
ナレッジマネジメントとは、企業がこれまで独自に育み、それぞれの部署内で共有してきた知識やノウハウなどの情報(ナレッジ)を収集・整理・活用することです。それを行う上で必要となるのが、ナレッジマネジメントツールです。
テレワークの普及によって、お手本を一緒に見せながら手取り足取り教えることが、難しい場面が増えてきました。企業は自社のナレッジを集約し、いつでも参照できる環境構築が必要になっています。
ナレッジマネジメントツールの導入を検討する場合、
・ほしいナレッジを簡単に検索して見つけられるか
・Word、EXEL、PDFや動画など様々な形式に対応しているか
・社員が快適に使い続けてくれる操作性か
など、サービスによっても違いがあり、自社にあったナレッジマネジメントツールを探すのは大変です。
そこで本記事では、ナレッジマネジメントツール19個の料金や特徴を、わかりやすく整理してまとめました。
この記事を読むことで、探す手間をかけずに、自社にぴったりの良質なナレッジマネジメントツールを効率的に比較することができます。
なお、各ツールの重要度を客観化するために、既存のナレッジマネジメントツールを紹介したサイト7個を調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よくナレッジマネジメントツールを探せます。ぜひ参考にしてください。
【脱属人化】社内のQ&Aを蓄積し、雑務を減らす情報共有ツール「Qast」サービス資料
目次
- ナレッジマネジメントツールとの種類
- Confluence/Atlassian(アトラシアン)
- NotePM/株式会社プロジェクト・モード
- DocBase/株式会社クレイ(KRAY inc.)
- flouu(フロー)/プライズ株式会社
- esa(エサ)/合同会社 esa(esa LLC)
- Kibela(キベラ)/株式会社ビットジャーニー
- Qast/any株式会社
- Qiita Team/Increments株式会社
- Freshdesk/Freshworks Inc.
- kintone(キントーン)/サイボウズ株式会社
- QuickSolution/住友電工情報システム株式会社
- Scrapbox/Nota, Inc.
- その他おすすめのナレッジマネジメント7選
- ナレッジマネジメントツールを選ぶ際に着目すべきポイント
- まとめ
ナレッジマネジメントツールとの種類
ナレッジマネジメントツールにはいくつか種類がありますが、主なものは次の4種類です。
オンラインストレージ
インターネット上でファイルやドキュメントなどのデータを自由に保存・共有できるシステムです。
Webを利用できる環境があればどこからでもアクセスできるので、社内で共有したいファイルの保存に最適です。文書ごとに割り振られたURLを連絡すれば、インターネット上でデータを共有できます。
グループウェア
チームメンバーの間で情報やスケジュールを共有・管理できるツールです。チャットやワークフローの管理、メンバーそれぞれのタスクの閲覧もできます。
同じ業務にあたるチームメンバー同士が、業務改善を目的に情報を共有し、社内でコミュニケーションをとるのに適しています。
SFA(営業支援システム)・CRM(顧客管理)
SFAは営業管理や支援をするための、CRMは顧客を管理するためのシステムです。
顧客情報や取引実績などをデータベース化することで、社内での情報共有を進め、顧客との良好な関係構築につなげます。
参考:営業管理の効率を上げるSFAとは?導入メリットや事例、おすすめツール5選を紹介
CRMとは?CRMの目的と、成果につなげるための3つの活用ポイント
エンタープライズサーチ
社内に保存されている情報を検索できるシステムです。
社内のさまざまな情報を検索できるので、情報共有にとどまらず、新しい解決策を導き出す知識を得るためにも使えます。
社内のナレッジが大量にある場合、体系立ててまとめていても、検索するのに時間がかかってしまいます。このような場合、エンタープライズサーチを利用すれば、自分の探しているナレッジにアクセスしやすくなります。
Confluence/Atlassian(アトラシアン)
- 世界全体で 175,000 を超える組織が導入。
- 業界の規格や規制に準拠し、顧客のデータの安全性とコンプライアンスを確保。
- お気に入りのツールと連携が可能。
初期費用 | ■cloud:10ユーザー無料 ■Self-managed:30日間無料トライアル |
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料金プラン | ■cloud 10ユーザーまで無料 Standard:600円/月/人 Premium:1190円/月/人 ■Self-managed:30日間無料トライアル サーバー(オンプレミス):1200円(10ユーザー) Data Center:179万円(500ユーザー) |
導入企業 | Hubspot、Blend、株式会社LIXIL、KADOKAWAグループ など |
導入社数 | ■13社以上 ※導入実績掲載数 ■60000以上のユーザー |
こんな人におすすめ | ■チームのサイロ化を解消 ■会話をアクションに変える ■すべてを1 か所に整理 ■オープンなチームワークの文化を構築 |
NotePM/株式会社プロジェクト・モード
- WEB上で簡単にドキュメントが書ける高機能エディタとテンプレート機能。
- フォルダ構造で情報を整理しやすく、Word・PDFなど、ファイルの中身も全文検索。
- 組織規模に応じた権限設定が可能。
初期費用 | なし |
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料金プラン | ■スターター:1000円/月、3ユーザー ■ベーシック:3600円/月、8ユーザー ■スタンダード:5700円/月、15ユーザー ■プラス:9500円/月、25ユーザー ■プロ:17500円/月、50ユーザー ■プレミアム:30000円/月、100ユーザー |
導入企業 | 医療法人フェネスト、歯科タケダクリニック など |
導入社数 | 8社以上 ※導入実績掲載数 |
こんな人におすすめ | ■ナレッジを蓄積しやすい ■ほしい情報 すぐ見つかる ■柔軟なアクセス制限機能 |
DocBase/株式会社クレイ(KRAY inc.)
