採用動画の制作方法・役立つ事例・採用動画の種類や制作のポイント

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採用動画を活用することは、企業の採用活動を円滑にすすめることに加え、企業のブランディングにも貢献します。

しかし一方で、次のような悩みを抱える人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

「採用動画を作ることになったが何から始めれば良いのか分からない…」
「どのような採用動画を作るべきなのか?」
「自社にあった採用動画を制作するためのポイントを知りたい」

そこで本記事では、採用動画の種類や制作方法、活用事例、さらには制作のポイントについてご紹介いたします。

こちらの記事を最後まで読むことで、採用動画の制作方法を適切に理解し、自社の採用活動に貢献する動画制作を円滑にすすめることができるようになりますので、是非とも最後までお読みください。


採用動画の制作方法には2パターンある

採用動画の制作方法には以下の2パターンがあります。自社にとってどちらが適しているか考えてみましょう。

自社制作外注
品質低~中中~高
コスト
期間長~短
ノウハウ必要不要
進めやすさ中~易

自社で制作する

自社で制作する場合は、コストを抑えられる反面、動画制作のスキル・ノウハウがなければ低品質な動画になってしまうデメリットがあります。
また制作スキームの構築からしなければならないため、制作の進行の難易度が高く、完成までの期間がかかってしまうことにも注意しなければなりません。

外注する

プロに外注することで、高品質な動画制作を期待できます。

自社に動画制作のノウハウがない場合は、外注した方がクオリティの高いものが出来上がるでしょう。

ただし、その分コストが掛かるのがデメリットといえます。

コストが掛かる分、「思っていたものと違ったものが出来あがった」ということがないように、どういった採用動画にしたいのかを精緻にまとめることと、適切な制作会社選びが重要になります。

参考:発信すべき「自社らしさ」がわかる採用ブランディング支援サービスとは


採用動画の制作の流れ

採用動画を制作する際は、以下の流れで進めていくことになります。

  1. ペルソナ設定
  2. 情報収集・競合調査
  3. 採用動画の企画
  4. ビジュアルコンテの作成
  5. 動画撮影
  6. 編集
  7. 公開

ステップ1.ペルソナ設定

まずはどういう人材を採用したいのかを明確にするためにペルソナ設定をします。

ペルソナとは「実際に自社の商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザー」のことです。

ざっくりとしたターゲット像ではなく、特定のこの人!という人物を思い描いて、その人に向けて送るつもりで採用動画を作成します。

そうすることで、多くの人にあてはまるが誰にもあまり響かない動画にならずに、絶対採用したい人に必ず響く採用動画にすることができます。

<ターゲット例>
年齢:20~30代
スキル:広告代理店勤務経験あり

<ペルソナ例>
名前:酒巻塁
属性:35歳男性
居住地:神奈川県横浜市
家族構成:独身
職種:広告代理店勤務のWeb広告運用者
趣味:映画鑑賞、読書
仕事観:常にチャレンジできる環境に身を置く
etc

ステップ2.情報収集・競合調査

ペルソナを設定したら、そのペルソナがどんな情報を求めているのかを調査します。

Twitterや投稿型の転職情報サイトなどを活用して情報を収集しましょう。
ペルソナに近しい人物が近くにいる場合は、インタビューすることも有効でしょう。

また自社の直接的な競合はもちろんのこと、ペルソナユーザーが応募しそうな競合他社がどんな採用活動をしているのかを調査しましょう。

ペルソナのニーズに合う求人動画を制作でき、自社に興味をもってもらいやすくなります。

ステップ3.採用動画の企画

採用動画を届けたい人の情報が集まったら、それを基に採用動画の企画に入ります。

たとえば以下を整理して、動画の内容をまとめます。

  • 目的
  • 伝えたい要素
  • 活用シーン
  • シナリオ
  • 予算
  • 納期

採用動画の主なパターンとしては以下が挙げられます。

  • 会社・職場紹介
  • 仕事紹介
  • トップメッセージ
  • 社員インタビュー
  • 社員座談会
  • ある社員の一日

ステップ4.ビジュアルコンテの作成

企画がまとまったら、採用動画の認識合わせのために絵コンテを作成します。

絵コンテ

引用:インハウス動画制作の現場から~社内ビデオプロダクションのススメ~第10回 動画プランニングで考える 動画制作の依頼をうまく受ける方法|libedoor NEWS

