初心者でも受注に繋がる提案資料の作り方!ネット広告の提案における資料作成方法・コツを徹底解説

「今度提案に行くから、再来週までに資料作成お願いできる?」

と依頼されたけど、作り方が分からず不安な広告営業の方は多いでしょう。

ただ依頼されたからには受注に繋がる提案資料を作り、自身、チームの成績を伸ばせたら最高ですよね。

しかし正しい課題設定や最適な施策出しができていないと、クライアントがあなたの代理店に任せたいと思えず受注に繋がりづらくなります。

そこでネット広告の提案をしたい方に向けて、本記事では提案資料の作り方、手順、コツなど徹底解説していきます。

数多くの受注に貢献した広告営業マン監修ですので、クライアントに刺さる提案資料のポイントも知ることができます。

最後までお読みいただき、この記事を参考にして提案資料を作れば受注に繋げられるでしょう。

監修者

国吉 大樹(くによし たいき)
SO Technologies株式会社 AG-Boost事業本部 セールスグループ 部長

2013年、SO Technologies株式会社に中途入社。
前職は総合広告代理店で、マス広告の営業から運用型広告の営業・運用に従事。当時、運用業務を委託していたSO Technologiesに転職。
その後は自身が経験した「ネット広告事業の収益化」に悩みを持つ代理店の支援を行う。
また、京都橘大学の客員教授として、次世代のデジタル人材育成のための登壇や、プライベートではYouTuberとしても幅広く活動中。


ネット広告の提案資料を作るうえで重要なポイント5選

受注するためには、どのような提案を行うべきでしょうか。

結論からお伝えすると、「断る理由がない提案」を行うと受注に繋げられます。

人は何か新しいことを始めようとする時、リスクを考え、後ろ向きな思考になります。

特にビジネスの場合、自分だけでなく会社にも影響が出るため、判断がより慎重になります。

その際に不安を取り除く提案ができれば、お客様も「任せたい!」と思い受注に繋げられます。

では「断る理由がない提案資料」を受注する提案資料とした時、どのようなことが必要になるでしょうか。

重要なポイントは、以下の通りです。

  • 正しい課題設定ができている
  • 他の代理店と比較した際に優位性がある
  • 数ある選択肢の中から、最善の施策が選択されている
  • 期間内での効果の予測が立てられている
  • 想定されるリスクとその対策が提示できている

それでは順に見ていきましょう。

参考:初めてのネット広告提案|オススメのメニューとその理由・ポイント
参考:伝わりやすい資料を作成するためにおさえておくべき28のコツ

正しい課題設定ができている

1点目は、クライアントが抱える課題を明確にできているかです。

例えば、Web広告でECサイトの商品をPRしたいというご相談をいただいたとします。

このとき、クライアントはどのような課題を抱えているでしょうか。

  • ECサイトの売上が好調で、更なる顧客獲得のために挑戦したい
  • コロナ禍で店舗の売上が落ち込み、始めたばかりのECサイトの売上を伸ばしたい

いずれのパターンも可能性としては考えられます。

このように現状を把握したうえでどんな課題を抱えているか、仮説を立てましょう。

仮説の立て方としては、企業分析、市場分析、競合分析を行うとざっくりとした課題が見えてきます。

その課題を仮説として持ち、ヒアリングを行い、ブラッシュアップして正しい課題を設定しましょう。

他の代理店と比較した際に優位性がある

2点目は、他の代理店と比較した際に優位性があるかです。

優位性がない場合、クライアントはなぜ貴方の代理店を選び、取引する必要があるのか分かりません。

また取引を決める際、なぜこの代理店と取引するのか上司に根拠を説明しなければならず、このとき優位性がないと認めてもらえません。

そのため、他の代理店と比較して自社にはどのような強みがあるのか明確にしましょう。

  • 中小、ベンチャー企業支援で代理店としての地位を確立
  • 支援実績500社以上で業界トップクラス
  • Yahoo! セールスパートナー賞を受賞

上記のように、数字や実績を記載するとイメージがつけやすいです。

数ある選択肢の中から、最善の施策が選択されている

3点目は、複数の選択肢を提示し、その中から最善の施策を提案しているかです。

1つの施策だけを提示すると、他にもっと良い施策はないのか、それでなければいけない理由があるのか、とクライアントは考えてしまいます。

そこで考えられる施策を全て出したうえで、クライアントの状況と照らし合わせて施策を選択します。

複数の選択肢から最善の施策を選び、なぜその施策を選んだのか明示しましょう。

施策の順位付けがわからない方は、後述の「受注する提案資料の作り方」で紹介していますのでご覧ください。

期間内での効果の予測が立てられている

4点目は、提案した施策を実行したときに、どのような期間でどんな結果が出るか想定値を伝えているかです。

「やってみないと分かりません。」では、クライアントはGoサインを出すのは難しいです。

結果は想定通りにはいかないものですが、事前にシミュレーションしておくことで、想定値と結果の乖離から原因を探れます。

シュミレーションの方法としては、自社の過去実績や同業界の顧客データを基に計算しましょう。

また注意事項として、シュミレーションの値は数字を保証するものではないこと、あくまでも想定の値であるという旨を記載しましょう。

想定されるリスクとその対策が提示できている

5点目は、事前に想定されるリスクとその対策が提示できているかです。

施策を実行するにあたり、想定したよりもクリック単価が高く獲得単価も高くなってしまう、用意したFacebook広告のクリエイティブが思ったよりも反応が悪い、などリスクは様々考えられます。

