近年、「働き方改革」という言葉を耳にする機会が多くなりました。各企業においても、業務効率化が求められる中で、AIを活用した業務効率化に対する期待が高まっています。
しかし、AIという言葉こそ知っていても、実際に企業においてどのように活用され、人々の働き方に影響を与えているか、具体的にイメージできる人は少ないのではないでしょうか?そこで、この記事では、企業におけるAIの活用事例を15個紹介します。新しい事業を起こしたい、投資をしたいなどの方はぜひ事業のヒントにしてみてください。
なお、重要度を客観化するためにAIの活用を紹介した16サイトを調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よく良質なAI活用事例を探すことができます。
※出現頻度が同数の場合は、アルファベット順に掲載しています。日本語名については、ローマ字表記で判断しています。
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目次
AIでできることは大きく4つ
企業の業務効率化を目的としてAIを活用する場合、できることは大きく分けると以下の4つになります。
- 自然言語処理
- 画像解析
- 音声解析
- 制御・推論
それぞれについて詳しく解説していきます。
自然言語処理
自然言語処理とは人の言葉をAIに処理させる技術のことです。AIが文章を読み込むことで、文章の内容を理解することができるほか、Google翻訳などもこの機能です。
かな文字を漢字混じりの文章に変換したり、入力された文章を自動的にコンピューターが分析しユーザーの気持ちを分先するなどの用途にも使われています。
画像解析
画像解析とは、画像や動画に出てくる物体の認識、画像や映像の加工や生成を行うことができる技術です。
画像解析はスマートフォンの写真加工アプリなどにも活用されています。また、画像解析を通して昔の白黒写真をカラーにするなどの用途にも使われます。
音声解析
音声解析は、人の声などの音声を認識し、それを解析することで、文章に変換したり、音声に対するアクションを起こしたりすることができる技術です。
雑音の多い環境下でも人の声を抽出できるなど、認識性能は非常に高いといえます。実際にこの機能を活用している事例の1つが、翻訳アプリです。話しかけた言葉をAIが解析し、他言語へと翻訳しています。
制御・推論
制御・推論とは与えられたデータを活用して、何か起こった時に機械を制御したり、これから起こることの予測を行ったりする技術です。
例えば、自動車の運転中に事故が起こりそうになったら、自動車を急停止させるという技術は制御機能によるものです。また、インターネットショッピングで買い物をするとオススメの商品が出てきますが、これは推論の技術によるものです。
企業におけるAIの活用事例15選
ここからは、先ほど紹介した4つの機能を実際に活用した事例を15個紹介します。自社に活用できるものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
AIの自然言語処理を用いた事例
まずは、自然言語処理を活用した例として4つの事例を紹介します。
コールセンターへの問い合わせに対して適切な回答を提案
通常コールセンターなどの問い合わせ窓口には人員を配置し、問い合わせに対しては、担当者自ら必要な情報を調べた上で回答するのが一般的です。
しかし、お客さまとのやりとりのデータをAIに学習させることで、回答内容をAIが提案することができます。これによって、それまで、回答を調べるためにオペレーターが割いていた時間や労力を節約することができます。
参考:AI(人工知能)のビジネスモデル | データ分析活用、売上向上の事例を解説
チャットボットによる問い合わせ対応で6.5人分の人件費を削減
チャットボットは、AIを活用した問い合わせなどに自動で回答してくれるプログラムのことです。ある企業では、問い合わせに対応するためのチャットボットを用意したところ、問い合わせ全体の3分の1をチャットボットが担うようになったそうです。
これに伴い、6.5人分の人件費の削減が実現しています。
参考:チャットボット企業導入事例まとめ!各社の導入ポイントをご紹介
ツイッターの投稿を代行し、SNSの運用コストを削減
