与信管理システムとは、取引先の経営状況や与信限度枠など、与信に関わる情報を一元管理するシステムです。
このシステムを導入すると、与信管理にかかる工数を削減できるだけではなく、正確な与信判断がしやすくなります。
しかし、どの与信管理システムがいいのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、与信管理システムの概要とおすすめのシステム12選を紹介し、選び方のポイントについて解説します。
掲載している15社については、表形式で料金や機能の違いが比較できる一覧表をご用意していますので、以下よりぜひダウンロードしてご活用ください。
記事の内容を参考にすれば、自社に最適な与信管理システムを効率的に見つけることができるでしょう。
各与信管理システムの注目度を客観的に判断するために、「与信管理システム 比較」で検索し、検索上位に表示された紹介サイト6個を調査し、各サービスを登場回数順に並べました。
※スコアリングや掲載している企業情報などは2024年5月時点のものです。
目次
- 与信管理システムとは
- <比較表>与信管理システムおすすめ12社
- 1.アラームボックス/アラームボックス株式会社
- 2.SMART/三井物産クレジットコンサルティング株式会社
- 3.URIHO/株式会社ラクーンフィナンシャル
- 4.Neuro Watcher/AGS株式会社
- 5.与信管理ソリューション/株式会社オービック
- 6.CRD統合ツール/CRD協会
- 7.SCORE LINK Ver.10/TIS株式会社
- 8.請求まるなげロボ/株式会社ROBOT PAYMENT
- 9.e-与信ナビ/リスクモンスター株式会社
- 10.CONOCER/三井物産クレジットコンサルティング株式会社
- 11.与信管理クラウドサービス/リスクモンスター株式会社
- 12.与信管理/株式会社日立ソリューションズ
- 13.D&B Hoovers/株式会社 東京商工リサーチ
- 14.財務部門向けソリューション/株式会社オービック
- 15.ALARM/アロックス株式会社
- 与信管理システムの選び方のポイント3つ
- 与信管理システムに関するよくあるご質問
- まとめ
与信管理システムとは
与信管理システムとは、取引先の経営状況や与信限度枠など、与信に関わる情報を一元管理できるシステムのことを指します。
企業が安定して事業を続けるためには与信管理が必要ですが、与信審査や反社チェック、債権期日の管理に手間がかかりがちです。
しかし、与信管理システムの導入によって、決算や支払い状況などのさまざまな情報を管理できるため、与信管理の効率化ができるだけではなく、与信判断の精度を向上させることが可能です。
与信業務の負担を減らしたい、もしくは精度の高い与信判断で収益機会を増やしたいという場合に活用されています。
参考:与信管理はなぜ行うべき?与信管理の重要性と手順、調査会社・ツールまで徹底解説
与信管理システムの主な機能
与信管理システムには、主に以下のような機能が搭載されています。
機能 | 特徴 |
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取引先情報管理 | 企業のウェブサイトや財務状況、事業内容など、与信に関わる情報を一元管理する。 |
信用格付け(モニタリング) | 企業の情報や財務状況、過去の支払い履歴などの情報をもとに、信用格付けを行う。 |
与信限度額算出 | 取引先のさまざまな情報を総合的に評価して与信限度額を算出する。 |
反社チェック | 過去の新聞記事や独自の反社会的勢力の情報データベースなどをもとに、スピーディに反社チェックを行う。 |
<比較表>与信管理システムおすすめ12社
本記事で紹介している15社の違いがひと目でわかる一覧表をご用意しました。短時間でサービスの比較をしていただけます。
1.アラームボックス/アラームボックス株式会社
与信管理業務のDXを推進【5,000社導入】の実績 |アラームボックス
- 与信管理に関わる全ての業務を一元管理
- 与信判断に必要な情報をまとめて収集できる
- パソコンやスマホで簡単にチェック可能
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■調査・審査 ■継続管理 ■保全回収 |
導入企業 | 住信SBIネット銀行株式会社、株式会社オオバ、株式会社ピカパカ、株式会社日新、南都キャピタルパートナーズ株式会社など |
導入社数 | 5,000社以上 |
2.SMART/三井物産クレジットコンサルティング株式会社
SMART – 与信管理業務をワンストップでサポート | 三井物産クレジットコンサルティング
- ASPを利用した一貫性のあるワンストップサービスの提供
