
原価管理システムとは、企業が自社の製品・サービスの原価を詳細に追跡して分析・管理するためのシステムです。
企業で導入することで、新製品の開発や予算策定、利益を最大化させるためのマーケティング戦略など、様々な意思決定に役立てることができます。
しかし、「導入したいけど、どのシステムがいいかわからない」「そもそもどの視点で原価管理システムを選べばいいかわかりづらい」という悩みを持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では原価管理システムの選び方のポイントを紹介した上で、おすすめのシステム15選の特徴や料金を紹介します。
本記事を読むことで、自社に合った原価管理システムを効率よく選べるでしょう。
なお、本記事では原価管理システムの注目度を客観的に判断するために「原価 管理 システム 比較」で検索し、検索上位に表示された紹介サイト5個を調査し、各システムを登場回数順に掲載しました。
目次
- 原価管理システムとは
- 原価管理システムの選び方のポイント
- スマートF/株式会社ネクスタ
- J-CCOREs/JFEシステムズ株式会社
- レッツ原価管理Go2/株式会社レッツ
- クラウドERP ZAC/株式会社オロ
- AMMIC/NetC/株式会社アミック
- アラジンオフィス/株式会社アイル
- ProSee/ソートウェア株式会社
- どっと原価NEO/株式会社建設ドットウェブ
- ProSCOPE-C/日立SC株式会社
- JDL IBEX原価管理・工事台帳/株式会社日本デジタル研究所
- KojiNEO/株式会社マテハンソフト
- Across/株式会社インプローブ
- レッツ工事台帳/株式会社ディー・マネージ
- KUROJIKA/ニックスジャパン株式会社
- uconnect/株式会社unlimited
- まとめ
原価管理システムとは
原価管理システムとは、原価計算や予算と実績の比較をする差異分析など、複雑な分析を実行し、管理できるシステムです。
製品やサービスの生産・提供過程において発生するさまざまなコストを把握、分析、評価できるため、経営判断がしやすくなります。
原価管理をExcel上で管理することが基本ですが、計算しづらかったり、処理に時間がかかるという問題点があります。
しかし、原価管理システムは計算・分析機能があるため、効率的に管理することが可能です。
原価管理システムの主な機能
システムによって詳細な機能は異なりますが、基本機能は以下の通りです。
機能 | 特徴 |
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原価計算機能 | 必要な項目を入力することで、自動で原価計算ができる。製品原価計算や全部原価計算など、複数の計算に対応できる。 |
差異分析機能 | 標準の原価と実際の原価を比較し、どれだけ差があるのか算出する。 |
損益計算機能 | 企業の収益と支出を算出し、差分である利益または損失を計算する。 |
シミュレーション機能 | さまざまな条件に基づいて原価を予測する。 |
原価管理システムの選び方のポイント
複数ある原価管理システムの中から自社の用途に合ったシステムを選ぶためには、下記の基準をもとに探しましょう。
統合型か原価管理システム単体か
原価管理システムを選ぶ上で、統合型システムであるERPか、原価管理システム単体か、どちらがいいか最初に判断しましょう。
原価管理機能がついているERPであれば、複数にまたがるシステムを一元化できます。
会計システムや生産管理システムなどのシステムがない、もしくは別の新しいシステムに統合したい場合は、このERPがおすすめです。
一方、原価管理機能が単体でついているシステムの場合、既存の別システムとデータ連携して使うことができます。
そのため、既存のシステムをそのまま使いつつ、原価管理だけ効率化したい場合は、原価管理機能が単体でついているシステムがおすすめです。
参考:【最新版】おすすめクラウドERP5選を比較!選び方も紹介
特化している活用シーン
原価管理システムによって、特化している業界や活用シーンが異なります。
システムのタイプは大まかに以下の3つに分けられます。
原価管理システムのタイプ | 特徴 |
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特定の業界向けのシステム | ・製造業や、建設業など、特定の業界に特化している。 ・各業界の独自の計算に対応している。 |
プロジェクト管理向けのシステム | ・プロジェクトの収益とコストを個別に追跡する。 ・プロジェクトの利益性を評価する機能や、スケジュールとリソースの最適化機能がついている。 |
汎用的なシステム | ・コスト計算、コスト分析、予算策定と追跡などの基本的な原価管理機能がついている。 ・多様な業種や業界に対応している。 |
製造業や建設業など、独自の原価計算が必要な業界は、その業界に特化した原価管理システムを選びましょう。
また、プロジェクト管理が目的の場合、プロジェクトごとの収益やコストを追跡できる、プロジェクト管理に特化したシステムが向いています。
