「工数見積もりの精度が低い」を解決する5つのコツと見積手順を解説!

工数見積

開発現場における「工数見積もりの精度が低い」「スケジュール通りに進まず、いつも納期ギリギリに納品している」という問題。

できれば、スケジュールに余裕を持ち、焦らずに進められる精度の高い工数見積もりをしたいと考えている方も多いはずです。

「工数見積もりの精度が低い問題」は見積もりの仕方を変えるだけで解決できます。

そこで本記事では、工数見積もりの手順や見積精度を高めるコツ、注意点などを解説します。

この記事を読んでから工数見積もりを実施すれば、根拠のある精度の高い見積もりを立てられるだけでなく、社内でのあなたの評価も高くなるはずです。ぜひご一読ください。(参考:工数管理とは?管理に失敗しないための方法とおすすめツールを紹介

また、正確な工数見積もりには、計画工数と実績工数の「管理」も重要です。「工数管理」のメリットや意味をまとめた資料をご用意したので、本記事とあわせてご覧ください。

※本記事は株式会社デンソークリエイト提供によるスポンサード・コンテンツです。


プロジェクトを正常に進める精度の高い工数見積もりの特徴

工数見積もりの精度を高めるためには進捗の遅れを可視化するためのタスクの細分化、進捗状況のずれをカバーできる業務時間のバッファ、それらを営業部門とも共有し、適切な納期を設定することが重要です。

精度の高い工数見積もりの特徴は以下の通りです。

  • タスクが細分化されている
  • 定例ミーティングなどの作業外の時間を加味した工数見積もりを行っている
  • メンバーのスキルに合わせた工数を算出している

タスクが細分化されている

精度の高い工数見積もりはメンバー一人一人のタスクを30分、1時間区切りで細分化しています。

タスクの細分化を行うことでプロジェクトの遅延発生にいち早く気づき、適切な判断・対応を取ることができます。

実際にタスクを細分化した例は以下の通りです。

アプリ開発の場合

  • UIの調整:1時間
  • UXの調整:1時間
  • 戻るボタンの作成:30分
  • 表示ラベルの作成:1時間
  • 「もっと見る」ボタンの作成:30分
  • ボタンリンクの設定:1時間

上記は一例ですが、タスクごとに工数を細分化しておけば、作業の遅れにいち早く気づき、すぐにアラートを上げたり、担当者同士で補助するなど、エラーにいち早く対処できます。

ただし、いきなりタスクを細かくし過ぎると、メンバーが実際の工数を記録するのが大変になり、正確なデータが集まらずに見積もりの精度が上がらない可能性もあります。

最初は大きな粒度で工数見積もりと管理を行い、工数管理がチームに定着した段階で、徐々にタスクを細分化し精度をあげていきましょう。

定例ミーティングなどの作業外の時間を加味した工数見積もりを行っている

工数見積もりを行う際は、開発にかかる作業時間だけでなく、定例ミーティングなどの不確実な作業が発生した場合を加味してバッファを設けた工数見積もりが重要です。

工数見積もりに失敗する主な理由は開発にかかる時間だけの「理想の時間」で算出してしまうためです。

実際、開発の現場では並行タスクに対応しながら、他社とのコミュニケーションや上司、同僚からの進捗確認、ミーティングなどに対応しなければならず、勤務時間を作業だけに集中させることは不可能です。

そのため、工数見積もりの精度を高めるためには、定例ミーティングなどの作業外の時間を設けることはもちろん、開発時のバグ修正やエンジニアの病欠などを加味した上である程度のバッファを設けた工数見積もりを行う必要があります。

例えば、「この作業はバグが発生しそうだから、通常の1.5倍で工数を設定する」「一区切りついたところで社内ミーティングがあるから、時間をとっておく」など、不確実な作業が発生してもスケジュール通り進められるようバッファを設けておくと、工数見積もりの精度を高められます。

メンバーのスキルに合わせた工数を算出している

工数見積もりでエラーや遅延が発生しない精度の高い工数見積もりは、メンバーの経験年数によるスキルの熟練度や生産性に合わせた工数を算出しています。

例えば、アプリ開発の場合、比較的難易度の低い「デザイン面の設計」を新人に割り振り、「アプリの動作設計」や「データベース設計」など、難易度の高い作業はベテランに割り振り、適切な工数を算出します。

