新規顧客獲得のコストのかけ方と継続して顧客を得るための3ステップまとめ

新規顧客獲得はビジネスにおいてとても重要です。しかし、新規の顧客獲得や、獲得後のアプローチは担当者にとって精神的にも肉体的にも負担がかかりやすく、多くの企業が苦戦する部分でもあります。

新規顧客獲得を目指し、計画する上で理解しておきたい重要なポイントが“1件の新規のお客様の獲得にかかるコスト”。

そこで今回は、新規顧客を獲得するために重要なコストの考え方と、実際の施策方法をまとめました。

※本記事は株式会社シャノン提供によるスポンサード・コンテンツです。


新規顧客獲得にはコストがかかると念頭に置く

「1:5の法則」をご存知でしょうか?これは「新規顧客の獲得には、既存顧客へ販売の5倍のコストがかかる」という意味です。

企業や商品・商材への接点がある既存顧客は、販促活動を再度おこなえば、リピート購入をしていただける場合もあります。一方で新規顧客は、出会うまでに工数がかかるため販売コストは高くなり、利益率は低くなりがちです。

目の前のコストだけを考えると、コストがかからない既存顧客へのアプローチに手をかけたくなってしまうでしょう。しかし多くの場合で既存顧客の数は時間とともに減っていくので、未来の利益をもたらす新規顧客も重要です。

コストがかかる新規顧客の獲得。では新規の顧客獲得にかける費用はどう計算したら良いのでしょうか? 考え方は大きく2つのステップに分かれます。

①1回の販売での顧客獲得単価の計算 ②リピート率を考慮したときの顧客獲得単価の計算

①1回の販売での顧客獲得単価の計算

新規顧客獲得1例えば1つの商品を販売するとき、
・売り上げ:10000円
・原価や販売にかかる費用:5000円
・残しておきたい利益:3000円
とすると、 10000円-(5000円+3000円)=20000円で、プロモーション費用に2000円までかけられることが分かります。

広告費と購入者数が分かっている場合

顧客獲得単価は以下のように計算します。
顧客獲得単価=コスト(広告費)÷購入者数

広告費20,000円をかけ、購入が10件だった場合 顧客獲得単価(広告費÷購入者数)
20,000円÷10件=2,000円 原価や販売にかかる費用+残しておきたい利益+獲得単価の2000円=売り上げ であれば問題ありませんが、例えば獲得単価が3000円になり、売り上げがマイナスになってしまうことがあってはいけません。

「1:5の法則」のように、新規顧客獲得には費用がかかるため、最初のうちは利益率が低く出ます。しかし一般的には過去に商品・商材を購入した顧客をリピーターへと昇華させるのは新規顧客獲得よりも低コストと言われています。

いかに新規顧客を獲得し、その顧客に対して再度購入を促していくかという点が重要です。

②リピート率を考慮したときの顧客獲得単価の計算

1年間に1人平均3回購入する場合

新規顧客獲得2
・商品金額:1商品あたりの使えるプロモーション費用は2,000円
・1年間で1人の顧客が商品を3回購入=1年間に使えるプロモーション費用は2,000円×3回=6000円 1回の購入分だけで考えるとかけられるコストは2,000円までです。

しかし1年間でコストを回収すると考えると6,000円までコストをかけられる見通しが立ちました。中長期的に利益を見通して計画を立てることで、よりダイナミックな顧客アプローチができ、競合相手に打ち勝ち、購買のサイクルを早くまわせます。

細かく顧客獲得に関係する数値を記録していくと、精度の高い顧客獲得単価が出るので、予算に対してどれくらいの顧客獲得が見込めるのか計算できます。

番外編:顧客獲得の見込数の計算

広告予算÷顧客獲得単価=顧客獲得の見込み数


・広告予算:100,000円
・顧客獲得単価:2,000円
・顧客獲得の見込み数 100,000円÷2,000円=50件

営業活動を継続していくと、顧客獲得単価をさらに低くすることが求められるので、Webサイトへの流入数を増やす・問い合わせ数を増やす・問い合わせから購入に至る顧客の割合を増やすといった施策を検討しましょう。そして既存顧客のリピート購入を促す・購入頻度を上げるといった施策によって、売上を伸ばせます。


具体的な新規顧客獲得方法とは?