一方、プロジェクトだけではなく、原価や損益、販売などさまざまな管理を行う場合、基本的な機能全般がカバーされている汎用的なシステムが良いでしょう。
ほかシステムとの連携性
原価管理システムをの利便性を高めるためには、ほかの既存システムと連携ができるかどうか確認が必要です。
例えば、既存の会計システムやERPシステム、人事管理システムと簡単に統合できるシステムを選ぶことで、データの一貫性を保つとともに、重複したデータ入力やエラーを避けることができます。
連携ができなかった場合、データの移行や更新に手間がかかってしまうため、既存システムと連携ができるかどうか事前に確認を取りましょう。
スマートF/株式会社ネクスタ
- 製造業向けで生産管理の工数削減に特化している
- バーコードを活用したシステム入力で、効率的でミスのない原価管理が実現
- システム導入時は専任担当者がコンサル・トライアル導入を実施
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・在庫管理 ・工程管理 ・原価管理 ・予実管理 ・バーコード入力・自動原価集計 |
導入企業 | ハードロック工業株式会社、宮川化成工業株式会社、東洋カプセル株式会社、旭化工株式会社、ファインセラミックス製品製造会社 など |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド |
J-CCOREs/JFEシステムズ株式会社
- 鉄鋼・半導体など複雑な工程がある業態の原価管理に強みをもつ
- 各製造工程ごとの原価を算出し積み上げることにより、製品自体の原価計算をする手法を開発
- 原価計算・原価管理に特化したシステムで、生産管理や会計は既存システムと柔軟な連携が可能
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・原価計算 ・原価差異分析 ・採算分析 ・損益計算 ・シミュレーション |
導入企業 | 東洋紡業株式会社、ニッポン高度紙工業株式会社、積水化学工業株式会社、ダイハツディーゼル株式会社、東邦チタニウム株式会社 など |
導入社数 | 約100社 |
提供形態 | オンプレミス、クラウド、IaaS |
レッツ原価管理Go2/株式会社レッツ
- 原価計算から支払・回収までの一元管理に強みをもつ
- シンプルで分かりやすい画面で、会計知識がなくてもだれでも操作可能
- 一度の入力作業のみで工事原価資料・在庫資料・未払金資料などへスムーズに反映
初期費用 | 製品価格 ■スタンドアロン:660,000円 ■ネットワーク版 2クライアント1,100,000円 3クライアント1,430,000円 5クライアント1,760,000円 10クライアント2,200,000円 15クライアント2,530,000円 20クライアント2,860,000円 |
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料金プラン | 年間保守 ■スタンドアロン:1年33,000円、3年88,000円、5年132,000円 ■ネットワーク版 2~5クライアント:1年55,000円、3年143,000円、5年220,000円 10クライアント:1年77,000円、3年198,000円、5年308,000円 15~20クライアント:1年110,000円、3年286,000円、5年440,000円 |
主な機能 | ・予算確認機能 ・工事別売上原価推移表 ・予実管理 ・支払管理 ・回収管理 |
導入企業 | 有限会社Total Wall Make、上北建設株式会社、株式会社後田工務所、株式会社とだか建設、大平建設株式会社 など |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド、スタンドアロン |
クラウドERP ZAC/株式会社オロ
- プロジェクト型ビジネスに特化した管理システム
- プロジェクト別や工程別で工数・労務費集計をする機能がある
- 配賦計算エンジンにより、設定したルールに応じ原価を自動で計算・配分
初期費用 | ■ZAC初期設定費用:100,000円 ■導入支援費用:0円~ ※詳細は要問い合わせ |
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料金プラン | ■社員数約50名:ライセンス費用 月額136,000円、保守費用 月額60,000円 ■社員数約120名:ライセンス費用 月額336,000円、保守費用 月額120,000円 ■社員数約400名:ライセンス費用 1,156,000円、保守費用 月額270,000円 ※詳細は要問い合わせ |
主な機能 | ・プロジェクト実行予算管理 ・プロジェクト個別原価計算 ・プロジェクト予実対比 ・勤怠・工数管理 ・工程管理 |
導入企業 | AZAPAエンジニアリング株式会社、INSIGHT LAB株式会社、株式会社DKホールディングス、株式会社ネオマーケティング、株式会社ペンシル など |
