BtoCの企業だけでなく、BtoBにおいてもマーケティングへの取り組みが広がる中、今注目を集めるのがマーケティングオートメーションです。
しかし、すべての企業がマーケティングオートメーションを導入すればすぐに効果を実感できるというものではありません。
導入検討に際しては、マーケティングオートメーションとはなにか、また何ができるかを理解した上で、自社でどのように活用できるか、イメージを持つ必要があります。
今回は、そのためのヒントとして「マーケティングオートメーションとは何か」また「何を自動化するのか」さらに、マーケティング成熟段階にあわせたマーケティングオートメーションの導入イメージについてお伝えしたいと思います。
目次
※本記事は株式会社シャノン提供によるスポンサード・コンテンツです
1. マーケティングオートメーションとは何か、
何を自動化するのか?
マーケティングオートメーションとは「リードを最適なタイミングで抽出し、次のアクションを実施する仕組み」のことです。概念自体はそれほど新しいものではなく、リードマネジメントやリードナーチャリングなどの取り組みをマーケティング的にまとめたものです。
では、マーケティングオートメーションで何ができるのでしょうか。
大まかな流れを説明すると、
・シナリオに基づいたマーケティングキャンペーンが実施管理できる
・キャンペーンを行った結果、リードと、リードに紐づいた行動データが自動で蓄積される
・蓄積された行動履歴によってターゲティングが実施でき、次のアクションに誘導できる
・シナリオ実行の結果が把握でき、シナリオや施策の調整に役立てることができる
・複数のKPIが取得でき、数値に基づいたPDCAサイクルが構築できる
となります。
これらのことから、結果としてマーケティング活動全体の最適化、ROI向上が実現できると期待されています。
では次に、リードを最適なタイミングで抽出し、次のアクションを実施するために、マーケティングオートメーションは何を自動化するのか、詳しく見ていきましょう。
その点を確認することで、マーケティングオートメーションで何ができるのか、よりイメージしやすいと思います。
参考:マーケティングオートメーション15種比較!利用のメリットと失敗しない選び方とは?
(1)マーケティングオペレーションの効率化・自動化
マーケティングオートメーションの自動化といえば、多くの方がこの点をイメージされると思います。
しかし、ここで言う「マーケティングオペレーション」とは、ただ単にメールの自動配信や、WEBからの各種申込への対応が自動化により効率化される、といった単純なものを指しているわけではありません。
マーケティングオートメーションが自動化するのは、シナリオ実行のオペレーションです。
ある特定のターゲットを自動で抽出してメールにより次のアクションへ誘導し、行動の結果によって、さらに次のアクションに誘導するといったシナリオの実行を、様々な機能で自動化・効率化します。
このシナリオを実行することで、リードの関心分野や関心度に応じたカスタマージャーニーを実現することが可能になります。
BtoBにおいても、オンライン施策への取り組みが加速する一方で、依然としてイベントや展示会、セミナーなどのオフライン施策も影響力が強いため、カスタマージャーニーが多様化しているようです。
BtoBにおけるカスタマージャーニー例
上記のようなシナリオを実行するターゲットを最適なタイミングで抽出するためには、実はマーケティングオペレーションの自動化だけでは不足しています。
では他に何が必要なのでしょうか。
(2)行動データ取得の自動化
リードの「最適なタイミング」を知るためには、オンライン、オフライン問わずリードとのすべての接点のデータを取得する必要があります。
取得したそれらリードの行動履歴データや属性情報によって、リードの興味関心度や関心分野について仮説を立てます。仮説を立ててターゲティングし、次のアクションに誘導することで、育成施策の精度を向上することが狙いです。
マーケティングオートメーションで取得したカスタマージャーニーのタッチポイントデータは、自動で個人情報と紐づけて管理されます。さらに、この統合データをCRM/SFAとシームレスに連携することで、どのようなジャーニーを経たリードが商談化したのかを見える化できますが、この「見える化」には、どのような意味があるでしょうか。
たとえば・・・
・商談につながった企業の属性やカスタマージャーニーを把握することで、
自社にとって「よいリード」の条件がわかる
・見える化されたデータの分析によって、各キャンペーンの影響度を測ることができる
自社にとっての「よいリード」の条件や、商談化に至るまでの各キャンペーンの影響度を把握することで、より商談化率が高まるようにシナリオや施策を調整でき、その結果、マーケティング施策の全体最適につながっていきます。
これまでは、各施策を実施した直後に獲得したリードがどのぐらい商談につながったか、という部分最適で意思決定をしていた状況が、マーケティングオートメーションによって解消されていくと言えます。
(3)データ管理の自動化
もうひとつ忘れてはならないのが、複雑化する履歴データを自動統合・名寄せ(マージ)することです。
カスタマージャーニーが多様化することで履歴データは複雑化の一途をたどりますが、このデータがリードの属性情報に紐づいて正確に名寄せされていない場合、リードの行動が正確に把握できなくなります。リードの関心度合や分野の仮説をさらに確かなものにするためにも、自動名寄せは欠かせないポイントになります。
上記の自動化を機能におとしこんだものが、マーケティングオートメーションツールということになります。
マーケティングオートメーションに含まれる一般的な機能群は以下の通りです。
マーケティングオートメーションついてのさらに詳しい情報については、こちらをご確認ください。
「誰に」「いつ」「どんな」の最適解を導き出す、シャノンのマーケティングオートメーション
