オンライン商談システムとは?メリット・デメリットから活用事例まで

営業といえば、対面でコミュニケーションをとる「訪問営業」をイメージする人が多いのでは。直接顔を合わせる安心感がある反面、リードタイムが長くかかったり、移動に時間をとられて訪問件数が伸び悩んだりと課題も多く存在するものです。

そこで、従来の手法の非効率な面をクリアできる方法として、多くの企業がオンラインの商談システムを取り入れ始めています。そのメリット・デメリットはどんな点が挙げられるでしょうか。成功事例とあわせてご紹介します。


オンライン商談システムとは?

オンライン上のコミュニケーションツールを使って商談ができるのが「オンライン商談システム」です。顧客とのやり取りがオンライン上で完結するため、社内にいながらにして、あらゆる場所の顧客と商談ができます。

日程調整も画面上ででき、早ければ当日や翌日など、スピーディに商談を進められることもあるため、オンライン商談システムの活用によって、リードタイムを大幅に短縮できるようになりました。

商談の場では、テレビ電話のようにこちらの顔を見せて安心感を与えられるだけでなく、必要な資料を画面上で共有して話を進められたり、相手側にあわせて訴求ポイントを絞った商材を必要なタイミングで見せられたりと、対面と変わらないセールスを展開できます。

そのため、訪問営業のクオリティを維持しながら、商談ができるのです。

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介


オンライン商談システムのメリットとデメリット

社内にいながら対面感覚の商談が可能となるオンライン商談システム。メリットとデメリットを細かく見ていきましょう。
オンライン商談システムのメリット

オンライン商談システムのメリット

メリット1:移動にかかる時間やコストを削減できる

訪問営業では、先方へ赴くまでの移動時間とコストが必要となります。場合によっては、「商談時間よりも移動時間のほうが長い」「移動コストが高く利益率が下がる」といったことも。

オンライン商談システムでは、たとえ遠方の顧客であっても社内にいながら商談が進められるため、移動にかかっていた時間とコストをまるまるカットできます。

メリット2:人員数を抑えられる

移動時間を要する訪問営業では一日に回れる件数に限度があるため、できるだけ多くの商談をおこなうには人員数を増やさなければなりませんでした。

オンライン商談システムを利用すれば、これまで移動に費やしていた時間で新たな商談やフォローができるようになるため、一人が請け負える件数が増え、人員数を抑えられます。

メリット3:一人あたりの商談数増加

移動時間を削減することによって、リソースやフォローに充てられる時間をその分増やせます。

関心度の高い顧客へ効率的にアプローチできるようにもなり、一人あたりの一日のアプローチ件数を増やせます。

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介

メリット4:コストを最小限にしながら、成果を最大にできる

オンライン商談システムでは、移動コストや、飛び込み営業や再三の訪問といったケースで発生していた無駄足のコストもカットできるようになります。

また、これまで紙で用意していた資料などをすべて画面上で提示できることでペーパーレス化を実現できるため、コストを最小限に抑えながら成果を上げられます。

参考:テレワークの推進に不可欠な「ペーパーレス化」とは?導入フローと失敗しないための2つのコツ

メリット5:リードタイムを短縮できる

訪問営業では、日程調整などの都合から、アポイントから商談に結び付くまでにはそれなりの日数を要します。例え関心度の高い顧客であっても、間が空くことで熱量が下がり、思うように進まなかったというケースも往々にしてあるでしょう。

オンライン商談システムではリードタイムを短縮でき、その場で商談が成立した場合には手続きまで一貫して進められるため、スピーディなクロージングが可能になります。

メリット6:相手の負担を減らせるため、アポイントを取りやすい

訪問営業では、商談場所の確保やお茶出しなど、少なからず相手側へ負担をかけてしまいます。また、アポイントに日程調整、商談と、時間を割いてもらう面も多いでしょう。

オンライン商談システムなら、約束の時間にパソコンの前へスタンバイしてもらうだけOK。対面より気軽に受けてもらいやすく、ストレスフリーの環境を提供できることで商談への集中力も高まり、話がまとまりやすくなるかもしれません。

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介

メリット7:営業メンバーの商談履歴が可視化

オンライン上でやりとりできるのは、営業担当者と顧客以外にもメリットが。商談の履歴が可視化されるので、いつ・誰とやりとりをしているのか把握できます。

営業が自分の仕事を管理しやすくなるのはもちろん、管理職の負担も減らせるでしょう。

オンライン商談システムのデメリット

デメリット1:接続状況が不安定だと中断する

インターネット回線を使用するオンライン商談システムでは、接続状況が不安定になりやすく、商談の途中で会話が途切れてしまう可能性があります。

デメリット2:ユーザーエントリーが大変

オンライン商談システムによっては相手方に事前登録やインストールなどをしてもらう必要があり、商談前の手間がかかってしまうこともあります。

ただこれらのデメリットは、使用するシステムによって改善できます。


オンライン商談システムを活用した成功事例

では、実際にオンライン商談システムを利用している企業では、どのような成果が見られたのでしょうか?オンライン商談システムを利用している企業を例に、その様子を見てみましょう。

事例1:営業リソース不足でも商談・受注数アップ
【株式会社ユーザベース】

BtoBにおける業界情報のプラットフォームやデータベースなど3つの事業を中心に展開するユーザベース。Webマーケティングの強化に伴って新規商談が増え、初回提案の訪問に追われて営業リソースが追い付かなくなってしまいました。

そこで、効率的に新規商談を実践できるオンライン商談システムを導入。その結果、商談を上げるためのPDCAを高速で回せるようになり、商談数も受注率もアップしました。

事例2:リードタイムを半分に【ソルクシーズ株式会社】

企業向けシステム開発や社内クラウドサービスおこなっているソルクシーズ株式会社では、サービスの性質上、カタログや営業資料だけではサービスの魅力が伝わりづらい課題がありました。

電話アポの段階でオンライン商談システムを活用し、サービス画面を共有することで顧客のサービス理解を深めることができました。初回訪問時でもクロージングまで可能になったそうです。

結果、それまで2カ月かかっていた受注獲得までのリードタイムが1か月まで短縮できました。説明の難しい無形商材のようなサービスであっても、Web上だからこそ伝わりやすい魅力もあるのでしょう。

事例3:新人、インターン生でも成約率を2倍【ジラフ株式会社】

買取比較サービスを提供するジラフ。地方営業を拡大したいと思いつつ、営業効率を考えると大都市までしか手を伸ばせずに、営業機会の損失を課題に感じていました。

顧客への架電だけで3回もかけていたところ、オンライン商談システムを導入したところ、1回の説明だけで成約。その分、空いた時間とリソースをマネジメントにさくことで、インターン生でも成約率を2倍に高めることができました。


まとめ:生産性の上がるオンライン商談システム

オンライン上で商談をクロージングできるオンライン商談システムなら、これまでの課題をクリアしながら、効率的に商談を進められます。

時間を有効に使えることで営業リソース不足を補えたり、見込み顧客へ十分にフォローできるようになったりと、生産性アップにもつながり、よりクオリティの高い商談が可能になるでしょう。

営業リソースに課題を抱えている企業は、オンライン商談システムの導入を検討してみましょう。

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