導入社数 | 900社以上 |
提供形態 | クラウド、オンプレミス |
AMMIC/NetC/株式会社アミック
- 製造業向けで原価管理機能の豊富さに強みをもつ
- 品目別や工程別など多様な切り口での原価計算ができる
- 予定生産計画に基づき実績データをシミュレーション作成することにより、予算原価を算出
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・予算シミュレーション ・予実原価管理 ・オーダー別原価管理 ・原価差異管理 ・原価種別間比較 |
導入企業 | 株式会社タイカ、株式会社ナガノトマト など |
導入社数 | 215社以上 (シリーズ累計) |
提供形態 | パッケージシステム |
アラジンオフィス/株式会社アイル
- 中小製造企業の原価計算・原価の見える化に強みをもつ
- プロジェクトごとに原価を管理・収支を可視化する機能をもつ
- システム導入前から導入後まで専属チームの一貫サポートで安心
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・見積管理 ・受注管理 ・売上管理 ・請求・入金・支払管理 ・売掛管理 |
導入企業 | 株式会社ワシントン靴店、株式会社ティーアンドエス、株式会社ANAP、CLANE DESIGN株式会社、株式会社DLX など |
導入社数 | 5,000社以上 |
提供形態 | クラウド、パッケージソフト |
ProSee/ソートウェア株式会社
- 中小製造企業の原価計算・原価の見える化に強みをもつ
- 製造業の原価計算・管理会計の専門会社ならではのノウハウを提供
- 無償版ツールによる実態把握と導入コンサルで、自社に合わせたシステム化手順を提案
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・予定原価計算 ・実績原価計算 ・予実原価比較 ・費用配分計算 ・管理会計 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | パッケージソフト |
どっと原価NEO/株式会社建設ドットウェブ
- 建設業の原価管理の業務効率化に特化している
- 部門別・工事別・発注者別など多彩な視点での原価集計が可能
- 自社に合わせたオリジナル帳票レイアウトをExcelで作成できる機能がある
初期費用 | ■クラウド:要問い合わせ ■LT/STセットモデル:600,000円~ ■IaaS Edition(クラウド):要問い合わせ |
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料金プラン | ■クラウド 1〜5ユーザー:月額20,000円 6〜10ユーザー:月額40,000円 11〜15ユーザー:月額60,000円 16〜20ユーザー:月額80,000円 ■LT/STセットモデル 保守費用:年額72,000円~ ■IaaS Edition(クラウド) 基本モジュール:月額18,000円~ |
主な機能 | ・予算管理 ・発注管理 ・原価集計 ・工事進行基準 ・仮設資材管理 |
導入企業 | NSK株式会社、株式会社湯谷機械製作所、板谷土建株式会社、株式会社協栄工業、北陸綜合ビル管理株式会社 など |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド、IaaS、オンプレミス |
ProSCOPE-C/日立SC株式会社
- プロセス産業での製造原価計算機能に強みをもつ
- 組別原価計算、連産品計算、等級別計算など豊富な計算機能・計算ルールを用意
- 豊富なモジュールの中から自社に必要最低限な組み合わせを選択でき、コスパの良い導入が可能
初期費用 | 基本ソリューションパック8,000,000円~ (導入基本サービス、ベースモジュール、実際原価計算モジュール) |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・工程別総合原価計算 ・製造原価予算の策定・シミュレーション ・製造原価差異分析 ・標準原価計算 ・原価差額把握・分析 |
導入企業 | オエノンホールディングス株式会社、合同製鐵株式会社、日本新金属株式会社、第一稀元素化学工業株式会社 など |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | パッケージソフト |
JDL IBEX原価管理・工事台帳/株式会社日本デジタル研究所
- 幅広い業種の原価・利益管理に強みをもつ
- わかりやすい入力画面で、誰でも簡単に原価管理資料を作成できる
- 工事別・プロジェクト別・プロモーション別など、さまざまな業種の個別原価管理に対応
初期費用 | 41,800円 |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・工事別原価明細 ・工事台帳 ・原価取引一覧表 ・実行予算比較 ・従業員の出面管理 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | パッケージソフト |