作業の全容や工数を細分化したとしても、その作業を行うメンバーのスキルや生産性は人それぞれ異なります。

極端な例ではありますが、入社1年目と5年目では同じ勤務時間内でできる作業や進捗状況は違います。

そのため、社内のメンバーのスキルや熟練度に合わせた工数見積もりを行いましょう。

ただ、初めからメンバー一人一人の工数を考えると時間がかかりすぎてしまいます。

工数見積もりに膨大な時間をかけないためにも、ある程度平均的なスキルを持ったメンバーの工数を算出しておき、そこからスキルや熟練度に合わせて調整すると、工数見積もりを効率よく進められます。


工数見積もりの精度を高める5つのコツ

工数見積もりの精度を高める5つのコツは以下の通りです。

  • プロジェクトを可視化するためのロードマップを作成する
  • 工数見積もりの作成者以外の複数人でレビューを行う
  • チームで作業の進捗状況を共有し、スケジュールの見直しを行う
  • バグは修正ではなく新規作成で工数見積もりを行う
  • 予実管理を実施して乖離率の大きい作業を洗い出す

工数見積もりの精度を高めるには上記の5つのコツを意識するだけで、大きなずれやプロジェクトに遅延が発生しにくくなります。

参考:エンジニアの「工数見積もりもりが苦手…」への対策は?効果的な取り組み5点

プロジェクトを可視化するためのロードマップを作成する

工数見積もりの精度を高めるために、プロジェクトを可視化するためのロードマップを作成しましょう。

ロードマップを作成することで重要なタスクを見極めることができ、「どこにバッファを設けるか」「リソースの比重をかけるポイントはどこか」が明確になります。

例えば、アプリ開発を行う際に「全体設計」が遅れてしまうと、後ろに控えている「システム設計」や「インターフェイス設計」などの遅延が発生しがちです。

ロードマップを作成しておけば作業間の依存関係(Aが遅れたB・Cも遅れる)を明確にできるため、精度の高い工数見積もりをしやすくなります。

工数見積もりの作成者以外の複数人でレビューを行う

工数見積もりの精度を高めるためには、作成者以外の複数人でレビューを行うことも重要です。

複数人でレビューを行うことで、「工数見積もりの抜けている箇所」や「業務に対するリスク」を判断できます。

例えば、工数のかからない業務に対して必要以上に人や時間を割り当てていたり、逆に重要な業務を軽視しているケースをいち早く察知できます。

工数見積もりのレビューを行う場合は、上司や他のメンバーにチェックしてもらいましょう。

チームで作業の進捗状況を共有し、スケジュールの見直しを行う

工数見積もりに合わせて作業した後は、チームで進捗状況を共有し、必要に合わせてスケジュールの見直しを行うことも大切です。

プロジェクトや開発が進むにつれて、当初見積もっていた工数よりもスムーズに進んだり、あるいは逆の場合もあります。

クライアントや上司から「現在の進捗状況を教えて欲しい」と求められることも多いです。

プロジェクトメンバーと進捗状況の共有し、現状の進め方について随時ミーティングなどを行えば、より効率的に進めるアイデアや工程が見つかることもあるので、定期的に進捗状況の確認のスケジュールの見直しを行いましょう。

進捗状況の共有は随時必要ですが、スケジュールの見直しは区切りをつけられる場面で行うのがおすすめです。

例えば、開発の1つのフェーズが終わる段階や、クリティカルパスとして設定している工程の開発が完了した時点などです。区切りの悪いところでスケジュール調整を行うと、かえってやるべきことを見失ったり、工数見積もりのずれが生じる可能性があるため注意が必要です。

予実管理を実施して乖離率の大きい作業を洗い出す

プロジェクトや開発の進行に合わせて予実管理を行い、乖離率の大きい作業を洗い出しましょう。

小規模プロジェクトの工数見積もりは予実が大きく乖離しても立て直しが可能ですが、大規模プロジェクトになると少しのずれがプロジェクトの全体の遅延に繋がるため、業務一つ一つの工数を正確に計測しなければなりません。

予実管理を実施して乖離率の大きい作業を洗い出しておくことで、現状の工数見積もりの見直しが可能です。

また、今後の工数見積もり時に「Aの作業は過去に想定以上の時間がかかったから、バッファを考慮して数時間長めに取ろう」「その分の時間をデザイン設計のところで数時間削ろう」など、見積時の参考サンプルとして利用できます。

