
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とは、「仮想デスクトップ」のことです。サーバー上の仮想化されたパソコンを実行し、ユーザーのパソコンやモバイル端末に、画面を転送する仕組みです。そのため、OSやアプリケーションによる負荷も発生しません。
近年VDIは、テレワークを推進するとして注目されています。端末とネットワークがあれば、場所を問わずに利用できることや、ユーザー端末にデータを残さないので情報漏えいのリスクが軽減できるからです。
VDIの導入を検討する場合、
- クラウド型とオンプレミス型はどちらがいいのか
- セキュリティはテレワークでも問題ないか
- 機能とコストは見合っているか
など、比較ポイントがいくつもあるので、どのVDIが自社に最適化分からないという場合も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、代表的なVDI製品15社の特徴や料金、VDIを選ぶ際のポイント3つを分かりやすくまとめました。
この記事を読むことで、探す手間をかけずに、自社にぴったりの良質なVDIを効率的に比較することができます。
「VDI 比較」で検索した際に、上位15位までに表示されたサイトを調査し、登場回数順に紹介しています。探す手間を省いて、効率的にVDIを比較できるので、VDIの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- Azure Virtual Desktop/日本マイクロソフト株式会社
- Citrix Virtual Apps and Desktops/シトリックス・システムズ
- VMware Horizon/ヴイエムウェア株式会社
- VMware Horizon Cloud/ヴイエムウェア株式会社
- Amazon WorkSpaces/アマゾンジャパン合同会社
- ZENMU Virtual Desktop/株式会社ZenmuTech
- TrueOffice/Eugrid株式会社
- Shadow Desktop/アップデータ株式会社
- Parallels Remote Application Server/パラレルス
- StarCloud Software/SCSoft Inc.
- どこでもデスクトップ/ドコデモ株式会社
- Oracle VM VirtualBox/日本オラクル株式会社
- VMware Workstation Pro/ヴイエムウェア株式会社
- Azure Virtual Desktop Infrastructure/日本マイクロソフト株式会社
- IIJ仮想デスクトップサービス/株式会社インターネットイニシアティブ
- VDIの選び方3つのポイント
- まとめ
Azure Virtual Desktop/日本マイクロソフト株式会社
- Windows10のデスクトップを、あらゆるデバイスで
- 組み込みのセキュリティ機能
- 既存ライセンスの使用でコストを削減
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | 0円(Microsoft 365、Windowsのユーザーライセンスで利用可能) |
無料トライアル | あり(12ヶ月) |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | Georgia Office of the State Treasurer, Beiersdorf Shared Services, ICERTIS 他 |
Citrix Virtual Apps and Desktops/シトリックス・システムズ
- システムやインターフェイスに依存せず、アプリケーションやデスクトップを実行
- ネットワーク管理で、特定または全てのデバイスをアクセス制御
- 単一のデータセンターからネットワーク全体を管理
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■スタンダードサービス:月8ドル~ ■プレミアムサービス:月15ドル~ ■オンプレミス版:要問合せ ※ユーザー数、契約期間により異なります |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型、オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 要問合せ |
VMware Horizon/ヴイエムウェア株式会社
- ハイブリッドクラウド、マルチクラウドに対応
- ストレージアクセラレーターを搭載
- リンククローンが進化した「インスタントクローン」機能
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ ※指定ユーザー単位、同時接続単位の2種類です |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC |
提供形態 | オンプレミス型 ※クラウド型は「VMware Horizon Cloud」を参照 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | ヤフー、三菱自動車工業、ZOZOテクノロジーズ、慶應義塾大学病院 他 |
VMware Horizon Cloud/ヴイエムウェア株式会社
- ハイブリッドクラウド、マルチクラウドに対応
- 「IBM Cloud」「Microsoft Azure」を選択
- 画面転送が快適にできる、独自の技術
