パブリッククラウドとは?プライベートクラウドとの違いや利用の流れを解説

パブリッククラウド_アイキャッチ

パブリッククラウドとは、インターネットを通じて広く一般にサービスが提供されるクラウドコンピューティングの形態です。

このモデルを活用することで、企業は初期投資を抑えつつ、必要に応じてリソースを追加・削減する柔軟性を持たせることができます。

しかし、パブリッククラウドの利用にはセキュリティの懸念やコンプライアンス遵守、ベンダーロックインなどの課題が存在し、これらの問題に効果的に対処するための戦略やツールの選定が重要です。

そこで本記事では、パブリッククラウドの基本概念、利用が進む背景、具体的な利用シナリオ、他の形態との違い、利用の流れや主要なプロバイダーなどの情報を一挙に解説します。

パブリッククラウド導入を検討中の方や、より効率的なクラウド利用方法をお探しの方は、ぜひご一読ください。

目次


パブリッククラウドとは

パブリッククラウドとは、インターネットを通じて一般に提供されるクラウドサービスのことです。

サービスプロバイダーが運営するデータセンターからリソースを提供し、ユーザーはこれをオンデマンドで利用できます。

このモデルでは、物理的なインフラストラクチャを共有しながらも、仮想的に独立した環境を各ユーザーに提供することが特徴です。

パブリッククラウドの主な利点は、初期投資の削減と運用の柔軟性にあります。

ハードウェアの購入や維持管理が不要で、使用した分だけ料金を支払うため、コストパフォーマンスに優れています。

また、需要に応じてリソースをスケーリングできるため、ビジネスの成長や変動に柔軟に対応可能です。

さらに、パブリッククラウドは高度なセキュリティ対策が施されており、専門のセキュリティチームによって管理されています。

これにより、中小企業でも大企業と同等のセキュリティ水準を手軽に実現できるため、安全にビジネスを運営することができます。

このようにパブリッククラウドは、その柔軟性、コスト効率、安全性から多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。


パブリッククラウドが注目される背景にある4つの要因

パブリッククラウドがビジネス環境において重要視される背景には、デジタル変革の加速、データ駆動型ビジネスの台頭、リモートワークの普及、コスト削減のニーズなどの要因があります。

