【完全版】ECサイト構築の全方式の特徴とシステム選定手順

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自社の商品をインターネット上で販売したいと思うとき、簡単にできるのは、「楽天」や「Amazon」等のショッピングモールへの出店です。

しかし、ショッピングモールには強力な集客力がある反面、各社毎に独自のマーケティング施策やブランディングが難しいことも多いです。

そのため、ショッピングモールに頼らず独自に施策を行う場合は、自社でECサイトを構築することになります。

ECサイト構築は、特別な知識やスキルがなくてもできる「すでに出来上がっているECシステムを使う事で簡単にECサイトを構築する方式」から、「ゼロからECサイトを全て構築する本格的な方式」まで様々ですが、主要なECサイトの構築は以下の4つの方式があります。

①ASP
②オープンソース
③パッケージ
④フルスクラッチ

また最近では、上記以外の選択肢としてフルカスタマイズ可能なクラウドECシステムを利用する方式が、中・大規模のECサイトにはデメリットが最も少ない方式として世に出てきております。

ではこれらのECサイト構築方式からどのような方式を選べばいいのでしょうか?またECサイト構築の際に考慮しなくてはいけない課題とはどのようなものでしょうか?

本日は各ECサイト構築方式の特徴とメリット・デメリットを解説し、ECサイト構築の手順を、300社以上にECシステムを導入した実績のある株式会社インターファクトリーでWEBマーケティング担当の筆者が詳しく解説いたします。

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目次

※本記事は株式会社インターファクトリー提供によるスポンサード・コンテンツです。


「ASP」「オープンソース」「パッケージ」「フルスクラッチ」の各方式の特徴

まずは、各方式がどのくらいの規模のECサイトに導入されているのか感覚的に把握するために、下記の図をご覧ください。

■年商別によるECサイト構築方式のすみ分け図

1-年商別によるECサイト構築方式のすみ分け図
図を説明すると下記のようになります。

・フルスクラッチ方式を使うECサイト事業者の年商は50億円以上
・パッケージは50億円未満、1億円以上
・ASPは1億円未満
・オープンソースは年商1億円あたり

例外もあります。例えば年商50億円以上でもパッケージを使っている企業もありますが、パッケージをフルカスタマイズしているので、フルカスタマイズに全く劣らない機能が備わっています。

そして年商1億円未満でもパッケージを使っている会社もありますが、オープンソースを使って費用を抑えるケースやパッケージをカスタマイズ無しで使い、コストがかからない構成にしているのです。

それでは次に各方式にかかる費用感を表にまとめました。

各ECサイト構築方式の費用感

ECサイトシステム費用比較
費用だけ考えると、ECサイト構築にはASPが最も気軽にはじめられることができますが、機能に制限があるのがデメリットです。オープンソースはフリーで公開されており、ライセンス費用がかかりませんが、ECサイトの規模により、サーバー費用が多くかかる場合もがあります。

パッケージは低価格のものから、フルスクラッチに匹敵するハイクラスの製品があるので、価格帯がとても広いです。

フルスクラッチは最もコストのかかる方式である反面、ゼロからECサイトを構築するためシステムに制限がないのが特徴です。

では、あなたの会社に導入すべきECシステムを下記チャートに従って、調べてみましょう

チャート

それではECサイト構築の各方式の全体感を把握した上で、詳しく解説してまいります。

①ASP:安くて手軽にEC構築が可能

ASP(Application Service Provider)とはアプリケーション・サービスプロバイダーの略です。アプリケーションソフトの機能を、ネットワーク経由で顧客にサービスとして提供することであり、それを行っている事業者の事を指します。ここではECサイト構築のASPサービスを紹介いたします。

メリット

✔価格が安い。
✔サーバーやPCへのインストールが不要で、ブラウザーの管理画面でECの運営ができる
✔常にバージョンアップが行われ、いつも最新のEC環境
✔ECサイトのスピード構築が可能

デメリット

✔機能のカスタマイズができない
✔ECサイトのデザインに縛りがある
✔システム連携はできない
✔アクセスの多い大規模ECサイトの運営は困難

ASPとはECシステムに限った事では名称ではありません。例えば「給与計算システム」「販売管理システム」など、あらゆるシステムがWEB上のアプリケーション(ASP)として各社から提供されております。

