YouTube広告の設定は大きく「キャンペーン・課金方式・ターゲティング・配信動画」の4つが必要です。
本記事では、YouTube広告の設定方法が分からないというご担当者に向けて、YouTube広告の設定手順をわかりやすく解説します。
設定の手順を一から説明したあとには、設定時のコツやありがちな失敗についての情報もまとめています。それぞれのポイントは簡潔にお伝えしますので、これからYouTube広告の運用を始める方に参考にしていただけるはずです。
この記事を読めば初めての方も、安心してYouTube広告を設定できるようになります。YouTube広告の知識ゼロからでも、失敗しない設定方法がわかる構成になっていますので、ご活用ください。
目次
YouTube広告の設定手順
まずはYouTube広告の設定手順について、順を追って説明します。画面キャプチャ付きで解説しますので、広告設定に必要なステップのイメージをつかんでください。
YouTubeの広告設定は大きく下記4段階にわかれます。
- キャンペーン設定
- 課金方式設定
- ターゲティング設定
- 配信動画設定
キャンペーン設定
初めのキャンペーン設定では、何のためにYouTube広告を使用するのかを選択・設定していきます。あらかじめYouTube動画を活用する目的や目標を整理したうえで各項目の設定に臨んでください。
広告キャンペーンの目標設定
YouTube広告で目指す目標を設定しましょう。目標を指定せずにキャンぺーンを作成することもできますが、このステップで目標を設定することで、以降のステップでおすすめのキャンペーンが表示されるようになります。選択できる目標は下記7種類です。
<選択可能な目標>
- 販売促進
- 見込み客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度とリーチ
- アプリのプロモーション
- 来店数と店舗売上の向上
キャンペーンタイプの選択
一つ前のステップでキャンペーンの目標を設定している場合、おすすめのキャンペーンタイプが表示されますが、YouTube広告は「動画」を選択します。Google広告全体で選択可能なキャンペーンは下記の通りです。
<合計8種類のキャンペーン>
- 検索/お客様の商品やサービスに関心があるユーザーにテキスト広告を表示します。
- P-MAX/1つのキャンペーンでGoogleのあらゆる広告枠に配信できます。
- ディスプレイ/ウェブ全体にさまざまな種類の広告を配信します。
- ショッピング/ショッピング広告を使って商品を宣伝します。
- 動画/YouTubeとウェブ全体でユーザーにリーチします。
- アプリ/Googleのネットワーク全域でアプリのインストールを促進します。
- スマート/Google検索やウェブ全体で自動広告を配信してビジネスの目標達成を図ります。
- ファインド/YouTube、Google、Discoverなどで広告を配信します。
キャンペーンのサブタイプの設定
キャンペーン設定の最後のステップは サブタイプの設定です。どのような形のYouTube広告を用いるのか検討し、目的に合わせて選びましょう。選択できるサブタイプは下記の6種類です。
ここまで解説してきたキャンペーン設定についての情報をまとめると、下記のような表になります。今回はYouTube広告の設定についてなので、キャンペーンのタイプはいずれも動画です。
目標設定 | キャンペーンのサブタイプ |
---|---|
| カスタム動画キャンペーン (スキップ可能なインストリーム広告、バンパー広告、Trueディスカバリー広告で広告設定をカスタマイズ) |
|
|
| コンバージョンの促進 (動画広告でユーザーとの効果的なインタラクションを促進) |
| 広告シーケンス (スキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、バンパー広告を組み合わせてストーリー形式のメッセージを伝達) |
| ショッピング (スキップ可能なインストリーム広告で購入を促進) |
最終的にはサブタイプを選択することでキャンペーン設定は終了です。初めに設定した目標に合うサブタイプを選択し、次の設定に移っていきましょう。
課金方式設定
次に課金方式の設定について解説します。まずはYouTube広告の入札戦略についてです。YouTube広告ではオークションのように、指定された枠に対して最も高額な上限単価を提示した広告が掲載されます。
