「社会問題をビジネスで解決する」という理念を掲げ、障がい者・LGBT・うつ・不登校・高齢者などを対象に人材事業を展開している株式会社ゼネラルパートナーズ。
同社は近年、既存事業だけでなくさまざまな新規事業の開拓にも挑戦しています。Webマーケティング施策においては、前年比で予算20%カットしても経営目標を達成。売上と“社会的な意義”の双方のバランスが難しい中、どのような取り組みが功を奏したのでしょうか。その理由について、同社代表取締役社長の進藤均さんとマーケティング部の牛山俊明さんにお話を伺いました。
目次
誰もやったことがない領域ではやってみるしかない
障がい者雇用というユニークな領域で展開を図るゼネラルパートナーズ社において、Webマーケティングはどのような役割を担っているのでしょうか。まずは進藤さんに、企業の背景からWebマーケティングについての考えを伺いました。
株式会社ゼネラルパートナーズ http://www.generalpartners.co.jp/
進藤さん:そもそも障がい者の雇用に興味を持ったとき、この領域に民間で参入している企業はまだ一社もなく、ハローワークがほぼ管轄しているような状態でした。
弊社はその状況を打破するべく立ち上げました。2003年設立当時は我々だけだったのが、いまでは40~50社ほどが参画するマーケットになっています。
働きたくてもハローワーク以外に探す手段がなかった障がい者の方が、インターネットを通じて求人情報の検索や、人材紹介サービスを受けられるようになりました。法改正によって企業の障がい者雇用も義務づけられていますし、社会貢献活動の認知も高まりましたね。
株式会社ゼネラルパートナーズ代表取締役社長 進藤均
進藤さん:そんな中、Webマーケティングは会社全体としての経営目標に向かって、実行するべきだと考えています。売り上げや集客数だけを考えると、事業部やプロモーション単位でゴール設計や最適化が行われて、社内での連携が分断化されがちになってしまうと思うんです。しかし、それでは意味がない。
我々がいま提供している「人材紹介事業」「求人サイト事業」「就労移行支援事業」「直接雇用A型事業(※)」という大きな4つの柱、それぞれの数字だけを見るのではなく、会社全体の利益になるように作用するべきだと思います。
(※A型事業……一般就労が難しい障がい者が働く「就労継続支援A型事業所」のこと。ゼネラルパートナーズ社では農業を展開している)
牛山さん:この事業は、前例や事例がないことも多いんです。そこで各事業分野に特化した展開をはかる競合が多い中、障がい者雇用の入口から出口まで、ワンストップでやっているのは弊社くらいではないでしょうか。
進藤さん:試行錯誤しながら進むので、作業工数は相当かかるところもあると思います。儲かることだけを考えていたらできない面もあるけれど、やること自体に意味があるという想いの部分で共通したものを持ち合えるパートナー会社が必要なんですよね。
「こういう風にありたい」同じゴールを目指せる心強いパートナーの存在が肝心
そんな中、ゼネラルパートナーズ社がWebマーケティングのパートナーにソウルドアウト社を選んだ決め手はなんだったのでしょうか。当社ソウルドアウト営業担当の鈴木にも加わって話を聞きました。
進藤さん:以前実施していたWebマーケティングに関しては、正直なところ、どの会社にお願いしても内容は変わらないので、お願いしたことをやってくださるならどこでも良かったんです。
ただ、ソウルドアウトさんの前担当者の方が、障がい者雇用を推進している民間企業に興味があり、どうしても応援したい、一緒に協力して会社をもっとよくしていきたいという気持ちをぶつけてくれました。そういった思いがうれしくて、取引が始まるようになりました。
鈴木:そうですね、前の担当者は熱い男です(笑)。本当に想いが強かったんだと思います。広告の成果が出ることよりも、お客さんの会社が事業目標を達成する方がうれしいというのがソウルドアウトの考え方なんですよね。その方がこちらも提案のしがいがありますし。両社とも、ビジネスの成功のためだけにやっているわけではなく、ただお客様や仲間のためだけというわけでもない。そのどちらも大事にしたいというポリシーが共通していると感じます。
右:株式会社ゼネラルパートナーズマーケティング部 牛山俊明
こうして取引が始まり、Webマーケティングを共に取り組むことに。前年と比較し、販促予算を20%カットしたのにもかかわらず、利益を達成し続けることにも成功しました。どこにポイントがあったのでしょうか。
