこちら
6.「JECA FAIR~電設工業展 ~」国内最大の電気設備に関する総合展示会
電気設備に関する資機材や、工具・計測器、ソフト・システム等の新製品紹介に加え、電気設備業界の魅力、働き方などを紹介するイベントを行う国内最大の電気設備総合展示会です。
開催時期
前回は2019年5月27~29日
開催地
東京もしくは大阪
主催者
一般社団法人日本電設工業協会
イベント概要
電気設備関連の各種資材や機材、工具、ソフト、システムなど、最新製品の紹介のほか、施工実績の展示、出展者によるプレゼンテーションなどが行われており、業界の最新動向を確認することができます。
対象業種
機械技術、工業技術、電気製品の製造会社、エネルギー関連企業、情報処理、コンピュータ関連企業、空調や照明関連の企業など
出展対象品目
電気設備関連の各種資材や機材、工具、ソフト、システムなど
出展社数
2019年は241社が出展しています。
過去の来場者数
2019年は104,683人でした。
7.「 TECHNO-FRONTIER 」メカトロニクス・エレクトロニクスに焦点をあてた技術専門展
アジア最大級のメカトロニクス、エレクトロニクス関連の展示会です。この分野のソリューション技術や要素技術などの最新の技術動向が確認できるほか、最新製品が展示されています。各技術に関するシンポジウムも開催されています。
開催時期
前回は2019年4月17~19日
開催地
東京
主催者
一般社団法人日本能率協会
イベント概要
メカトロニクスやエレクトロニクス関連のソリューション技術や要素技術などの最新の技術動向が確認できるほか、最新製品が展示されており、産業用機器や装置のメーカーの開発担当者、研究者、技術者が交流を行う場にもなっています。また、各技術に関するシンポジウムも開催されており、その規模はアジア最大級です。
対象業種
メカトロニクス、エレクトロニクス分野など
出展対象品目
モータ、電源、モーション・エンジニアリングなど
出展社数
例年450社以上が出展しています。
過去の来場者数
2019年は21,237人でした。
参考:TECHNO-FRONTIER 2019|日本能率協会
8.「 INTERMOLD 金型展 金属プレス加工技術展」工作機械や金型・プレス加工メーカーが集結する展示会
特殊鋼工具や超硬工具、ダイヤモンド工具、研削砥石、研磨など金型加工の最新技術が集まる展示会です。東京、名古屋の二か所で開催されます。
開催時期
前回は2019年4月17~20日
開催地
東京、名古屋
主催者
一般社団法人日本金型工業会
イベント概要
金型加工の展示会であり、特殊鋼工具や超硬工具、ダイヤモンド工具、研削砥石、研磨など金型加工の最新技術が集まっています。
対象業種
工作機械製造や金属加工を行う企業、金属製品や各種産業用の機器、設備を扱う企業など
出展対象品目
特殊鋼工具、超硬工具、ダイヤモンド工具、研削砥石、研磨など
出展社数
2018年は380社が出展しています。
過去の来場者数
2019年は42,585人でした。
9.「 JPCA Show 」電子回路やラージエレクトロニクスの製造を扱う電子機器トータルソリューション展
電子基板や電子実装、専門加工などの電子回路関連技術、電子回路製造機械の展示や材料に関する企業が数多く出展する展示会です。基調講演やセミナーなども行われます。
開催時期
前回は2018年6月6~8日
開催地
東京
主催者
一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA)
イベント概要
電子基板や電子実装、専門加工などの電子回路関連技術、電子回路製造機械の展示や材料に関する情報などが集まります。
対象業種
電子回路を扱うメーカーなど
出展対象品目
モジュール実装基板、電子回路実装基板、検査・評価受託サービス、プロセス資機材など
出展社数
2018年は516社が出展しています。
過去の来場者数
2018年は50,827人でした。
参考:JPCA Show
10.「IIFES」オートメーションと計測の先端技術総合展
制御、駆動、計測、配電機器関連のシステムソリューションのほか、IoT ソリューションなど、電機産業、計測産業を中心とした最先端の技術の展示会です。2019年より「IIFES」に名称が変更になりました。
開催時期
前回は2017年11月29~12月1日
開催地
東京
主催者
一般社団法人 日本電機工業会
一般社団法人 日本電気制御機器工業会
一般社団法人 日本電気計測器工業会
イベント概要
「IIFES」は、それまで「システム コントロール フェア/計測展TOKYO」という名称の展示会でしたが、2019年から「IIFES」に変更になりました。制御、駆動、計測、配電機器関連のシステムソリューションのほか、IoT ソリューションなど、電機産業、計測産業を中心とした最先端の技術の展示や情報交換が行われています。
対象業種
電機・計測産業など
出展対象品目
特に指定はありません。
出展社数
2017年は218社が出展しています。
過去の来場者数
2017年は53,243人でした。
展示会の効果を高める4つのセオリー
実際に展示会に出展する場合により効果を高めるために、押さえておきたいセオリーを4つ紹介します。
デモンストレーションと動画を活用してPRを行う
ただ技術や製品を展示しているだけでは、来場者が興味を持たない可能性があります。
そのため、展示の際は実際に製品を利用するなど、具体的なデモンストレーションを行うようにしましょう。もし会場で披露できない技術であったり、持ち込みができない大きな製品であったりする場合は、あらかじめ動画を用意するのも1つの方法です。
デモンストレーションや動画は実際の動きを確認できるので、興味、関心を持ってもらえる可能性が高くなります。また、例えばスピードを売りにしている技術なら実際にその速さを見せることで技術に対する信憑性を高めることもできるでしょう。
デモンストレーションや動画には、客寄せとしての効果だけでなく、実際の商談に繋がりやすくなる効果が期待できます。
技術者を常駐させておく
展示会に来場する企業の担当者の中には技術や製品の詳細を知りたいというケースもあります。そのため、展示会には技術者も同伴させ、期間中は常駐しておくようにしましょう。
営業担当、マーケティング担当のみだと、詳しい説明ができずに来場者のニーズを満たせない可能性があります。技術者がより詳しい説明をすれば、具体的な案件の話に踏み込むこともできます。
また、技術者にとっては、お客さまと直接関わる機会が持てるためモチベーションを高めることもできるでしょう。
見込み客の分類と育成
展示会に来場する企業の担当者の中には、見込み客が存在します。ただし見込み客といっても、すぐに動くことで受注に繋がる可能性の高い場合もあれば、じっくりと関係性を構築していくことで将来的にお客になる場合もあります。
そのため、見込み客の分類を行う必要があります。すぐに動いた方がいい見込み客に関しては展示会直後にアプローチをするようにしましょう。一方の将来的な見込み客については、検討する期間が長くなることが予想されるため、展示会後に改めてフォローを行いましょう。
展示会の来場者は情報収集を主な目的にしているケースが多く、案件発注の決定権を持たない人も少なくありませんが、出会いの場としては十分に活用できます。
事前・事後のWeb連動
展示会の効果を高めるには当日以外の動きも重要です。
事前の自社サイトやブログ・メールマガジンなどでの出展告知や、事後レポートのWeb掲載なども効果を高めるために有効活用できます。
来場前に、出展内容を軽くでも知っておいていただくことで、当日スムーズに商談につなげることができます。
まとめ
この記事では製造業向けのおすすめの展示会について紹介しました。展示会といっても、展示品目や対象としている業種は異なるため出展の際は展示会の詳細を確認することが大切です。
また、出展の際はただ展示をするだけでなく、動画やデモンストレーションを活用したり、技術者を常駐させたりするなどして見込み客を獲得していくようにしましょう。