誰でも簡単に作れるリスティング広告の広告文の作り方

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リスティング広告の運用担当者の中には、広告文の作成に頭を悩ませている方も少なくないと思います。

「コピーライターでもない自分がそんなうまい広告文を考えられるわけない」と、とりあえずサイトに書いてある内容をそのまま使って、あたりさわりのない広告文で間に合わせてしまっていないでしょうか?

しかし、広告文に必要なのはセンスではなく、知識とテクニック、そしてたくさん作成し試行し続けることです。

本記事では、リスティング広告の広告文の作り方やルール、コツ、注意点について解説しています。

なお、リスティング広告初心者向けの無料ガイドブックでは、中小・ベンチャー企業でもリスティング広告で効果を出す方法について60ページに渡り丁寧に解説しています。

無料でダウンロードできますので、興味のある方は参考にしてみてください。


リスティング広告の構成

まずはリスティング広告の、広告の構成をご説明します。

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1.表示URL

広告の飛び先ページの、URLのドメインが表示されます。

2.見出し/タイトル1・2・3

広告の最初に大きく表示されるもので、最も目立つので検索ユーザーが求めているものを入れると良いでしょう。
Google広告では見出し、Yahoo!広告ではタイトルと呼ばれています。

見出しには1と2の設定が必須で、3は任意になっています。見出し3は必ずしも表示されるとは限らず、見出し2も表示されないことが増えてきています。

3.説明文1・2

見出しの次の部分で、最も多い文字数で訴求できるため、より詳細な訴求内容をここに追加します。

見出し同様、説明文2は必ずしも表示されるとは限りません。

4.広告表示オプション

見出しや説明文では説明しきれなかった内容を、追加で説明するために使われます。

広告表示オプションは設定なしでも広告は配信可能ですが、無料で大きな効果が得られるので、広告運用の現場では実質的に必須の項目です。

広告表示オプションは設定しても必ず表示されるわけではなく、表示される場合もどれが表示されるかは選択できません。

上図の場合は、コールアウト表示オプションとサイトリンク表示オプションが表示されています。

広告表示オプションの種類や設定方法については、こちらで詳しく解説しています。
参考:広告表示オプションとは?種類やメリット、成果につながる方法を解説


リスティング広告の広告文のルール

広告文を作成する前に、リスティング広告の広告文のルールを把握しておきましょう。

いずれもルールを破ると、配信できないだけでなく、アカウントが停止されたり、最悪法令違反となることもありえます。

既に運用されている方も、今一度認識に漏れがないか確認してください。

文字数

2021年9月現在の文字数の一覧表

配信手法広告種別項目Yahoo!広告Google広告
検索広告テキスト広告タイトル1,23030
タイトル3(任意)3030
説明文19090
説明文2(任意)9090
ディレクトリ1,21515
動的検索連動型広告タイトル自動生成自動生成
説明文8090
表示URL自動生成自動生成
レスポンシブ検索広告タイトル(最大15個) 30
説明文(最大4個)90
パス1,215
ディスプレイ広告レスポンシブ広告
レスポンシブディスプレイ広告
タイトル2030
長いタイトル 90
説明文9090
表示URL29 
会社名 25

リスティング広告の広告文の文字数については、こちらに詳しくまとめています。
参考:【2021年最新版】リスティング広告文字数まとめ【Google広告・Yahoo!広告】

使用可能な記号

Google広告とYahoo!広告では、それぞれ使用可能な記号に差異があります。
公式ヘルプをよく読み、使用したい記号が設定可能か確認してください。

Google広告:編集|Google 広告ポリシー ヘルプ
Yahoo!広告:入稿規定(PC・スマートフォン・タブレット)(検索広告)|Yahoo!広告ヘルプ

法令順守

広告文の内容次第では、法令違反となる可能性もあります。

特に注意すべき法律として、薬機法景表法が挙げられます。

薬機法

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

規制の対象は、主に医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の4つです。

薬機法を正しく認識せず、虚偽・誇大な広告を掲載してしまうと、法令違反となり最悪逮捕につながります。
下記を参考に、該当商品の広告を配信する際は注意してください。

参考:医薬品等の広告規制について|厚生労働省
参考:<商材別に学ぶ>薬機法関連の掲載できない表現例|Yahoo!JAPAN広告
参考:広告作成のための薬機法ポータル|Yahoo!JAPAN広告
参考:ヘルスケア、医薬品|Google 広告ポリシー ヘルプ

景表法

景表法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。「景品表示法」とも言われます。

規制の内容としては、実際よりも優良と誤認させる「優良誤認」や実際よりも有利(安い)と誤認させる「有利誤認」などが挙げられます。

実態以上に誇大な広告表現や、虚偽の表現が規制されています。

こちらも下記を参考に、必ず事前に確認するようにしてください。

参考:インターネット上の広告表示|消費者庁
参考:6. 不当表示の禁止【第3章2.関連】|Yahoo!広告ヘルプ
参考:不実表示|Google 広告ポリシー ヘルプ