そうした場合にそのまま進めるのか、他の案で行くのかなど対策を事前に提示しておきましょう。

事前に提示しておくことで、実際にそうなったときの心理的なマイナス要素を軽減できます。

ここまでは、受注する提案資料を作るうえで重要なポイントについて説明しました。

次章では、受注する提案資料の作り方についてご紹介します。


前章での重要なポイントも踏まえつつ、ネット広告の提案資料の作り方について1からご説明します。

この記事を真似して提案資料を作れば、大型受注も可能になるでしょう。

1. 骨子を作る
2. 落とし込む
3. デザインを整える

上記の手順で提案資料を作成していきます。

それでは「1.骨子を作る」から見ていきましょう。

1.骨子を作る

骨子を簡単に説明すると、話の流れ、ストーリーのことを指します。

骨子があると最初から最後まで話が一貫し、決められた時間の中でも相手に分かりやすく伝えることができます。

そのため受注する提案資料作りには、骨子が1番重要です。

骨子作り方(流れ)

骨子を作る段階ではパワーポイントではなく、ワードに箇条書きで考えをまとめていきましょう。

それでは骨子の作り方について解説します。

ゴール(結論)

まずは今回の提案におけるゴール(結論)を決めましょう。

先にゴールを決めると提案の方向性が定まり、資料が作成しやすくなるからです。

またクライアントもどういった価値提供をしてくれるのかイメージをつけることができます。

  • 20~30代の女性に向けて〇〇(サービス名)の認知拡大を図る
  • 2022年1月~5月で化粧水を15,000個売ることを目指す
  • 会員登録数を月100件増加させる

ゴールを決める際は事前ヒアリングのもと、例のように簡潔に1行で設定しましょう。

ここで設定したゴールが提案のメインテーマになります。

現状、課題の把握

続いては現状・課題の把握です。

クライアントの企業分析、市場分析、競合分析などを行い、現状を正しく把握することが重要です。

なぜなら、現状を正しく把握することでゴール到達への問題が発見でき、実行すべき行動が明確になるからです。

現状を把握する方法としては、以下を実践してみると良いでしょう。

  • 担当者へヒアリングを行う
  • ホームページ、中期経営計画、有価証券報告書、IRレポートを見る
  • 競合サービスを調べる
  • 過去に取引した同業界の顧客データを参考にする