予実管理をしておけば、万が一開発に遅延が発生した場合でもいち早くアラートを出し、完了予定日を伸ばしてもらうよう交渉するなどの対処ができるようになります。

ギリギリになって納期遅れが発生するよりも、早い段階でスケジュールを立て直し、クライアントに納期の調整を行った方がトラブルになりにくいです。

工数見積もりはプロジェクトが発足時に必要になるので、進行に影響する乖離率の大きい作業を把握しておくことが大切です。

エラーは修正ではなく新規作成で工数見積もりを行う

開発途中でエラーが発生した場合は、修正ではなく新規作成を行う際の工数で見積もりを行いましょう。

エラーの修正は2分で終わる場合もあれば、検証から改善まで3日以上かかる場合もあり、的確に工数を見積もることは簡単ではありません。

一方で新規作成の場合はエラーを修正するよりもかかる工数が明確(サイト制作は7時間程度で完成など)です。

新規作成の方が工数見積もりが正確なため、エラーが発生した場合は、修正ではなく新規作成を行うよう見積もりしましょう。


工数見積もりの手順

工数見積もりの手順

ここからは工数見積もりの手順を解説します。工数見積もりは「納期に間に合うようスケジュール通り進行できるようにすること」が目的なので、根拠のある見積もりが必要になります。

工数見積もりの手順は以下の通りです。

  • 作業以外の管理業務の工数見積もりを行う
  • 実作業の工数見積もりを行う
  • クライアントと工数見積もりの調整を行う
  • 実工数を入力する
  • 工数情報の分析・改善

これらの内容を詳しく解説します。

参考:工数管理ツールのおすすめ8選を徹底比較|選び方のポイントも解説

1.作業以外の管理業務の工数見積もりを行う

まずは作業以外の管理業務の工数見積もりを行いましょう。

プロジェクトや開発するモノによって異なりますが、主な管理工数として以下が挙げられます。

  • 進捗管理
  • 品質管理
  • 人材管理

例えば、進捗管理だと進捗状況を確認するための「進捗報告書」や作業状況を確認するための「WBSの作成」、「定例ミーティング」などです。

品質管理には「設計書やプログラムに対する有識者のレビュー・修正」や「バグ・不具合の修正」、「納品時の最終チェック」などが挙げられます。

ほかにも、社員が病欠した場合の人材調整やタスクの割り振りなどを行う「人材管理」が必要になります。

これらは開発をスケジュール通りに進めるための重要な見積もりになりますので、具体的に算出するようにしましょう。

参考:管理工数の見積もり方法|システムエンジニア入門 | 未経験・初心者歓迎

2.実作業の工数見積もりを行う

実作業にかかる工数見積もりも行いましょう。

実作業は式を使った根拠のある見積を行います。実作業の工数算出方法は大きく分けて4つあります。

工数見積もりの算出手法メリットデメリット
WBS法(ボトムアップ法)細かく正確な工数見積もりを算出でき、細分化がしやすい作成に時間がかかる
類推法類似するデータや情報から工数を算出するため、正確性が高い前例や類似情報がなければ工数を算出できない
係数モデル数値を元に根拠のある工数を算出できる正確なデータやサンプルがないと数値の精度が落ちる
プライスツーウィン法クライアントが設定した予算通りの工数見積もりを算出できる品質が予算に左右されてしまう

それぞれメリットデメリットがありますが、より正確に算出するには、「WBS法(ボトムアップ法)」と「プラスツーウィン法」の両方を使って工数見積もりを行うなど、組み合わせて使うことも効果的です。

以下ではそれぞれの算出方法について詳しく解説します。

WBS法(ボトムアップ法)

WBS※法(ボトムアップ法)とは、プロジェクトの全体像から各作業項目に細分化し、工数見積もりを算出する方法です。

※WBSはWork Breakdown Structureの略称です。「作業分解構成図」とも呼びます。

作業を細分化した上で見積もりを取れるため、抜け漏れのない正確な見積もりを算出できます。

ロジックツリーのように大きい仕事から小さい仕事に作業を分割することで作成します。

WBSとは
引用:TimeTracker NXで作業構造(WBS)を登録しタスクの抜け漏れを防ぐ

ここでWBSで工数見積もりを行う際に注意しておきたい3つのポイントを解説します。

①漏れなくダブりなく、タスクを分解する
②階層レベルに注意:作業は7つの要素まで、階層は5階層までにすると管理しやすい
③タスクの粒度:作業の最小単位を1日以上、2週間以下の工数に収まるようにする

