
海外進出を検討する際に必ず行われるものが海外調査です。
しかしながら、海外調査について次のように悩まれている新規事業担当者の方も多いのではないでしょうか。
「海外調査でどのようなことを調査できるのか知りたい」
「海外調査会社を選ぶ時のポイントについて知りたい」
「おすすめの海外調査会社について知りたい」
そこで本記事では、海外調査会社の料金や実施可能な調査内容を、分かりやすく整理してまとめました。
なお、客観的に比較をするために、複数の既存まとめ記事の情報からスコアリングし、紹介頻度の高いものから紹介しています。
こちらの記事を最後までお読みいただくことで、海外調査会社の選び方について正しく理解し、自社の目的に合った海外調査会社に依頼できるようになります。
目次
自社に最適な海外調査会社を選ぶポイント
具体的な調査調査会社をご紹介する前に、自社に合った海外調査会社を選ぶポイントを解説します。
早く具体的な会社を紹介してほしい!という方は、次章「おすすめの海外調査会社6選」にお進みください。
<自社に最適な海外調査会社を選ぶポイント>
- 調査対応可能な国エリア
- 調査内容や手法
- 調査費用
- 過去の調査実績
ポイント1.調査対応可能な国やエリア
海外調査会社を選定する上では、リサーチに対応している国やエリアを最初にチェックしなければなりません。
特に、治安が悪い地域は安全性の問題から現地調査が行えないケースもあり、戦争・紛争による情勢の変化で中止せざるを得ない事態にもなり得ます。
また、法規制が厳しい国も同じく対象外とされる可能性があるため、将来的な環境の変動要因も踏まえて、担当者としっかりすり合わせておきましょう。
ポイント2.調査内容や手法
海外調査と一口に言っても、具体的な手法や項目は多岐に渡ります。
具体的な調査内容は、以下の通りです。
調査内容 | 見込める獲得情報 |
---|---|
消費者ニーズ調査 | ・現地の消費者が抱えるニーズが把握できる ・基本的には経済的に余裕のある中間富裕層以上が対象 |
市場・競合調査 | ・海外市場の動向が掴める ・競合を知って自社の優位性を把握できる |
価格調査 | ・自社と類似するサービスの価格相場が分かる ・適切な値決めが行える |
法規制の分析 | ・現地の販売活動で必要な申請や禁止行為が分かる |
主な調査手法は以下の通りです。
調査手法 | 内容 | メリット |
---|---|---|
グループインタビュー | ・特定の施設に複数名のモニターを招き、質疑応答を繰り返しながらニーズの調査を行う | ・単独インタビューよりも共通の悩みや要望が把握しやすい ・参加者同士がディスカッションを重ねることで、新たな不満と潜在ニーズが掘り出せる |
電話調査 | ・海外調査会社が保有するリストなどを用いて、直接電話で意見を聴取する | ・比較的気軽に回答してもらえる ・必要リソースが少なく、コストを抑えやすい |
街頭調査 | ・現地の小売店や大型スーパーなどで直接インタビューを行う | ・よりリアルな消費者の意見を知ることができる ・Webや電話調査よりコストが掛かる |
デスクリサーチ | ・「日本にいながら」現地の販売サイトなどを調査する ・「現地で」図書館の文献調査などを実施 | ・コストを抑えて海外の価格相場や競合が分析可能 |
Webアンケート・ネットリサーチ | ・インターネット媒体を活用して調査 | ・比較的回答率が高い ・コストが掛からない |
ポイント3.調査費用
海外調査は、日本国内におけるリサーチよりもプロセスが多い分、費用が高くなる傾向にあるため調査費用の確認は非常に重要です。
海外調査費用は、1ヶ国につき100~400万円程度掛かることが多く、内訳は次の通りとなっています。
- 現地リサーチャーの移動・宿泊費
- 翻訳・通訳の工程
- 現地モニター募集の手間
- 市場・文献調査など
上記は、どれだけ詳細にリサーチを行うかでも変動するため、自社にとって最低限必要な情報をピックアップし、プラン内容を最適化してみてください。
ただし、あくまでも重要なのは「コストに見合った成果」であることから、安さばかり求めるのではなく、総合的な観点で判断するようにしましょう。
ポイント4.過去の調査実績