ASPはPCにインストールする事なく使えるブラウザーで利用するプラットフォームの名称であり、ECシステムとしても多くの会社からASPが販売されております。

ASPのECシステムを導入すればソフトウェアやサーバーの管理が不要で、ブラウザー上で簡単にECの管理・運営ができます。
また、バージョンアップやセキュリティーも常に更新されていくので、利用者はいつでも最新の環境でECサイトを運営できます。そして完成しているECシステムのASPは「価格が安く」、「導入までのスピードが早い」のは大きなメリットになります。

しかし、ASPでのEC構築にはデメリットもあります。それは完成している共用のプラットフォームですから、利用している会社毎に機能のカスタマイズができない点であり、提供されている範囲内の機能しか使えません。

デザイン面でもテンプレートの制約がありますので、こういったデメリットからも大手ECサイトや自社固有の要件の多い会社には向いていないシステムです。

とはいえ、ASPは手軽にEC導入ができるので、これからEC事業をスタートする会社や小規模EC事業者には最適なEC構築方法です。

また、近年ASPのサービスレベルも上がってきており、自社運用をASPに合わせることができれば、非常に安価で有効なサービスになっております。基幹システム等の連携はできませんが、WEBサイトのフロント機能だけならECサイトとして十分な機能が実装されています。

②オープンソース方式:ライセンス費用がかからない無料のパッケージ

オープンソースとは公開されているソフトウェアの事です。誰でも無償で使用、複製、改変、再配布を行うことができます。ここではECサイト構築のオープンソースソフトウェアについて解説いたします。

メリット

✔ライセンス費用がかからないため安価で構築が可能
✔カスタマイズが自由
✔デザインが自由
✔多くのサービスのプラグインが用意されており、機能拡張が簡単
✔自社のシステム担当で保守・運用が可能

デメリット

✔オープンソースはバグによる障害も全て自己責任
✔セキュリティー上の問題が発覚する事が多い
✔システムが古くなる
✔現行バージョンの寿命が短い(バージョンの保守切れが早い傾向がある)

オープンソースはライセンス費用がかからないため、導入費用が抑えられるメリットがあります。また、技術力に自信があるのなら、カスタマイズも自由にできるのは最大の魅力です。

一方で、仮にオープンソース本体側で大きなバグが発見され、それによる障害が発生したとしても、責任の所在は、オープンソース提供元ではなく、ECサイト事業者がリスクを負います。なぜならオープンソース提供元は無償でソフトを公開しており、それを使用するEC事業者と商契約は発生していないからです。

オープンソースを使って、それをカスタマイズし自社製品としてライセンス販売している会社の場合もリスクが存在します。例えばオープンソース自体に問題が発生した場合、カスタマイズしてライセンス販売している会社は「オープンソース自体のバグの場合は、カスタマイズした弊社のバグではない」という契約になっているケースがほとんどですので、オープンソースをベースにカスタマイズしたECシステムの場合、契約書には細心の注意を払う必要があります。

また、オープンソースの特徴としては更新プログラムファイルの提供や保守切れが早く、次のバージョンがリリースされてしまうことです。オープンソースは無料で提供されているために、ユーザーから保守費用を徴収できため、保守切れも早い傾向にあるためです。

オープンソースが向いている会社は、
・「オープンソースのリスクを認識した上でコストを抑えたい会社」
・「自社のシステムを保守開発して内製でECサイトも自らを保守・運営したい会社」
です。

③パッケージ:中・大規模ECサイト構築に最適なカスタマイズできる。

パッケージとは、ある程度フレームワークとして開発しているものをベースにしてECサイトを構築する手法です。ECサイト構築においてはカスタマイズが必要な中・大規模のECサイトによく使われる方式です。

メリット

✔柔軟なカスタマイズによる機能拡張が可能
✔システム連携が可能
✔デザインが自由
✔アクセスの多い中・大規模のECサイトに対応

デメリット

✔インフラやサーバー環境の設計や用意が必要
✔価格が高い
✔システムが古くなる
✔ECサイト構築まで、ある程度時間がかかる

パッケージ方式は、すでにECに必要な機能が実装されて完成しているパッケージソフトウェアをベースにカスタマイズ開発する方式です。フルスクラッチのように、ゼロからサイトを構築するには莫大な費用と労力がかかりますが、パッケージ方式ならフルスクラッチよりコストと労力がかかりません。

