LISKULではリード獲得を支援する「RentaLISKUL・成果報酬型リード獲得プラン」を提供しておりますが、獲得したリードを商談へとつなげるためにはリードの品質と同様に、アプローチのトライ&エラーも大切となります。
本記事ではLISKULの成果報酬サービスでお取り組みをしているエンSX株式会社の草様にお話をうかがい、これまで成果報酬サービスで取り組んできた成果と、その成果を創出するためのノウハウをご教示いただきました。
エン・ジャパンが5年で売上を4倍にした営業戦略メソッド「エンSXセールス」
目次
LISKULとのお取り組み開始による成果
エンSX株式会社
2008年、エン・ジャパン新卒入社。 2012年、大手IT企業へ人事として転職し、中途・新卒採用・研修を担当。採用責任者として、4年で従業員規模を3倍に。
2016年、エン・ジャパンへ再入社後は、中途採用支援事業部に所属し、人事・経営者向けサイト「人事のミカタ」運営やセミナーの企画運営など、コンテンツマーケティングに携わる。
2023年より新規事業「エンSX」へ異動し、マーケティング立ち上げに従事。
――早速ですが、LISKULと取り組みを開始してからの主な成果について教えてください。
草:まず定量的なデータからご説明すると、取り組み開始から2024年6月時点で、のべ198件のリードを提供いただいております。毎月コンスタントに30件前後のリードが発生している状態です。
中でも特筆すべきなのは、2024年4月のデータで、提供いただいたリードの商談化率が40%、その中から2件の受注が発生しております。これは、弊社リード獲得サービスを利用してきた中で、前例がない成果でした。
定性的な成果では、LISKUL経由での商談から、マーケのTierを決めていく上での新たな気付きがあった点が挙げられます。2023年の第4クォーターでは、LISKUL経由で商談化した案件で、豊富な実績と経験をもつ企業の新規事業部門との商談が続きました。
今まで積極的に狙っていた層ではありませんでしたが、今後のターゲットとして狙っていく価値があるかもしれないと気付くことができたのは、取り組みによる部分が大きいと言えるでしょう。
LISKULを選んだきっかけ
――リード獲得サービスが多くある中、LISKULとのお取り組みを選んでいただいた、具体的な理由・きっかけなどありましたら教えていただけますでしょうか。
草:LISKULを選んだ一番の理由は、LISKULのSEOの強さです。当社はサイトを立ち上げたばかりで自社ドメインが育っていないのが課題としてありました。SEOに強みを持つパートナーを探しており、そのタイミングでLISKULにお話を伺いました。
営業のご連絡をいただいた時にはちょうどリードチャネルの拡大を検討していたタイミングで、すでに予算も整っていたため、スムーズに契約に至ることができました。
サービス開始後に感じたLISKULの良いところと課題
――実際にお取り組みを開始してから現在までに感じた、LISKULの良かった点などございましたら教えてください。
草:実際にお取り組みをしていく中で、まず受注実績を創出できた点は良い意味でのギャップでした。現時点では比較サイト経由でのリードは主力ではないと考えていたのですが、その中で受注が生まれたのは良かったです。
また実際にサポートしていただく中で感じた良かった点としては2つあります。
・定例ミーティングで振り返りや検証をしてくれる点
・一括請求と比較してコンバージョンシナリオが豊富にある点
LISKULでは、定例ミーティングで施策の振り返り・検証を実行してくれて、想像以上に手厚いサポートを受けられると感じました。他の比較サイトさんでは、定例や振り返りなどを実施してもらったことがないのも、印象に残った要因の一つかもしれません。
また、コンバージョンのシナリオが一括請求のサイトさんと比べて豊富な点も良かったです。一括請求の機能しかないサイトさんだと、情報収集層のリードが多く含有してしまうため、どうしても商談化が難しい部分があるんですよね。
一括請求機能のみを提供する他のサイトと比較して、LISKULは多様なコンバージョンシナリオを提供しており、商談化が難しいリードに対しても異なるアプローチを試みることができました。
――逆に、LISKULの課題などございましたら教えてください。
草:LISKULを含む比較サイト全般に言えることですが、成果のばらつきが大きく、ボラティリティが高いです。ある月は非常に好調なのに対し、ある月は期待を下回ることもあります。リードの質も月によって変動します。
また、コントロールの面では、施策の調整などを主導で増やすことができないので、サービス施策の理解や担当者との良好な関係性を築くことが成果を高める鍵となると感じています。
獲得したリードは90秒以内に架電することで商談化率が高まる
――LISKULでは多くの企業様のリード獲得を支援しておりますが、獲得したリードを商談につなげることに苦心しているケースも多くあります。御社では商談化率を高めるために、どのような工夫をなされているのでしょうか。
草:私たちが商談化の獲得に向けて実行した施策の中で、特に重要視していることは「架電までの速さ」です。SDRにおいて架電までのスピードを担保することが商談化率に影響するのはよく知られた話ですが私たちのチームではリード獲得後90秒以内に架電することを目標としています。
実際に架電までにかかった時間別で比較したところ、架電スピードがコンタクト率に影響を与えていたこともわかっています。90秒以内に架電した場合は6割近くコンタクトを獲得できますが、架電までに3分以上かかった場合は数値がガクッと下がります。
すぐに電話をかけるとまず驚かれることが多いんですが、私たちは営業代行というサービスを商材にしているため、営業のスピード感やクオリティを即座に体験していただくことが可能で、UXの面でも好影響です。架電のタイミングで次回アクションまで確定させるよう動いているので、自然と商談化率が高まります。
即架電を実現するためには地道なオペレーション整備と文化の醸成が必要
――即架電を実現するために、どのような試みをなされてきましたか?