絵コンテを用意することで、完成物の認識のずれをなくすことができ、実際に動画を撮影する上でもそれに沿って進めることができるようになります。

ステップ5.動画撮影・編集

動画の内容が固まったら、いよいよ撮影に入ります。

いきなり本番に入るのではなく、カメラワークや被写体の動きなどを確認するリハーサルを行っておくと、スムーズに撮影が進みます。

撮影に必要な機材としては以下が挙げられます。

  • 固定できるカメラ
  • マイク
  • 照明
  • スタビライザー(手ブレ補正)
  • レフ板(ライトを反射)
  • 吸音材(周囲の雑音除去) など

ステップ6.編集

撮影した動画を編集して公開可能な状態に仕上げます。

字幕を入れるなどして、伝えたい内容を漏れなく伝えられる動画にしましょう。

また公開する方法(自社サイト・Youtube・SNS・会社説明会での上映など)に合わせて、動画の長さや形式を変えると良いでしょう。

動画の編集は専用のソフトが必要になるので、その導入費用や技能の習得が必要なことを考えると、編集だけ外注するという手もあります。

ステップ7.公開

無事採用動画が完成したらいざ公開となります。

自社サイトやYoutube、Twitter等のSNSなど、伝えたい相手に適切に伝えられるチャネルを選択するようにしましょう。


採用動画の制作期間

ステップ必要期間
ペルソナ設定1~2営業日
情報収集・競合調査1~5営業日
採用動画の企画1週間~2週間
ビジュアルコンテの作成1週間~3週間
動画撮影1週間~3週間
編集2週間~3週間
公開1~2営業日

制作の期間は動画の長さや規模にもよりますが、目安としては1ヶ月半〜3ヶ月ほど掛かると見ておくとよいでしょう。

修正の回数が増えれば増えるほど制作期間も伸びていきます。


採用動画の制作費用の相場

目的相場
安く・手軽に作成したいインタビュー動画
社内風景動画
社員座談会動画
50万円
職場の雰囲気や仕事の内容を伝えたい上記の組み合わせ100万円~
費用を掛けてでもクオリティの高いものを作りたい社員密着動画
ドラマ仕立て
150万円~

制作費の相場についても動画の長さや種類・内容にもよりますが、大体50万円〜150万円前後が相場です。
ドラマ仕立てのような凝った内容で、規模が大きくなれば150万円以上になってくるため、自社の採用にかけられるコストによってどういった動画にするかを検討しましょう。


採用動画の種類

採用動画には様々な種類があります。今回は4つに分類して内容を解説します。

会社紹介動画

会社紹介動画は、会社の沿革や事業内容など会社の特徴を紹介する動画です。
自社で大切にしていることや企業目標など、会社自体のことを良く知ってもらえるような内容にすることが大切となります。

事例:会社紹介動画(JR西日本)

JR西日本の会社紹介動画では、インフォグラフィックスを用いてスタイリッシュに事業内容を紹介しています。

仕事紹介動画

仕事紹介動画は、自社で行っている業務について紹介する動画です。

実際に働いている人の生の声を届けることで、どういう仕事なのか、実際に働いたらどんな風になるのかをイメージしやすくなります。

事例:仕事紹介動画(佐川グローバルロジスティクス)

佐川グローバルロジスティクスの仕事紹介動画では、一人の社員の1日に密着して仕事の紹介をしています。

インタビューを交えながら紹介しており、より入社後のイメージがしやすい工夫がされているところが魅力です。
また字幕がついているため、仮に音声で聞き取りづらい状況でも内容を理解できます。