1.デジタル変革の加速

デジタル技術が急速に進化する中、企業はビジネスモデルの変革を迫られており、この流れを支えるために柔軟性と拡張性を兼ね備えたITインフラが求められています。

パブリッククラウドは、スピーディーにリソースを調整できるため、急な市場の変動に迅速に対応することが可能です。

また、新しいアプリケーションのテストやデプロイメントを迅速に行えるため、イノベーションのサイクルを加速させることができるのです。

2.データ駆動型ビジネスの台頭

企業が競争優位を保つためには、蓄積されるビッグデータを効率的に活用し、精度の高いビジネス判断を行うことが不可欠です。

パブリッククラウドは、膨大なデータストレージを提供するだけでなく、強力な計算リソースを利用して高度なデータ分析を可能にします。

このような環境下では、企業はデータをリアルタイムで分析し、消費者の行動パターンや市場のトレンドを素早く把握することができます。

3.リモートワークの普及

世界的な健康危機が原因でリモートワークが急速に広がった結果、多くの企業がその業務遂行のためにパブリッククラウドへの依存を強めました。

パブリッククラウドは、地理的な制約を超えて効果的にチームとコミュニケーションを取り、協業するためのプラットフォームを提供します。

セキュアなクラウド環境を活用することで、企業はリモートワーク中でも情報漏洩のリスクを最小限に抑えつつ、生産性を保つことが可能です。

4.コスト削減のニーズ

初期投資や運用コストの削減は、特にスタートアップや中小企業にとって重要な要素です。

パブリッククラウドは物理的なインフラを自社で保有・管理する必要がなく、必要なリソースを必要な分だけ購入することで、コストを大幅に削減できます。

さらに、エネルギーコストや人件費などの運用コストも削減することが可能で、これが企業の財務に直接的な利益をもたらします。


パブリッククラウドの利用シーン4つ

パブリッククラウドはその柔軟性と拡張性により、多岐にわたる業界で様々な用途に利用されています。以下に、4つの主な利用シーンを紹介します。

1.Webアプリケーションのホスティング

スタートアップから大企業まで、多くの企業がWebアプリケーションのホスティングにパブリッククラウドを利用しています。

リソースを迅速にスケールアップまたはダウンさせることができるため、ユーザー数の増減に柔軟に対応することが可能です。

また、グローバルにサービスを提供する際の地理的な制約を低減し、世界中のエンドユーザーに対して一貫したパフォーマンスを提供することができます。

2.データバックアップと災害復旧

データは現代ビジネスにおける最も重要な資産の一つです。

パブリッククラウドを利用することで、企業はデータを安全にバックアップし、万が一の事態に備えて迅速な復旧を図ることができます。

災害復旧プランにパブリッククラウドを組み込むことで、データ損失のリスクを大幅に減少させることが可能となります。

3.データ分析とビッグデータ処理

ビッグデータの分析は、多くの企業にとって重要な戦略的課題です。

パブリッククラウドプラットフォームは、大量のデータを集め、保存し、処理するための強力なリソースを提供します。

企業はクラウド上で複雑なデータ分析を行い、リアルタイムでの洞察を得ることができます。

4.ソフトウェア開発とテスト

ソフトウェア開発プロジェクトでは、開発環境やテスト環境を素早く構築することが求められます。

パブリッククラウドを使用することで、開発チームは必要に応じてリソースを即座に確保し、開発サイクルを加速することができます。

この柔軟性は、市場への製品投入時間を短縮し、競争優位を支えます。


パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い

パブリッククラウドとプライベートクラウドは、ビジネスニーズに応じて異なるメリットを提供します。

パブリッククラウドプライベートクラウド
アクセスと所有権サービスとしてインターネット経由で提供。プロバイダーがインフラを所有・管理。企業専用に設計され、企業内部または専用の外部施設に設置。企業が完全に所有・制御。
コストとスケーラビリティ初期投資が少なく、利用したリソースに応じて料金を支払う。必要に応じてリソースの迅速なスケールアップ・ダウンが可能。初期設置費用と運用コストが高いが、長期的にはカスタマイズと効率化でコストパフォーマンスが向上することがある。
セキュリティとコンプライアンスセキュリティは強化されているが、リソースを多くの顧客と共有するため、特定の厳格な規制要件には不十分な場合がある。専用環境により、より厳格なセキュリティ対策が可能。データとアプリケーションの保護を強化し、規制遵守が容易。
パフォーマンスと信頼性データセンターを世界中に持ち、高い可用性を提供。ただし、ネットワーク遅延や他顧客のリソース使用がパフォーマンスに影響する場合がある。専用のリソースによりパフォーマンスが一貫しており、予測可能。

アクセスと所有権が異なる

パブリッククラウドは、インターネットを介して一般に提供されるサービスです。

このモデルでは、インフラストラクチャはクラウドプロバイダーが所有し、管理します。

一方、プライベートクラウドは、特定の企業専用に設計され、その企業内部または専用の外部施設に設置されます。

プライベートクラウドは企業が完全に所有し、制御することができ、セキュリティやカスタマイズが必要な環境での使用に適しています。

コストとスケーラビリティが異なる

パブリッククラウドは、利用したリソースに応じて料金を支払うため、初期投資が少なく済みます。

追加のリソースが必要になった場合には、すぐにスケールアップが可能であり、ビジネスの変動に柔軟に対応できます。

一方で、プライベートクラウドは専用のリソースを要するため、初期設置費用が高く、運用コストも発生しますが、長期的な運用においてはカスタマイズと効率化が進められるため、コストパフォーマンスが向上することがあります。

セキュリティのレベルが異なる

セキュリティが最優先事項である場合、プライベートクラウドが選ばれることが多いです。

専用環境により、データとアプリケーションはより厳格なセキュリティ対策のもとで保護され、規制遵守の要件に対してもカスタマイズが可能です。

対照的に、パブリッククラウドはセキュリティ対策が強化されているものの、多くの顧客が同じリソースを共有しているため、厳密な規制が求められる特定の業界では不十分と見なされることがあります。