- Wordのような簡単で書きやすい文書エディタ。
- テレワーク利用を想定した強固なセキュリティ。
- 1ユーザー月額300円(税別)から利用可能。
初期費用 | なし |
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料金プラン | ■スターター:900円/月、3ユーザー ■ベーシック:4500円/月、10ユーザー ■レギュラー:9000円/月、30ユーザー ■ビジネス:19500円/月、100ユーザー ■ビジネス200:39500円/月、200ユーザー |
導入企業 | 株式会社エングラフィア、株式会社レトリバ、株式会社イーサグラム など |
導入社数 | 7000社以上 |
こんな人におすすめ | ■書きやすい文書エディタ ■テレワーク利用を想定した強固なセキュリティ ■お手軽価格で始められる |
flouu(フロー)/プライズ株式会社
- ドキュメントは同時編集可能で気軽に情報共有できる。
- slack、chatworkなどチャットツールとの連携もサポート。
- ドキュメントの本文・コメント・添付ファイル名から横断的に情報を検索可能。
初期費用 | 14日間無料 |
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料金プラン | ■スタンダード:月500円/ユーザー ■エンタープライズ:問い合わせ |
導入企業 | ディップ株式会社、アズ株式会社、株式会社g-wig など |
導入社数 | 3社以上 ※導入実績掲載数 |
こんな人におすすめ | ■様々な手段で共有される文書は探すのに時間がかかる ■メンバーの意見の反映が漏れる ■似た様な文書をゼロから作成し、さらに管理しきれず肝心な業務に活かせない |
esa(エサ)/合同会社 esa(esa LLC)
- 3,000を超える会社・団体が導入。
- 「不完全な状態であっても早めの情報共有を行いチームで情報を育てる」がコンセプト。
- 記事を 「WIP(書き途中)」 であることがわかるようにした状態で、チーム内に共有できる。
初期費用 | 申込後2カ月無料 |
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料金プラン | 500円/人 |
導入企業 | 株式会社Misoca、株式会社キッズスター、島根情報処理センター など |
導入社数 | 3000社以上 |
こんな人におすすめ | ■履歴が残るので、同じページを何度も更新してOK。 ■チャットのように気軽に発信、Wikiのように整理・編集する。 |
Kibela(キベラ)/株式会社ビットジャーニー
- ストック情報に必要な機能でチームと共にナレッジも成長。
- シンプルな画面と操作性で運用も定着。
- 導入から拡大までカスタマーサクセスが伴走。
初期費用 | ■コミュニティ:無料(5名まで) ■スタンダード:14日間無料トライアル ■エンタープライズ:14日間無料トライアル |
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料金プラン | ■コミュニティ:無料(5名まで) ■スタンダード:550円/月/人 ■エンタープライズ:1650円/月/人 |
導入企業 | 株式会社オークファン、株式会社イグニス、ウリドキ株式会社 など |
導入社数 | 4社以上 ※導入実績掲載数 |
こんな人におすすめ | ■成長するナレッジ ■誰にでも使える ■成長するチームに伴走 |
Qast/any株式会社
- 口頭やチャットでは聞きづらい内容も匿名機能により質問しやすい。
- 各投稿の既読人数と、既読者を確認可能。会話の中で認識の相違を防ぐ。
- SlackまたはTeams上のメッセージをQastに投稿できる。
初期費用 | 無料 |
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料金プラン | ■フリープラン:0円、10人まで ■スタンダード:600円/月/人、20人~ ■エンタープライズ:900円/月/人、20人~ |
導入企業 | 株式会社日本旅行、株式会社フルスピード、株式会社ポテパン など |
導入社数 | 1700社以上 |
こんな人におすすめ | ■社内で何度も同じ質問が発生。毎回同じ説明をしていて非効率 ■ノウハウやナレッジが属人化しており、社内に蓄積されていない ■チャットツールで重要な情報が流れてしまい、必要な時に探せない ■既存の情報共有システムが使いづらく、うまく活用されていない |
Qiita Team/Increments株式会社
- Markdown記法に対応し、プレーンテキストを書くだけで読みやすくきれいな記事に。
- 投稿した記事はフィードで共有。階層構造やカテゴリーなどの管理は不要。
- メンションで通知を送り、見て欲しい人に記事を届けられる。
初期費用 | 30日無料トライアル |
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料金プラン | ■Micro:1520円/月 ■Small:4900円/月 ■Medium:7050円/月 ■Large:15300円/月 ■Extra:15300円/月~ |
導入企業 | NTTコミュニケーションズ株式会社、朝日新聞社、クラウドクレジット株式会社 など |
導入社数 | 49社以上 ※導入実績掲載数 |
こんな人におすすめ | ■簡単に記事を書いて投稿 ■メンバー会員に適切に共有される ■その場でコミュニケーション |
Freshdesk/Freshworks Inc.
