「電子チラシを活用して集客を強化したい」
「電子チラシの作り方や配信方法がわからず困っている…」
このように悩まれているマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、電子チラシの制作方法や配信方法から、おすすめの電子チラシアプリについてご紹介いたします。
こちらを読めば、電子チラシの強みを理解し、電子チラシの発注・制作から配信までを実施できるようになり、自社のマーケティング施策に組み込むことができるようになります。
電子チラシとは?
電子チラシとは、パソコンやスマートフォンなどの電子端末で閲覧ができるチラシのことです。
インターネットの普及に伴いデジタル化が進み、新聞の発行部数は年々減少しており、従来の新聞の折込だけではチラシが届かない世帯が増えています。
そうした背景からチラシが電子化される時代となりました。今ではWebやアプリ上でさまざまなチラシを見られる、電子チラシサービスも増えてきています。
電子チラシの機能
電子チラシでは、デジタル技術を活用して紙ではできなかったことを可能とします。
たとえば、次のような機能が例としてあげられます。
- チラシ配信
- イベントカレンダー
- クーポン発行
- お知らせ・DM
- ディスプレイ広告配信
- 自社サイト・各種デバイス連携
- 閲覧状況などのデータ分析
チラシにくわえて、クーポンやお得な情報をお知らせできるので、より来店促進ができます。
また閲覧状況などのデータを活用して、チラシの配布タイミングや内容を最適化できます。
これらは紙のチラシでは難しい機能です。
電子チラシの利用状況
市場調査を行う株式会社マクロミルが行った、紙チラシと電子チラシの利用状況調査では、電子チラシの利用率が35.7%で、紙のチラシに近い数字となっています。
まだ紙チラシの利用は多いものの、電子チラシを見るという生活者が増えてきています。
また電子チラシサイト「Shufoo!」では、イオンやイトーヨーカドーといった大手スーパーに加え、マツモトキヨシなどのドラッグストアやホームセンターが電子チラシの配信に乗り出し、2016年末のタイミングで営業利益が590億円となっています。
このように、電子チラシは数千億円規模の市場があり年々伸びています。
参考:[凸版印刷]折り込みチラシを代替、スマホ利用者をスーパーへ | 日経BP
電子チラシの効果
先の調査でも全体の77.2%がチラシを閲覧して来店しているように、チラシそのものの影響力は依然として非常に強いものとなっています。
なかでも電子チラシを見ている生活者が35.7%となっており、全体の三分の一を超えるユーザーが利用していることになるので、集客する上で電子チラシは欠かせない施策になっていると言えます。
特にスーパーでは、紙チラシよりも電子チラシを見た生活者の方が購入影響度が高いという結果となっています。
また電子チラシを活用する理由として、「新聞を定期購読しておらず折込チラシが入手できない」が29.8%あることは注目すべきことです。
全体の割合ではまだ1割強ですが、彼らには電子チラシじゃないとリーチできないことになります。
今後新聞の発行部数が減り続けるであろうと考えると、この割合は増えていくものと思われます。
電子チラシを活用するメリット
いつでも手軽にチラシを閲覧できるという消費者側のメリットがある一方で、配布する側にもさまざまなメリットをもたらします。
ここでは、電子チラシを作成する5つのメリットを解説していきます。
メリット1.チラシの印刷・配布コストがかからない
電子チラシでは、紙の場合にかかるチラシの印刷や配布コストがかかりません(サービスを利用する際はサービス代が別途かかります)。
紙の場合は、印刷や配布を行う人件費だけではなく、印刷に必要な紙やインクなどの備品代が発生します。
その点電子チラシではこれらの費用がかからないため、低コストでチラシの配布ができます。
メリット2.在庫リスクがない
在庫リスクがないのもメリットの一つです。
紙の場合は物理的な在庫を持つ必要があり、在庫を抱えるリスクが少なからずあります。
特に複数種類のチラシがある場合は、在庫管理が煩雑になり特定のチラシを探す際の手間も発生するでしょう。
一方で電子チラシでは、データさえあれば配布ができるため在庫を抱えるということがありません。また、ネット上にデータを保管できるため、管理の手間やコストを削減できるのです。
メリット3.紙チラシと異なり効果検証が可能
電子チラシでは、閲覧状況や閲覧後の来店状況を計測し、効果検証が可能です。
ポストに投函されているチラシは、実際に受け取った人がチラシを見たかどうかを確認することができません。そのため、データが取れず効果測定ができないというデメリットがあります。
一方で電子チラシの場合は、閲覧数などの反響データを計測することができます。