パフォーマンスの信頼性が異なる

パブリッククラウドは世界中のデータセンターを活用して高い可用性を提供します。

しかし、ネットワークの遅延や他の顧客のリソース使用がパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

プライベートクラウドでは、専用のリソースを利用するため、パフォーマンスが一貫しており、予測可能です。

これらの違いにより、パブリッククラウドとプライベートクラウドは異なるビジネスシナリオに最適化されています。

適切なクラウドソリューションを選択することで、企業はITニーズに応じた最良の結果を得ることができます。

次に、パブリッククラウドの具体的なメリットやデメリットについて見ていきましょう。


パブリッククラウドのメリット4つ

パブリッククラウドは、現代のビジネスに不可欠な柔軟性、コスト効率、およびスケーラビリティを提供することで、多くの企業に選ばれています。

ここでは、これらの4つのメリットについて説明します。

1.コスト効率が高い

パブリッククラウドの最大のメリットの一つは、そのコスト効率です。

物理的なインフラストラクチャに投資する必要がなく、必要なリソースだけを購入して利用することができます。

これにより、企業は初期投資を抑え、運用コストを大幅に削減することが可能です。

また、使用量に応じて料金が課されるため、無駄な支出を減らすことができます。

2.需要に合わせてスケールを柔軟に調整できる

ビジネスの成長や需要の変動に応じて、パブリッククラウドリソースは簡単にスケールアップまたはスケールダウンが可能です。

高負荷の期間にはリソースを増やし、需要が減少した場合はすぐに縮小することができるため、リソースの最適化が実現します。

この柔軟性は、急速に変化する市場環境に対応するための重要な要素です。

3.どこからでもアクセスできる

パブリッククラウドは、世界中に分散したデータセンターを利用してサービスを提供するため、地理的な制限を超えてビジネスを展開することが容易になります。

これにより、世界中どこからでもアクセスが可能となり、国際的な顧客基盤の拡大を支援します。

4.メンテナンスとアップデートが簡単

クラウドプロバイダーがサーバーのメンテナンスやソフトウェアのアップデートを管理するため、企業はこれらのタスクに関わる時間とコストを節約できます。

常に最新の技術が提供されるため、セキュリティの強化と効率的な運用が保証されます。


パブリッククラウドのデメリット

パブリッククラウドは多くの利点を提供する一方で、特定のシナリオではデメリットも存在します。

それらを理解することでより適切なクラウド戦略を立てることができます。

1.セキュリティの懸念

パブリッククラウドの最も一般的な懸念点はセキュリティです。データが外部のプロバイダーによって管理されるため、データ漏洩や不正アクセスのリスクが常に存在します。

また、共有リソースを利用することで、他の顧客の活動が自社のパフォーマンスに影響を与える可能性もあります。

これを緩和するためには、強化されたセキュリティプロトコルと継続的なモニタリングが必要です。

2.規制要件への準拠はプロバイダ次第

特定の業界では、データ保持や処理に厳格な規制が課されています。

パブリッククラウドでは、これらの規制に完全に準拠しているとは限らないため、コンプライアンス違反のリスクが発生することがあります。

企業は規制要件を十分に理解し、適切なクラウドソリューションを選択する必要があります。

3.外部への依存度が高まる

パブリッククラウドへの過度の依存は、プロバイダーが経験する技術的な問題が直接的にビジネスに影響を与えるリスクを持ちます。

サービス停止やパフォーマンスの低下は、ビジネスの運営に重大な影響を与える可能性があるため、リスク管理と適切なバックアップ計画が必要です。

4.プロバイダーに縛られる可能性がある

パブリッククラウドを利用することで、特定のプロバイダーの技術やサービスに縛られることがあります。

これにより、将来的に他のプロバイダーや技術への移行が困難または費用がかかる場合があります。

事前に移行計画を検討し、柔軟性を保つための戦略を立てることが重要です。

これらのデメリットを認識し、適切な対策を講じることで、パブリッククラウドの利用がもたらす利点を最大限に活用しつつ、リスクを管理することが可能です。

次章では、パブリッククラウドを利用する際の流れについて詳しく説明します。


パブリッククラウドを利用する流れ

パブリッククラウドを効果的に利用するための流れは、計画的かつ段階的に進める必要があります。

以下のステップに従って、企業はパブリッククラウドの導入から最大化までのプロセスを管理できます。

1.ニーズの評価と目標の設定

パブリッククラウド導入の第一歩は、ビジネスのニーズを正確に評価し、具体的な目標を設定することです。

どのアプリケーションをクラウドに移行するか、何を達成したいかを明確にし、これらの目標がビジネス戦略と整合していることを確認します。

たとえば、ある企業が顧客データ管理の効率化を目指している場合、どのCRMシステムをクラウドに移行するかを決定します。