サーバー等のインフラ設計も行いますから、大規模ECサイトにも耐えうるキャパシティーを持たすことが可能です。大規模なECサイトに必要な、基幹システムや物流システムとの連携も、カスタマイズにより実現できます。

何でもできるパッケージ方式によるECサイトの構築ですが、インフラやサーバーを用意する必要があり、またカスタマイズが必要なためASPのように簡単には導入できません。価格も100万円~数千万円と高価で予算の少ない会社には向いていないECシステムです。

とはいえ、パッケージの最大の魅力はECの基本機能が備わっているので、フルスクラッチに比べて安価で短期間にフルスクラッチに匹敵するECサイトを構築できることです。

パッケージ導入の場合は、陳腐化によるシステムの乗り換えコスト(3年程度に一度)、それに加えてインフラが発生するため、月額費用も高くなりがちな点も念頭に入れる必要があります。

フルスクラッチ方式:要望通りのECサイトをゼロから構築

フルスクラッチとは、システムやソフトウェアの開発において、既存の仕組みやソフトウェアを一切流用せずに完全に新規で開発することです。ECサイト構築におけるフルスクラッチ方式を解説いたします。

メリット

✔どんな要件のシステムも可能
✔システム連携が可能
✔デザインが自由
✔アクセスの多い大規模ECサイトに最適

デメリット

✔インフラやサーバー環境の設計や用意が必要
✔価格が高い
✔システムが古くなる
✔EC構築まで、長い時間がかかる

フルスクラッチ方式によるEC構築は、名前のとおりゼロからECシステムを作る方式です。どんな要望でも実現する事ができるので、貴社の固有の要件・固有のシステムとの連携を実現する事ができます。もちろんECサイトのデザインも自由自在です。

しかし、あらゆるEC構築方式の中で最もコストと導入までの時間がかかる方式なので、大規模ECサイトの構築および、技術力のある会社が独自にECサイトの開発を行う場合に使われる方式です。インフラやサーバーも設計・用意する必要があります。

そして、フルスクラッチ方式にも価格・導入期間以外にデメリットがあります。

それは、システムが古くなった後にリプレイスをする事が相当困難になることです。その理由は2つあります。

①価格が高くなるので減価償却が長くなる。
②フルスクラッチを請け負ったベンダー会社にECシステムを完全に依存してしまうため、一度導入するとベンダー会社を変えるのが困難。

これらの理由から、一度フルスクラッチでシステムを構築すると、システムが陳腐化してからの乗り換えが非常に困難なものになるのです。

また、昨今パッケージ方式は”拡張性の向上”や“多くの機能が実装”されるなど日々向上しており、価格の高いフルスクラッチ方式を選択するメリットが少なくなってきており、実際にECシステムのマーケットの傾向もフルスクラッチからパッケージへの移行が進んでいます。

自社で完全にシステムを把握したいという場合に最適ですが、パッケージ会社にもソースコードを開示している会社もあります。フルスクラッチは値段が高額な割には価格に見合った優位性がなくなりつつあります。

また、餅は餅屋のようにECサイトのノウハウは通常のシステムとは異なりますので、フルスクラッチを依頼する場合は、ECサイト構築経験の豊富な会社に依頼する事が重要です。

以上、ECサイト構築の各方式の特徴について説明してまいりましたが、貴社のECサイトにはどの方式をどのように選択すれば良いのでしょうか?

・「新規のECサイトを構築する場合」
・「既存のECサイトやショッピングモールからの乗り換え(ステップアップ)の場合」

の両方からのアプローチでECサイト構築の手順を説明します。


新規にECサイトを構築する場合のECシステム選定までの手順

ECサイトを企業や個人で初めて構築する場合にどのECサイト構築方式を選べばいいのか、手順をまとめました。

手順1:ECの事業計画を作る。
手順2:売上や会員数の推移に合わせて、将来の仕組みや取り組みを計画する。
手順3:ECサイトに使う費用を算出する。

手順1:ECの事業計画を作る。

まずはECサイトの事業計画を作ります。事業計画は一般的には3年~5年で作成する事が多いのですが、ECシステムの減価償却は会計上5年と定義されており、できれば5年単位の事業計画を作ることをおすすめします。

では、なぜ数年先の事業計画がECシステム導入時に必要になるのでしょうか?

