PPC広告代行|知らないと損をする、悪質業者に騙されないための20のポイント

インターネットでの売上や成果を拡大するために、PPC広告は今や欠かせない手段になっています。

PPC広告で成果を上げるには一定の専門知識や経験が必要になるため、代行業者に任せようとされる方も多いのではないでしょうか。

しかし、PPC広告の代行業者は国内だけで数百社あり、選ぶのが大変です。一部の悪徳業者に任せてしまうと「広告費をいくら投下しても全く成果につながらない」という状態に陥ってしまうことも珍しくありません。

そこで、本日はPPC広告の運用代行をしている企業のマーケティング責任者でもあり、裏側を知り尽くしている私が、騙されないために知っておくべきポイントを紹介します。

PPC代行業者の裏側の論理や本音さえ知っておけば騙されてしまう可能性ほぼ無くなります。この20のポイントをチェックリストとして、失敗しないための業者選びに役立ててください。


1.クリック数ではなく、獲得数(コンバージョン)・獲得単価(CPA)を指標にする

最近はコンバージョン計測をしていない業者は減ってきましたが、敢えてこちらから触れない限り、コンバージョン計測という話を一切出さない業者や、クリック計測までで話をまとめようとしてくる業者が今も少なからずいるようです。

サイト上にコンバージョン地点を設定するのが難しく、クリック数を指標にせざるを得ないのであればやむを得ませんが、コンバージョンが設定できるのに、あえてクリックを勧めて来る業者は悪徳と言って良いでしょう。

業者側からするとクリック数を指標にした運用であれば、簡単に手を抜く事ができます。なぜなら、PPC広告はその名の通り、クリックに対して課金されるため、コストを投下すれば必ずクリックを集められるからです。

「今月は1000クリック誘導できました」という報告ではなく、「今月は30件の申込があり、1件あたり10,000円の広告費で獲得できました」という報告を受けるようでなければ継続的な改善はできません。

必ず、コンバージョンを指標に運用して欲しいということを伝えて下さい。

なお、コンバージョンという単語自体に馴染みのない方はこちらの記事でわかりやすく解説していますのでご参照ください。

成果アップの第一歩!コンバージョンの意味を正しく理解し定義する
https://liskul.com/conversion-meaning-636

 


2.基本的な用語と最低限の知識は身につけておく

業者側からすれば、専門知識が無い相手は比較的容易に丸め込むことができます。

なぜならPPC広告は検索結果というユーザの興味が集まっている場所に広告出稿できるという仕組み自体が本質的に優れているため、「こうやれば成果が出る」という表面的なロジックを構築して話すことは簡単です。
相手に知識が無いとわかれば、業者側は精神的に優位な立場から、自信を持って説得にかかりはじめます。

もし、あなたが基本的な用語と専門知識だけでも知っていれば、相手はそれなりに警戒せざるを得ず、優位な立場で話を進めることができます。

30分で良いので時間を取って、最低限の知識を身につけておいてください。
その際、手っ取り早く知識を得るために、以下の2記事を参考にすると良いでしょう。

リスティング広告とは|今更聞けないリスティング広告の基礎
https://liskul.com/what-is-listing-95

リスティングで効果を出すための7つの基本
https://liskul.com/listing-effect-60

 


3.その業者に悪評が立っていないか検索してチェック

悪徳業者は遅かれ早かれ評判が立ちます。深刻になるとネット上にも評判が書かれるようになります。

直接悪評がネット上に存在しない場合でも、悪徳業者は社員に過剰な営業ノルマを課している場合が多いため、就職や転職の口コミ掲示板に退職者や社員の不満が書かれていることもあります。

「企業名+評判」「企業名 +クチコミ」などのキーワードで検索し、その業者に悪評が立っていないかは最低限チェックしておくべきです。

 


4.「いいね!」の数が多いことには何の意味もない

業者のサイトにFacebookの「いいね!」が数千ついているからと言って、その業者が信頼できるわけではありません。なぜなら「いいね!」は、お金を出せば数十円~数百円でいくらでも増やすことができます。

悪徳業者ほど客観的な「権威付け」をお金で買おうとする傾向があります。
「いいね!」が多いと悪徳業者ということではもちろんありませんが、「いいね!」が多い事自体には、何の意味もないことは覚えておきましょう。