目標は、リアルタイムでのデータ更新とアクセスの改善を通じて顧客満足度を向上させることです。

2.サービスプロバイダーの選定

数多くのクラウドプロバイダーが存在する中で、最も適切なプロバイダーを選ぶことが重要です。

サービスの種類、コスト構造、セキュリティ対策、サポート体制など、比較検討するポイントは多岐にわたります。

選定プロセスの例として、企業がパフォーマンス、セキュリティ、価格などを基準にしてAWSとGoogle Cloudを比較検討するケースがあります。

具体的なニーズに最も合致するプロバイダーを選ぶために、それぞれのサービスオプションを評価します。

3.移行計画の策定

移行計画を策定する際には、どのリソースをいつ移行するかのタイムラインを含め、リスク管理や移行後のテストプロセスを計画に盛り込むことが重要です。

段階的に移行を進めることで、リスクを最小限に抑えることができます。

たとえば、初めに小規模なテスト環境をクラウドに移行し、その結果を評価した後に本番環境を段階的に移行するというアプローチがあります。

4.移行の実施

実際の移行プロセスは、計画したスケジュールに従って進行します。

この段階では、データのバックアップ、アプリケーションの移行、設定の最適化など、技術的な詳細に注意を払います。

5.運用と最適化

クラウド移行後は、システムのパフォーマンス監視と継続的な最適化が必要です。

コスト管理、セキュリティの監視、および必要に応じてスケーラビリティの調整を行います。

また、定期的なレビューを通じて、クラウドサービスが引き続きビジネス要件に適合しているかを評価します。

運用と最適化の段階では、クラウド環境のパフォーマンス監視ツールを用いてリソース使用状況を定期的にチェックし、必要に応じてリソースを調整します。

たとえば、ピーク時のトラフィックに対応するために、自動的にスケーリング設定を行うことが考えられます。

パブリッククラウドを利用する流れは、これらのステップに沿って慎重に進めることで、企業はクラウドのメリットを最大限に引き出し、運用コストを最適化することが可能です。

次の章では、主なパブリッククラウドプロバイダーの一覧とその特徴について詳しく解説します。


主なパブリッククラウド5種

パブリッククラウド市場は、多数のプロバイダーによって競争が行われていますが、ここでは特に有名な5つのサービスを紹介します。

プロバイダー特長推奨業界
1.AWS広範囲のサービス提供、強力なコンピューティング、豊富なストレージオプション広範囲にわたる業界(スタートアップから大企業まで)
2.Microsoft AzureWindows統合環境、企業顧客向けに最適、管理ツールとセキュリティが豊富エンタープライズ、特にWindows中心の環境
3.Google Cloud高いコンピューティング能力、ビッグデータとAIに強い、Googleの広範なインフラ活用データ駆動型の企業、テクノロジー先進企業
4.IBM Cloudカスタマイズ可能なエンタープライズソリューション、高セキュリティ、強力なデータ管理規制が厳しい業界(金融、ヘルスケア)
5.Alibaba Cloudアジア市場に強い、中国市場特化、広範な地域データセンターネットワーク中国およびアジア市場に展開する企業

1.AWS (Amazon Web Services)

AWSは、広範囲にわたるサービスとツールを提供することで知られています。強力なコンピューティング能力、ストレージオプション、ネットワーキングとデータベースサービスが特徴です。

また、機械学習、人工知能、IoTといった先進技術にも強みを持っており、スタートアップから大企業まで広く利用されています。

2.Microsoft Azure

Microsoft Azureは、特に企業顧客に人気の高いクラウドプラットフォームで、シームレスなWindows統合環境を提供します。

Azureは、企業が既存のWindowsアプリケーションをクラウドに簡単に移行できるようサポートし、豊富な管理ツールとエンタープライズレベルのセキュリティを提供します。

3.Google Cloud Platform (GCP)

Google Cloudは、高いコンピューティング能力とビッグデータ、分析、機械学習へのアクセスが特徴です。

Googleの広範なインフラを利用して提供されるこれらのサービスは、特にデータ駆動型の企業に選ばれています。

4.IBM Cloud

IBM Cloudは、特に企業向けのカスタマイズ可能なクラウドソリューションで知られています。

高いセキュリティ標準と強力なデータ管理オプションを備え、特に規制が厳しい業界や大規模な企業に適しています。

5.Alibaba Cloud

Alibaba Cloudは、アジア市場で急速に成長を遂げているクラウドプロバイダーです。

中国市場に特化したサービスを提供し、地域に特化したニーズに対応するための広範なデータセンターネットワークを持っています。

これらのクラウドプロバイダーは、それぞれ独自の特徴を持ちながらも、幅広いテクノロジーとサービスを提供しており、企業がビジネスニーズに応じて最適な選択をすることができます。


