会社決算の数カ月後に支払う税金が法人税です。新しい期を迎えて忙しい中、法人税は簡単に手っ取り早く納付したいという経営者の方もいるでしょう。
法人税の納付にはさまざまな方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。本記事では6つの納付方法を紹介するので、自社に合った方法を見つけて賢く納付手続きを行いましょう。
目次
※本記事はGMOあおぞらネット銀行株式による寄稿記事です。LISKUL編集部監修のもと公開しています。
法人税の納付方法の一覧
法人税にはどのような納付方法があるのかを見ていきましょう。
納付方法 | メリット | デメリット |
インターネットバンキング納付 | Pay-easy(ペイジー)の利用で自宅から納付ができ、手数料が発生しない | 金融機関によってはインターネットバンキングの月額利用料がかかる |
ダイレクト納付 | 電子申告後ワンストップ納付が可能で、手数料が発生しない | e-TAXの利用登録や事前の口座振替契約が必要 |
クレジットカード納付 | 支払日まで時間的余裕が生じる。ポイントを貯めることができる | 決済手数料がかかる。1000万円以上の納付には利用できない |
スマホアプリ納付 | 事前手続きが必要なく、手数料が発生しない | 30万円を超える場合は利用できない。残高にチャージしておく必要がある |
コンビニ納付 | 手数料が発生しない | 30万円を超える場合は利用できない |
窓口納付 | 手数料が発生しない | 金融機関の営業時間にしか納付できない。窓口に出向く必要がある |
このなかで最もおすすめなのがインターネットバンキング納付です。インターネットバンキングを使い、番号を入力するだけで納付できるため、時間や場所に捉われることはありません。納付にかかる時間は上記の選択肢のなかでも短く、手数料も発生しません。
法人税の納付方法
法人税は、会社の生み出した利益に課税される税金です。利益がない(赤字決算)の場合も、一定額を納付する決まりがあります。決算時に振込で支払う方法や、納付書が届いてから金融機関の窓口で支払う従来の方法もありますが、自宅から手軽に納付できる方法も整備されています。
それぞれの方法を見ていきましょう。
自宅から手軽に納付できる方法
おすすめは、自宅から手軽に法人税を納付する方法です。具体的なやり方は以下の通りです。
- インターネットバンキング納付
- ダイレクト納付
- クレジットカード納付
- スマホアプリ納付
インターネットバンキング納付
自社口座のインターネットバンキングから支払う方法です。この方法であれば、会社の財務を管理している会計システムと連携することができます。最近活用されているのは「Pay-easy(ペイジー)」という仕組みで、納付番号や確認番号を入力すると該当する支払いが表示されます。ペイジーによる払込みは手数料がかかりません。
ただしインターネットバンキングの利用にあたり、金融機関によっては月額利用料がかかる場合があります。月額利用料は銀行によって異なりますが、ネット銀行ではすべて無料です。
2023年11月現在でペイジーに対応しているネット銀行は、GMOあおぞらネット銀行、PayPay銀行、楽天銀行の3行です。ペイジーの活用のためにインターネットバンキングの口座を開設する場合は、料金体系を確認したうえで利用する銀行を決めましょう。
ペイジーが使える納付書には、ペイジーのマークが記載されているので、一目見てすぐに判断することができます。時間や場所を気にせず、簡単に納付を完了させたい方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
【インターネットバンキング納付】
メリット | ペイジーを活用すれば自宅から納付ができ、手数料がかからない |
デメリット | インターネットバンキング自体の月額利用料がかかる場合がある(ネット銀行は無料) |
ダイレクト納付
e-TaxやeLTAXから電子申告後、ワンストップで支払いできるのがダイレクト納付です。税理士や会計士などの代理人による手続きが可能で、残高不足の場合には後日再度振替をすることができます。
e-Taxの利用登録や事前の口座振替契約が必要になりますが、一度手続きをしてしまえば次回以降は自動引き落としとなるため、経理作業の効率化が期待できます。
ネット銀行では対応している所が少なく、2023年11月現在はGMOあおぞらネット銀行のみが対応しています。納付作業を顧問の税理士や会計士に全面的に依頼している方、口座振替による自動引き落としを利用したい方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
参考:ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続:国税庁
【ダイレクト納付】
メリット | e-TaxやeLTAXから電子申告後ワンストップで支払できる、口座振替による自動引き落としができる |
