プレミアムポジションは、Google AdWordsやYahoo!プロモーション広告 スポンサードサーチといったリスティング広告の上部にある枠です。一番上に表示される、その枠に広告を配信できれば、クリックをされる可能性は高まります。
2016年2月に、Google AdWordsのリスティング広告右側表示枠がなくなったこともあり、プレミアムポジションの重要性が高まりました。
そこで今回は、「そもそも、プレミアムポジションがどういうものか?」の解説に加え、プレミアムポジションのメリット・デメリットから、実際にプレミアムポジションを取る方法、また取ったあとに活用をする方法まで、解説いたします。
目次
1.プレミアムポジションは「検索結果より上部に表示されるリスティング広告の枠」
プレミアムポジションは「検索結果より上部に表示されるリスティング広告の枠」です。
通常、リスティング広告は上部だけではなく、右側や検索結果の下部にも掲載されます。
しかし、検索をしたユーザーにとって、一番目に止まるリスティング広告の枠は、検索結果の上部です。そこを、プレミアムポジションと呼びます。
▼Yahoo!JAPANの場合
▼Googleの場合
2016年2月末現在、
・Yahoo!プロモーション広告 スポンサードサーチで4枠
・Google AdWordsで4枠
がプレミアムポジションとして、表示されています。
2.ただお金かけても無駄!プレミアムポジションへ表示させる方法とは?
プレミアムポジションに載せるためには、広告の掲載順位を、
・Googleなら4位以内
・Yahoo!プロモーション広告 スポンサードサーチならば4位以内
にする必要があります。(2016年2月末現在)
前提として、掲載順位は広告の総合評価である広告ランクによって決まります。
広告ランクを決定する要素は、下記の3つです。
・入札単価(広告主が、1クリックのために払ってもよいと考える金額)
・品質スコア(広告の評価)
・他(広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果)
まず目指すべきは、「入札単価」と「品質スコア」を上げることです。
①入札単価は、オークション制で調整可能
入札単価は、同じキーワードに対して広告を出したい!と考える企業同士で、オークションのように入札をしあい決定します。「いくらで入札をするか?」は、いつでも調整が可能です。入札単価の調整などは、詳しくは下記記事をご覧ください。
参考:リスティング広告の運用|最低限押さえておきたい運用7つのポイント
②品質スコア(広告の評価)をあげるための3つの基準
品質スコアとは、「広告の評価」です。10点満点で評価され、広告ランクにも影響がある要素の1つです。しかし、入札単価と違い、品質スコアはすぐに上げることはできません。
品質スコアは、下記の3つの要素によって決定され、それぞれを地道に上げることが重要です。
①推定クリック率
「クリックされる確率が高い=ユーザが求めている情報が記載されている」とみなされ、品質が高い、と評価されます。
ただし、この時は広告の掲載順位が高いことによって上がったクリック率の影響は取り除かれます。
※「品質スコア」とはGoogle AdWordsでの名称です。Yahoo!プロモーション広告では「品質インデックス」と言いますが、内容は同じ指標です。この記事では以下まとめて「品質スコア」と記述します。
②キーワードと広告の関連性
検索キーワードに対し、関連性が高い広告はユーザが求めている情報の可能性が高いと評価されます。
③リンク先ページの利便性
ページの関連性、情報の透明性、操作性など。
(例:「No.1」と記載の記述根拠/申し込み・資料請求等、アクションまでの導線の分かりやすさ・・・等)
3.プレミアムポジションの2つのメリット|クリック率とサイトリンク
プレミアムポジションに載ると、ユーザーが「広告を出稿しているキーワード」を検索した時に、真っ先に目につくところに、広告が表示されます。
メリット1:プレミアムポジションに載ると、クリック率が6倍違うという調査も!
実際に、広告の掲載順位と、クリック率の変化について調べた調査があります。
下の図は、Google AdWordsで、実際に出稿した1キャンペーンの掲載順位とクリック率の関係を表したものです。
※表では、1位掲載の場合のクリック率を1とした比率にしています
引用:Rで調べるAdWordsでの掲載順位とクリック率の関係-LIVESENSE DIGITAL MARKETING
例えばこの調査では、単純に「プレミアムポジションである1~4位」と「それ以下の枠の5~10位」の平均クリック率は、約6倍違います。
メリット2:サイトリンクが出せるようになり、クリック率、画面占有率、品質スコアが上がる。
サイトリンクとは、プレミアムポジションに掲載された際、広告文の下部に「追加の情報」を載せることができる機能(広告表示オプション)の1つです。
引用:広告文の下に追加のリンク(サイトリンク)を表示する – AdWords ヘルプ
a)他の情報を出すことで広く関心を集め、クリック率が向上!