- 国内企業の情報・財務データ等を効率的に取得できる
- 業態・規模等をヒアリングし、オリジナルの与信限度額算出ロジックを作成
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■MCC格付 ■モニタリング ■国内取引先与信管理 ■海外取引先与信管理 |
導入企業 | 東北電力株式会社、北海道電力株式会社、三井化学株式会社、阪急阪神不動産株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
3.URIHO/株式会社ラクーンフィナンシャル
売掛金・債権の未回収に備える。売掛保証はURIHO(ウリホ)
- 取引先の代金未払いを保証する
- 月額料金以外の料金は一切かからないため、安心して利用できる
- 審査は最短即日で完了
初期費用 | 0円 |
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料金プラン | ■Aプラン:月額9,800円 ■Bプラン:月額29,800円 ■Cプラン:月額99,800円 |
主な機能 | ■未払い保証 |
導入企業 | ジャパン・ビジネス・サプライ株式会社、株式会社三菱地所住宅加工センター、岸波食品工業株式会社、株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート、ハリマ産業株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
4.Neuro Watcher/AGS株式会社
- 金融機関の融資審査ノウハウを用いて9段階でスコアリング判定
- 基本料金は0円で、完全従量制なので気軽に始められる
- 信用リスク率をもとに、与信限度額や信用リスク評価額を自動的に算出
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | ■企業サーチ:0円 ■スコアリング信用格付:1,200円/件 ■一括洗替:600円/件 ■与信管理ファイル登録料 ・1件から10件:月額2,000円 ・11件目以降:月額150円 |
主な機能 | ■企業情報照会 ■与信管理ファイル ■財務情報照会 ■簡易取材調査 ■海外企業調査サービス |
導入企業 | 鹿島建設株式会社、三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社、三菱重工エンジンシステム株式会社、竹本容器株式会社、日本光電工業株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
5.与信管理ソリューション/株式会社オービック
- 外部モデルを活用した信用格付により与信申請プロセスを高速化
- 取引先の情報を一元管理し、与信統合データベースを構築
- XBRL財務データを直接取込める
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■OCR決算書読取 ■科目辞書・自動集約機能 ■実態財務補正登録機能 ■定量評価 ■保有資産評価 |
導入企業 | 株式会社ローソン銀行など |
導入社数 | 要問い合わせ |
6.CRD統合ツール/CRD協会
- モデルスコアリング・中小企業経営診断システム・決算データ異常値検知がパッケージになったツール
- PCにインストールするだけで利用できる
- 中小企業・個人事業主の信用力を、評点またはデフォルト確率として算出
初期費用 | 入会金3,000,000円 |
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料金プラン | ■年額2,770,000円 |
主な機能 | ■スコアリング ■統計情報提供サービス ■サンプルデータ提供 ■中小企業経営診断システム |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
7.SCORE LINK Ver.10/TIS株式会社
SCORE LINK:与信管理ソリューション | サービス | ITソリューションのTIS株式会社
- AIを活用し、財務情報登録入力オペレーションを自動化
- 紙ベースの決算書やダウンロードデータなどマルチデータに対応
- 「財務諸表入力ソリューション」と「企業審査分析ソリューション」のパッケージで提供
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■財務診断業務 ■財務諸表入力業務 |
導入企業 | 株式会社みずほ銀行、株式会社八十二銀行など |
導入社数 | 3,000社以上 |
8.請求まるなげロボ/株式会社ROBOT PAYMENT
請求代行サービスなら「請求まるなげロボ」|企業間決済に強い!