海外調査会社の選定においては、自社が希望する国・エリアや、依頼する調査内容・手法での調査実績が豊富かどうかも注目した方が良いでしょう。
たとえ料金プランが安く、多彩な手法を取り入れているとしても、現地の商習慣やカルチャーの知見がなければ有益な情報は抽出できません。特に、リサーチャーの経験値は成果の質に直結するポイントとなるため、これまでの案件・収集情報などをできる限り開示してもらうのがおすすめです。
また、チェックするべきは対象となる国だけでなく、具体的なサービスジャンルも重要といえます。自社のサービスに類似する領域を扱った実績があれば、よりピンポイントなリサーチに繋がることから、こちらも合わせて確認しましょう。
おすすめの海外調査会社6選
具体的な選定ポイントが把握できたところで、本章ではおすすめの海外調査会社を6社解説します。
現在海外事業の展開を検討している場合は、自社との親和性を考慮しながら選んでみてください。
株式会社クロス・マーケティング
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 欧米先進国に加えて、BRICs、東南アジア、オセアニアの世界85ヶ国以上 <アジア> <北米> <南米> <ヨーロッパ> <オセアニア> <中東・アフリカ> |
調査内容 | ・地域、業界別の市場調査 ・法規制 ・消費者ニーズ ・競合企業 ・ブランドイメージ、浸透度 ・コンセプト受容性評価 ・ターゲット像の整理 ・戦略策定 など |
調査手法 | ・Webアンケート ・グループインタビュー ・多数対単独のデプスインタビュー ・有識者インタビュー ・デスクリサーチ ・セルフ型アンケート ・在日外国人調査 など |
料金 | 要問い合わせ(公開実績は85~750万円程度) |
実績例 | ・世界24ヶ国におけるオフィスプリンターの購買調査 ・タイの乳幼児向け商品調査 ・中国上海の月収8,000元以上を対象とした新サービス調査 など |
株式会社クロス・マーケティングは、全世界に1,700万人以上のオンラインパネルを保有する海外調査会社です。
2000年代に突入してから、中国やインド、シンガポールに加えて、米国にも現地法人を設立し、着実に活動領域を広げています。
ネット主体のオンラインリサーチだけでなく、オフラインの情報収集実績も豊富であり、事業機会の発見からテストマーケティングまでをフルサポートしてもらえるでしょう。
株式会社マクロミル
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 欧米、アジアを中心に世界90ヶ国 <アジア> <北米> <中南米> <ヨーロッパ> <オセアニア> <中東・アフリカ> |
調査内容 | ・消費者ニーズ ・店頭価格の相場 ・現地の法規制 ・競合企業 など |
調査手法 | ・Webアンケート ・街頭インタビュー ・文献調査 ・デスクリサーチ ・グループインタビュー ・デプスインタビュー など |
料金 | 要問い合わせ(調査条件に応じて料金が変動) |
実績例 | ・韓国の総勢50名のリサーチャーによるオン・オフライン調査 ・インドネシアの女性に対してニューロ官能調査を用いたフレーバー好感度調査を実施 など |
株式会社マクロミルは、世界90カ国・1.1億人のパネルネットワークを用いて海外調査が可能です。
現地にネイティブスタッフが配置されているため、幅広いオフライン手法を用いた多角的な情報収集が可能な点も大きな魅力といえるでしょう。
GMOリサーチ株式会社
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 世界52ヶ国 <アジア> <北米> <中南米> <ヨーロッパ> <オセアニア> <アフリカ> |
調査内容 | ・ブランド認知度 ・消費行動 ・消費者インサイト など |
調査手法 | オンラインアンケート |
料金 | 要問い合わせ |
実績例 | ・クレジットカードにおけるブランド調査 ・訪日旅行に関する意識調査 などアジア市場調査に強み |
GMOリサーチ株式会社は、世界53の国と地域の6,428万人にオンラインでのリサーチが可能です。
特にアジアでの調査に強みがあり、「MO Lite アンケート」では1問1回答20円から調査が可能で、最短で契約から1営業日で始めることができます。