参考動画:15分で分かるプロジェクト計画・作成のポイント

WBS法での工数見積もりが向いている企業は以下の通りです。

  • 根拠のある数値で工数見積もりを行いたい企業

類推法

類推法とは、過去行った同類のプロジェクトを参考にして工数見積もりを算出する方法です。

開発工程や作業が同じ場合はスムーズ、かつ正確な工数見積もりを算出することができます。

ただし、参考にするプロジェクトの工数見積もりが正確でない場合、悪い部分を継承してしまう可能性があるため、参考にする事例が重要になる計算方法です。

類推法は過去に同類の開発案件を行っていない場合は参照するデータがないため、類推法で算出することはできません。その点には注意が必要です。

類推法での工数見積もりが向いている企業は以下の通りです。

  • 開発実績の多い企業
  • 過去に新規プロジェクトと同類の事例がある企業
  • 小規模・中規模・大規模プロジェクトを担当している企業

小規模、中規模、大規模プロジェクトの定義は小規模が30人未満、中規模が30人〜100人未満、大規模が100人以上のプロジェクトを指しています。

参考:アジャイル型開発におけるプラクティス活用事例調査 調査報告書

係数モデル

係数モデルとは、特定の数式を用いて工数見積もりを算出する方法です。

過去のデータを元に作業にかかる時間を算出し、全体の工数を見積もりします。

例えば、「ケーキを100個作る」という工数を見積もりする場合で考えてみます。

過去にケーキを5個5時間で作成したデータやサンプルがあった場合、ケーキを1個作成するのにかかる時間が1時間程度必要であることがわかります。

そうすると以下の計算式でおおよそのケーキの作成時間を把握できます。

ケーキ作成の所要時間=1時間×ケーキの個数

上記の計算式を使えば、ケーキを100個作るのに必要な工数は100時間かかることがわかります。

係数モデルは過去のデータやサンプルを使って工数見積もりを算出するため、数値による根拠のある見積もりが可能です。

ただし、類推法同様に過去のデータやサンプルがなければ工数見積もりを算出することができません。

係数モデルでの工数見積もりが向いている企業は以下の通りです。

  • 開発実績の多い企業
  • 過去に類似するデータやサンプルがある企業
  • 根拠のある数値で工数見積もりを行いたい企業
  • 小規模・中規模・大規模プロジェクトを担当している企業

プライスツーウィン法

プライスツーウィン法はクライアントの予算に合わせて見積を算出する方法です。

クライアントの提示している予算に合わせてプロジェクトの工数を見積もりするため、予算に合わせた開発が可能です。

ただし、予算によって開発する機能やシステムの品質が低下してしまう可能性があります。

予算を意識することは大切ですが、根拠のない数値はメンバーの残業時間増加や休日出勤の可能性など、勤務体系に悪影響を及ぼします。

また、低品質なシステム提供によるクライアントの満足度低下につながる可能性がありますので、プライスツーウィン法を利用する際はその点に注意が必要です。

プライスツーウィン法での工数見積もりが向いている企業は以下の通りです。

  • 予算に合わせた開発を行いたい

参考:工数見積もり -実践!見積もり手法編- 研修コースに参加してみた | SEプラス 研修 Topics

3.クライアントと工数見積もりの調整を行う

概算の工数見積もりを算出したら、クライアントに工数見積もりを提出し、最終調整を行います。

無理なくプロジェクトを進めるためには、実作業の工数だけでなく、管理工数もしっかりとれるよう交渉を行いましょう。

特にクライアントは実作業の工数だけを意識しがちで、「管理工数は減らして欲しい」などの要望がしばしば見られます。

しかし、管理工数を削減するとイレギュラーが起こりやすくなるため、メンバーに負担がかかるだけでなく、コスト超過による予算オーバーに陥る可能性があります。

クライアントに「予算超過の防止のためにも十分な管理工数が必要」ということを伝えておくと、交渉しやすいです。

4.実工数を入力する

プロジェクト開始後は実工数を入力し、予実管理を行いましょう。

実工数を入力することで、プロジェクトの進捗状況を把握しやすくなります。

ただ工数入力は時間がかかるので、メンバーが積極的に入力してくれないこともあるでしょう。そんな時は工数管理ツールを活用することで工数入力の負荷を減らすことができます。