パブリッククラウドのよくある課題と対策2つ

最後に、パブリッククラウドのよくある課題と対策を2つ紹介します。

1.セキュリティの懸念

パブリッククラウドの共有環境では、データの安全性とプライバシーが懸念されます。

強化されたエンドポイントセキュリティ、マルチファクター認証、暗号化技術を導入することで、データ保護を強化しましょう。

また、プロバイダーが提供するセキュリティ設定とポリシーを適切に管理し、定期的なセキュリティ監査を行うことが重要です。

参考:エンドポイントセキュリティとは?その具体的な中身や種類、導入の際のポイントなどを徹底解説!│LISKUL

2.コンプライアンスの問題

法規制や業界基準の遵守が難しい場合があります。

このような場合には、コンプライアンス要件を明確にし、それに適合するクラウドサービスを選択します。

プロバイダーと連携してコンプライアンス証明書を取得し、規制遵守のプロセスを確立することが効果的です。

参考:コンプライアンス対策で実施すべき12の項目を優先順位順に解説│LISKUL

3.ベンダーロックイン

特定のクラウドプロバイダーに依存することで、将来的に他のプロバイダーへの移行が困難になる場合があります。

これを避けるためには、中立的なアプローチを採用し、ポータブルなクラウド技術やオープンスタンダードを利用しましょう。

また、データやアプリケーションの移行計画を事前に検討し、複数のクラウド環境間での互換性を保つことが推奨されます。

4.スケーラビリティとパフォーマンスの問題

急激なトラフィックの増加や大規模なデータ処理がパフォーマンスに影響を与えることがあります。

これを避けるためには、効果的なリソース管理と自動スケーリング機能を活用し、需要に応じてリソースを迅速に調整します。

ロードバランサーやキャッシュ戦略を適用し、アプリケーションの応答性と効率を向上させることが有効です。


パブリッククラウドに関するよくあるご質問

パブリッククラウドの導入を検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。

Q.パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いは何ですか?

A.パブリッククラウドは共有されるクラウドで、プライベートクラウドは特定の企業が専有するクラウドです。パブリッククラウドはコストが低く、運用が簡単です。

Q.ハイブリッドクラウドとは何ですか?

A.パブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミスを組み合わせたクラウドシステムで、セキュリティ要件に応じて利用環境を選択できます。

Q.国産のパブリッククラウドにはどんな特徴がありますか?

A.日本の商習慣に対応しており、固定料金プランや請求書払いなどの柔軟な対応が特徴です。また、カスタマーサポートが充実している場合が多いです。

Q.パブリッククラウドの利用時にどのデータセンターを選べば良いですか?

A.データセンターは利用する地域に近い場所を選ぶと、パフォーマンスの向上が期待できます。複数のデータセンターを持つサービスを選ぶと良いでしょう。

Q.パブリッククラウドの導入コストはどのくらいかかりますか?

A.パブリッククラウドの導入コストは、使用量に応じて変動します。一般的には初期費用がほとんどなく、利用した分だけ課金される従量制が主流です。具体的にはサービス提供元にお問い合わせください。


まとめ

本記事では、パブリッククラウドの基本概念から活用方法まで、幅広い情報を提供しました。

パブリッククラウドは、その柔軟性とコスト効率により、多様なビジネス環境での利用が進んでいます。

パブリッククラウドは、インターネットを通じて提供されるクラウドサービスで、物理的なインフラストラクチャをクラウドプロバイダーが管理します。

このモデルは、スケーラビリティとコスト削減を実現し、ビジネスの敏捷性を高めるために利用されています。

デジタル変革の加速やテレワークの普及が、パブリッククラウドへの需要を高めています。

ビジネスは、リアルタイムでのデータアクセスや運用の効率化を求め、パブリッククラウドを活用しています。

パブリッククラウドは、Webホスティング、データバックアップ、データ分析、ソフトウェア開発など、様々なシーンで利用されています。

これにより、企業は柔軟かつ迅速に市場の変化に対応できます。

プライベートクラウドは専用の環境を提供し、セキュリティとカスタマイズが強化されていますが、パブリッククラウドはその共有性とコスト効率に優れています。

パブリッククラウドはスケーラビリティとコスト効率がメリットですが、セキュリティの懸念やコンプライアンスの課題もあります。適切な対策と管理が必要です。

効果的なクラウド導入のためには、ニーズの評価、適切なプロバイダーの選定、移行計画の策定、そして継続的な運用と最適化が鍵となります。

主なパブリッククラウドには、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Alibaba Cloudなどがあり、それぞれ特有の強みを持っています。

また、パブリッククラウドを効果的に活用するためには、セキュリティ強化、コンプライアンス対応なども重要です。

これらのポイントをおさえてクラウドサービスを選択・導入することで、企業の競争力を向上を期待できますので、興味をお持ちの方はぜひ検討してみてください。