株式会社ネオマーケティング
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 世界52ヶ国 <アジア> <北米> <ヨーロッパ> <オセアニア> |
調査内容 | ・地域、業界別の市場調査 ・消費者ニーズ ・現地の評価を基にした売り方のローカライズ提案 ・競合企業 など |
調査手法 | オンラインリサーチ |
料金 | 要問い合わせ |
実績例 | ・アジア圏内の商品需要、競合の調査 ・欧米諸国における販売手法のローカライズ |
株式会社ネオマーケティングは、自社ツールを用いたスピーディーなWebアンケートを強みとしており、ニーズ調査から戦略のローカライズまでサポートしてくれます。
また、各国の文化・法規制に関する十分な知見を持ち、中国ならTwitterよりもWeChat、Weiboの方が普及率が高いなど、具体的なアドバイスが受けられるでしょう。
加えて、ドイツは300万人強、インドに至っては約1,000万人ものパネルを保有しているため、日本国内にいながら精度の高い情報を得ることが可能です。
株式会社インテージ
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 世界40ヶ国以上 <アジア> <北米> |
調査内容 | ・市場調査 ・マーケット動向 ・法規制 ・流通環境 ・競合企業 など |
調査手法 | ・Webアンケート ・デスクリサーチ ・POSデータ ・専門家ヒアリング ・イベント効果測定 ・SNS分析 など |
料金 | 要問い合わせ(調査条件に応じて料金が変動) |
実績例 | ・自社が収集した情報を社内システムで統計化 ・アジア3か国におけるアフターコロナの市場動向を調査 |
株式会社インテージは、1960年の創業以来数多くの企業を支えてきた海外調査会社であり、オリジナルの情報サイトで有益なレポート・コラムを配信しています。
年間の取扱いプロジェクトは400を超え、ダウンタウンはもちろん郊外のリサーチにも対応した情報網が強みです。
そして、これまでの実績も医薬品などのメーカー系から金融関連と幅広いため、豊富なノウハウを提供してもらえるでしょう。
ビザスク株式会社
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリア | 世界190ヵ国以上 <アジア・中東> <オセアニア> <北米> <南米> <ヨーロッパ> |
調査内容 | ・市場調査 ・消費者ニーズ ・特定市場・業界のプラクティス調査 ・現地の法規制 ・流通環境 ・競合企業 など |
調査手法 | ・デスクリサーチ ・インタビュー ・アンケート調査 など |
料金 | 要問い合わせ |
実績例 | ・中国トップ企業での経験者とのマッチング ・新規事業に関するリサーチやヒアリング ・試作品をもとにした市場調査、ヒアリング など |
ビザスク株式会社は、日本最大級のアドバイザー数を誇る、ナレッジプラットフォームです。
トヨタなど、日本を代表する多くのグローバル企業がビザスクの『海外調査』を活用しています。
ビザスクの強みはなんといっても世界190か国以上のアドバイザーを有していることです。ここまでご紹介したなかでも断トツの国数となっています。
多言語対応可能な専任スタッフが、最適なアドバイザーをリストアップしてマッチングをサポートしてくれます。
またBtoB領域に特化したWEBアンケート調査サービスである『ビザスク expert servey』を活用すれば、海外のアドバイザーに対してアンケート調査も実施可能です。
まとめ
海外調査は、日本国外への事業展開を行う上で必要不可欠であり、現地の商習慣や法規制、消費者のニーズを事前に把握できます。
また以下の海外調査会社の選定ポイントを押さえることで、自社に最適な海外調査会社を選ぶことができるでしょう。
- 調査対応可能な国やエリア
- 調査内容や手法
- 調査費用
- 過去の調査実績
海外進出に先立って海外調査をしたい方は、本記事を参考にして、自社に合った海外調査会社を探してください。
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