- 与信から売掛金回収まで代行可能
- ダッシュボードで取引先の滞納・未収金状況をリアルタイムに確認できる
- バックオフィスの増員なしで月末月初の事務作業時間が削減
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■与信審査 ■請求書作成・送付 ■集金 ■入金消込 ■請求管理システム提供 |
導入企業 | ネオス株式会社、日鉄興和不動産株式会社、クラウズ・スパイス株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
9.e-与信ナビ/リスクモンスター株式会社
- 過去の企業情報を時系列で表示し企業分析に必要な情報を豊富に提供
- 与信判断に必要な指標が瞬時にわかるため、迅速にリスク対応ができる
- 格付内における短期的な位置付けを5段階で表記
初期費用 | 30,000円 |
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料金プラン | ■システム利用料金:月額20,000円 ■e-与信ナビ格付情報閲覧料金:1,000円/1件 ■e-与信ナビ格付情報+企業データ詳細 閲覧料金:1,600円/1件 ■e-管理ファイル(40社~):月額50,000円~ |
主な機能 | ■与信管理 ■債権保証 ■反社チェック ■営業支援 ■商談管理 |
導入企業 | 伊藤忠食品株式会社、株式会社イノベーション、インフォコム株式会社、株式会社ウィルゲート、江崎グリコ株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
10.CONOCER/三井物産クレジットコンサルティング株式会社
CONOCER – 海外取引のリスク管理ツール | 三井物産クレジットコンサルティング
- 海外取引に特化したクラウド型リスク管理ツール
- 最短1営業日で企業調査レポートを提供
- 英語の決算書を、日本語の標準フォーマットに変換
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■信用調査 ■与信管理 |
導入企業 | 東北電力株式会社、北海道電力株式会社、三井化学株式会社、阪急阪神不動産株式会社など |
導入社数 | 要問い合わせ |
11.与信管理クラウドサービス/リスクモンスター株式会社
- 安全な与信限度額をおよそ3秒で算出
- 取引先の信用力に変化があればすぐにアラーム通知される
- 独自の与信管理システムにより、取引先に倒産の可能性がどれくらいあるかが一目でわかる
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■与信管理 ■顧客管理 ■アラーム通知 ■商業・不動産登記簿のWEB取得 ■債権保証 |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 5,000,000社以上 |
12.与信管理/株式会社日立ソリューションズ
与信管理|与信限度額の管理|日立ソリューションズのFutureStage 商社・卸向け販売管理・財務会計システム
- グループ会社全体や取引先部門ごとに与信限度額をまとめて管理できる
- 与信限度額超過や期限切れなどの際は警告が表示される
- 与信は「親会社・子会社」「会社・事業所」など、多段階での管理も可能
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■与信管理 |
導入企業 | 株式会社ヤシマキザイ、商船三井テクノトレード株式会社、株式会社小泉、ENEOSグローブ株式会社、株式会社ニシヤマなど |
導入社数 | 要問い合わせ |
13.D&B Hoovers/株式会社 東京商工リサーチ
世界最大級オンラインビジネスデータベース(D&B Hoovers) | 商品・サービス | 東京商工リサーチ
- 海外向け営業や調達先管理に役立つ機能をワンパッケージで提供
- 企業抽出には200以上の条件設定が可能
- グレードは3つあり、全て年間定額制
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 同時接続数3 ■D&B Hoovers Explore:年額300,000円 ■D&B Hoovers Focus:年額700,000円 ■D&B Hoovers Predict:年額800,000円 同時接続数5 ■D&B Hoovers Explore:年額400,000円 ■D&B Hoovers Focus:年額900,000円 ■D&B Hoovers Predict:年額1,000,000円 |
主な機能 | ■企業情報 ■業界分析 ■企業リスト作成 ■アラート |
導入企業 | 株式会社ヌーラボなど |
導入社数 | 要問い合わせ |
14.財務部門向けソリューション/株式会社オービック
- 長年培った経験を元に、一般事業会社向けに必要な機能を絞り込んだソリューションを提供
- 会計連携により、決算業務の早期化・内部統制強化を実現
- 一括支払い信託システムの利用により、支払いプロセスを効率化し取引先の資金調達を多様化できる
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■有価証券管理 ■与信管理 ■ファクタリング ■会計連携 |
