オーバーチュアってどこいった? 5分でわかるオーバーチュアの今

オーバーチュア(Overture)はどこへ?
日本でのシェア6割を誇る、ナンバーワン検索エンジンYahoo!Japanの検索結果に表示される検索連動型広告と言えば?

正解は「Yahoo!スポンサードサーチ広告」ですが、この質問に「オーバーチュア広告!」と解答される方も意外に多いのではないでしょうか。

オーバーチュア広告は、運営母体のオーバーチュア(Overture)株式会社が2009年10月にヤフー株式会社と合併し、「Yahoo!リスティング広告」となり、2013年以降は「Yahoo!プロモーション広告」として現在サービス提供されています。

「Yahoo!プロモーション広告」となるまでの約5年の間に、名称だけでなく掲載順位の決定方法や広告規定など、大小様々な変化がありました。
以前のオーバーチュア広告が現在どんな仕様に変わっているのか、今回はその変化の歴史を分かりやすく紹介いたします。

オーバーチュア広告全盛期、ネット専業代理店のアカウントマネージャーとして広告運用を行ってきましたが、その後2年ほど広告とは無縁の業界で仕事をしていました。
数年前に再びこの業界に戻ってきた際、オーバーチュア(Overture)という言葉がもはや業界内で死語と化していたことに愕然とし、その変化のスピードと量を前に、最新情報へ自身の知識をアップデートすることにとても苦労しました。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫

この記事により、オーバーチュアからYahoo!プロモーション広告までの変化の大枠が分かり、変化が多くなんだか難しそう・・・と食わず嫌いされがちな検索連動型広告をはじめとしたリスティング広告を、少しでも身近に感じて興味を持っていただければ幸いです。

リスティング広告の2大媒体のもう一方、GoogleAdwordsも同様にめまぐるしい進化を遂げていますが、現在基本的な機能や特性はYahoo!プロモーション広告(旧オーバーチュア広告)と同じですので、今回はオーバーチュア広告の変遷に絞ってご紹介します。

ここまでで、Yahoo!プロモーション広告(リスティング広告)の運用に興味を持った方は、下記URLもご参考ください。

【LISKUL】リスティング広告を始める際の最適な予算の算出方法
【LISKUL】リスティング初心者必見!絶対知っておきたいリスティングメリット・デメリット
【LISKUL】リスティング広告の運用|最低限押さえておきたい運用7つのポイント

リスティング広告自動化・レポーティングツール一覧へ ≫


1. そもそもオーバーチュア広告って何?

オーバーチュア株式会社が2002年に開始した、検索キーワードに連動した広告(検索連動型広告)サービスのことです。検索ポータル5サイト(Yahoo!JapanやMSN、infoseekなど)と提携しており、日本国内ユーザーの約87%にリーチできる広告としてスタートしました。

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2. オーバーチュア広告の歴史

2-1. オーバーチュア広告初期(~2007年)

なんといっても、完全入札方式で入札金額の高低で掲載順位が決定していたことが特徴です。
1円入札を強化したら、他社も1円入札を強化して掲載1位を死守する・・・といった仁義なき入札の戦いがよく行われたものです。
お金を出せる広告主に、より有利に働くシステムだったと言えます。
【主な動き・特徴】
・入札価格で広告掲載順位が決定される完全オークション形式
・Yahoo!Japanにおける検索連動型広告の独占表示
・携帯電話向け(ガラケー)広告配信「スポンサードサーチモバイル」開始

2-2. オーバーチュア広告変更期(2007年~2011年)

仁義なき入札競争のシステムが、大きく変更になったのがこの時期です。パナマ運河のようにスケールの大きい機能にしたいとの想いから通称「パナマ移行」とも呼ばれました。

広告の掲載順位の決定方式が、完全オークション形式からキーワードの品質も加味される広告ランク決定方式に変更となったことが大きな変更点です。
この方式は現在も採用されており、それだけ影響の大きな変更だったと言えます。

【主な動き・特徴】
・掲載順位の決定ロジックが「入札価格×キーワードの品質(QI)」に基づいて決定される方式に変更
・配信地域設定が可能に
・広告のテストや最適化配信が可能に

2-3. 業界大激震! Googleの広告配信システム採用
オーバーチュアからYahoo!プロモーション広告へ(2011年~)

これまでオーバーチュア広告とGoogleAdwords広告は配信システムをそれぞれ独自に保持していましたが、この時期にGoogleのシステムに一本化されるという業界全体に影響する大きな変更がありました(3度目の大きな変更ということで、「ver.3移行)とも呼ばれます)。
これにより、管理画面のインターフェースが変わったり、当時は大混乱だったそうです。
それに合わせて、サービス名称がYahoo!プロモーション広告に変わりました。

【主な動き・特徴】
・名称が変わってオーバーチュアスポンサードサーチから
Yahoo!プロモーション広告の中のスポンサードサーチ広告へ
・新マッチタイプ/絞りこみ部分一致の登場
・広告プレビューツール機能追加
・ターゲティング機能強化
・スマートフォンやタブレットなどデバイス別に配信設定可能に

2-4. 2度目の大激震!ユニファイドキャンペーン(2013年~)

Ver3移行後、Yahoo!プロモーション広告(のインタレストマッチ広告)内では様々なターゲティングの切り口設定ができるようになるなど機能強化が相次ぎましたが、これまでデバイス別の配信が推奨されてきたのが一転、時代はデバイスレスだ!とばかりにPC、スマホ、タブレット全デバイス配信が原則となるシステムへの切り替えが行われました(通称「ユニファイドキャンペーン」)。

【主な動き・特徴】
・デバイスレス(スマホだけ配信しない、タブレットには配信しない、といったことは基本的に不可)
・スマホのみ、入札価格比率の調整機能追加


3. まとめ

いわゆるオーバーチュア広告時代と現在のYahoo!プロモーション広告を比較すると、

・掲載順位決定ロジックは「入札価格×キーワードの品質(QI)」
→少額ご予算の企業でも大企業と競争できる余地がでてきた

・PCだけでなく、スマホやタブレットにも配信ができるようになったり、
配信地域や配信時間、スマホ用の広告やリンク先も設定可能に
→配信条件の自由度が高くなった

上記2点が大きな変化の特徴と言えます。

少ない予算でも正しい運用知識を持ち、日々の改善にあてる時間を確保できれば自社の成果改善に非常に有効な広告サービスであることが分かっていただけたのではないでしょうか。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫

冒頭でも紹介しましたが、リスティング広告をこれから始めてみようかな・・・と思った場合、以下の記事なども参考にしていただくとより運用のイメージが膨らむかもしれません。

【LISKUL】リスティング広告を始める際の最適な予算の算出方法
【LISKUL】リスティング初心者必見!絶対知っておきたいリスティングメリット・デメリット
【LISKUL】リスティング広告の運用|最低限押さえておきたい運用7つのポイント