社員インタビュー動画

社員インタビュー動画では、実際に自社で働いている社員にインタビューを行います。

仕事への思いや心掛けてることなどを通して、自社の魅力や空気感を伝える効果があります。
ペルソナに応じて若手や中堅など、インタビュー対象の社員を変えることが重要になるでしょう。

事例:社員インタビュー動画(Yahoo! JAPAN)


Yahoo! JAPANでは、各職種ごとに社員インタビューを行っています。

様々な職種の社員を紹介することで、入社後の自分の仕事をイメージしやすい工夫がなされています。
全体的により社内の雰囲気や働き方が伝わる動画設計になっているところが特徴です。

社員座談会動画

社員座談会動画では、社員同士で社内の魅力や業務内容などについて会話している様子を映します。

職場の雰囲気やコミュニケーションの様子を見ることができるため、休職者の不安を取り除くことにつながります。

事例:社員座談会動画(KDDIエボルバ)

KDDIエボルバでは、「リアルな座談会」をコンセプトとして採用動画を制作しています。

求職者にリアルな情報を届けられる工夫がされているため、入職後のイメージがしやすい特徴があります。


良い採用動画を制作するための4つのポイント

良い採用動画を制作するためには、以下の4つのポイントを押さえるようにしましょう。

ターゲットを明確にする

採用動画をどのような人に見てほしいのかというターゲットを設定しましょう。

先述したペルソナ設定と重なりますが、ターゲットを明確にすることでより適した動画制作が可能となります。

例えば、新卒向けなのか中途採用向けなのかでも興味関心は大きく変わります。

より効果的な動画を制作をするためにも重要なポイントです。

動画の活用方法や配信先を決めておく

あらかじめ動画の活用方法や配信方法について決めておきましょう。

自社サイトで配信するのかSNSを活用するのかなど、配信先や活用方法を決めておくことで、それぞれの特徴に合わせた動画制作が可能となります。

その際には複数のメディアを活用することで、さらに選択の幅が広がり、多方面へのアプローチにつながります。

動画にストーリーを持たせる

伝えたいことを印象深く伝えるためには、動画をストーリー仕立てにすることでより伝えやすくなります。

動画の時間が長くなり制作コストは増えてしまいますが、競合に対してもより印象付けることができます。

ご参考までに、ストーリー仕立ての採用動画の例をご紹介します。

事例1:電気保安協会全国連絡会

事例2:福井県警察

オリジナリティを意識する

採用動画制作の際は、他社とは違う自社独自の要素を盛り込んでオリジナリティを持たせるようにしましょう。

競合他社の調査をしっかりと行い情報を集めることで差別化ができ、自社の魅力や個性を伝えることができるようになります。

自社を選ぶメリットや自社でしかできないことをしっかりと伝えることで、より求職者の目に留まる採用動画となります。

事例:長浜市

長浜市役所の非常にオリジナリティのある採用動画です。

動画に魅力があるので、SNSを上手く活用すれば多くの人に観てもらうことができます。


まとめ

採用動画の制作方法には、自社で制作するか制作会社に外注するかの2通りがあります。

自社で制作するのはノウハウや人材などハードルが高いですが、コストを抑えることはできます。

外注する場合は、コストは掛かってしまうものの、自社では制作が難しい高品質の採用動画を制作できます。

採用動画の制作は以下のステップで行います。

  1. ペルソナ設定
  2. 情報収集・競合調査
  3. 採用動画の企画
  4. ビジュアルコンテの作成
  5. 動画撮影
  6. 編集
  7. 公開

また採用動画の制作期間は一般的に1.5~3ヶ月程度で、費用は安くて50万円、本格的な動画になれば150万円以上掛かります。

予算も考慮しながら、どういった採用動画にするのかを検討する必要があります。

本記事でご紹介した事例やポイントを参考に、自社に適した採用動画を制作してください。