導入企業 | 株式会社ローソン銀行など |
導入社数 | 要問い合わせ |
15.ALARM/アロックス株式会社
- 「資金収支による支払能力額」と「保有資産による支払能力額」の2つの支払い能力額を算出
- 業種ごとの資金繰り特性や決算書の構造に応じて財務分析手法を構築
- 所定の条件に一致した取引先のリストを作成できる
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
主な機能 | ■与信審査 ■財務分析 ■推定粉飾額算出 ■スコアリング |
導入企業 | 要問い合わせ |
導入社数 | 要問い合わせ |
与信管理システムの選び方のポイント3つ
与信管理システムを選ぶ際は、以下のポイントを基準にして選定しましょう。
- 信用格付けの精度の高さ
- 売掛保証の有無
- 海外の与信管理の有無
それぞれ解説します。
信用格付けの精度の高さ
与信判断の精度を高めるためには、システム内で信用格付けがどのように行われているか確認しましょう。
もし与信判断の材料となる情報が少なかったり、分析手法が単一であれば、正確に信用格付けがしづらくなります。
一方、データベースの量や分析手法が豊富であれば、信用格付けの精度は高くなりやすいです。
そのため、そのシステムの信用格付けがどのような仕組みで行われているかチェックし、本当に信頼できそうかどうかを判断しましょう。
参考:イチから始める与信調査、4つの方法とそれぞれのポイントを徹底解説
売掛保証の有無
未回収リスクに懸念がある場合は、売掛保証の有無を確認しましょう。
いくら与信審査を行っても、取引先から売掛金を回収できない可能性があります。
売掛金が回収できないと、自社の損失に繋がってしまいます。
しかし、与信管理システムの中に売掛保証サービスが含まれていれば、未回収のリスクを心配する必要がなく、安心して取引先の新規開拓を行うことが可能です。
そのため、未回収が起きてしまったときの対応も考えたいという場合は、売掛保証サービスがついているシステムを選びましょう。
海外の与信管理の有無
海外にも取引先がいる場合、もしくは将来的に海外企業と取引する可能性がある場合は、海外の与信管理にも対応できるシステムを選びましょう。
海外企業と国内企業では、評価指標や分析手法が異なります。
また、海外の与信管理を行うには、海外のデータベースも持っていなければなりません。
海外の与信管理にも対応しているシステムであれば、国内と国外で管理がバラバラになったり、途中で他のシステムに変えたりする手間を省くことができます。
参考:海外取引の与信管理について(1)〜海外取引開始までの与信管理手順と注意点 – クレジットリスク総研
与信管理システムに関するよくあるご質問
与信管理システムの導入を検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.与信管理システムの主なサービス内容は何ですか?
A.取引先の経営状況や与信限度枠を一元管理し、信用格付けや反社チェック、与信限度額の算出などを行います。
Q.与信管理システムでは、海外の取引先も管理できますか?
A.一部の与信管理システムでは、海外の取引先に対応しており、海外企業の信用格付けや与信限度額の算出が可能です。
Q.与信管理システムでは、反社チェック機能は含まれていますか?
A.多くの与信管理システムには、反社チェック機能が含まれており、取引先の反社会的勢力との関係を確認できます。
反社チェックを効率よく行いたい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考:【2024年最新版】反社チェックツールおすすめ15選を比較!選び方も紹介
Q.与信管理システムでは、売掛保証サービスはありますか?
A.一部の与信管理システムでは、売掛金の未回収リスクをカバーする売掛保証サービスが提供されています。詳しくは提供元にお問い合わせください。
Q.与信管理システムの料金相場はどのようになっていますか?
A.料金はシステムによって異なり、従量課金制や月額料金制が一般的です。詳細は各サービスに問い合わせください。
まとめ
本記事では、与信管理システムの概要とおすすめのシステム、選び方のポイントを紹介しました。
与信管理システムとは、取引先の経営状況や与信限度枠など、与信に関わる情報を一元管理するシステムです。
与信管理に関する業務を効率化したり、与信判断の精度を高めて利益損失を回避したい場合に活用されます。
与信管理システムを企業で導入する場合、以下のポイントを基準に選びましょう。
- 信用格付けの精度の高さ
- 売掛保証の有無
- 海外の与信管理の有無
本記事を参考に、自社の課題に合った与信管理システムを探してみてはいかがでしょうか。
参考にしたサイト
与信管理システム比較6選。タイプ別の選び方 | アスピック|SaaS比較・活用サイト
【2024年】与信管理システムのおすすめ10製品(全11製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも
与信管理システム9製品を比較!自社に適した選び方も徹底解説|ITトレンド
与信管理システム 製品をまとめて比較!|ITトレンド
与信管理システムおすすめ9選を徹底比較!重要性と機能まで解説 – 起業LOG SaaS
【2024年】債権管理(売掛保証)サービス比較9選 | SFA JOURNAL