 


5.Yahoo!・Googleの認定の称号が正しいか確認する

サイトに大きくYahoo!やGoogleの認定を受けているというロゴ画像を掲載している業者は多いですが、時々誤解を生むような使い方をしている業者がいます。

公式代理店としてのロゴと個人資格のロゴが混ざっている、旧制度のロゴを載せ続けているなどのケースを多く見かけます。単純に更改を忘れているだけならまだしも、敢えて誤解を生むような使い方をしているのであれば誠実とはいえません。

2014年時点で、Yahoo!プロモーション広告認定代理店・GoogleAdwordsパートナーのロゴは以下の通りです。

Yahoo!Google認定代理店のロゴ

また、Yahoo!プロモーション広告認定代理店には星(スター)の数でランク付けされる制度があります。その代理店のYahoo!プロモーション広告への総出稿額も基準の一つであるため、ネット専業の大手代理店や電通や博報堂のような大手マス系広告代理店の関連会社が目立つ傾向がありますが、PPC広告代行業者のサービス提供規模を把握するための参考情報にはなります。

星(スター)を保有する代理店
http://promotionalads.yahoo.co.jp/service/agency/star.html

 


6.大げさな改善実績・事例に惑わされない

サイト上に「400%改善!」「獲得件数8倍!」など景気のよい実績や改善事例が踊っている業者も多くありますが、必要以上に惑わされないようにしたいものです。

もちろん、改善したということ自体は素晴らしいことですが、その裏側を考えるとそれほど重要視すべきことではありません。なぜなら、改善の幅を出そうとすると「改善後が素晴らしい」という要素よりも「改善前があまりにも良くない」という条件が重要になるからです。

そして、改善前があまりにも良くない場合には、キーワードの追加やランディングページの作成など、ごくごく基本的な施策を投下するだけで、数値結果が大きく改善するため、数字の伸び幅は、その業者の力量を示すものである、とは一概に言えないのです。

業者側からすれば、実績や事例は事実であり数字で具体的に示すことで、強い説得力がある要素になるため、結果の数字を重視して資料を作りがちです。

実績や事例に惑わされず、事例における成果が改善するためのプロセスについて冷静に質問することができれば、騙されてしまう確率はグッと下がるでしょう。

 


7.効果を出せない条件の時に、率直に伝えてくれるかどうか

PPC広告は有効な手段ですが、商品やサービス、商圏などによっては、どんなに頑張っても効果を出すことが難しい場合もあります。

検索行動という能動的なアクションに対して広告を出す仕組みのため、事前に調べたりせず、その場で衝動買いするような商品などは不向きです。

そういう場合、多くの業者は過去の経験から「この条件では効果が出ないと思います」と説明するものです。

複数の会社に相談した際に、効果が出ないと言っている業者が2社以上いるにも関わらず、実施を薦めてくる業者は、長期的なパートナーシップよりも、自社の短期的な利益を重視する業者と言えるかもしれません。

「まずは、一度やってみましょう」という口車に乗せられないように注意すべきです。

 


8.「ブランディング」という単語をやたらと使う業者は危険

これは私の過去の経験上の話ですが、安易に「ブランディング」という単語を出してくる業者は、結果責任を曖昧にする傾向があります。PPC広告の目的は一般的には基本的には獲得に置くべきと考えます。もし仮にブランディングに使うのであればPPC広告単体ではなくマーケティングの全体設計に対する理解や提案があってしかるべきです。

提案時に「検索結果の上位にPPC広告が出ればブランディングにもなりますし」という発言をしてくる業者は、運用段階で効果が悪かった時にかならず、「獲得はありませんでしたが、一定のブランディング効果が…」と言い訳することでしょう。

 


9.無料セミナーや相談会は警戒して参加する

無料セミナーや相談会は、知識を得るためには有効な手段ですが、その場で業者決定の意思決定までしてしまうのはリスクが高いと言えます。

セミナーや相談会は相手のホームであり、セミナーの内容は何度も実施して練り上げられた「勝負コンテンツ」になっています。そこで受ける印象は業者の本来の実力よりもかさ上げされたものになるため、客観的な判断は難しいと思って下さい。

