Facebook広告カスタムオーディエンスは成果が良いって聞いたけど、やり方がわからない、本当に効果が出るのか不安だ、そのような理由で導入に踏み切れずにいませんか?
Facebookカスタムオーディエンスを有効活用できれば、コンバージョン数が5倍10倍に増えることは珍しくありません。
Facebookカスタムオーディエンスの効果や費用、やり方・ネックとなる事まで本記事でわかりやすく解説します。
はじめての方でも「Facebookカスタムオーディエンス」を理解してすぐに実施につなげる可能ですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
Facebookカスタムオーディエンスとは?
Facebook広告の「カスタムオーディエンス」とは、広告主の保有する顧客データを活用した配信手法です。類似の広告手法としてGoogleのカスタマーマッチやTwitterのテイラードオーディエンスなどの手法が存在します。
顧客データを活用することで、既に自社に関心を持っているユーザーにセグメントをかけて広告が配信できます。
既存顧客のリピート施策に悩んでいる方や、Facebookでのターゲティング広告の費用対効果が合わず、施策に悩んでいる方には特に向いています。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫)
Facebookカスタムオーディエンスのメリット
顧客データを活用することで通常のオーディエンスと比較して、より精度の高い広告配信が行えます。
Facebookカスタムオーディエンスのデメリット
ユーザーを絞り込むためリーチが小さくなってしまうデメリットがありますが、類似ユーザーへの広告配信などを組み合わせることでカバーが可能です。
カスタムオーディエンスは、Facebook広告のデフォルトのセグメントでは費用対効果が合わないといったケースには効果的です。
Facebookカスタムオーディエンスで活用できるデータ
カスタムオーディエンスでは以下のデータを活用した広告配信ができます。
- 自社保有の顧客データ:企業が保有するメールアドレス・電話番号のリストを元に広告配信が可能。
- アプリデータ:自社保有のアプリデータを活用してターゲティングの配信が可能。
上記のデータを活用し、既に自社商品サービスに関心を持つユーザーや、繋がりのあるユーザーに広告を配信するので、高い効果が期待できます。
Facebookカスタムオーディエンスの効果
Facebookカスタムオーディエンスは費用対効果が高い広告です。なぜなら、自社顧客データ・アプリデータを活用することで、より見込み度が高い既に接点があるターゲットもしくは、自社顧客に類似のユーザーへアプローチが可能だからです。
また、同種のメニューであるGoogleカスタマーマッチやTwitterティラードオーディエンスにおいても効果が出ています。
効果的に実施をするコツは、「既存顧客向けの広告配信」と「類似ユーザー向けの広告配信」を効果的に組み合わせて自社にあった施策を実施することです。
以下では具体的な活用方法と事例についてご紹介します。
効果的な活用方法① 既存顧客向けの広告配信
Facebookのカスタムオーディエンス広告の効果的な活用法のひとつが、既存顧客に対しての広告配信です。
既存顧客のメールアドレス・電話番号を取得していれば、既存顧客に対して広告でのアプローチが可能になります。
昨今、メールマガジンの開封率が10%以下の企業様が一般化しており、広告主にとって、既存顧客との接点構築は大きな課題となっています。しかし、カスタムオーディエンス広告を活用することで接点を補完できます。
既存顧客向けの広告配信の特徴とは?
通常のCRM施策であるメールマガジンと異なり、カスタムオーディエンスには以下のような特徴があります。
- ユーザーに開封をしてもらわなくてもメッセージの伝達が可能。
- メールユーザーの配信許諾(オプトイン)がなくてもアプローチが可能。
- メールやDMと異なりプル型のメディアのため、集中的な露出が可能(キャンペーン告知など集中してユーザーにメッセージを伝達する場合など)。
従来のCRM施策と異なる特徴があるため、今実施している既存CRM施策の役割を補完することができます。
コンバージョン率14%!!既存顧客向けの広告配信の事例
業種
カニの食品通販
課題
- 検索・リターゲティング以外でCPAが合う媒体がない。
- 繁忙期の12月になると競合他社の広告出稿が増え、CPCが高騰し、コンバージョン件数に伸び悩んでいる。
実施施策
既存顧客に対してFacebook広告の配信
結果
目標単価の50%の単価で獲得に成功。セグメント別では、一昨年の購入者からの売上が1番高いという結果になりました。リターゲティング広告と比較し、1/2の単価での獲得に成功しました。
コンバージョン率については14%弱と非常に高い数値に!
上記の事例のように、シーズン性のある商材についてはカスタムオーディエンス広告での成果が上げやすく、コンバージョン率が非常に高くなるのが特徴です。過去に購入履歴のあるユーザーに対し、購入意欲が高まるタイミングで再訴求ができているため、クリックしたユーザーのサイト来訪後の購入率は高い結果につながります。
既存顧客向けの広告配信カスタムオーディエンス広告と相性の良い広告フォーマットは?
また、Facebookカスタムオーディエンス広告は、Facebook広告のフォーマットの一つである※コレクション広告とも非常に相性が良いのが特徴です。
※Facebookコレクション広告とは?
2017年3月にFacebookに新しく登場したモバイルアプリで表示される広告フォーマットです。メインのビジュアル(動画または静止画)の下に商品画像が4枚並んだ状態で配信(1)され、広告がタップされると瞬時にフルスクリーン表示に切り替わります(2)。フルスクリーンの状態からは、最大50枚の商品画像でウェブサイトまたはアプリへと誘導(3)できます。
以下の表は、既存顧客への広告配信において、アパレル通販のコレクション広告と通常バナーとの成果を比較した結果です。
通常バナーと比較し、コレクション広告のCVR・CPAともに良い結果に!