サイトリンクを設定すると、従来の広告文以外の情報を表示できるため、ユーザーの興味をよりつよく惹きつけることができます。その結果、通常のリスティング広告よりも、クリック率は向上する傾向があります。
b)たった数行でも効果あり!画面占有率アップでユーザーの目にとまるように。
リスティング広告が表示できる場所は限られています。そのため、たった数行のサイトリンクを表示するだけで、画面の占有率があがり、よりユーザーの目にとまりやすくなります。サイトリンクのさらなる情報や、設定方法は下記の記事をご覧ください。
4.要注意!プレミアムポジションの2つのデメリット
そんな魅力的なプレミアムポジション。しかし、メリットだけではなく、デメリットももちろんあります。
デメリット1:競合が多い中、プレミアムポジション表示させるためには費用がかかる。
つまり、品質スコアなどの他の要素が全く同じ2つの広告では、入札単価が高いほど、広告ランクも高くなり、上位に掲載されます。
そのため、競合が多い業界では4~5枠という限られたプレミアムポジションを取るために、入札単価を非常に高くする必要がある場合があります。
そうなると、プレミアムポジションがどれだけ良いものであったとしても、費用対効果が合わなくなってしまうことも。実際に、自社の属する業界のクリック単価の想定を調べたり、入札単価をどう捉え、改善をしていくかは、下記の記事をご覧ください。
参考:有料広告を始める前に知っておきたい クリック単価の事実と相場とは!?
デメリット2:上位に表示されても、コンバージョンに繋がるとは限らない。
プレミアムポジションに表示され、クリックが増えても、コンバージョンにならない無駄なクリックが増えてしまっては意味がありません。
もちろん、
・予算が十分にある場合
・LTV(生涯顧客価値)が高い場合
・費用が多少掛かっても、コンバージョンを取りにいきたい場合
は、クリックが問題ありません。
しかし、
・予算が限られている場合
・CPA(1件のコンバージョンの獲得単価)を抑えたい場合
そんなときは、プレミアムポジションではなく、あえて「それ以下の順位」で顧客の獲得を図って行く必要があります。
ただ表示されればいいのではなく、ビジネスの状況などに合わせ、プレミアムポジションへの表示を狙うかどうか?そのものを考える必要があります。
5.無駄クリックを削減!絶対やるべきプレミアムポジション活用法2選
メリット、デメリットを考えたうえで、プレミアムポジションに表示をされたのならば、できるだけ無駄なクリックを減らし、コンバージョンにつなげたい!その時に、絶対にやるべきプレミアムポジション活用法を2つご紹介します。
活用法1.「ターゲットのお客様にだけ響く」ターゲティングが明確な広告文をつくる。
クリック課金のリスティング広告では、クリックされたら費用が発生します。そして、ユーザーがその広告をクリックするかどうか?は、「その広告がユーザーに響くかどうか?」で決まります。つまり、広告文には「見込み客を選別する」という役割もあるのです。
そのため、プレミアムポジションに表示される可能性が高い場合は特に、「誰に対して、何を売りたいのか」を明確にし、広告文を作成することが必要となります。効果的なターゲットの考え方や、広告文の作り方は、下記記事をご覧ください。
参考:ウェブマーケティングを成功に近づけるターゲット戦略4ステップ
参考:誰でも簡単に作れるリスティング広告の広告文の作り方
活用法2.サイトリンクは、必ず設定する。
サイトリンクとは、プレミアムポジションに掲載された際、広告文の下部に「追加の情報」を載せることができる機能(広告表示オプション)の1つです。前述しましたが、サイトリンクを設定することで、画面の占有率やクリック率があがる、という効果があります。
引用:広告文の下に追加のリンク(サイトリンク)を表示する – AdWords ヘルプ
これはプレミアムポジションに表示されているからこそできる重要な活用法です。プレミアムポジションを狙う場合は、必ず設定をすることをおすすめしています。媒体によって、設定方法などは少し異なるため、詳細は下記の記事をご覧ください。
6.おわりに:Googleが右側広告をなくした影響はあるのか?変わるルールには、柔軟な対応を…
2016年2月のGoogleの右側広告枠の廃止で、プレミアムポジションの重要性が再確認されました。
しかし、広告の表示が変わったとしても、リスティング広告の本質や仕組みをとらえていれば、見た目の変化ほど、成果への大きな影響ないと考えています。実際、弊社のお客様でも、大きな影響がでることはありませんでした。
リスティング広告は、日々変化がつきものです。ルールの変更にとらわれず、目の前の運用をしっかりと行っていってください。
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