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | ■Horizon Apps ユニバーサル サブスクリプション:月8.25ドル~ ■Horizon ユニバーサル サブスクリプション:月16.50ドル~ ※指定ユーザー単位、同時接続単位の2種類です ※ユーザー数、契約期間により異なります |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型 ※オンプレミス型は「VMware Horizon」を参照 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | ニトリ、ロッテ、University of Technology Sydney 他 |
Amazon WorkSpaces/アマゾンジャパン合同会社
- 月額課金と従量課金(時間料金)を選択
- AWSとオンプレミス環境を接続して連携
- 世界13箇所のAWSリージョンで利用可能
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | ■バリュープラン:月21ドル~ ■スタンダードプラン:月29ドル~ ■パフォーマンスプラン:月41ドル~ ■パワープラン:月66ドル~ ■パワープロプラン:月123ドル~ ※月額料金、時間料金の2種類です(どちらも月単位で請求) ※ユーザー数、契約期間により異なります |
無料トライアル | あり(12ヶ月) |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | ソニー銀行、ヤマハ発動機、小田急不動産 他 |
ZENMU Virtual Desktop/株式会社ZenmuTech
- オフライン環境での利用も可能
- 独自の秘密分散技術による高いセキュリティ
- Azure AD(Office365)連携
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | 月780円/ユーザー |
無料トライアル | あり(2ヶ月) |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | ピーエスシー、三井倉庫ホールディングス 他 |
TrueOffice/Eugrid株式会社
- ユーザーのデータだけをサーバーに保存
- OS、ハードウェア、アプリケーションはクライアント端末側を活用
- 管理者の元に、全ユーザーデータを集約して管理
初期費用 | 30万円(導入前検証支援サービス) |
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料金プラン | 要問合せ |
無料トライアル | なし ※導入前にはコンサルティングを含んだ有償検証支援パッケージの購入が必要 |
対応デバイス | PC(Windowsのみ) |
提供形態 | クラウド型、オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 東芝、三菱地所コミュニティ、山田コンサルティンググループ、オルビス 他 |
Shadow Desktop/アップデータ株式会社
- PC内のファイルをクラウドへ仮想化
- オフラインでもファイルの閲覧や編集が可能
- クラウド上のデータを全て暗号化して保存
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■Standard1年間:1万2540円 ■Standardクラウド付1年間:2万5300円 ■Premium1年間:1万8040円 ■Premiumクラウド付1年間:3万800円 ※Standardの場合、別途オプション利用が可能 |
無料トライアル | あり(1ヶ月) |
対応デバイス | PC(Windowsのみ) ※ EFS対応する Pro 以上のエディション ※ Windows7での動作保証は2021年4月7日に終了 |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | エナリス、STAGE GROUP、サンソウシステムズ 他 |
Parallels Remote Application Server/パラレルス
- 1つの管理コンソールで全体を把握できる
- アクセスを一元管理・制限してセキュリティを強化
- 直感的なウィザードや自動設定機能を搭載
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ ※最低15ライセンスから購入 |
無料トライアル | あり(1ヶ月) |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型、オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 要問合せ |
StarCloud Software/SCSoft Inc.
- 認証サーバと仮想デスクトッププラットフォームの分散が可能
- 高いセキュリティでデータをネットワーク上に公開しない
- 高圧縮率プロトコルのXDPで低帯域のネットワークにも対応
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型、オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 要問合せ |
どこでもデスクトップ/ドコデモ株式会社
- ブラウザからクラウド上の仮想デスクトップにアクセス
- 端末に高いスペックは必要なく、ポケットWi-Fiでも利用できる
- 1台から、即日利用が可能
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■エントリー:1時間100円 ■スタンダード:1時間150円 ■クリエイティブ:1時間220円 ※月額費用は、1VMあたり1200円 |
無料トライアル | 要問合せ |
対応デバイス | PC |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | キャスター、ヘノブファクトリー 他 |
Oracle VM VirtualBox/日本オラクル株式会社