- 150,000を超える企業が利用。
- 顧客とのあらゆる会話を一元管理。
- 繰り返し業務を自動化し時間を節約。
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | ■Sprout:$0 ■Blossom:$15×12(年払)・毎月$19(月払) ■Garden:$35×12(年払)・毎月$45(月払) ■Estate:$49×12(年払)・毎月$69(月払) ■Fores:$99×12(年払)・毎月$125(月払) ※21日間無料トライアルあり |
導入企業 | Hewlett-Packard Company、Harvard University、American Express など |
導入社数 | 150,000社以上 |
kintone(キントーン)/サイボウズ株式会社
- アプリをいくつでも追加可能。
- 豊富なAPIや、プラグインなど100種類以上の連携サービスあり。
- 導入前の相談・自分で学べるコンテンツ・開発のプロの紹介など幅広くサポート。
初期費用 | 無料 |
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料金プラン | ■ライトコース:月額780円/1ユーザー (年額9,170円/1ユーザー) ■スタンダードコース:月額1,500円/1ユーザー (年額17,640円/1ユーザー) ※5ユーザーから契約可能 ※30日間無料お試しあり |
導入企業 | 株式会社資生堂、日産自動車株式会社、全日本空輸株式会社 など |
導入社数 | 15,000社 |
QuickSolution/住友電工情報システム株式会社
- 純国産・自社開発だからできる素早くきめ細かなサポート。
- 10名ほどの小規模から、数100TBの大規模まで幅広く対応。
- 検索・情報活用からAIを活用したデータ分析まで豊富な機能を搭載。
初期費用 | 担当営業よりご連絡 |
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料金プラン | 担当営業よりご連絡 |
導入企業 | 株式会社虎屋、復建調査設計株式会社、株式会社奥村組、株式会社デンソー、コクヨ株式会社、中国電力株式会社 など |
導入社数 | 3600サーバ以上(2020年8月現在) |
Scrapbox/Nota, Inc.
初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■個人/教育利用:無料 ■BUSINESS:月額¥1,000/ユーザー ■ENTERPRISE:未記載 |
導入企業 | 株式会社ソラコム、freee株式会社、Edventure株式会社 など |
導入社数 | 毎月3000の新規プロジェクト、累積4万のプロジェクト |
その他おすすめのナレッジマネジメント7選
Accela/アクセラテクノロジ社
COCOMITE/コニカミノルタ株式会社
Evernote Business/Evernote
Googleドライブ/Google
SharePoint/Microsoft
Sightone(サイトワン)/株式会社アイピークリエイト
Teachme Biz/株式会社スタディスト
ナレッジマネジメントツールを選ぶ際に着目すべきポイント
具体的なナレッジマネジメントツールの比較に入る前に、選ぶ際に着目すべきポイントを3つ解説します。
ポイント1:使用目的に合った機能が備わっているか?
上述のとおり、ナレッジマネジメントツールの機能は大きく4種類に分けることができました。「オンラインストレージ」「グループウェア」「SFA・CRM」「エンタープライズサーチ」のうち、どの機能が特に必要かを考え、ツールの選択をしましょう。
オンラインストレージ・グループウェア
利用人数・保存可能容量により料金が異なります。予算に合わせて検討しましょう。
SFA・CRM
顧客管理だけでなく、対応履歴や案件管理などCRMのシステムが作成できるもの、タスク管理ができるものなど、ツールにより利用できる機能が異なります。
エンタープライズサーチ
検索機能が必要な場合は、その検索速度や方法をよく確認しましょう。
ポイント2:誰にでも操作できるか?
専門的な知識のない人でも、容易に操作できるインタフェースが必要です。無料で試せる期間があれば、利用するメンバーで試したうえでツールを決定しましょう。
ポイント3:セキュリティ体制は万全か?
社内のノウハウや顧客情報など機密情報の管理に使うツールであるため、セキュリティは重要です。セキュリティ体制をしっかりと確認しましょう。
まとめ
今回の記事ではナレッジマネジメントツールの意味と導入するメリットを確認し、主要なナレッジマネジメントツールを12個比較した上で、選ぶときの注意点を紹介しました。
自社の抱えている課題、必要な機能、操作性やセキュリティ体制、コストとのバランスを考慮してツールを導入しましょう。
自社に合ったナレッジマネジメントツールを導入し、業務が効率化されることを願っております。