AIにツイッターの投稿を代わりに行ってもらうという活用方法もあります。これは、AIに本人のツイート内容を学ばせることで、本人のようなツイートを作成させることにより可能になります。
文面はもちろん、口調や投稿時間、絵文字など細かい部分まで本人に似せることができます。
これによってSNS投稿に割く時間やコストの削減が可能です。
ディープラーニングによる学習でニュースの原稿を自動生成
ニュース記事の自動生成はこれまでも行われていましたが、決められたフォーマットに記者がテンプレートに文章や数値を入れる程度のものでした。
しかし、AIに過去のニュース原稿や情報などを学習させることで、テンプレートが不要となり、ニュース原稿の自動生成が行えるようになりました。
AIの画像解析を用いた事例
続いては、画像解析を用いた事例を4つ紹介します。
手書き書類を読み取って処理時間を50%短縮
AIを活用することで、手書きの文字を読み取り、データとして処理することができます。
従来、手書きの書類は目視で文字を確認し、パソコンに打ち込む必要がありましたが、AIを導入することで処理時間の大幅カットが可能になります。企業によっては処理時間が50%も短縮できたというケースもあります。
参考:AI(人工知能)のビジネスモデル | データ分析活用、売上向上の事例を解説
人間の医師を上回る精度で目の疾患を診断
AIでは、高い精度で医者と同等以上の診断が行えます。
実際に、目の診断ができるAIでは、人が行うよりも時間を短縮した上で精度の高い診断ができたという事例があります。
参考:人工知能ができること12選!起業家が知っておくべきビジネスへの活用法
工場の製造ラインに流れる食品の動画から不良品を検知
工場の製造ラインでは、作られた製品が不良品であるかどうかのチェックが行われます。
従来は人の目によって不良品の確認を行っていましたが、AIを活用すれば、AIが製品を確認し、不良品であるかどうかの判定を自動的に行ってくれます。
参考:食品工場の製造ラインにて原材料の不良品検知にAIを活用
SNSに投稿された画像から自社商品の利用実態を調査
画像解析技術はSNSにも活用可能です。
例えば、ツイッターやインスタグラムなどに投稿された画像に写っている商品ロゴや背景、人物などを解析することで、その商品がどういった場面で利用されているのか利用実態を把握することができます。
AIの音声解析を用いた事例
続いては、音声解析技術を活用した事例として3つ紹介します。
人間の声を解析して含まれる感情を見抜く
人間の発する言葉には感情が含まれますが、AIを活用すればこの感情を見抜くことができます。
AIは、人が発する言葉の速さやトーンなどを解析することで、その人が怒っているのか、喜んでいるのかといったことがわかります。これによって、社員が抱えている隠れたストレスや不満などを見つけることができるなど、メンタルヘルスケアに活用可能です。
超音波センサーで機械の音を聞いて不調を判断
AIは、人の音声だけでなく、機械の音を解析することもできます。
例えば、機械音をAIが聴けば、その音が正常か異常かの判断ができ、機械の好不調が容易にわかります。AIは人間の耳よりも広い範囲の音を拾えるため、人間ではわからない微妙な不具合も検知可能です。
参考:音を聞いて機械の不調を察知する「耳のいいAI」自動運転車両の故障検知に活用へ
医師が話した内容をカルテに自動で記入
音声解析は医療の現場でも活用可能です。
例えば、医師が診察を行なった際のカルテは、従来だと手書きやパソコンへの入力によって管理されていました。しかし。AIを活用することで、AIが医師の声を解析し、自動的にカルテに記入してくれます。
AIの制御・推論を用いた事例
最後に、制御・推論を用いた事例を4つ紹介します。
会社の財務データを分析し経営改善についてアドバイス
AIは、会社の経営改善に活用することも可能です。
例えば、AIに会社の財務データを読み込ませることで、同業他社との比較や、銀行への融資申請、助成金申請のためのアドバイスを受けることができます。
従来は会計士などの専門家の手によって行われていた分析をAIが自動で行なってくれるため、コストも時間も削減することができます。
参考:【AI活用事例】業務を効率化してくれるAI(人工知能)とは?