媒体ごとのポリシー

Google広告・Yahoo!広告では、上記の法令順守だけでなく、独自のポリシーを設けて適正な広告表現を求めています。

まずはそれぞれの公式ヘルプをきちんと読み込んでください。

参考:Google 広告のポリシー|Google 広告ポリシー ヘルプ
参考:広告掲載基準:もくじ|Yahoo!広告ヘルプ

両者の違いで代表的なものに、最上級表現が挙げられます。

Google広告では、最上級表現(No.1等)を使う場合、広告のリンク先ページに第三者による根拠付けのリンクが必要です。

一方Yahoo!広告では、広告文中に第三者によるデータ出典・調査機関名および調査年を明記する必要があります

また調査データが過去1年以内のデータであることも必要です。

同じ広告文・LPでGoogle広告だけ審査が通る、ということもありえるので注意しましょう。
そもそも景表法違反にあたる可能性もあるので、取り扱いには特に注意が必要です。


効果的な広告文の作り方(テクニック編)

ここから効果的な広告文の作り方を解説していきます。まずはテクニック編です。

特に意識したいポイントは下記の通りです。

  • 検索語句をタイトルに入れる
  • タイトル1を重視する
  • とりあえずタイトル1にブランドワード、は危険
  • 信頼性を示す
  • 広告は3本以上は設定する
  • 文字数は多ければ良いわけではない
  • 広告表示オプションは必ず活用する

検索語句をタイトルに入れる

検索語句(クエリ)をタイトルに入れましょう

ユーザーが一番探し求めている情報なので、一番目立つタイトルに入れることでその情報があるということを示すことができます。

説明文よりも先にタイトルに入れるべきです。

またリスティング広告では、「品質スコア」という1~10段階で広告の品質を示してくれるものがあります。

この品質スコアの算出要素の一つに「広告の関連性」がありますが、これはユーザーの検索意図と広告の内容がどれだけ関連しているかというものです。

この広告の関連性は、広告文のなかに検索語句を盛り込むと上がりやすくなります。

広告文のなかに検索語句があれば、ユーザーは自分が探している内容だと判断してクリックしやすくなりますし、広告文の内容も検索語句に関連する内容に自然となるでしょう。

広告の関連性=検索語句を入れているかどうか、というわけではないですが、検索語句を盛り込むことは上記の理由から非常に重要です。

タイトル1を重視する

広告文のなかではタイトル1を最も重視すべきです。

先述の通り、タイトルは3つまで設定できますが、必ずしも3つ全てが表示されるとは限りません。

そればかりか、タイトル2まで省略されるケースも散見されるようになってきました。
特に、表示スペースがPCよりも狭いスマートフォンでよく見られます。

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スマートフォンで”広告レポート”で検索した結果



こうなってくると、タイトル2よりも説明文1の方が重要といえるかもしれません。

2021年9月現在、Googleは最適な広告表示の方法を模索して、色々と形式を変えながらテストしているようです。

ただし、いずれのパターンでもタイトル1は表示されていることから、タイトル1に最も伝えたい内容を入れるべきということは言えます。

タイトル1を重視し、内容が適切か見直してください。

とりあえずタイトル1にブランドワード、は危険

広告文を考えるときに、とりあえずタイトル1に会社名や商品名などのブランドワードを入れる、という方法は少々危険です

誰もが知る有名なブランドワードであれば効果は期待できるかもしれませんが、ほとんどの人が知らないブランドワードだったり、その分野を知らない人が調べるために検索する場合は、そもそもそのブランドワードを知らないので効果は上がりません。

例えば「リスティング広告 代理店」と検索したときに、会社名とリスティング広告代理店がタイトルにあっても、検索したユーザーはその会社名を知りませんし、リスティング広告の代理店が広告に表示されることは、ユーザーからすれば当たり前です。

それよりも、他社に対して優位な要素(独自サービスや実績など)をタイトル1に入れて訴求したほうが、ユーザーがクリックしてくれるかもしれません。

実際には配信してみないと分からないですが、先入観を捨てて様々なパターンの広告文を登録し、色々とテストしてみることが大切です。

信頼性を示す

ブランドワードや”公式”などの信頼性を示す文言を追加することも有用です

前項の内容と相反するようですが、有名な企業やブランドの場合や、競合他社がブランドワードに出稿してきていて、公式であることを示すのが有用な場合には有効です。

商標登録されているワードを広告文に使うことはできませんが、残念ながらあの手この手で公式であると誤認させるような広告を出稿しているケースがあります。

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こちらは「Googleマイビジネス」で検索した際に表示された広告ですが、グーグルという文言が商標登録されているため、「グ -グル」という言葉を使っているものと見られます。

