ネットは地方の企業ととても相性がいいです。なぜかというと、地方の企業がネットを活用することでものやサービスをより多くの遠い人までとどけられるようになったからです。
ネットが普及する前は、地方でものを売ったりサービスを提供している場合、その地域の人にしか商材を知ってもらえる機会がありませんでした。
しかしネットを活用できるようになってから、東京にいる多くの人やまたは海外の人にまで売れる時代になりました。東京にいても長崎の離島の人にものが売れるし、逆もまた然りです。
しかし、具体的にどうやってネットを活用していけばいいのか分からないという方もいらっしゃると思うので、今回は地方でネットを活用してマーケティングに成功している企業やネットの活用事例を解説します。
地方の企業とネットは相性がいい?
ご存知のように地方の企業は、ネットを活用して遠くまで商品を届けられる時代になりました。しかし、それだけ便利になっても、ネットの活用度には地域によって差があります。
その理由としては、
・地方だと都心に比べて、ネットを活用したサービスを提供している企業が少ない
・サービスを提供している企業が少ないので、情報を届けてくれる人も少なく、ノウハウや成功事例に触れる機会もない
ということが考えられると思います。
なので、今回はネットを活用している企業の成功事例を紹介します。次の章から見ていきましょう。
ネットの活用でマーケティングに成功している6つの地方企業
1.【北海道】染製品の製造販売:ネット広告導入2年で売り上げが倍増に
引用:創業明治四十年 株式会社 水野染工場
染製品のオーダー品を製造販売している企業は、リスティング広告を出稿してから2年間で売上が倍増しました。始めた当初は数万円からという少額でのチャレンジでしたが、効果が出たので予算を4倍に。
以前はメールばかりだった問い合わせも、リスティング広告を始めてから電話での問い合わせが急増しました。今後はスマートフォン対応に力を入れて、学生などにも売り出していけるようにするそうです。
参考:伝統の「印染」をインターネットでオーダーメイド 個人中心の新規顧客への周知を|Yahoo!マーケティングソリューション
リスティング広告を始めてみたい方
リスティング広告を始めてみたい方は以下のリンクをご確認ください。リスティング広告の始め方を詳細に解説しています。
参考:初めてでも顧客獲得単価を半分に抑えて、売上を倍増させた方法
2.【宮城】商社:ネット広告で売り上げが3倍に
引用: 株式会社 ラプラス
機械工具を扱う企業が「Yahoo! ショッピング」に出店、広告を出稿後、急速に売り上げを伸ばしました。もともとプロ向けに高品質な工具を販売している企業でしたが、ネットでの販売を始めたところ個人のお客さんからも注文が増えたそうです。
既存のショッピングモールに出店するのは、自社でECサイトを立ち上げるよりも参入のハードルが高くないと考えられます。こちらもBtoBの企業は販路を拡大した事例です。
参考:検索連動型広告活用のヒントを探る–地方企業・ショップの成功事例から|Web担当者フォーラム
既存のショッピングモールに出店する方法
自社でサイトを立ち上げるよりも、既存のショッピングモールに出店するほうがハードルは下がります。既存のショッピングモールに出店する方法は以下のリンクからご確認ください。
参考:ネットショップを開業してみよう!|Yahoo! JAPAN
3.【大阪】運送業者:2.7億円の売上がWEB構築から2年で5億円に
引用:協和運送株式会社
業界の下請け構造で行先を不安に思い、新しい集客手段としてサイト構築を始めた運送業者です。問い合わせ数はゼロから月49件に増え、売上は2年間で2.7億円から5億円に伸びました。Web上では悩みを聞かせてほしいというスタンスで問い合わせを増やし、顧客に合わせた対応でリピート率を高めて売り上げに繋げています。
4.【福岡】飲食店:ネットショップで自慢の商品が月商1,000万超え
引用:株式会社Skyward
福岡の郊外にある飲食店が、業績が振るわないときにネットショップの開設を検討し始めました。ただネットに出店しているだけではダメだと思い、自慢のもつ鍋で「お試しセット」を制作。
スープの種類は6種類以上あり、リピートに繋げることにも成功。今後は海外での販売にもチャレンジしていきたいそうです。
参考:サポートを活用することで、自慢の商品が月商1,000万超え|楽天市場
5.【静岡】袋井市:ECサイト構築で1取引あたりの売上高が2.8倍に
引用:ふくろいeねっと
静岡県の袋井市がECサイトを構築し地域特産品の販路拡大を担っています。特産品のメロンは以前、農家が出荷する際の販売単価が低く、何とか販売単価を上げられないかと考えてECサイトの構築を始めました。
このECサイトで、生産者や農薬の使用状況について消費者が確認できるようにしたところ、1取引あたりの売上単価が上がり、約2.8倍になりました。
参考:地域情報化の推進|総務省
ネットショップの始め方
ネットショップに興味がある方は以下の記事を読んでみてください。
参考:ネットショップ|運営が上手な事例5選から学ぶ成功ポイント9個
成功している企業に特徴はある?
上記のような地方でマーケティングに成功している企業には以下のような特徴があると考えられます。
サービスや商品に独自性がある
競合に比べて、サービス内容に柔軟性があったり、商品そのものが他社ではあまり製造されていなかったりと、独自性のある企業が多いです。
ただネットを活用するのではなく、ネットに向いている施策を考え柔軟に対応している
福岡県の飲食店のようにただネットに商品を出すだけではなくお試しセットを販売するなど、ネットにどんな商品が向いているのか考え実行していくということも重要だと考えられます。
ネットで果たすべき目標が明確
ネットでどんな目的を果たしたいのかが明確な企業が多いです。ただなんとなくネットもやっておこうというのではなく、下請けを脱出するためにネットからの問い合わせをふやしたいなどと、ネットを活用してどんな目的を果たしたいのか明確です。
上記の3点はどのような業界の方にもあてはまると思うので、これからネットを活用してみたいと思う方はぜひ意識してみてください。
番外編:こんな使い方もあった!地方のネット活用方法2選
【和歌山】農業にもITが活躍!みかん果樹園で⾼糖度のみかんが25%から45%に増加
最近では農業でもITを活用した取り組みが広まっています。和歌山県のみかん果樹園では、作業履歴の記録をおこなうシステムを使い、生産者全員で共有したところ、適切な時期に施肥・かん⽔を実施できたり、環境要因の分析ができたりしたことによって、⾼糖度のみかんが25%から45%に増加しました。
また、技術の習得に必要な時間を短縮できたことで、いままで10年かかって一人前のみかん農家になっていたのが、3年に短縮できました。
【佐賀県】タブレット導入で働き方を変革!
全国で初めて在宅勤務制度を導入した佐賀県庁でしたが、仕事はオフィスでするものという雰囲気が強く、利用者は多くありませんでした。
そこで県庁全体にタブレット端末を配布することで、多くの仕事を効率化することに成功しました。
いままでは出張か会議か選択するしかなかった場面も、テレビ会議にすることができてから、出席できる会議が多くなったり、年間約560万枚のコピー用紙を削減できたりと効果を出しています。
参考:こうしてテレワークは文化になった――佐賀県庁を変革した挑戦者たちの軌跡|ITメディアビジネス
まとめ
地方でこれからネットを使っていきたい、売り上げを上げるために取り組んでみたいという方は、ぜひ何か一つ取り組めそうなものから活用してみてください。
せっかく持っている魅力も、伝わらなければ意味がありません。ネットを活用することで、地方にあるたくさんの魅力を、日本、世界各国の多くの人に知ってもらうことができます。
これまで伝えることができなかった方たちも、ぜひ一歩踏み出す機会にしていただければと思います。
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