コロナ禍以降、オフラインでの展示会やセミナーの実施が難しくなっています。
これまでオフラインチャネルを中心に営業活動をしていたBtoB製造業にとっては死活問題です。
そこでWeb広告を代わりに実施したいと、以下のご相談をいただくことがあります。
BtoB向けの製造業は、コロナ禍でオフラインイベントが開催できず死活問題。
代わりの施策としてWeb広告を提案したいが、何か良いメニューはないか?
結論から申し上げますと、まずWeb広告で解決できる問題かを確認する必要があります。
特に、広告主側の「営業プロセスのオンライン化」ができていないと、Web広告を実施してもイベントなどで得られた効果は期待できないでしょう。
またオススメの広告メニューをいち早く知りたいという方は、以下の記事をご参照ください。
参考:BtoB商材のオススメのネット広告メニューと押さえておきたいポイント
本記事では、BtoB製造業のオフライン展示会をWeb広告で代替するためのポイントについて解説します。
執筆者
SO Technologies株式会社 LISKUL五代目編集長
広告運用者⇒広告レポートツール『ATOM』カスタマーサクセス⇒LISKUL編集部。 「日本のすみずみまでWebマーケティングの力を」モットーに日々活動しています。(執筆記事一覧 )
目次
BtoB製造業の展示会をWeb広告で代替するための3つのポイント
新型コロナウイルスの流行により、物理的にオフラインイベントの開催が難しくなった昨今、展示会で得ていたリードを代わりにWeb広告で獲得しようという動きが加速しています。
しかし、展示会をWeb広告で代替しても、「営業プロセスのオンライン化」ができていなければ期待した効果は得られないでしょう。
以下は、BtoBの営業・マーケティング活動のオンライン化を図にしたものです。
このように、獲得したリードに対してインサイドセールスが架電したりシナリオメールを送って見込み顧客を育成し、様々なツールを駆使して商談・クロージングをしていく必要があります。
こうした「営業プロセスのオンライン化」ができていなければ、せっかくWeb広告を実施してリードを獲得しても、受注までつなげることができません。
前置きが長くなりましたが、BtoB製造業の展示会をWeb広告で代替するためのポイントを、以下3つほど解説します。
ポイント1.対面での説得ができるオフラインイベントと、対面での説得ができないWebでは求められる役割が全く違う
オフラインイベントでは、商品の紹介からヒアリング、次の商談設定まで実施することが可能です。
しかし、Web(広告やサイト、ホワイトペーパーなど)は基本的に一方通行なので、その場での説得はできません。
そのためWeb広告で獲得したリードに対して、適切にアプローチする体制を整えておかなければ受注にまでつなげることができません。
BtoBでは顧客の購買プロセスの57%が営業担当者に会う前に終わっている
製造業に限らず、かつてのBtoBマーケティングは展示会で知り合った見込み顧客に、営業がアプローチして商談を進めていくというのが一般的でした。
しかしWebの普及により、ユーザーが自分で情報を収集して意思決定をできるようになりました。
以下の図は、アメリカの「The Digital evolution in B2B Marketing」という調査の内容を図示したものです。
これによれば、BtoBでは顧客の購買プロセスの57%が営業担当者に会う前に終わっている、とのことです。
この57%のなかに、Web広告が含まれています。
あくまで情報収集手段の一つであり、Web広告をクリックしたユーザーにどうアプローチするかの設計が重要です。
ポイント2.BtoBのWeb活用の勝ち筋は、多くの導入可能性のある企業リードを活用すること
BtoBビジネスのWeb活用の勝ち筋は、検討段階が進む前の見込客を含めて、とにかく多くの導入可能性のある企業リードを獲得することにあります。
そして、獲得できたリードに優先順位をつけてインサイドセールスが継続的に接触して、商談化していくのが一般的な勝ちパターンです。
この導入可能性のある企業リードを獲得するための手段として、Web広告は有効な手段です。
特にコロナ禍以降は、オフラインイベントがウェビナー(Web上でのセミナー)に代わってきており、そのウェビナーの集客をFacebook広告などのWeb広告で実施するケースが増えています。
各種ターゲティングを駆使して、以下に安価に見込み顧客の興味関心を引けるかがカギです。
ポイント3.リードを多く獲得するためには、ハードルの低いコンバージョンポイントが重要
Web広告を実施してリードを多く獲得するためには、相手が興味を持ちやすくハードルの低いコンバージョン地点(リード獲得ポイント)を設けることが重要です。
例えば「ホワイトペーパー・ウェビナー(アーカイブ視聴含む)・診断系コンテンツ」などが挙げられます。
逆に「お問い合わせ」や「資料請求」など、ハードルの高いコンバージョン地点を設定すると、Web広告を実施しても「Web広告の効果が悪い」という印象になり、二度と実施してもらえなくなったりします。
まだ商品のことがよく分かっていなかったり、他社商品との比較もしていない状態で、いきなり問い合わせや資料請求をするのは、やはり心理的にハードルが高いといえます。
参考:コンバージョン率の目安
弊社調べではありますが、一般的に地点別のコンバージョン率の目安は以下の通りです。
- お問い合わせ:0.2%前後
- 資料請求:0.5%前後
- ウェビナー登録:1~3%
- ホワイトペーパー:1~3%
- 診断系コンテンツ:3%~5%
もちろん商材やサイトの内容などによって大きく変動するため、あくまで目安としてください。
展示会の代替案としてのオススメのWeb広告メニュー
展示会のみならず、BtoBビジネス向けのオススメのWeb広告メニューは以下の記事で解説しています。
参考:BtoB商材のオススメのネット広告メニューと押さえておきたいポイント
そこでは「リスティング広告・リターゲティング広告→属性ターゲティング広告」の順番で始めることをオススメしています。
BtoB製造業でもそれは変わらないですが、展示会の代替案としてWeb広告を実施するなら、SNS広告やディスプレイ広告などの属性ターゲティング広告がオススメです。
リスティング広告はイベント自体を検索するユーザーが少なく、またリターゲティング広告は過去に来訪したユーザーへの配信なので、最初のメニューとしては適していません。
最近では、特にFacebook広告でイベントやウェビナーの集客をするケースが増えています。
リード獲得広告という、リード獲得に特化したメニューも用意されています。
「広告ライブラリ」というツールを活用すれば、他社の広告クリエイティブを無料で誰でも確認することができます。
Web広告を実施する際に、クリエイティブ作成の参考にすると良いでしょう。
まとめ
BtoB製造業の展示会をWeb広告で代替するためには、広告主の「営業プロセスのオンライン化」が必要です。
また押さえておくべきポイントとして以下の3つを挙げました。
- ポイント1.対面での説得ができるオフラインイベントと、対面での説得ができないWebでは求められる役割が全く違う
- ポイント2.BtoBのWeb活用の勝ち筋は、多くの導入可能性のある企業リードを活用すること
- ポイント3.リードを多く獲得するためには、ハードルの低いコンバージョンポイントが重要
Web広告を実施する際のメニューについては以下をご覧ください。
参考:BtoB商材のオススメのネット広告メニューと押さえておきたいポイント
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