また、アクセス解析ツールを活用することで、チラシのどの部分が1番見られているかなどの細かいユーザ行動を把握することができ、より効果的なチラシ配信に大きく役立てられます。
メリット4.商圏内の新規ユーザーにリーチが可能
商圏内の新規ユーザーにリーチができることも、電子チラシのメリットです。
電子チラシサービスでは、生活者が住んでいる地域にある複数の店舗チラシが表示されているため、フォローしていないお店のチラシも表示されます。
そのため、お店をフォローしていないユーザーにもアプローチでき、商圏内の新規ユーザー獲得が可能となります。
紙チラシの場合は、配布するエリアによってアプローチできる範囲が限られていましたが、電子チラシサービスを活用することで、より商圏内をカバーしやすくなるでしょう。
メリット5.外部サイトへの誘導が可能
紙チラシでもQRコードを掲載してネットページに誘導することがありますが、同じように電子チラシも外部サイトへの誘導が可能です。
チラシ中にリンクを貼ることで、自社ホームページなどの外部リンクへの誘導ができます。誘導することができれば、より多くの情報を提供できるようになり購買意欲を高められるでしょう。
QRコードの読み取りよりも、手間をかけることなく誘導できるというメリットがあります。
電子チラシを活用するデメリット
メリットがある一方で、デメリットもあります。そのため、電子チラシの導入を検討している場合は、デメリットも十分に理解しておくことが重要です。
デメリット1.電子チラシを利用しない層にリーチできない
電子チラシは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの電子端末を通して配信します。そのため、そもそも電子端末を使用しないような層にはリーチできません。
たとえば、電子端末に使い慣れていない高齢者や紙媒体を好む人たちなどがあげられます。
そのため、店舗の利用者にどのような層が多いのかを把握した上で、チラシの配布方法を検討することが重要です。
デメリット2.画面が紙チラシよりも小さくて見やすさは劣る
スマートフォンなどの電子端末は紙のチラシよりも画面のサイズが小さいため、見やすさが劣るというデメリットがあります。
そのため、電子端末でも見やすいようなチラシ作成が必要となります。
また、電子チラシに記載する情報量が多いと見づらくなってしまうため、記載する情報を絞って伝える必要もあるでしょう。
電子チラシの成功事例3選
電子チラシを活用して集客効果向上に成功した事例を3社ご紹介します。
LINEチラシを活用してイベント集客を行った「京急百貨店」
京急百貨店では、これまで新聞の折り込みチラシや駅構内の看板、電車内の中吊りなどの手法が中心でしたが、ユーザーへの新規開拓ができないという課題を抱えていました。
LINE社の調査では、全年代で新聞の購読率が50%を下回っているとのことです。
そこで、LINEチラシを活用したイベント集客を行なうことで、商圏内のユーザーに効率よくアプローチでき、売上アップ及びLINE公式アカウントの友だち獲得率2倍という成果を出しました。
特に、紙のチラシデータをそのままLINEチラシに流用することで、制作費用をかけずに実施できたことが大きなプラスとなっています。
参考:チラシ配信でイベント売上9%増!京急百貨店の「LINEチラシ」活用法 | LINE for Business
自社アプリでチラシを配信する「UNIQLO」
UNIQLOでは自社アプリを提供しており、アプリ内でチラシを配信しデジタルとリアルの融合に成功しました。
UNIQLOアプリを週に1回以上立ち上げるユーザーは4割にのぼっており、このうちの7割がチラシを見る頻度が高まったことで、実際にスマートフォンの画面を見ながら実店舗で買い物をする顧客が増えました。
このように、新聞を読まない層に対してもチラシを届けられるようになり、より顧客のニーズに沿った買い物をしやすい環境づくりに成功しています。
参考:着る人の“日常”に寄り添うユニクロ–シーン訴求のデジタル戦略とは | CNET Japan
購買意欲の高いユーザーへの認知に成功した「ワコール」
下着業界最大手の「ワコール」では、より実売に近いタイミングでユーザーにリーチするために、電子チラシを実施しました。
電子チラシサービスは買い物前に見られることが多いため、購買意欲が高いという特徴があります。
ワコールではこの特徴を活かし、Shufoo!への電子チラシ掲載を始めたことで、興味を持った状態で来店させるという導線作りを行いました。
また、チラシを見たユーザーを対象にアンケートバナーを出し、アンケートに答えてもらうことでユーザーニーズの認知にもつなげることができました。
参考:【ワコール】天気に合わせて「夏用ブラへ衣替え」を後押し!気象ターゲティング広告やWebチラシなど複数プランを活用した「夏ブラ」認知拡大方法とは!? | Shufoo!