例えば、ECサイト構築直後はアクセス数も少なくASPのサーバーで十分であったものが、ECサイトリリースの数年後にテレビCMなどの大規模プロモーション予定がある場合は、ASPのサーバーではキャパシティーオーバーになる場合があります。

そういった場合はインフラを計画できるパッケージを導入した方がよいでしょう。

このように、導入時期だけでなく、数年先のプロモーションや会社の方針を踏まえてECの事業計画を作成することで、本当に必要なECの方式が選択でき、本来必要のない無駄なシステム乗り換えコストの発生を防げます。

手順2:売上や会員数の推移に合わせて、将来の仕組みや取り組みを計画する。

ECサイト導入検討の時期から、数年先に実現したい取り組みを視野にいれておかなくてはなりません。例えば下記のような例です。

例1:会員が増えた1年後には基幹システムのデータベースと連携したい。
例2:会員が増える頃にはサーバー容量を増やしたい。
例3:1年後には予算を獲得し、新しいプロモーションサービスを利用して集客を伸ばしたい。

といった事です。

こういった数年先に実現したい事も、念頭に入れてECシステムの導入を検討しないと「今、導入を検討しているASPはデータベースと連携できるのだろうか?」というECシステムの要件が出てくるので導入を検討しているECシステムが対応しているかどうかを、確認する必要があります。

一見当たり前のことに感じたかもしれませんが、多くのEC担当者は目の前のEC導入時期の要件しか想定にないケースが非常に多いのです。5年先をみてECシステムを検討しないと、長期的にシステム改修費用が高くつくのです。

ですから導入時こそ、数年先の事までイメージしてECシステムを検討しなくてはなりません。

手順3:ECサイトに使う費用を算出する。

手順1の事業計画の作成、手順2の将来の取り組みの計画まで立てる事ができれば、ECサイトに使う費用が、数年先まで算出する事ができるので、これでやっと
・ECサイトの機能面
・ECサイトのインフラ面
・ECサイトのコスト面
この3点の観点から、貴社に導入すべきEC方式を決定することができます。

手順1から3まで整理できたのなら、次の図のチャートに従って、あなたの会社に導入すべきECシステムを選んでみてください。

■導入すべきECシステムがわかるYes,Noチャート

チャート


既存のECサイトやショッピングモールからECを乗り換える(ステップアップ)場合のECシステム選定までの手順

ECサイトをすでに運用した事がある場合は、新規にECサイト構築する場合と手順が若干異なります。ECサイトの乗り換えの場合は「現状課題の洗い出し」から手順をスタートさせる必要があります。手順は以下のようになります。

下記の色つきの手順がEC乗り換えの場合の固有の手順になります。

手順1:現状課題の洗い出し
手順2:事業計画の策定

手順3:売上や会員数の推移に合わせて、将来の仕組みや取り組みを計画する。
手順4:ECサイトに使う費用を算出する。

ここでは「現状課題の洗い出し」と「事業計画の策定」について説明いたします。

(手順3と手順4は、前章で説明した「新規にECサイトを構築する場合のECシステム選定までの手順」の手順2と手順3と同じですので、そちらをご覧ください。)

手順1:現状課題の洗い出し

すでにECサイト運営をしている方がECシステムの乗り換えやステップアップをする理由は下記の理由がほとんどです。

・障害が多い
・PVが増えて、現在のシステムでのEC運用が困難
・ECのコストが高すぎる。あるいはカスタマイズ費用が高すぎる。
・やりたい施策があるが、カスタマイズできないため施策が実行できない。
・基幹や物流システムと連携して業務の効率化したい。
・現在のECシステムのデザインが良くない。あるいは掲載写真数に制限がある。
・楽天などのショッピングモール出店から自社ECに乗り換えたい、あるいはモールとは別に自社ECサイトを構築したい。