URLを見れば判断可能ですが、知識のない人は公式と判断してクリックしてしまう可能性は十分ありえます。

こうした場合には、公式と入れることは有効です。

広告は3本以上は設定する

Googleは、1広告グループに3本以上の広告を設定することを推奨しています。

これは、検索しているユーザーに最も関連性の高い広告を自動的に表示するように、システム上で最適化されるためです。

3本以上を目安に、考えられるだけの広告文をたくさん設定してみましょう。

参考:広告グループに 3 つ以上の広告を作成する|Google広告ヘルプ

文字数は多ければ良いわけではない

広告文の文字数は多ければ多いほど良い、というわけではありません

リスティング広告の拡大テキスト広告の場合、タイトルが半角30文字(全角15文字)、説明文が半角90文字(全角45文字)以内です。

この文字数の制限の中で、できるだけ情報量を多く盛り込むために、文字数制限ギリギリまで無理に情報を詰め込むというのは推奨しません。

先述の通り、広告文は設定したものが必ずすべて表示されるわけではなく、デバイスや検索語句によって省略されて表示されたりします。

そのため、せっかく盛り込んだ内容が省略されてしまうかもしれないのです。

また文字数いっぱいまで説明文を作ると、結構な情報量となり、ユーザーに伝えたい情報が埋もれてしまう可能性もあります。

本当に伝えたい情報に絞って広告文を作成したほうが、かえって効果的になることもあるでしょう。

これも先述の通り、色々なパターンを作ってテストしてみることが大切です。

広告表示オプションは必ず活用する

広告文の作成時には、広告表示オプションの活用もセットで行いましょう。

リスティング広告の構成」でお見せしたように、広告表示オプションは説明文と見分けがつかない形で表示されることが多々あります。

具体的には、コールアウト表示オプション構造化スニペット表示オプションは、広告文に連なって表示されるので、ユーザーからすれば広告文の一部として見えます。

つまり、それだけ提供できる情報が増えるわけで、広告表示オプションをセットしない理由はないと言えます。

ただし、あくまでオプションであり必ず表示されるわけではないので、タイトルや説明文をより重視し、そこで触れられなかった内容を追加で広告表示オプションで示す、というスタンスが良いでしょう。


効果的な広告文の作り方(考え方編)

テクニック編に続いて、広告文を作る際に意識すべき重要な考え方をご説明します。

特に意識すべき考え方は以下の通りです。

  • ベネフィットをストレートに
  • 自身の強みを盛り込む
  • 具体的な言葉、特に数字を活用する
  • クリック後の未来が思い浮かぶフレーズを入れる

ベネフィットをストレートに

広告をクリックしたユーザーが得られるベネフィット(効能)をストレートに表現しましょう

ユーザーがどういう意図を持ってその検索語句で検索したのかを考え、そのユーザーが求めている情報を提供すべきです。

例えば「SFAツール」であれば、SFAツールを導入することで、営業活動を可視化したり営業報告を効率化し、最終的に売上や利益を向上させることが目標です。

この場合、売上や利益を向上させるというのは当たり前のゴールなので、その手前の営業活動の可視化などを訴求すると良いでしょう。

ポイントは、婉曲的な表現や抒情的な表現は避けて、わかりやすい表現にすることです。

自身の強みを盛り込む

競合他社と比較して、自身の強みを広告文に盛り込みましょう

競合優位性を活かすべきなのは、広告文に限らずマーケティング全般にいえることです。
自社の強みは何なのかを考え、それを広告文に反映させましょう。

ただし、より重視すべきなのは検索ユーザーが求めていることです。

例えば業界シェアNo.1であることが自社の強みだったとしても、検索ユーザーにそれが強く響くかは分かりません。

もっと他の内容、例えば独自のサービスがあれば、そちらのほうがユーザーの課題にマッチしていて響く可能性もあります。

やはり実際に配信してみないと分からないことではあるので、色々なパターンの広告文を用意することが大切です。

具体的な言葉、特に数字を活用する

ベネフィットを伝えるためには、数字などの具体的な言葉を活用すると良いです。

例えば、業務効率化ツールの訴求で残業時間削減と伝えるよりも、平均月20時間の残業時間削減を実現、と伝えたほうがユーザーには響きます。

先述の薬機法や景表法に抵触しないかは注意する必要がありますが、虚偽や誇大表現でないように注意しつつ、数字などを活用して具体的にベネフィットを伝えましょう。

クリック後の未来が思い浮かぶフレーズを入れる

広告をクリックしたユーザーが、遷移後にどういう未来になるのか思い描けるようなフレーズを入れることも大事です。

例えば「リスティング広告 代理店」の場合、「リスティング広告の攻略ガイドブックを無料配布中」ということを広告文に盛り込んでおけば、ユーザーは遷移後に少なくともリスティング広告のホワイトペーパーを入手している未来は想像できます。