電子チラシの作成方法
電子チラシを作成する方法としては、以下の2つが考えられます。
紙チラシをPDF化 | 電子チラシ作成サービス | |
---|---|---|
費用 | 無料で作成可能 | 有料 |
難易度 | 簡単 | 簡単 |
視認性 | 低 | 高 |
その他機能 | 無 | 有 (チラシ配信、イベントカレンダー、クーポン発行、お知らせ・DM・データ分析など) |
紙チラシをPDF化
1つ目が、紙のチラシをPDF化して作成する方法です。
紙の印刷を前提としたデータフォーマットとなるため、紙チラシを想定した文字サイズや見せ方となります。
そのため、文字を拡大しなければ見えない可能性もあります。
一方で、PDF化されているためブラウザの影響なく閲覧できるというメリットがあります。
また、紙のチラシをPDFにするだけなので誰でも簡単に電子チラシを作れます。
しかし、チラシ内にリンクを設置できないため、自社ホームページに誘導したい場合などには不向きとなるでしょう。
電子チラシ作成サービスの活用
2つ目の方法が、電子チラシ作成サービスを活用する方法です。
サービスを活用することで、電子媒体で見やすい形式でチラシ作成を行なうことができます。
電子チラシ作成サービスでは、Facebookやホームページに作成したチラシのリンクを貼付することもできるため、さまざまなチャネルからの閲覧を期待できます。
また、チラシのどの部分が最も見られているのかというヒートマップ分析ができるのも大きな特徴です。
その他に、クーポンやお得なお知らせを配信したり様々な機能が用意されているので、電子チラシで集客するならこちらを選ぶのがおすすめです。
電子チラシの配信方法
作成した電池チラシを配信する方法には、主に次の3つがあげられます。
メルマガによる配信
作成したチラシをメルマガで配信する方法です。
テキストのみのメールではなく、商品写真などの画像を含むメールを配信することで、視覚的な訴求が可能となります。
また、メルマガからホームページへと誘導することで、目玉商品やキャンペーン商品以外の商品の購入に結びつく可能性もあるでしょう。
ただし、一定のメルマガ会員数がいることが前提であり、常に会員数を増やす仕組みも構築する必要があります。
オウンドメディアへの掲載
オウンドメディアを所有している場合は、オウンドメディアへの掲載も効果的です。
会員サービスなどがあり、日頃からホームページをチェックする顧客が多い場合は、チラシを掲載することで閲覧数が増え販促効果を期待できるでしょう。
作成したチラシをより多くの人に見てもらうためには、自社ページやSNSなど複数箇所に掲載することで効果を最大化できます。
電子チラシ配信サービスの活用
電子チラシ配信サービスに掲載することで、自店舗を認知していないユーザーにもチラシを見てもらうことができ、新規顧客の獲得につながります。
電子チラシ作成サービスもあわせて提供していることが多いため、作成から配信までを一括で行えるというメリットもあり、手間を掛けることなくスムーズに電子チラシの配信を行なうことができるのも特徴の一つです。
電子チラシの代表的な配信サービス
電子チラシの配信方法にはさまざまな方法がありますが、電子チラシ配信サービスのなかにも更に複数の種類があります。ここでは、代表的な5つの配信サービスをご紹介します。
サービス | 特徴 | 料金形態 |
---|---|---|
LINEチラシ | ・日本人口の70%以上に配信可能 ・LINEの各種機能を通じて継続的なコミュニケーションが可能 | 基本料金:1,000円×登録店舗数 従量課金:お気に入りユーザー閲覧数×30円+非お気に入りユーザー閲覧セッション数×10円 |
Shufoo | ・利用者数&掲載店舗数トップクラス ・予算に応じて月額上限を設定 ・投稿ツールでコンテンツごとの効果を可視化 | 基本料金:0円 従量課金:合計月間閲覧ユーザー数×単価(9~15円) (配信エリア(商圏)の広さとユーザー数に応じて月額上限料金が決定) 他複数プランあり |
トクバイ | ・掲載店舗数50,000店 ・チラシ以上の機能が使い放題 | 基本料金: スタンダードプラン:7,500円 ワイドリーチプラン:10,000円 従量課金:無料 |
チラシプラス | ・チラシ配信までに必要な機能をワンストップで提供 ・LINE公式アカウントへのチラシ連携配信サービス | 基本料金:要問合せ 従量課金:無料 |
クラシルチラシ | ・レシピ動画サービスとの連携 ・20代~30代女性がメインユーザー | 要問合せ |
LINEチラシ
日本人の人口のうち約70%以上が利用しているLINEは、8900万人ものユーザーがいます(2021年6月末時点)。
この8900万人という圧倒的な数のユーザーに向けて配信できるのが、LINEチラシの特徴です。
また、みなし属性やLINEの利用状況、生活エリアなどをもとに、パーソナライズした情報を届けることができます。
LINE公式アカウントやLINEウォレットなど、LINEのさまざまなサービスと連携し、集客から購買までカバーできるのがLINEチラシの強みです。
掲載料金は、基本料金(1,000円×登録店舗数)+従量料金(お気に入りユーザー閲覧数×30円+非お気に入りユーザー閲覧セッション数×10円)となっています。
参考:【公式】LINEチラシ | LINE for Business
Shufoo!