次は未来の顧客に対してどのようにアプローチし、獲得へと結び付けていくかという点についてご紹介します。ステップは3つです。

①リードの種を生み出す(リードジェネレーション):見込み顧客にアプローチし、顧客情報を集める
②顧客を育てる(リードナーチャリング):集めた見込み顧客との関係を強化して購買意欲を高める
③クロージング:意欲の高まった顧客情報を営業担当に引き継ぐ

①リードの種を生み出す(リードジェネレーション)

まずは商品・商材を売り込みたい見込顧客(リード)にアプローチして、顧客情報の収集からスタートしましょう。顧客の氏名・社名・部署・連絡先のメールアドレス・電話番号・住所といった情報を集めます。

リードジェネレーションの手段を選ぶポイント

リードジェネレーションの手段を選ぶときは、リード獲得の手段で訴求する人の中に自社の見込顧客がいるかどうかを確認しましょう。

広い範囲で多くの顧客を獲得したいと思うと、大きなメディアの広告をイメージするかもしれません。しかし広告を目にする人の中にターゲットがいなければリード獲得へはつながりません。リードジェネレーションの手段は、見込顧客へ確実にアプローチできる方法を選びましょう。

リードジェネレーションの手段

・SEO
インターネットで商品・商材名や関連ワードを検索した際に、見込顧客を逃さずに自社のWebサイトへと誘導するためにはSEO対策は欠かせません。検索キーワード対策をして、ユーザーにとって有益な情報を掲載することにより、検索エンジンから価値あるサイトとみなされることで上位表示されます。

Webサイト内を閲覧し、問い合わせや資料請求へとつなげ、リードを獲得できます。

【SEO施策をすべきユーザー例】
・Webサイトを制作したばかり
・Webサイトの流入者数が思うように伸びない
・競合に比べてWebサイトでの売り上げが低い
・商品名の認知度が低いので、カテゴリー名を検索するユーザーをWebサイトに訪問させたい

・広告
商品・商材を見込顧客へ能動的にアピールするのが広告です。出稿先もさまざまで、テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマス4媒体やセールスプロモーション(DM・折り込み広告・屋外広告・交通広告・POPなど)といった従来の広告に加え、近年ではインターネット広告が盛んになってきました。

インターネット広告にはリスティング・バナー・アフィリエイト・ソーシャルメディア広告などの種類があります。デバイスをPC・スマートフォン・タブレットと出し分けられたり、ユーザーの属性を絞って広告を出したりもできます。

【広告施策をすべきユーザー例】
・広告予算があり、スーパーやコンビニなどの店頭に並ぶ商品→マス広告
・ビジネスマン向け商品→新聞、経済関連雑誌
・ジムや塾のような実店舗へ誘導したい施設→店舗近隣へのDM
・チラシ配布 ・都市部で働く女性向けの商品→交通広告
・Webコンテンツにユーザーを集客したい→リスティング
・バナー・ソーシャルメディア広告

・展示会
あるテーマに関連する企業が集まる展示会では、訪問者がそのテーマに興味・関心を持っているためアプローチしやすくなります。その場の名刺交換で顧客情報の獲得や、直接会話ができる貴重な機会ですので、売り込みをしやすい点もメリットです。

【展示会をすべきユーザー例】
・商品のジャンルや売り込みたい顧客が明確である
・他社に負けない独自の訴求ポイントがある

・テレアポ
法人・個人に向けて商品・商材を売り込むために直接電話をかける手法です。人と人との会話になりますので、一度商談に持ち込めれば獲得への可能性は高まります。

【テレアポをすべきユーザー例】
・商品に興味を持っていそうな顧客リストを持っている

これらの施策の他に、地味ですが手堅い方法が「紹介」です。既存顧客からの紹介や、社内・社外の人脈を活かした営業活動は、少なからず接点がある分、リード獲得、さらには成約へと結びつくケースが多くあるものです。

顧客情報は一元管理が鉄則

顧客情報を獲得できたら、連絡先等の情報は必ず一括で管理するようにしましょう。1件1件が将来の顧客になりうる大切な情報です。複数名で、さまざまな手段を用いて営業活動をすると情報が散在しがちです。一元管理して、次のステップへ進める際に役立てましょう。

②顧客を育てる(リードナーチャリング)

このステップでは、新しく接点を持った顧客に有益な情報を届け、より強い結びつきの関係の構築が目標です。この段階では見込顧客の商品・商材への興味は浅いため、一方的な押し売りをしてはいけません。 営業ではなく、見込顧客が欲しがっているであろう情報を提供し、より深い関係を築いていきます。

