単月4,000社が閲覧。上質な記事を生み出し続ける「みんなの試作広場」の制作体制とは

技術の衰退や後継者不足など、あらゆる課題が浮き彫りになりつつあるものづくり業界。株式会社 日立ハイテクノロジーズの運営するサイト「みんなの試作広場」は、企業と潜在顧客をつなぐことで業界活性化を目指すプラットフォームです。

今回は、2017年11月のリリース以降、驚くべきスピードで成長を遂げている「みんなの試作広場」の取り組みや思いを伺いました。

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※本記事はみんなの試作広場提供によるスポンサード・コンテンツです。


リリース4ヶ月で8.5万UU。オリジナルのPR記事に手応えを感じた

-- よろしくお願いします。まずは、サービスの立ち上げ背景からお伺いしたいです。

株式会社 日立ハイテクノロジーズ 宮川卓也さま

宮川さん(以下、宮川):「みんなの試作広場」 は、2017年11月に弊社で運営を開始したWebメディアです。ものづくりに関わる人々に有益な情報を届けるためのサービスとしてリリースしました。研究開発者をターゲットに、ものづくりの際に欠かせない材料、加工、計測などの知識を幅広く取り扱っています。


「みんなの試作広場」イメージ ※株式会社 日立ハイテクノロジーズ提供

実は、もともとメディアの立ち上げ前にEC(イーコマース)事業を構築できないかと考えていたんです。それにはまずWebの知見を身に付けることが必要だと考え、テストサイトとして立ち上げたのが「みんなの試作広場」でした。


みんなの試作広場 トップページ ※株式会社 日立ハイテクノロジーズ提供

- もともとはEC事業を始めるためのテストという位置付けだったのですね。どのような経緯で、事業化に至ったのでしょうか?

宮川:リリース後しばらくは中小規模の加工事業社さんを中心にお声がけし、各社の製品やサービスを紹介する取材記事を掲載してみたのです。するとその反響は、予想を大きく上回るものでした。運営から4ヶ月で累計4万UU(ユニークユーザー)を目標にしていたのですが、実際には8.5万UUと、目標の倍以上の数値が出たんです。

- リリースから4ヶ月で8.5万UUですか。すごいですね。それほど、業界のみなさんは必要としてくださっていたのですね。

宮川:そうですね。「みんなの試作広場」から各社のコーポレートサイトに遷移したユーザーについても分析した所、「みんなの試作広場」経由のユーザーは他のユーザーに比べ圧倒的に滞在時間が長く、回遊率も高かったんです。しっかりと興味やニーズを持った未来の顧客層、いわば届けるべき人達に届いている実感があったので、テストサイトではなく本格的に事業として運用することにしました。おかげさまで掲載記事数は130を超え、アクセス数も単月で15万を超えるまでに成長。毎月4,000社以上の企業様が閲覧してくださっています。

- 当時掲載した企業様は驚かれたのではないでしょうか?

宮川:「みんさくの記事を見たユーザーは熱量が高いですね!」という言葉をいただいたときは嬉しかったですね。他にも問い合わせや会員登録、それこそ試作の引き合いに繋がったお話も伺い、業界のお役に立てるサイトであることがわかったので、4ヶ月の検証で得たものは大きかったです。


仕様書には組み込めない価値を伝える。取材記事の強みとは

- 「みんなの試作広場」では、その後も企業の取材記事を積極的に掲載されていますよね。

宮川:そうですね。業界では「うちは良い技術があるのに知名度が低い」と悩んでいる会社さんも、結構多いと思うんです。そんな会社さんも含めて、ものづくりに関わる企業がもっと適切にPRできる場づくりのために、取材記事に力を入れていますね。

もちろん「みんなの試作広場」は、ものづくりに必要な情報を幅広く得られる場所でもあります。しかしそれだけではなく、企業と顧客の出会いを生み出し、ものづくり業界全体を活性化することも目的。アナログでは生まれなかった出会いの創出を目指しています。

また、取材を行う理由としては、顔が見える記事を作りたいから。発注の効率化が進んでいくと、どうしても価格、設備、技術面で判断してしまいがちになります。もちろん、ものづくりを行う上では切り離せないポイントですが、本当にそれだけなのかと疑問を抱いて。たとえば、仕様書の中には組み込めない、製造時の細やかな対応や大事にしている理念などが、企業ごとにあるんですよね。私共は日頃から対面の営業活動を通して、そういった人肌の部分を見てきている。ただ、それってなかなか情報として伝えるのが難しいじゃないですか。

だから、取材記事なんです。スペックだけで見るのではなく、人柄や想いも含めて伝えることで、企業と出会える新しいきっかけを作れるはずですから。取材を通して私達がいろんな角度から質問することで、仕様書には書けない魅力を引き出すよう心がけています。