その場では意思決定せずに、自社に戻り、他の業者の提案も受け、客観的に判断出来るタイミングで代行業者を決めると良いでしょう。

 


10.教材販売がセットの時には、教材を切り離して比較検討する

代行業者の中には、代行とセットで自社のノウハウを教材にして販売している業者も見受けられます。教材でノウハウも学べて運用代行もしてくれる、というのは良い話のように聞こえます。

裏側の提供者側の論理で考えると、教材は原価がほとんどかからずいくらでも複製できるため非常に利益率の良い商品です。利幅の小さい運用代行とセットで教材を販売することで利益を上げるというビジネスモデルは自体は優れていると言えるでしょう。

しかし、サービスを受ける側の立場としては、代行と教材は切り離して考えるべきです。

そもそも、あなたPPC広告について学びたかったのかどうか改めて考えてください。知識がないので代行に任せるというふうに割り切っているのであれば、毎月教材が届いても役には立ちません。

また、将来的に自分で運用することも見据えてPPC広告について学びたい人には、本ブログのように無料で出ている情報や、専門書籍など、別の手段は数多くあります。それらを比較してもその教材が優れていると判断し納得できるのであれば、セットで教材を購入してもよいでしょう。

 


11.初期費用無料キャンペーンはもともと無料かも知れない

広告媒体であるYahoo!とGoogleには初期費用がかからないため、その初期費用はすべて代行業者の懐に入る費用となります。

PPC広告は初期設定に労力がかかるため、業者側が設定代行費として初期費用を設定するという事自体は理解できます。

しかし、キャンペーンと名を打って初期費用を無料にしている業者の中には、時期を問わず常に無料になっている業者もいるようです。したがって、初期費用無料キャンペーンを意思決定の材料にする必要はありません。

 


12.固定費型の費用体系の場合には、実広告費を確認する

一般的にPPC広告の代行業者が得る手数料は、利用額に対して20%を上乗せする従量課金型の手数料体系か、毎月固定額を請求するか、その組み合わせの3パターンあります。

固定費型の中の一つのやり方として、毎月固定額を請求しながら、業者の手数料と実際に広告に投下する費用の内訳を曖昧にしているというケースがあります。

例えば、毎月10万円固定という料金体系で請求しているものの、実際に広告に投下されているのは1万円で、残りの9万円が業者の手数料になっているというパターンです。

このパターンでも、事前に合意できていて、広告に投下された1万円の範囲で望む効果が出ているのであれば何の問題もありませんが、合意なく曖昧になってしまうことは避けるべきです。

必ず、実際に広告に投下する費用と、代行業者の取り分である手数料を明確に分けた形で把握しておきましょう。

 


13.値引きには裏がある

PPC広告の運用で成果を上げるには、それなりに労力をつぎ込む必要があります。業者側は仕組み化を進め、システムやツールを導入して効率化していますが、それでも得られる利幅は小さいものとなります。

そういう中でも値引きをする業者側の論理として考えられる理由としては、大きく2つ考えられます。一つは運用する人員が余ってしまっているなどの経営上の事情があるケース、もう一つは、固定費と従量課金の併用型の課金体系を採用し、従量課金側を値引きしても固定費側で利益を確保しているケースです。

後者の場合は単に料金体系の粉飾により、値引きに見せているだけですので惑わされないようにしましょう。

また、PPC広告をコストではなく、売上・成果を上げるための投資と捉えると、5%、10%の値引きよりも、労力をかけて20%、30%と売上・成果を上げた方が依頼主にとっては費用対効果がよくなります。

従って、PPC広告の導入初期で業者を選ぶ際に値引きを重視することは、あまりお勧めできません。

 


14.リターゲティング広告やディスプレイ広告をやらない業者は選ばない

PPC広告を実施していく中で、検索連動型だけではなく、リターゲティング広告やディスプレイ広告にも領域を広げるべきフェーズが必ず来ます。

その際、代行業者が検索連動にしか対応できなければ大きな機会損失となります。リターゲティング広告やディスプレイ広告に対応している業者を選びましょう。

リターゲティング広告やディスプレイ広告について知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

リマーケティング広告を始める人にこれだけは知っておいてほしい!2つのポイント
https://liskul.com/remarketing-235

ディスプレイ広告を手堅く始める為の3ステップ
https://liskul.com/display-ads-3step-173

 