- オープンソースの仮想環境構築ソフト
- 仮想環境の状態を全て保存するスナップショット機能
- 1つのデスクトップで複数のオペレーティング・システムが実行可能
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■オープンソース版:0円 ■エンタープライズ版:12万円 |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC |
提供形態 | オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 要問合せ |
VMware Workstation Pro/ヴイエムウェア株式会社
- VMware Workstation Playerのアップグレード版
- ITプロフェッショナル向けの製品
- 複数の仮想マシン、コンテナ、Kubernetesクラスタを1台のPCで実行
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■VMware Workstation 16 Pro:2万4035円 |
無料トライアル | あり(1ヶ月) |
対応デバイス | PC |
提供形態 | オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 要問合せ |
Azure Virtual Desktop Infrastructure/日本マイクロソフト株式会社
- Windows Serverの機能として提供
- データやアプリケーションは全てデータセンターで管理
- ストレージ機能をカスタマイズで拡張
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ |
無料トライアル | あり |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | オンプレミス型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 北九州市立大学、日本たばこ産業、伊藤忠テクノソリューションズ 他 |
IIJ仮想デスクトップサービス/株式会社インターネットイニシアティブ
- 導入時の事前検証から本番環境へのデータ移行まで支援
- 仮想パソコン型とセッションホスト型を選択・併用
- システム基盤にCitrix Virtual Apps and Desktopsを採用
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ |
無料トライアル | 要問合せ |
対応デバイス | PC、スマートフォン、タブレット |
提供形態 | クラウド型 |
導入企業数 | 要問合せ |
導入企業名 | 横浜銀行、日本化薬、西日本旅客鉄道、三省堂、大田区 他 |
VDIの選び方3つのポイント
VDIを選ぶ際におさえておきたい3つのポイントを解説します。
ポイント1.クラウド型orオンプレミス型
「クラウド型」は、サービス提供企業のサーバー上で利用する方法です。
自社で仮想デスクトップの環境を構築する必要がないので、初期費用をおさえることができます。他にも、1ユーザーからの利用、ユーザーの増減対応、幅広いデバイスで利用できるなど、運用しやすい点がメリットでしょう。
一方、機能は既存プランから選択する場合が多く、オプション追加の対応はできても、自社に合わせてカスタマイズすることは難しいといったデメリットもあります。
「オンプレミス型」は、自社内にデスクトップの仮想環境を構築する方法です。
最大の魅力は、サーバーの処理性能など自社に合わせて自由にカスタマイズできる点だと言えます。運用については、全ての管理を自社で行うため、セキュリティ面の不安も軽減されるでしょう。
一方、初期投資や運用の負荷がかかることがデメリットとなります。機能性が上がるほど費用も高額になるため、利用範囲や目的を明確にすることが重要です。
ポイント2.セキュリティ対策
テレワークの普及により、VDIを活用したいけれど、セキュリティ面が気になるという方も多いでしょう。VDIでは、デスクトップ環境やデータの保存先は、クラウド上やサーバーになるため、ユーザー端末にデータを残しません。そのため、情報漏えいのリスクが軽減するとして注目されています。
クラウド型の場合は、サービスによって搭載されているセキュリティ機能が異なります。どのサービスの提供事業者も、一定のセキュリティ水準をクリアしていることが多いです。
オンプレミス型の場合は、自社の情報セキュリティ項目をクリアする環境を構築することができます。一方で、セキュリティレベルを維持するためには、運用担当者のITスキルが求められます。
ポイント3.機能とコストのバランス
VDI導入前には、CPUやメモリ容量、ストレージ容量などを数値化し、必要な機能や利用状況を確認しましょう。その上で、クラウド型とオンプレミス型どちらが適しているのか、導入後の費用対効果を考える必要があります。
クラウド型は、利用量に応じた従量課金で提供するサービスが多く、月額課金と時間課金の2種類があります。オンプレミス型は、環境構築に初期投資や運用費用がかかるので、どの程度の機能が必要なのかを慎重に検討しましょう。
コストは、初期投資や運用費用のほか、VDI導入により削減できる効果も含めて、サービスを選ぶことをおすすめします。
例えば、ユーザーごとのセキュリティ対策が不要になる、テレワークにより残業時間が削減できる、社員が利用するデスクトップ環境を一元管理できるなど、さまざまな導入効果があります。
まとめ
本記事では、VDI(仮想デスクトップ)を15個紹介しました。
選ぶポイントは、クラウド型かオンプレミス型か、セキュリティ対策・機能・コストのバランスを目安にすると良いでしょう。
無料サービスやトライアルもあるので、本記事の情報を参考に自社に最適なVDIを見つけてください。