たとえば、一つの広告枠に対して、A社/80円、B社/90円、C社/100円という形で入札が行われた場合、100円の上限単価を設定しているC社の広告が掲載されることになります。
この際、課金されるのは上限単価の100円ではなく、他社の上限金額を上回った最低額です。上記の場合は91円でC社の広告が掲載されます。
そして、狙った枠に広告を出稿するために、上限単価や目標単価を設定することを入札戦略といいます。下記は、YouTube広告の入札戦略を一覧表にしたものです。この一覧表をもとに6種類の入札戦略について説明します。
手動入札 | 上限広告視聴単価 |
---|---|
上限インプレッション単価 | |
通常の自動入札 | 目標インプレッション単価 |
視認範囲のインプレッション単価 | |
スマート自動入札 | 目標コンバージョン単価 |
コンバージョン数の最大化 |
手動入札
手動入札は広告主が手動で上限入札単価を設定し、広告を運用できる方法です。YouTube広告で設定できる入札戦略のうち、「上限広告視聴単価」と「上限インプレッション単価」の2種類が該当します。
上限広告視聴単価は広告表示一回に対する単価を設定する方式で、上限インプレッション単価は広告表示1000回に対する単価を設定する方式です。
運用する広告の種類が少なく、広告運用の知識が豊富な場合は、広告ごとの個別設定でコストを抑えられる可能性があります。一方で、Googleは広告効果最大化のために、手動入札よりも自動入札を推奨しています。
通常の自動入札
自動入札の入札戦略のうち、「目標インプレッション単価」と「視認範囲のインプレッション単価」の2種類は通常の自動入札に分類されます。もう一つの自動入札であるスマート自動入札との違いは、機械学習が備わっているかいないかという点です。
目標インプレッション単価と手動入札の上限インプレッション単価の違いは、目標インプレッション単価は入札のための上限単価が固定されないということです。使い切りたい予算や出稿期間に応じて、上限単価が自動調整され、無駄なく予算を使い切れるようになります。
一方、視認範囲のインプレッション単価はYouTube動画内ではなく、GoogleのサービスやGoogleと提携している企業のWebサイトに表示されるディスプレイ広告に対する設定です。YouTube内だけに動画広告を出稿したいという場合は入札設定をオフにしましょう。
スマート自動入札
最後にGoogleが最も推奨しているスマート自動入札についてです。この入札戦略には「目標コンバージョン単価」と「コンバージョン数の最大化」の2種類が該当します。いずれもコンバージョンに重きを置いて広告が運用される方式で、通常の自動入札との違いは機械学習を備えている点です。
スマート自動入札のいずれかを選択した場合、おおむね2週間で最適な広告運用方法を導き出され、最も大きな効果(コンバージョン)が得られる入札が行われるようになります。また、目標コンバージョン単価とコンバージョン数の最大化の違いは、上限の基準です。
目標コンバージョン単価は単価を上限基準とするため、コストを抑えつつ、自動入札に任せることができます。一方でコンバージョン数の最大化は単価ではなく予算が基準となり、コンバージョン数を最大化するために、時に高額な単価での入札を行う場合があります。
コストを最小化しながらコンバージョンを獲得するか、コストよりもコンバージョンの数を求めるか、目的にあわせて入札戦略を選択しましょう。
予算と日程、ネットワーク(配信面)の設定
入札設定が完了したら、広告設定画面の表示にそって、必要事項を入力していきます。
予算では広告キャンペーンにかけられるコストを入力し、日程では開始日と終了日を指定します。ネットワーク(配信面)の設定では、どの部分にYouTube広告を表示するかを選択してください。
上から3段目のディスプレイネットワークの動画パートナーとは、YouTube動画内ではなく、GoogleのサービスやGoogleと提携している企業のWebサイトを指します。YouTube内にだけ広告を表示したいという場合はこのチェックは外してください。
デバイス、スケジュール(曜日・時間帯)の設定
PCやスマホなど、特定のデバイスを使用するユーザーにリーチしたい場合はデバイス設定を行いましょう。また、曜日や時間帯など、特定のスケジュールで広告配信を実施するための設定もあります。