参考:工数管理ツールのおすすめ8選を徹底比較|選び方のポイントも解説

5.工数情報の分析・改善

工数見積もりの入力やプロジェクトが完了したら、全体の工数情報を分析し、改善することも大切です。

例えば、予定よりも実際の工数が超過してしまった箇所や、メンバーごとの進捗具合の差を確認します。

このように工数情報を分析し、改善箇所を見つけておくことで次回の工数見積もりのデータやサンプルとして、今後の工数見積もりに役立つはずです。

参考:CAPDoで改善サイクルを回す| コンセプト | 工数管理・プロジェクト管理ツール【TimeTracker NX】


工数見積もりを失敗させる3つの注意点

工数見積もりの失敗につながってしまう3つの注意点は以下の通りです。

  • 「経験」「勘」の要素は極力排除する
  • クライアントへのヒアリングが足りない
  • 工数見積もりの技術が備わっていない

見積通りにプロジェクトを進行させるのは簡単ではありません。ほとんどの場合、見積もりの通りには進まないものです。

ここからは特に工数見積もりの精度を低くし、失敗の可能性を高める3つの注意点について解説します。

「経験」「勘」で工数見積もりを行う

「経験」や「勘」に頼った工数見積もりでは精度の高い見積を保証することはできず、担当者の熟練度に依存してしまいます。

工数見積もりを何度も経験しているベテランのプロダクトマネージャーであれば経験や勘の精度が高くなるため、必ずしも工数見積もりの精度が低いとは言い切れません。

ほとんどの場合は「スケジュール通りにプロジェクトが進まない」や「Aの作業が想定よりも時間がかかりプロジェクト全体に遅延が発生した」など取り返しのつかない問題が発生します。
「経験」や「勘」で工数見積もりをするよりも工数見積もり方法を利用した根拠のある見積の方が工数を見誤ることもなく安全です。

同じようなプロジェクトでもクライアントの要望によって似て非なるものがあるため、経験や勘だけで進めるのではなく、「実作業の工数見積もりもりを行う」で解説した4つの工数見積もり方法を活用して根拠のある工数見積もりを行いましょう。

クライアントへのヒアリングが足りない

クライアントから必要な情報をヒアリングせずに工数見積もりを立ててしまうと、後々プロジェクトの進行に悪影響を及ぼすケースもあります。

顧客との打ち合わせが始まると「ここはAよりBがいい」など、すでに開発が進んでいる箇所への指摘が入ることもあり、開発をやり直さなければならない場合があります。

顧客も依頼段階では明確なイメージを持っていないことが多く、依頼を受ける前にヒアリングをしてイメージを固めてもらうことが重要です。

依頼とは異なる要望が出されるとプロジェクトに変更が加わり、当初の工数見積もりを上回ってしまいます。

ですので、工数見積もりに取り組む前段階から「最初の打ち合わせで開発イメージを固めておかなければ、変更があった際に開発が遅れる」ということをあらかじめ伝え、「顧客の開発のイメージを過去事例などを出して明確にする」など、顧客の作りたいものをヒアリングし、明確にしておく必要があります。

工数見積もりの技術が備わっていない

工数見積もりが失敗に陥る要因として、そもそもの見積技術が備わっていない可能性があります。

工数見積もりは人によって期間や金額が大きく異なります。経験や勘で作成している方や数式を使って求める方、過去のデータやサンプルを活用する方などさまざまです。

工数見積もりの技術に関するマニュアルを作成したり、上長や社内のメンバーで工数見積もりをチェックするワークフローを構築することも必要です。


まとめ

この記事では、優れた工数見積もりの条件や工数見積もりのコツ、注意点について解説しました。

工数見積もりの精度を高めるための特に重要なポイントをまとめると以下の通りです。

  • 作業のバグや修正が発生しても対応できるバッファを設ける
  • タスクを細分化する
  • プロジェクトを可視化するためのロードマップを作成する
  • チームで作業の進捗状況を共有し、スケジュールの見直しを行う
  • 予実管理を実施して乖離率の大きい作業を洗い出す

工数見積もりはプロジェクトが進むと同時にエラーやスケジュールの見直しが必要になります。

また、初めて工数見積もりにチャレンジする方は、かならず社内のメンバーや上長に共有し、フィードバックをもらい改善しましょう。

そうすることで、納期通りに進められる工数見積もりができるはずです。

※本記事は株式会社デンソークリエイト提供によるスポンサード・コンテンツです。