まずは、現在のECシステムやモールの課題の洗い出しが必要になります。ただし、全ての課題と要望を実現するECシステムは、それだけコストもかかりますから、課題と要望に「Must(必須要件)」と「Want(あれば良い要件)」を定義し、導入費用と月額費用の兼ね合いから、どこまで要望を満たせるシステムかを選ぶのが良いでしょう。

具体的には下記のように定義してみてください。

新システムの要望

手順2:事業計画の作成

一度ECサイトを運営して問題が明確になっているので、その問題が「会社固有の問題」なのか、「ECシステム会社の問題」なのかを整理した上で事業計画を策定します。

例えば「カスタマイズができない」といった問題に対しては、あらゆる可能性があり、問題の本質がどこにあるのかを整理します。

・カスタマイズ費用が捻出できない場合は「会社固有の問題」
・面倒で手間がかかりカスタマイズをやりたくない場合「会社固有の問題」
・ASPだからカスタマイズできないのは「ECシステム会社の問題」
・技術力がないからカスタマイズできないのは「ECシステム会社の問題」

この点を整理せず、全ての問題を「ECシステムの会社の問題」にしてしまうと、現在かかえている問題が新しいECシステムで解決されないケースが出てくるのは、実はよくある話です。問題点の本質がどこにあるのかを必ず追及し、同じ問題を新ECシステムでは発生しないように努めなくてはなりません。

手順3と手順4は、前章で説明した「新規にECサイトを構築する場合のECシステム選定までの手順」の手順2と手順3と同じですので、そちらをご覧ください。

さて、手順1から手順4まで整理できましたら、ECシステムの乗り換え(ステップアップ)においても、どのECシステムを選ぶべきか決定できますので、下記のチャートでECシステムの方式を検討してみてください

■導入すべきECシステムがわかるYes,Noチャート

チャート

以上が、ECシステムを検討するまでの手順を紹介しました。次にEC担当者が意識していないECサイト構築の重要な課題を紹介しますので、必ず念頭に入れておきましょう。


ほとんどのEC担当者が意識しないECサイト構築の重要な課題

EC導入時期に「こういった機能を実装したい」あるいは「基幹システムと連携していないから、新システムでは連携を考えたい」といった課題をEC担当者が意識しているのは当たり前ですが、そういった要件と同じくらい重要なのに見過ごされがちなのが、下記の3つの課題です。

①ASP以外のECシステムの耐用年数は実質3年程度しかない。

今まで300サイトのEC導入をお手伝いさせてもらった弊社の感覚だと、お客様のほとんどはECシステムを3~5年で乗り換える事が多いです。

導入したシステムは、導入した瞬間から古くなっていきますから、カスタマイズを行い、継ぎ接ぎでシステム改修を行っても3年も経てば完全に時代遅れのECシステムになります。

例えばパッケージを導入したEC事業者によくある悩みが、必要なシステム改修費用が発生した時にカスタマイズをパッケージの会社に依頼したところ

「そのシステム改修は100万円かかります。」
と言われ予算を捻出できないために、システムが時流からどんどん遅れていくという悩みを持つEC事業者は多いのです。

②将来発生するカスタマイズやシステムバ―ジョンアップにかかる費用や時期を導入時期に計算しない。

いい例があります。例えばスマートフォン対応は今では、どのECサイトでも必須の機能となっていますが、少し前はスマートフォン対応しているECサイトはごく一部でした。

しかし、時代とともにスマートフォンユーザーが増えて、ECサイトにスマートフォン対応が必須の時代となりました。こういったカスタマイズ予算は当初から計上されていないために高額なカスタマイズ費用がかかりました。

また、セキュリティーの更新も常に怠ることはできませんので、都度バージョンアップが必要になってくるのです。
常に最新の環境で使えるASPにはこのような問題が発生しませんが、カスタマイズを要するパッケージやフルスクラッチには必ず発生する大きな課題なのですが、ECシステムの導入時期には、その時に必要な要件しか整理されず、3年以内に必ず発生するこれらの課題はほとんどのEC担当者に認識されていないのです。

パッケージもフルスクラッチも必ずシステムが陳腐化しますから、導入する場合はあらかじめカスタマイズ費用や、システムの乗り換え時期をざっくりでもよいので検討し、カスタマイズ費用を計画に入れて予算を確保する必要があるのです。