さらに、一人のユーザーに繰り返し同じ広告が表示されないようにするために、フリークエンシーキャップを活用してください。同一ユーザーへの表示回数上限を設けることで、悪い印象を持たれることを回避できます。
ターゲティング設定
ターゲティング設定は、YouTube広告を表示させるユーザーについての設定です。YouTube広告では細かいターゲティング設定ができますので、自社の広告がフィットする相手をできる限り詳細にイメージし、広告効果を高めていきましょう。
下記項目がターゲティング設定で絞り込める要素の一覧です。
- 地域/国、都道府県、市区町村、その他
- 年齢/18-24、25-34、35-44、45-54、55-64、65-
- 性別/男性、女性、その他
- 端末/パソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面
- 世帯年収
- アフィニティ(関連トピックへの興味)
- 購買志向の高さ
- リマーケティング(Web上での行動をもとにする設定)
- 類似ユーザー(既存顧客に興味・関心が似ているユーザー)
- トピックターゲット(既存顧客のリストよりターゲットを選択し、設定)
- キーワードによるコンテンツターゲット(キーワードに関連のあるコンテンツで配信)
- 手動プレースメント(広告を配信するサイトや広告枠を手動で指定・設定)
特徴的なのは「アフィニティ(関連トピックへの興味)」以下の項目です。世帯年収までの項目はターゲットとなるユーザーの基礎情報に基づいていますが、アフィニティ以下はユーザーの潜在的な興味やWeb上の行動に基づくものです。
こうした点もしっかりと設定することで、広告に興味を示す可能性が高いターゲットに自社のYouTube広告を見てもらえるようになります。
配信動画設定
最後の設定は配信動画設定です。どの動画をどのフォーマットで表示し、動画をクリック・タップした際にどのURLに遷移するのかを設定します。この際、必ずPCとモバイル、双方のプレビューを確認するようにしましょう。
以上が、広告出稿までの一連の設定方法です。いきなり管理画面を開いて各項目を設定しようとすると、検討事項が出てくる度に設定を中断することになりかねません。まずはここまでに説明した手順を見つつ、各種設定内容を検討してみてください。
しっかり準備を整えて臨めば、初めてでも無理なくYouTube広告の設定を実施できるでしょう。
設定時に意識すべき3つのコツ
YouTube広告の設定を行う際、次の3つのコツを意識することで、より効果的な広告運用が可能になります。
<設定時に意識すべき3つのコツ>
- 広告運用の目的を明確にする
- ターゲット像を詳細にイメージする
- 入札設定は単価と予算、どちらを基準にするか決める
広告運用の目的を明確にする
一つ目のコツはYoutue広告で効果を出すには、何のためにYouTube広告を運用するのかを明確にする必要があるということです。運用する目的が定まっていなければ、効果的な広告を出稿できないでしょう。
たとえば、新サービスのプロモーションなら短い時間でインパクトを与える広告が有効ですが、見込み客に購買を促進するには時間をかけて商品のストーリーを見せるべきです。広告運用の目的を明確にし、最適な見せ方ができる広告を選択しましょう。
ターゲット像を詳細にイメージする
ターゲティング設定の部分でもお伝えしましたが、YouTube広告でだれの目を引き、行動してもらうかというイメージは重要です。なぜなら、YouTubeを視聴しているユーザーの数は膨大で、ターゲットを絞って広告表示を行わなければ、自社の商品やサービスを必要としている人に広告を表示できなくなるからです。
ユーザーによっては、必要としていない商品・サービスの動画広告を見ることで、悪いイメージを持ってしまう恐れもあります。商品・サービスの情報を友好的に受け止めてくれるユーザーに広告を届けるため、ターゲット像を明確にして広告設定を行いましょう。
入札設定は単価と予算、どちらを基準にするか決める
入札設定を行う際、単価を基準にするか、予算を基準にするかは重要なポイントです。というのも、単価を基準にすればコストを抑えた運用ができ、場合によっては一定の成果を出しつつ、予算を次回キャンペーンに繰り越すことができます。一方で予算を基準にする入札戦略では予算を必ず使い切る形で最大の効果を得ることができます。