草:即架電の実現には「オペレーション整備」と「文化の醸成」が必要です。オペレーション整備については素早く対応できる部分が大きいですが、「文化の醸成」は一朝一夕で実現するのは難しいかもしれません。
具体的には次の3点に取り組んでいます。
- 複数チャネルからのリードの通知を1つに集約する仕組み作り
- 架電を優先する文化の浸透
- 「一般化」「標準化」を評価する組織作り
1.複数チャネルからのリードを1つに集約する仕組み
草:まずオペレーション整備という観点で言いますと、リードの集約を最優先に動きました。複数のチャネルから届くリードが、それぞれ別のアプリケーションに通知されるようでは、対応しきれません。
私たちの場合はすべてのチャネルから獲得したリード情報がSlackに集約されるよう設定しているため、迷うことなくすぐに架電が可能です。
2.架電を優先する文化の浸透
草:架電時間を優先するための理解をチームに浸透させることも大切です。
私たちは架電用の時間を捻出するため、社内外の会議を減らし、必要な場合は会議時間を短縮することで、即時対応の時間を確保しています。たとえ会議中でも重要なリードがあれば電話に出ることが許されています。
これは、ISチーム全体が即架電の価値を深く理解しているため実現できる文化です。誰もが電話を優先する行動をとがめることはありません。
3.「一般化」「標準化」を評価する組織作り
草:チームというよりもエン・ジャパングループの文化かもしれませんが、弊社では、一般化力と組織標準化力を重要なスキルとして定義しており、社員の行動ガイドラインにも組み込まれています。「属人化させない体制」づくりを目指す文化が醸成されていると言い換えてもいいかもしれません。
一般化力は、「自分の知識や経験を他人が使えるよう主体的にアウトプットする能力」です。組織標準化力では、「個々人のノウハウを全員が使えるように仕組み化し、誰もが成果を出せるようにする」ための能力を指します。
これらのスキルを持つリーダーを育てることで、属人化を避け、組織全体としての強みを作り上げています。
リード数が多い場合は、主力経路のみ即架電を実践する
――実際に即架電したいと思っていても、なかなかオペレーションやスキームの整備が追いつかないと悩む企業様も多いと思いますが、こういった場合はどのような解決策がありますか?
草:リード量が多い企業様は、主力経路のみで対応するという戦略も有効です。もちろん全てのリードに対して90秒以内の架電を目指すのが望ましいですが、リードの総数が多い場合、優先度に応じて架電スピードにコントラストをつけてみてください。
実際に私たちも、複数のリードチャネルを抱え、リードの総数が増えた現在のほうが対応に四苦八苦しています。そのため、現在私たちはサービスサイトやオーガニックからのリードには90秒以内に必ず対応するようにしています。
即架電と「リードへの接触回数の担保」と「架電の品質改善」で成果を創出する
――商談化率を高めるために、架電の速度以外に意識しているポイントとしてはどのようなものがありますか?
草:即架電以外では、「リードの接触回数の担保」と「架電の品質改善」のためのアプローチを行っています。
まず接触回数ですが、1つのリードに対して5〜7回接触するという徹底したフォローアップを行っており、これにより商談化の機会を最大限に増やしています。
加えて、架電した結果の分析と仮説立てを行い、どのタイミングでどのリードにアプローチするかを最適化しています。
効果的なリード管理のために、私たちは週次で次のデータを定点観測しています。
- リード数
- 有効リード数
- 有効リード率
- コール数
- コンタクト数
- コンタクト率
これらのデータを追跡することで、リード管理プロセスの効率と効果を定期的に評価し、必要に応じて戦略を調整しています。この定点観測により、リード処理の質を継続的に向上させ、商談化率の改善に努めています。
各リードチャネルの属性に合わせて架電できるよう、マーケ担当から新しいチャネルや施策実施の際には事前共有してもらっています事前にリードをパターン分けしているため、パターンに応じてトークを使い分けています。これにより、より効果的にリードにアプローチできるようになっています。
これを実現させるためには、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス間での情報共有とフィードバックの循環が不可欠です。
そのため、職種を横断した定例ミーティングを週に2回実施しています。このミーティングでは、実際の商談から得たフィードバックを共有し、各リードの対応方法について意見交換を行います。このプロセスにより、架電のタイミングやアプローチの方法だけでなく、トークの質そのものも継続的に改善されています。
さいごに
エンSXの草様は、商談化率を高めるために「リード獲得から架電までの速度」が重要だと言います。実際に即架電によりコンタクト率が高まっており、特に90秒以内の架電によって6割近くのコンタクトを獲得できるというデータもあります。
この「即架電」を実現するためには、リードの通知を一元化するオペレーション整備と、架電を優先度を高めるための社内文化の醸成が重要です。
しかし、オペレーション整備や社内文化の醸成には時間がかかるので、リードの総数が多い企業様は、まず主力経路からのリードだけに絞って架電速度を高めてみるなどの戦略がオススメです。