一方、国内BtoBマーケティング市場では、マーケティングオートメーションを受け入れる素地が整っているのでしょうか。
毎年実施されている、国内BtoBマーケティング調査から課題を見てみましょう。
■課題
株式会社シャノン|2014年度「国内BtoBマーケティングの現状と課題」レポート より
リソースや成果などに関する課題が上位を占める中、様々な施策のベースや誘導先となるコンテンツについての課題も上位にあがっていることから、ある程度作業の効率化やリード管理・育成の環境整備が進んだ企業が増え始めた可能性があります。
もし今後、課題解決に向けてコンテンツに投資していく場合は、有効活用するためにシナリオにコンテンツへの誘導を組み込み、その結果どの程度商談化に貢献したのかを評価していく必要があります。
そのためには、やはりマーケティングオートメーションの活用が避けられないでしょう。
また、依然として大きな課題である成果の見える化・向上、リソースの確保などの課題についても、マーケティングオートメーション活用が解決の糸口になっていくのではないでしょうか。
上記の国内BtoBマーケティングについての調査結果の最新版は、以下よりダウンロードいただけます。
2. マーケティング成熟度に見る
マーケティングオートメーション導入イメージ
マーケティングオートメーションについて確認したところで、次に自社のマーケティング体制や成熟段階を確認して、マーケティングオートメーションが自社にどのようにマッチするのかをイメージしていきましょう。
たとえば、現状の業務フローは自動化できるレベルになっているのか、リードの関心度や関心分野を判断するためのデータは揃っているのか、もし足りないのなら何から着手すべきかなど、自社の正確な状況を知ることが重要なヒントになります。
まず体制についてですが、一概には言えませんがやはり営業部門とマーケティング部門が独立した体制にあるほうが導入はしやすいと言えます。
マーケティング部門がリードを獲得・育成し、営業がフォローするというミッションや業務フローがある程度確立されていれば、マーケティングオートメーション活用の道筋は作りやすいでしょう。
では、マーケティング成熟段階における導入イメージを見ていきましょう。
スタートアップ
製品がリリースされ、販売を開始する時期をさします。大企業であっても、まったく新たな市場に乗り出すため新規にリードを蓄積する場合は「スタートアップ」と位置付けます。
この時期は、まず手元のリードを確保することからはじまりますので、この段階からマーケティングオートメーションツールの導入を検討する場合は、社内に散在しているメール配信やセミナー参加者などのリスト、これまで営業が交換した名刺などをツールに集約することをイメージしてみましょう。
また、ツールを活用し、オンライン・オフライン問わずいろいろ施策を試し、データを蓄積して分析に備えることが重要です。
ツールによってはスモールスタートが可能なものもあるので、継続的にマーケティングに取り組むということであれば、この時期から導入を検討してみてはいかがでしょうか。
成長期
リードが増えてきて、少しずつターゲット層が明確になり始める時期をさします。
イベントや展示会、Web広告などさまざまな施策を繰り返し、業務が煩雑になってくるのが特徴です。
この段階からマーケティングオートメーションツールを導入する場合は、まず煩雑になった業務フローを見直し、様々な機能を活用して自動化・効率化していくことをイメージしてください。
たとえば、イベントや展示会後のフォロー施策、Webからのインバウンドリードへのフォローなど、対応に漏れがないかも確認しましょう。
業務が効率化されて半年程度たつと行動履歴データがある程度蓄積されますので、それらを活用していよいよシナリオを設計、実行していくフェーズに入ります。
また、成熟期を見据え、成果の見える化を目的にSFA/CRMとの連携も視野に入れておくとよいでしょう。
参考:顧客管理に役立つCRMツールとは?代表的な11種類の機能を比較
成熟期
リードがある程度絞れる時期になり、何段階もの業務プロセスができあがってきた時期をさします。
この時期は、より成約率の高い商談につながるリードマネジメントが求められます。
この段階の企業については、既に何かしらのツールを活用されていることと思います。
改めてマーケティングオートメーションを活用される際には、いま実施している何段階もの業務プロセスを自動化し、履歴を蓄積しましょう。
また、成果の見える化を目的にSFA/CRMとの連携も早々に進めることをおすすめします。
成長期同様、行動履歴が蓄積されてきた段階で、プロセスの効果の確認や調整を行いましょう。
さらに継続的な活用による全体最適化を目指し、KPIを設計してPDCAサイクルを構築していくことが必要になります。
各成熟度の詳細については以下の記事でもご紹介していますので、ご覧ください。
リードマネジメントとは|マーケティング成熟度による課題整理と解決方法
3. まとめ
いかがでしたでしょうか。
ぜひこのタイミングでマーケティングオートメーションについての理解を深め、自社における活用イメージを持っていただき、年間計画などに活かしていただければと思います。
また、成熟期のところで少しお伝えした通り、マーケティングオートメーションツールは導入して、活用できる体制ができ、継続して成果をあげていくことがゴールであり、そのためには定期的なプロセス改善が重要になります。
定期的なプロセス改善の実施には、自社にとっての「よいリード」の条件をチューニングする、あるいは全体を最適化していくためにキャンペーンを評価するなど、様々な場面でKPIが必要となります。
KPIの設定については、また別の機会にお伝えできればと思います。また、以下資料にて概要をご確認いただけます。
マーケティングオートメーション時代に必要な15のKPI~マーケティングROIの継続的な向上に向けて~
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