Shufoo!は、最大月間で1600万人が利用している、国内利用率No.1(マクロミル社の2018年10月の調査より)を誇る電子チラシサービスです。
チラシだけでなく、タイムラインやピックアップ枠、イベントの案内など、お店の情報を伝えられる多くの機能が備わっています。
また自社サイトと連携することで、一度の投稿でShufoo!と自社サイトを同時に更新することができます。
その他にも、予算や商圏、届けたいユーザー数にあわせて月額上限を設定できるため、上限金額内でチラシなどのコンテンツを配信できるのも特徴です。
基本料金が0円で従量課金が人数×9〜15円となっているため、比較的低コストで配信可能です。
参考:店舗集客なら国内利用率No.1電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」 | Shufoo!
トクバイ
トクバイは、オンラインサービスのクックパッドが運営している配信サービスで、2020年時点で掲載店舗数が50,000店となっています。
特に食品スーパーの掲載数が多く、全国のスーパーの7割以上の店舗が掲載しています。
クーポンやキャンペーン、イベント情報などといったチラシ以外の情報発信も配信制限なしにできるのも特徴の一つです。
また、料金設定は月額基本料7,500円のスタンダードプランと、更に商圏を拡大したい場合の10,000円のワイドリーチプランのみで、その他費用は無料です。
コストコントロールがしやすく、使えば使うほどお得になるのがトクバイです。
参考:デジタルチラシで店舗集客 チラシ掲載なら | トクバイ
チラシプラス
チラシプラスは、食品スーパーを中心に大手チェーンスーパーから地元の個人商店などの小売店まで、様々な店舗のチラシが掲載されています。
また、チラシの作成から配信までの電子チラシ配信までに必要な機能をすべて備えているため、スムーズな広告配信ができるのも特徴の一つです。
もちろんアクセス解析機能も備えています。
月額料金は問い合わせが必要となりますが、従量課金は無料となります。
参考:チラシプラス 流通チェーン店の電子チラシ配信・スマホ販促をトータルでサポート | チラシプラス
クラシルチラシ
クラシルチラシは、レシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」を運営するdely株式会社が提供する、小売事業者向けの店舗販促デジタル化支援サービスです。
2020年3月のリリースからわずか半年で、10倍の19,562店舗まで伸びている今勢いのある電子チラシサービスです。
店舗独自のお買い得商品の告知と、クラシルのレシピコンテンツ・献立機能との連携による併せ買いを促す訴求を行い、献立検討から買い物、調理までを1プラットフォームで実現しました。
また、電子チラシの掲載からユーザー分析、顧客への1to1コミュニケーションまでのオンラインでの店舗販売のデジタル化をサポートしてくれるなど、初めてのデジタル化には安心のサービスを提供しています。
参考:国内No.1レシピ動画発のチラシサービス|クラシルチラシ
まとめ
電子チラシは、紙チラシと同じく店舗集客には欠かせない施策の一つです。
チラシの配布に留まらず、クーポンやお得なお知らせなど、お店のさまざまな情報を発信できます。
また紙のチラシでは実現できなかった効果測定ができるので、チラシだけでなくその他のマーケティング活動に活かすことができます。
今後新聞の発行部数が減っていくなかで、紙のチラシに代わってさらに利用者数が伸びていくものと思われます。
電子チラシの配布は、電子チラシサービスを活用するのがおすすめです。
チラシの作成から配布、データ分析まで一括で行うことができます。
本記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ電子チラシの活用を進めてください。