そうしなければ、数年後にカスタマイズ費用が捻出できす、システムがどんどん陳腐化していきます。

③ECシステムの会計上の減価償却期間は5年間

ECシステムはソフトウェアです。30万円以上するソフトウェアの減価償却期間は会計上5年と定められております。ですからECシステムを新規に導入にする場合は、最低でも5年以上は使えるものでなければ減価償却できないうちに次のシステムを検討する事になるのです。これは会計上大変な無駄になります。

以上3つの課題をあげましたが、そういったECの重要な課題がシステムの入れ替えも不要で、バージョンアップにも自動対応で行われるフルカスタマイズ可能なシステムがあれば解決できます。それがフルカスタマイズ可能なクラウドECシステムです。


デメリットが少ないフルカスタマイズ可能なクラウドECシステムとは?

フルカスタマイズ可能なクラウドECシステムとは、ECシステムが自動更新により、常に最新の状態が保たれ、各社ごとに個別にフルカスタマイズ可能なクラウド環境のシステムです。

メリット

✔常に最新のECシステム。古くならない
✔フルカスタマイズ可能
✔あらゆるシステム連携が可能
✔サーバーの用意が不要
✔トラフィックの多い大規模ECサイトに対応

デメリット

✔クラウドシステムのためソースコードは開示できない
✔導入事例が少ない

フルカスタマイズ可能なクラウドのECシステムとは、どういったものなのでしょうか?なぜカスタマイズを行うのに、システムの自動更新などの最新性が保てる仕組みなのでしょうか?

下記図をご覧ください。クラウドECの本体共通プログラムは自動更新されますが、各社のカスタマイズ部分は、本体共通部分の上に乗っているイメージです。

ですからパッケージのように本体部分を含めてのカスタマイズがされてないので、カスタマイズをした会社でもクラウドの最新性・自動アップデートの恩恵が受けられますから、システムが古くならないのです。

■フルカスタマイズ可能なECシステムのイメージ図

フルカスタマイズ可能なECシステムのイメージ図
わかりやすく説明すると、
「パッケージ」は音楽配信で言えばパソコンに音楽ファイルを“ダウンロードする”のに対して「フルカスタマイズ可能なクラウドEC」は“ストリーミング配信”であると例えることができます。

フルカスタマイズ可能なECシステムは陳腐化しませんから、例えば今後スマートフォン対応のような世の中に新しいスタンダードが生まれた場合もカスタマイズしなくても機能として実装されるので、自動的に新しいスタンダードが利用することができます。

早いセキュリティー更新・急激なトラフィック増加にも対応

セキュリティーの更新はパッケージの場合は各社毎に対応しなくてはならないのですが、クラウドは一度更新すればクラウド上の全てのサイトのセキュリティーが担保されるため、対応が早いのが特徴です。

また、テレビの露出や会社をあげてのキャンペーン等により急激なトラフィックが発生した場合、パッケージの場合は、常にピーク時のサーバー容量を用意しておかなくてはいけませんが、フルカスタマイズできるクラウドECは、ピーク時にあわせて適切なタイミングでサーバーを増減できるので、無駄なコストが発生しないのもフルカスタマイズできるクラウドECのメリットです。

フルカスタマイズできるクラウドECは、ピーク時にあわせて適切なタイミングでサーバーを増減できる
いい事ばかりのフルカスタマイズできるクラウドEC方式も向いていない会社があります。

・システムを把握するためプログラムの開示が必要な会社
・パッケージやフルスクラッチと比べると導入事例が少ない。

という点を重視する会社には、導入しづらい要素ではあります。また導入費用や月額費用はパッケージと同程度かかります。

しかし、フルカスタマイズ可能なクラウドECの最大のメリットは、以下のように
・標準機能の自動アップデートによるカスタマイズ費用の削減。
・常に最新のシステムを使えるため、システム乗り換え費用が発生しない。
・サーバーのキャパシティーは必要な時期に必要な分だけの容量だから、無駄なコストが発生しない。

長期的観点からみるとシステム改修コストやシステム乗り換えコストがかからない点が最大のメリットとなります。

※本記事は株式会社インターファクトリー提供によるスポンサード・コンテンツです。


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