KojiNEO/株式会社マテハンソフト
- 建設業の原価管理業務の効率化に特化している
- 工事原価管理システム発売から33年の実績とノウハウをもつ
- 各現場の支払予定を登録することにより、最終予想原価・利益を判断できる機能がある
初期費用 | ■オンプレ版 Light版:750,000円+クライアントライセンス1人あたり50,000円 Standard版:950,000円+クライアントライセンス1人あたり50,000円 ■クラウド版 |
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料金プラン | ■オンプレ版: 要問い合わせ ■クラウド版: |
主な機能 | ・受注工事管理 ・工事原価管理 ・業者支払管理 ・実行予算管理 ・自動仕訳機能 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド、オンプレミス |
Across/株式会社インプローブ
- 個別受注生産を行う製造業の原価管理に強みをもつ
- CADやExcelデータなどのCSV取込みが可能で、事務作業を大幅に効率化
- 部品マスタ登録なしでも運用開始ができ、スムーズなシステム移行が実現
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・個別原価計算 ・原価差額・配賦 ・大日程計画 ・原価ドリルダウン ・CADデータ取込 |
導入企業 | 有限会社鈴宏鉄工所、株式会社石原産業、株式会社ミヤナガ、村井鋼機株式会社、株式会社吉岡精工 など |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | パッケージソフト |
レッツ工事台帳/株式会社ディー・マネージ
- 建設業に特化した原価管理システム
- 見積から原価管理まで建設業の事務作業をトータルサポート
- 各種データは様々な他社の会計・給与ソフトと連携可能
初期費用 | ■レッツ工事台帳Lite スタンドアロン版:315,000円 2クライアント版:577,500円 3クライアント版:787,500円 5クライアント版:945,000円 10クライアント版:1,155,000円 ■レッツ工事台帳Pro |
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料金プラン | ■レッツ工事台帳Pro・Lite共通(保守料金) スタンドアロン版:年間31,500円 2・3・5クライアント版:年間52,500円 10クライアント版:年間73,500円 |
主な機能 | ・工事台帳管理 ・工事原価明細書 ・工種・仕入先別予算実績 ・工種・仕入先別原価推移 ・工事別仕入先集計 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | パッケージソフト |
KUROJIKA/ニックスジャパン株式会社
- 工事現場の日報入力・原価管理業務の効率化に特化している
- Excelのような操作性で誰でも簡単に入力作業が可能
- 各現場で入力された情報をデータベース化し、稼働時間一覧や月次工事原価一覧を作成
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ・工事日報入力 ・工事日報現場状況一覧 ・稼働時価一覧表 ・出勤簿 ・月次工事原価一覧 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | 要問い合わせ |
uconnect/株式会社unlimited
- 粗利管理機能と台帳・明細の自動作成機能に強みをもつ
- 売上・原価を入力するだけで、自動で工事台帳を作成する機能がある
- 登録された売上・原価情報はクラウド上でリアルタイムに確認が可能
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | ■お試し30日間:無料 ■月々・案件・工事業:月額6,600円~ ■工事業+販売:月額9,900円~ ■工務店向け:月額20,900円~ |
主な機能 | ・工事別売上・原価管理 ・工事台帳自動作成 ・工事別粗利一覧表 ・見積依頼書・発注書・請求書印刷機能 ・売掛・入金管理機能 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド |
まとめ
本記事ではおすすめの原価管理システムと、選び方のポイントについて紹介しました。
原価管理システムとは、原価計算や予算と実績の比較をする差異分析など、複雑な分析を実行し、管理できるシステムです。
システムを導入することで、複雑な計算も効率よく算出できたり、予算管理などの経営判断のサポートにも貢献できます。
原価管理システムを選ぶ際は、以下のポイントを基準にしてリサーチを行いましょう。
- 統合型か原価管理システム単体か
- 特化している活用シーン
- ほかシステムとの連携性
本記事を参考に、自社に最適な原価管理システムを選びましょう。