単価を基準にする場合は費用対効果の高い広告運用が、予算を基準にする場合はコンバージョンを最大化する広告運用が、それぞれ可能です。費用対効果とコンバージョン、どちらの最大化を目指すのか、優先順位を明確にする必要があります。
設定時にありがちな失敗
また、不慣れなうちは、いくつかの失敗を引き起こしてしまうおそれがあります。YouTube広告の設定において、よくある失敗とその解決策を知り、回避できるようにあらかじめ意識しておくといいでしょう。
<設定時にありがちな失敗>
- 一つのキャンペーンで複数の成果を求める
- 広告動画の使い回し
- スマート自動入札の設定を短期間で変更する
一つのキャンペーンで複数の成果を求める
一つのキャンペーンで得られる成果は一つです。一つのキャンペーンの中で複数の成果を求めると、ターゲット設定や広告動画の内容などが定まりにくくなり、狙った効果が得られなくなってしまいます。
たとえば、自社商品への認知が低い層には丁寧な説明が必要ですし、既存顧客に購買を促す場合にはリピーターへの値引きや特典が有効です。新たなターゲットへの認知拡大と認知済みの顧客への購買促進を行う際には、それぞれ別々のキャンペーンを実施しましょう。
<解決策>
一つのキャンペーンで求める成果は一つということを意識しましょう。求める成果が異なる場合は新たなキャンペーンを設定します。それぞれにターゲットに合わせた運用できれば、広告効果を最大化できるはずです。
広告動画の使い回し
YouTube広告をクリック・タップした先で、広告に使用していたものと同じ動画をユーザーに見せてしまうのは、適切ではありません。 興味を持ったユーザーは、広告の先に新しい情報を求めています。YouTube広告のゴールは広告をクリック・タップしてもらうことではなく、その先でより多くの情報を提供し、購買や契約につなげることにあります。
<解決策>
動画の使い回しをやめて、ユーザーにとって新しいコンテンツを遷移先に用意しましょう。ユーザーが自社のサイトを訪れ、興味を持って見てもらえる状況をしっかりと利用し、短い広告動画では伝えられなかった情報を伝えましょう。
スマート自動入札の設定を短期間で変更する
スマート自動入札はYouTube広告運用の初心者にとって頼もしい機能ですが、短期間ではうまく効果を発揮できないことを忘れてはなりません。これは機械学習に必要なデータを蓄積するために時間を要するからです。短期間で何度も設定を変更していては、いつまでたっても機械学習の効果を実感できないでしょう。
<解決策>
スマート自動入札がうまく機能し始めるまで、おおむね2週間が必要です。機械学習に必要なデータが整うまでは、設定を変更せず、見守るようにしてください。思った成果がでない期間も、必要な時間だということを覚えておきましょう。
まとめ
今回はYouTube広告の設定についての基礎情報やコツ、ありがちな失敗について解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
<この記事で紹介したポイント>
- YouTube広告の設定を行う際は、あらかじめ広告運用目的を明確にしましょう。
- 入札戦略はスマート自動入札がおすすめです。
- ターゲティング設定はできるだけ詳細に行いましょう。
設定時に意識すべき3つのコツは次の通りです。
- 広告運用の目的を明確にする
- ターゲット像を詳細にイメージする
- 入札設定は単価と予算、どちらを基準にするか決める
設定時にありがちな失敗として注意したいのは次の3つです。
- 一つのキャンペーンで複数の成果を求める
- 広告動画の使い回し
- スマート自動入札の設定を短期間で変更する
この記事で紹介した大切なポイントは以上です。初めてYouTube広告を設定するという方はこの記事を参考にし、準備を整えたうえで広告設定に臨んでください。YouTube広告の設定には多くのステップがあるため、各項目についてあらかじめ準備をしておくことで、スムーズに設定を進められるはずです。
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参考にしたサイト
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