デメリット | e-Taxの利用登録や事前の口座振替契約が必要 |
クレジットカード納付
3つ目は、クレジットカードを使って納付する方法です。手元の資金に余裕がなくても支払えるうえ、クレジットカードのポイントを貯めることができます。
一方でデメリットとして、決済手数料がかかるため、払込金額によってはポイントを上回り、損をする可能性があります。また、1,000万円以上を納付する場合には利用できません。手元に現金の余裕がない方、クレジットカードのポイントを貯めたい方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
【クレジットカード納付】
メリット | クレジットカード利用代金の支払日まで時間的余裕が生じる。ポイントを貯めることができる |
デメリット | 決済手数料がかかる。1,000万円以上の納付には利用できない |
目安として、クレジットカードの決済手数料を一覧にまとめたので参考にしてください。
納付税額 | 決済手数料(税込) |
1円~1万円 | 83円 |
1万1円~2万円 | 167円 |
2万1円~3万円 | 250円 |
3万1円~4万円 | 334円 |
4万1円~5万円※以降増額に応じて加算 | 418円 |
スマホアプリ納付
スマートフォンにダウンロードした電子マネーのアプリで法人税を支払う方法です。
手軽さが大きなメリットで、事前手続きが必要ありません。デメリットとしては、納付金額が30万円を超える場合には利用できない点と、残高にチャージしておく必要がある点が挙げられます。
なお、スマホアプリの納付は令和4年から開始した新しい方法です。スマホを使って手軽に納付を完了させたい方やパソコンを持っていない方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
【スマホアプリ納付】
メリット | 事前手続きが必要ない |
デメリット | 30万円を超える場合には利用できない。利用時には残高にチャージしておく必要がある |
コンビニや銀行窓口で納付する方法
コンビニや銀行窓口で納付する具体的な方法をご紹介します。
- コンビニ納付
- 窓口納付
コンビニ納付
コンビニエンスストアに赴いて法人税を納付する方法です。法人税の納付書により決済できるコンビニが決まっていますが、全国チェーンであれば対応可能のところが多いです。
メリットは手数料が発生しない点ですが、納付金額が30万円を超える場合には利用できません。平日の日中に時間が取れない方やネットバンクの扱い方が分からない方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
>>バーコード納付による手続き詳細はこちらから
参考:コンビニ納付(バーコード):国税庁
>>スマホアプリにより手続き詳細はこちらから
参考:スマホアプリ納付の手続:国税庁
【コンビニ納付】
メリット | 手数料が発生しない |
デメリット | 30万円を超える場合には利用できない。コンビニに出向く必要がある |
窓口納付
銀行窓口に赴いて納付する方法です。メリットは手数料が発生しない点、デメリットは金融機関の営業時間にしか納付できない点です。
多くの金融機関は平日の9:00から15:00までですが、一部では17:00まで営業している金融機関もあります。担当者に対応して欲しい方、インターネット・スマートフォンの操作が苦手な方におすすめの方法です。
手続き詳細は以下をご覧ください。
参考:現金に納付書を添えて納付(金融機関又は税務署の窓口):国税庁
【窓口納付】
メリット | 手数料が発生しない |
デメリット | 金融機関の営業時間にしか納付できない。窓口に出向く必要がある |
法人税の納付期限
法人は1年に一度、決算を税務署に申告する義務がありますが、決算を終えて2カ月後が法人税を納付する期限です。決算時に納付しなければ税務署から納付書が送られてくるため、上記のいずれかの方法によって法人税を納付します。
なお税務署に相談をすることによって、3カ月後の納付とすることもできます。これを過ぎると延滞税がかかりますが、税務署に相談することで「分納」をすることも可能です。
また、前事業年度(12カ月分)の法人税額が20万円を超える場合、決算開始から6カ月を経過した時点で中間申告として納税義務があります。確定申告・納税申告どちらの場合も申告期限・納付期限が土日祝であれば、その翌平日が納付期限となります。
まとめ
法人税の納付方法についてまとめました。忙しい会社経営の日々の中で、法人税の納付は自宅にいながら短時間で済ませておきたいものです。
さまざまな納付方法がありますが、自社にあった最適な方法を見つけて利用しましょう。また法人税の概要を知ることで、より円滑に納付をすることができます。
本記事を参考にして、効率よく進めましょう。
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