牛山さん:「先月のあの広告がよかったから、今月も同じものでいこう」って思っても、なかなか目論見通りにはならないんですよね。会社としては成功事例を作ると楽になるんですが、それをやると終わりだなと思うんです。常に新しいものをやっていかなくてはいけないし、とにかく思いついたことを意思決定して実行に移すサイクルとスピードを重視しています。
鈴木さんには、広告、SEO、Web全体の登録数もGoogleアナリティクスを見てもらっているので、社内のSEO担当にも成約数が落ちてるときはアドバイスをしてもらっていますね。単純に一部分の作業だけをお願いしているわけではないのが、予算をカットしても利益が減らなかった理由のひとつだと思います。全体を見てもらっているからこそ、最適な方法が編み出せます。20%ほど予算をカットしましたが、それでも同じだけの目標を達成できているんです。
鈴木:どの施策においても、経営視点を意識しているので、それが結果につながるのかもしれません。あまり結果の期待できないメニューはやらなくてもいいのでは、という提案もします。両社とも何を達成すべきなのか、背景から考えることができる連携プレーがうまくハマっているのかなと思います。
進藤さん:販促予算が下がってもお客さんが来る、売上があがるなんて経営側から見れば夢のような話ですよね。しかし、協力会社さんにとっては予算が下がることは、稼げないということになる。それにもかかわらず、ソウルドアウトさんは弊社の経営目標達成を一緒になって喜んでくれる。一緒に経営視点で考えてくれるので、最適な予算を組むことができるんです。
新規事業には試行錯誤の、既存事業にはアレンジのスピードが重要
新規事業や社内での事業プランコンテストなども積極的に実施しているゼネラルパートナーズ。現在ではアスリート領域の事業も検討しているといいます。新規事業と既存事業では、手法も全く変わってくるそうです。
進藤さん:予算も少ない中、新規事業は作業の工数もかかるのでしんどい部分だと思います。主力の転職事業と同じ工数をかけても、予算は100分の1ほどにしかない。たとえば、新規事業であるアスリート領域のマーケットはおよそ1,000人しかいないんですね。そこから30人集客するといったレベルの話になります。転職市場の何千万人から集めてくるのとは、全然違うわけです。
鈴木:新規事業については、結果につながるかどうかはわからなくても、まず提案してみるようにしています。打ち合せで伺うほか、チャットツールも導入しているのでリモートでも常に情報は入ってきます。
新規事業は検討段階から共有されているので、早い段階から頭の中で「どんな施策ができるだろう」と考えていました。例えば、障がい者スポーツ大会の集客をする際に、位置情報のターゲティングをしてみるのはどうか、なんて想像してみたり。
牛山さん:そういうのがうれしいんですよね。そのテーマに沿ったものをちゃんと理解して作業してくれて。Webページの制作段階から入っていただいたり。
リスティング広告で「障がい者転職+種目、大会、選手名」のように追加してみても、月間の検索回数7件しかありません……なんて情報をもらったりします。それであれば、「Twitterでアスリートをフォローしてみましょう」「ターゲティングしてツイートしてみましょう」とか、「Webサイトのところからまず手を入れましょう」など、別の視点から提案してもらえる。それが本当にありがたいことです。
未来のアイディアは普段の会話から生まれる
進藤さん:今度はハイクラス求人、教育以降の領域などを検討しています。企業向けのサービスも前年比5~6倍の予算かけて問い合わせ数を増やしていけたらと思っています。
決定した段階ではなく、「こんなことをやろうと考えている」という段階から話していますね。情報を多く共有していくことで、何気ない普段の会話から新しいアイディアが生まれていきます。
牛山さん:マーケティング施策の新しいところだと、ユーザテストやマーケティングオートメーションツールの導入はもう今期目途に進めています。来期はSEOの今後のことも考えて、音声検索なども考えています。IoTは親和性の高い分野なので、チューンアップをしていかなくてはいけない。7割以上がスマホ、検索ルートの変化に関しての対応策、というのもどんどん一緒に考えていきたいです。
どうやったらうまくいけるんだろうかを両社で考えていく。そのプロセスこそが成果のキーになっていっていると感じました。
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株式会社ゼネラルパートナーズでは、障害者雇用支援のパイオニアとして、これまで多くの企業様の障害者雇用を支援してきました。
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