段階的にアプローチし、徐々に顧客の購入意欲を高めていくイメージを持ちましょう。以下のような方法でコミュニケーションを図ることができます。

定期訪問

一度コンタクトをとった顧客とは定期的に顔を合わせるようにしましょう。会話を重ねることで、顧客の悩みや今後の動向についての情報を得られ、こちらからもより有益な情報を届けられるようになります。

【定期訪問をすべきユーザー例】
・社内での決定権を持っている顧客がいる
・顧客が対面での会話を歓迎する高年層

メールマーケティング

見込顧客に向けて、多くの企業がメールで情報を発信していると思いますが、ただ一方的に売り込みのメールを送っているということはありませんか?まだ購入に気持ちが至っていない顧客へは営業色の強いメールを送ったところで響きません。顧客にとって有益な情報を届けるメールだと、受け取り手も読んでみようという気持ちになります。

そのためにはまず顧客を分類し、ターゲットに合った情報を提供します。その中で、自社サイトへの誘導や問い合わせ・資料請求フォームへのリンクを設けて、顧客を呼び込むようにしましょう。 実際にリンクをクリックした顧客に対しては、どのような情報に興味を持ったのかを汲み取り、よりマッチした情報を届けられるようになります。

【メールマーケティングをすべきユーザー例】
・商品に関連していて、かつ顧客が興味を持っている情報を配信できる
・定期的に新商品が出て、新しい情報を顧客に届けられる
・季節やイベントに絡められる商品を扱っている

ソーシャルメディア

Twitter、LINE、Facebook等のソーシャルメディアを利用し、顧客に直接メッセージを届けられます。企業が個とつながれる有効な手段であり、硬すぎる表現より、親しみを感じられる表現が好まれることもあります。

【ソーシャルメディア施策をすべきユーザー例】
・ターゲット層が若い
・定期的に情報を発信できるリソースがある
・顧客が商品と接触する機会が多い

・スコアリング

顧客の購入意欲がどれほどなのか、その熱さを数値化して確認していきましょう。
例えば、資料請求をした・問い合わせがあった・会話の中で商品に強く興味を示しているようだったという行動は、顧客の購入意欲が高まっているサインです。

そのようなサインをポイント付けして数値化し、目に見える形で管理します。意欲が高まっている顧客に対してはさらなるフォローで購入へと近づけられます。

【スコアリングをすべきユーザー例】
・顧客リストを管理しているすべてのユーザー

③クロージング

顧客の購入意欲を十分に高めたところで営業担当者へ引き継ぎます。これまで集めてきた顧客の課題や思考の傾向といった情報を丁寧に伝えましょう。

この3ステップを踏み、新規顧客を獲得できることに加えて、社内の人間関係も良好になります。というのも、営業担当者からは、「マーケティング担当から渡される顧客リストは購入に結びつかない…。」という不満をよく聞くためです。

丁寧に顧客の情報を伝えることで、営業担当者の負担を減らせるので、スタッフ間の関係も良好になり、優れた組織への成長につながっていくでしょう。


新規顧客獲得施策をする前に!押さえておくべき注意点

見込顧客数だけを重視しない

いくら見込顧客数が多くても、購入に結び付かなければ意味がありません。どれくらいの購入意欲があるのか、その熱さがポイントになります。

施策をする前には見込み顧客数だけではなく、どれぐらいの購買意欲があるのか、という点も注目してみてください。

スコアリングが重要

数多くのリードの中から購入へとつながりそうな顧客を抽出して、次のステップへとつなげていきます。定期的に見込顧客のリストをアップデートしていくようにしましょう。

一方的な売り込みはNG

顧客を目の前にするとつい営業をかけたくなりますが、一方的な売り込みはいけません。相手は今どのような課題を抱えていて、その課題に対してこの商品・商材がどのように役立つのかを考え、メリットを伝えていけば自然と成約につながります。顧客を十分に理解した上で、タイミングを見ての営業がポイントです。

目先の数字に惑わされない

新規顧客はすぐには成果が出ません。そこであきらめるのではなく、相手との関係を維持しつづけることが大切です。コミュニケーションを図り、徐々に顧客の購入意欲を育てていくようにしましょう。ここまでは利益がでなくてもよしとする期間やコストの金額といったラインを引いておくのも手です。


まとめ

新規顧客獲得をするときは、目の前の数字にとらわれていてはいけません。始めは思うような結果が出なくても、有効な関係が築ければ長期的には大きなビジネスの成果へと結びつきます。 先を見越してコストをかけ、細やかなアプローチで購入意欲を高めていきましょう。

※本記事は株式会社シャノン提供によるスポンサード・コンテンツです。

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