どんな代理店かはクリックしてみないと分かりませんが、ホワイトペーパーという明確な利益がその時点でユーザーにもたらされることになるのです。

他にも「広告アカウントの無料診断実施中」という訴求であれば、自社の現在の広告アカウントをこの代理店に診てもらっている未来が思い描けます。

広告をクリックし、LPを見てようやくベネフィットを得られるというのではなく、クリックする前にその未来が思い描ければ、ユーザーがクリックしてくれる可能性は高くなるでしょう。


広告文の作成時の便利機能

実際に広告文を作成したり、改善する際に便利な機能をご紹介します。

広告文を改善するには、ここまでご紹介した内容に注意しながら、たくさん広告文を作ってテストすることが一番です。

下記の機能を活用し、最適な広告文を模索し続けてください。

テスト機能

Google広告では、現在の設定内容とは別の設定内容での配信を同時進行で行える、テスト機能が用意されています。

本来広告文に限らず、キーワードやその他のアカウント構成そのもののテストを行える機能ですが、広告文だけ変更してテストすることも可能です。

広告文をテストする際に、これまでの内容で一定数の実績を担保しつつ新しい内容も試してみたい、新しい広告文で急激に効果が悪化するのが怖い、という場合に活用してみると良いでしょう。

参考:キャンペーンの下書きとテストについて|Google広告ヘルプ

広告バリエーション

テスト機能と似た機能として「広告バリエーション」という機能もあります。

こちらは広告文の一部を変更したものをテストできる機能で、広告に特化した機能です。
テスト機能と同様に、広告文のテストが可能です。

特に大規模なアカウントでは、キャンペーン数や広告グループ数が多く、その分広告文の量も多くなります。

ちょっとした広告文の変更でも作業負荷は大きくなりますし、変更漏れなどのミスが起こる可能性も高くなります。

そうしたときに、より手軽に広告のテストが行えるのがこの広告バリエーション機能です。

またキャンペーン単位での変更になるので、広告グループ単位での細かいテストをしたい場合には適していません。
その場合は、上述のテスト機能を使いましょう。

参考:広告バリエーションについて|Google広告ヘルプ

広告カスタマイザ

広告カスタマイザは、キーワードや地域によって広告を出し分けられる機能です。

Yahoo!広告ではアドカスタマイザーという名称です。

検索語句をタイトルに入れるにて広告文に検索語句を盛り込むことが重要と述べましたが、厳密にやろうとするとキーワードごとに広告グループを分けなければいけなくなります。

しかし広告カスタマイザを使用すれば、広告グループをまとめたまま広告文を出し分けることができます

参考:広告カスタマイザについて|Google広告ヘルプ
参考:アドカスタマイザーについて|Yahoo!広告ヘルプ

媒体社いわく、最終的なリンク先ページが同じ=訴求が同じであれば、広告グループをまとめたほうが効果が出やすいとされています。

広告グループをまとめつつ、広告を出し分けるにはカスタマイザの活用が欠かせません。

参考:広告グループでアカウントを整理する|Google広告ヘルプ
参考:「シンプル」なアカウント構成で広告効果アップ!|Yahoo!JAPAN広告


まとめ

リスティング広告の広告文作成時には、文字数や使用可能な記号、媒体ごとのポリシーといった特有のルールだけでなく、薬機法や景表法などの法令を遵守した広告文を作成する必要があります。

また、よりクリックされる広告文を作成するには、以下のテクニックを駆使すると良いでしょう。

・検索語句をタイトルに入れる
・タイトル1を重視する
・とりあえずタイトル1にブランドワード、は危険
・信頼性を示す
・広告は3本以上は設定する
・文字数は多ければ良いわけではない
・広告表示オプションは必ず活用する

そもそも意識すべき考え方は以下の4つです。

・ベネフィットをストレートに
・自身の強みを盛り込む
・具体的な言葉、特に数字を活用する
・クリック後の未来が思い浮かぶフレーズを入れる

これらの内容をふまえながら、色々な広告文を作成しテストしてみることが、効果をあげるために最も重要です。

テスト機能などを駆使し、より良い広告文を見つけ出してください。

なお、リスティング広告初心者向けの無料ガイドブックでは、中小・ベンチャー企業でもリスティング広告で効果を出す方法について60ページに渡り丁寧に解説しています。

無料でダウンロードできますので、興味のある方は参考にしてみてください。

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