専門知識のあるライターが取材。現役研究者も編集として参画

- 本当に一社一社のお話を深掘りし、専門知識も含めてしっかりと解説された上質な記事ばかりが掲載されている印象です。なぜ、このような記事が制作できるのでしょうか。

宮川:1つ目の理由は、技術媒体での執筆経験があるプロのライターを採用していること。ただ記事を制作するだけではなく、業界のことを理解している者が取材や執筆を手がけるからこそ、ものづくり企業の想いに寄り添った記事を作ることができます。

2つ目は、現役の研究者が編集チームに参加しているからだと思います。取材対象者の方が感じている自社の強みと、外部から見た企業の強みは必ずしも一致するわけではありません。研究者が編集や記事企画に深く関わることで、メインの読者層である研究開発者の方々に刺さる魅力を伝えられるようになるのです。

この「プロのライター×現役研究者の編集」という制作体制が、うちの最大の強みだと思います。

- 徹底的な業界理解と社内外の目線をバランスよく持ち合わせることが大切なのですね。ほかにも、密度の濃い取材記事を制作するために意識していることはありますか?

宮川:記事の制作において、一番意識しているのは、事前の情報共有をしっかりと行うことなんです。技術をPRしたいのか、認知度を上げたいのか、ブランド価値を高めたいのか、お客様によって抱えている課題は異なります。出稿の目的や内容をお客様とすり合わせる会議の場を取材前に設けておくことで、漏れのない充実した取材ができていると感じます。

ちなみに、出稿料をいただく取材記事のみならず、ものづくりの情報を幅広く届けるための数多くのノウハウ記事も社内で作成しています。こちらも同様に業界理解のあるライターや編集が担当し、サイト内の回遊率を高めるためのコンテンツとして掲載しています。ぱっと見で広告記事ばかり並んでいると、ユーザーが離脱してしまうこともあるので、最も見てほしい取材記事への呼び水として、ユーザーが流入しやすい導線を意識的に作っているんです。


デジタルとアナログの掛け合わせで、リーチを最大限に広げる

- ゼロからWebメディアを立ち上げて運用するとなると難しい点もあったかと思うのですが、これまでにどのような改善を行ってきましたか?

宮川:運営体制のアップデートには力を入れてきました。もともとはものづくりのプロ達で構成していましたが、昨年の秋から下山が加わり、現在の運営にはWebのプロとしての視点も反映されています。

下山さん(以下、下山):私は、ずっとWeb制作会社で広告出稿の営業を行っていたんです。業界は異なりますが、運営は今と似たスタイルでしたね。「みんなの試作広場」は大変丁寧に作り込まれているメディアだと思いましたし、すでに持っている経験を活かせるならと入社を決めました。


株式会社 日立ハイテクノロジーズ 下山温子さま

- ものづくりをよく知る宮川さんや編集メンバー、そしてWebをよく知る下山さん、それぞれの強みを活かして強固な体制作りができているのですね。下山さんから見て「みんなの試作広場」の強みはどのような点だと思いますか?

下山:「みんなの試作広場」の運営に加わって驚いたのは、とにかく親切すぎるくらい親切だということ。最初の頃は「そこまで一社一社に時間をかけて大丈夫かな?」と思ってしまうくらいでしたから(笑)。でも、だからこそ信頼も得られていますし、リピートしてくださるお客様もいらっしゃるんです。自社でサービスを紹介しようと思うと、概要をまとめたPR一本で終わってしまいがち。一度「みんなの試作広場」の取材を受けた企業様が、「次回は別のポイントも記事にしてください」と、何度かご依頼をくださることもあります。

- 一度効果を実感すると、どんどん前のめりになりますよね。

下山:ものづくり業界はまだWebが浸透していないと思われがちですが、実はそうではありません。実際に企業の方にお話を伺うと「検索で自社を見つけてもらえるようにSEOを強化したい」なんて具体的なご要望もあるくらいで。「みんなの試作広場」の記事は試作関連のビッグワード上位をキープしています。いきなり自社コンテンツの順位を上げようとするよりも、一度出稿いただくことで効率的にユーザーとの接点を増やせるため、そのようなニーズも寄せられています。

宮川:新しいことを始めるのはコストもかかるし、不安もあるはずなんです。私共も最初から「Webを100%活用して」と言いたいわけではありません。例えば年5回展示会に出展する計画があるのなら、そのうち1回分の予算をWebに使ってみれば、展示会では出会えないお客様にもリーチできるかもしれない。そんな風に、デジタルとアナログの良いところを組み合わせることが大切だと思っているんです。まずはWebマーケティングの必要性をしっかりと理解してもらい、「ものづくり×Web」のカルチャーを当たり前に存在するものとして浸透させていくのが、私達のやるべきことだと考えています。


- ありがとうございました。

撮影 安井信介

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