15.ランディングページを作らない業者は選ばない

PPC広告の改善には、その誘導先の「ランディングページ」の改善もセットで考える必要があります。

ランディングページの制作や改善に対応できない代行業者は効果を上げることに対する意識が低い可能性があります。そのような業者は選ばない方が無難と言えます。

 


16.管理画面のログインID・PASSを開示してもらう

管理画面とはYahoo! Googleに出稿設定をするための画面です。いくら使って、何件獲得できているのかという数値結果から、どんなキーワードで広告を出し、どんな広告文を設定しているのか、ということまでネット上でログインすれば全ての情報を確認することができます。

結果もプロセスも全て白日の下にさらされてしまうため、悪徳業者であれば、顧客に絶対に開示したくない情報になります。

また、悪徳業者でなくとも、ノウハウ流出や顧客側が操作できてしまうことで責任の所在が不明確になるなど、管理画面の開示には慎重な業者が多いことも事実です。

それでも強く要望し、管理画面を開示できるかどうかを業者選定の条件に入れておくことをおすすめします。

 


17.長期契約を求めてくる業者は注意

PPC広告は結果が出始めるまでに時間はかかる場合があるものの、全くの未知の業界でもない限り3ヶ月以内には安定的な結果を出すことができます。

従って、6ヶ月、1年という長期契約を求めてくる業者に任せることはリスクが高いと言えます。もちろん長期契約が悪とは限りませんが、最近、特に長期契約によるトラブルが増えているという噂を聞くため、契約期間はシビアに見ておいた方が無難でしょう。

 


18. 出稿したいキーワードを事前にチェックして印刷しておく

PPC広告の最初のキモは、どのキーワードに出稿するかです。しかし、キーワードの抽出や選定にはノウハウが必要かつそれなりに手間もかかるため、顧客に非開示のまま進めてしまう業者も一定存在するようです。

商談時には必ずキーワードの話に触れ、出稿するキーワードは開示してもらえるように話を進めましょう。その際、事前にキーワードの一覧を印刷しておき、具体的なキーワードに触れながら話ができると、業者の力量も見抜けるため、とてもお勧めです。

キーワードの一覧は以下のサイトを使うと簡単に作れます。自社の見込み顧客が検索しそうなキーワードを入れるとその周辺のキーワードが一気に抽出できます。これをエクセルなどに貼り付けて印刷しておくと良いでしょう。

Goodkeyword
http://goodkeyword.net/

 


19.必ず、複数の会社と話す。1社の話を聞いて即決しない

複数の会社と話すことは、当然の事ながら必須と言えます。

1社の話だけで決めてしまうと客観性を持てずに誤った判断をしてしまう可能性が高くなります。少なくとも2社以上、できれば3~5社程度の話を聞いて、比較検討した上で判断しましょう。

 


20. 丸投げせず、進捗をこまめに確認する姿勢を示す

代行業者にとって、丸投げして進捗を確認しない顧客は対応負荷がかからないという意味では非常に助かる顧客です。

信頼関係の中で任せるという判断をするのであれば問題ありませんが、最初から全部お任せしますというスタンスを見せると付け込む隙を与えることになります。

最初は、運用内容に興味があるという態度を示し、積極的に関与する姿勢を見せることで、代行業者もしっかりと対応せざるを得なくなります。

 


まとめ

新しいことを始めようとする時は、情報も少なく経験も無い中、新たなチャレンジに対して期待や希望を持っているため、夢に賭けるような判断をしてしまいがちです。その時に運悪く、悪徳業者に出会ってしまうと不幸なことになってしまいます。

PPC広告も例外ではありません。一握りの悪徳業者が未経験の企業を騙してしまうことによって、PPC広告という手法自体に悪印象を抱いてしまっている方も多く、とても残念に思っています。

本記事で紹介したポイントを押さえていただき、冷静に対応できれば、まず騙されるということはなくなります。

なお、代行業者の具体的な選び方についての記事も書いていますので、こちらも参考にしながら、ぜひ信頼できるパートナーを見つけてください。

リスティング広告代理店、成果を出せる代理店を選ぶ11個のポイント
https://liskul.com/listing-ads-agency-11point-193

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