コレクション広告の成果が良くなる理由として、既存顧客への広告配信においては、最初のバナーが目に留まる確率が高くなり、その上でFacebook上から商品を一覧で閲覧でき、自分の欲しい商品を見つけて購入に至る割合が高いため、コンバージョンに至りやすくなったのではないかと考えられます。
アパレルや化粧品など多くの商品を訴求したい場合の既存顧客向けのカスタムオーディエンス広告配信には、コレクション広告が是非オススメです。
効果的な活用方法② 類似オーディエンスへの広告配信
もうひとつの効果的な活用法が、既存顧客データを活用した類似オーディエンスへの配信です。LookaLikey・拡張配信・類似拡張という言い方をすることもあります。
類似オーディエンスとは、サイト来訪者やコンバージョンユーザーなどの特徴が広告媒体上で似ているユーザーを探して広告配信を行います。カスタムオーディエンスを活用した類似オーディエンスは、自社の顧客データを活用し、類似のユーザーへ広告を配信します。
顧客データを活用した類似オーディエンスの特徴とは?
自社の持つCRMデータ(例えば特定ブランドの購入者や購入回数が多い優良客など)を活用することで、より明確なユーザー像を元に類似ユーザーへアプローチでます。
通常のサイト来訪者やリターゲティングでは、サイトに来ている人やコンバージョン完了ページに到達したユーザーに類似しているユーザーに対して広告を配信します。それではターゲティングの精度に欠ける可能性があります。
自社のCRMデータを活用できれば、より明確な類似ユーザーへアプローチ可能です。
例えばリアル店舗に訪問して商品を買うユーザーで置き換えてみても、購入商品や年齢・属性・来店頻度によってユーザー属性は異なります。
そのため、そのユーザー属性に合わせた類似ユーザーを見つけ出すことができるのがFacebookカスタムオーディエンスの類似配信の特徴です。
類似オーディエンスユーザーへの広告配信の事例
業種
スポーツ用品メーカー(EC)通販
課題
有名スポーツ選手の関連商品についてのプロモーション施策にあたり、その有名スポーツ選手に興味があるというセグメントでFacebook広告を展開したが、費用対効果が合わない課題がありました。
実施施策
有名スポーツ選手の関連商品を過去に購入している顧客データを元にFacebook広告に連携し、類似ユーザーのセグメントを作成しました。次に、その有名スポーツ選手に興味カテゴリを持つセグメントとの掛け合わせたセグメントを作成し広告を配信しました。
結果
Facebookが持つ興味関心カテゴリのターゲティングと比較し、6倍以上の費用対効果で獲得に成功しました。
なぜFacebook広告の類似配信は精度が高いのか?
その他の広告媒体と比較してFacebookの類似配信は精度が高いといわれています。
その理由は行動データと、深い属性データを持っているからだと推測されます。
一般的な広告媒体は、Cookieベースの行動情報(サイト来訪履歴)などを元に類似ユーザーへの広告配信を行いますが、Facebookは深い属性情報(正確なデモグラ・職歴学歴など)もを保持しています。そのため、類似のユーザーに関してはより精度の高いアプローチが可能であると考えられます。
Facebook広告は実施していて、まだ顧客データを活用した類似配信を行っていないので、あればぜひご検討ください。
Facebookカスタムオーディエンス広告の費用
通常のFacebook広告に対して追加で費用が発生するものではありません。Facebook広告はオークション型課金となるため、広告主の任意の出稿料金からお試しが可能です。
Facebook広告をこれから開始される場合であれば、顧客データの件数にもよりますが、カスタムオーディエンス広告を全体予算の20%程度に設定し、既存顧客に対しての広告配信・類似ユーザーへの広告配信をテストするのがおすすめです。
Facebookカスタムオーディエンスを行う方法
顧客データ活用の仕組み
顧客データを活用した広告配信の仕組みは、企業が保有している自社顧客のメールアドレスとFacebookが持つメールアドレスをマッチングさせることで、カスタムオーディエンスのリストを作成し広告の配信ができます。
上記の通り、Facebookが持つ保有メールアドレスとマッチしたユーザーが配信対象となります。
マッチ率は広告主様の業種によって異なりますが平均46%程度※という実績が出ていますがマッチします。
※2018年5月シナジーマーケティング調べ
データ活用の手順
1.顧客セグメント案の設計
広告主が持つ顧客データにどのような種類が存在し、どれくらいのボリュームがあるかを把握します。その上で活用用途を明確にして配信プランと合わせて設計します。
2.顧客リストの用意
セグメント案件の設計に基づき、メールアドレスのファイルを用意します。
(対応ファイル形式:txtもしくはcsv・ファイルサイズは最大5GB)
3.Facebook広告マネージャーのカスタムオーディエンスよりリストアップロードを行います。
顧客データを活用したカスタムオーディエンスのネックは個人情報の取扱い
非常に効果が高く差別化要素として活用しやすいカスタムオーディエンスですが、
- 広告代理店側に顧客データの取り扱いを委託できないため、運用が困難。
- 顧客データの抽出作成に、大きな工数がかかる。
といった課題から、導入に踏み切れない企業が多いです。
特にFacebookカスタムオーディエンスは類似ユーザーへの広告配信で活用されることが多いため、リストをフレキシブルに運用していくことは効果を出すための非常に重要な要素となります。
この課題を解決するためには、広告代理店側で顧客データの取扱いを行わなずに、リスト生成ができる環境を構築する必要があります。