社員の行動データを計測・分析しストレスフリーな職場を実現
ストレスフリーな職場環境を目指したいという企業にとってもAIは活用可能です。
実際に導入した企業では、ウェアラブルセセンサーを持った社員行動を計測し、行動の分析結果から組織の活性度とストレスが関係していることが明らかになりました。
結果をもとに活性度を上げるために、社員同士の対面回数や会話を増やすなどの施策を実施し、ストレスフリーな職場環境の実現に取り組むことができます。
参考:Hitachi AI Technology/組織活性化支援サービス:【導入事例】製造
翌日の来客予測により売上4倍・利益10倍
AIは、過去の売り上げデータや天気予報な複数のデータを読み込むことで、来客予測を行うことができます。
来客が予想できれば、必要な人材やその日に仕入れる商品、作る料理の必要数も決まってくるため、人件費や廃棄コストなどを削減することができます。
実際にこの来客予想AIを導入した企業では、売り上げが4倍、利益が10倍になったという実績もあります。
参考:中小企業のAI活用事例!利益10倍を実現した「ゑびや大食堂」に学ぶデータを活かすという意識
1週間以上必要だった保育所の割当が数秒で行えるように
保育所の入所割り当てにAIを活用した事例もあります。
保育所への入所は、各施設の定員と子供の優先順位によって決められます。従来はこの割り当てを1週間以上かけて、人が行なっていました。しかし、AIを活用することで、ほんの数秒で割り当てを行うことができるようになりました。
参考:【AI活用事例】業務を効率化してくれるAI(人工知能)とは?
ここまで15個の事例を紹介しましたが、そのほかにも様々な事例があります。AIに関するより詳細で生の情報が欲しい方は、セミナーに参加してみてはどうでしょうか。
導入を検討している場合は
企業によっては、すでにAIの導入を検討しているケースもあるでしょう。ただ、自社にAIに詳しい技術者がいるかどうかによって、導入方法は変わってきます。
自社・身近なところに技術者がいる
AIに詳しい技術者が近くにいれば、AIを一から作成することも可能です。
自社で作成する場合、AIが学習を行うためのツールを用意するほか、AIに読み込ませるデータなどの整理・収集が必要になります。また、専門的な知識も必要になりますが、ベンダーのAIよりも高性能なAIを作ることも不可能ではありません。
自社・身近なところに技術者がいない
近くにAIに詳しい技術者がいなければ、ベンダーが提供する出来合いのAIを購入して利用することになります。
ベンダーのものは細かいカスタマイズが難しいほか、必ずしも自社の課題にマッチしたAIがあるとは限りませんが、安価でスピーディーに導入することができます。
AIの活用に関するよくあるご質問
AIの活用について役立つQ&Aをまとめています。
Q.AIの活用でどんな業務を自動化できますか?
A.例えば、顧客対応の自動化、データ処理、画像解析による不良品検知など、多岐にわたる業務を自動化できます。
Q.AIによる画像解析の具体的な活用方法は?
A.画像解析は製造ラインでの不良品検知や、医療分野での疾患診断に活用されています。
Q.AIは自然言語処理でどのように活用されますか?
A.自然言語処理は、チャットボットや顧客対応システムで、自動応答や内容理解に利用されます。
Q.音声解析AIはどのように活用されますか?
A.音声解析AIは、感情認識や医療現場でのカルテ自動作成などに活用されます。
Q.AIの推論技術でできることは何ですか?
A.AIの推論技術により、来客予測や機械の不具合検知など、予測と制御が可能です。
まとめ
今回は、企業におけるAIの活用事例を紹介しました。AIを導入することで、業務効率化を図ることができ、人件費や時間など各種コストの削減も期待できます。
また、AI導入によって生まれた時間を他の業務に充てることができれば、業績アップにつなげることもできるでしょう。
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参考サイト
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