そして現状を把握したらゴールと比較し、どのようなギャップ(問題)があるか考えてみましょう。

またそのギャップを埋めるための課題を設定しましょう。

問題・課題の解説

問題、課題の例は以下の通りです。

<例>
問題:化粧水が4000個しか売れていない
課題:クリエイティブや訴求がターゲットに刺さっていなかった

上記のように、問題を解決するために必要な課題を正しく設定しましょう。

施策立案、優先順位付け

そして課題を解決する施策を立案し、優先順位を付けましょう。

思いつく施策を全て羅列し、効果のインパクト、投資(費用)、投資(工数)、投資費用の回収期間をそれぞれ表に記載しましょう。

施策の優先順位のつけ方

優先順位の付け方としては、「期待する効果のインパクト」が大きいものから選ぶと良いでしょう。

ただ費用があまり出せないなどクライアントの状況も関係してくるため、相談しながらベストな施策を提案しましょう。

2.落とし込む

頭を使って考える部分は骨子の段階で終わっているため、ここからはその情報をパワーポイントに落とし込んでいきましょう。

ネット広告向けの提案資料で必要な構成は以下の通りです。

  • 表紙、目次
  • 与件整理
  • 提案の根拠情報
  • 施策・広告媒体について
  • シミュレーション

それでは順に見ていきましょう。

参考:伝わりやすい資料を作成するためにおさえておくべき28のコツ

表紙

表紙を記入する際は、以下のポイントを記載するようにしましょう。

①クライアントの企業名
②今回の提案テーマ

表紙の構成

与件整理

与件整理とは、課題解決を行う際に条件を整理することです。

与件整理を行うことで、どのような課題を解決するための提案なのか、クライアントがイメージしやすくなります。

与件整理

事前ヒアリングや骨子作りでまとめたクライアントの条件を整理し、スライドに記載しましょう。

提案の根拠情報

与件整理を行ったら、提案の根拠情報も記載しましょう。

なぜこの施策・広告媒体を提案するのか、根拠が記載されていることで提案の説得力が増します。

またこの根拠がなければ、先方はなぜこの施策を実行しなければいけないの変わらず、判断がつけられません。

そのため、現在の市場状況や広告媒体の特徴含め、なぜ提案するのか根拠を記載しましょう。

施策・広告媒体について

クライアントの課題に対して、どのような施策を実行していくか記載しましょう。

具体的には、ターゲットに対しどのような広告媒体でアプローチするのか伝えましょう。

施策について

特に施策では、数ある選択肢の中でなぜこの施策が最善だと思ったのか、効果に触れながら説明するとクライアントも納得してくれます。

シミュレーション

シミュレーションは、提案した施策がどのような結果が出るか想定値を表すものです。

シミュレーション

シミュレーションがないと、クライアントはどのようなスケジュールで目標達成するのか把握できず、受注するか迷ってしまいます。

そこで自社の過去実績や同業界の顧客データを基に計算し、必ず記載するようにしましょう。

また注意事項として、シミュレーションは数字を保証するものではないことを資料、口頭で伝えましょう。

3.デザインを整える

骨子を作り、落とし込みが終わったら最後にデザインを整えましょう。

提案資料は内容が良ければ大丈夫!と思われがちですが、相手に分かりやすく伝えるにはデザインも非常に重要です。

そこで今回は初心者の方でも、最低限抑えておけば見づらくならないデザインのポイント3つについてご紹介いたします。

それでは見ていきましょう。

1スライド1メッセージ

1つ目は、1スライド1メッセージです。

1つのスライドに多くの情報を詰め込まれても、見ている側は結局何を伝えたいのかわかりません。

そこでスライドを作る際は、何を伝えたいのか要点を1つに絞りスライドに記載していきましょう。

グリッドを揃える

2つ目はグリッドを揃えましょう。

グリッドが揃っていないと、表が見づらく内容に集中することができません。

グリッドが揃っている

画像のように縦や横の幅、高さが均一になるよう意識しましょう。

グリッドを揃える方法は、表示>ルーラー・グリッド線・ガイドにチェックを入れると揃えることができます。

グリッドの揃え方

このようにしてグリッドを揃えていきましょう。

装飾を整える

3つ目は装飾を整えましょう。

スライド内でオレンジ、グレー、黒と不必要に色が使われてしまうと、どこを協調したいのか分かりづらくなります。

そのため強調したい場合は1箇所だけオレンジ、他はグレーで統一するなど装飾を整えると資料が見やすくなります。

基本的に色は黒、グレー、プラスで1~2色までとすると綺麗なスライドだと印象を持たれやすくなります。


提出前の最終チェックリスト

最後にチェックリストを使って、提案資料に不備がないか確認しましょう。

不備があると仕事も雑そうだというイメージを持たれ、信用を失ってしまいます。

実際クライアントの企業名、サービス名を間違え「今日は提案しなくていいよ」と商談を断られた事例もあります。

この事例のようなミスを犯さないよう、しっかりチェックしましょう。

項目確認
誤字脱字はないか
フォントのサイズ、色は揃っているか
グリッド線は揃っているか
与件整理は妥当か
根拠はあるか
第三者が見ても分かる内容か

まとめ

ここまでは、ネット広告の提案資料の作り方について解説しました。

受注する提案資料とは「断る理由がない提案資料」です。

そのために必要な条件は以下の通りです。

  • 正しい課題設定ができている
  • 他の代理店と比較した際に優位性がある
  • 数ある選択肢の中から、最善の施策が選択されている
  • 期間内での効果の予測が立てられている
  • 期想定されるリスクとその対策が提示できている

事前ヒアリングを行い、上記の条件を守った提案資料を作成しましょう。

そうすれば大型受注も可能になります。

是非、本記事を参考にしていただき、あなたの提案資料がより良いものになれば幸いです。


提案資料の作り方に関するよくあるご質問

提案資料の作り方でお悩みの方に役立つQ&Aをまとめています。

Q.提案資料の構成を決める際に考慮すべきポイントは?

A.提案資料の構成は、読み手が情報を理解しやすい順序で配置することが重要です。通常、問題提起、解決策、具体的な施策、期待される成果、コストの順で進めると効果的です。

Q.提案資料で効果的なビジュアル要素の活用方法は?

A.グラフやチャートなどを用いることで、複雑な情報を視覚的に分かりやすく伝えることができます。また、適切なアイコンや色使いを取り入れることで、資料の見栄えが向上し、内容を強調することが可能です。

Q.提案資料におけるプレゼンテーションスライドの枚数の目安は?

A.プレゼンテーションのスライドは、20分につき5~10枚が目安です。内容が濃縮され、時間内に収められるように配慮し、重要なポイントを端的に伝えることが求められます。

Q.提案資料における説得力を高めるためのデータ活用方法は?

A.信頼性の高いデータや具体的な事例を使用することで、提案の説得力が増します。データの出典を明記し、できるだけ最新の情報を使用することが重要です。

Q.提案資料を作成する際に避けるべき誤りは?

A.資料が過度に詳細すぎると、主旨が伝わりにくくなるため、情報を簡潔にまとめることが重要です。また、視覚的な一貫性がないデザインや、不適切なフォント選びも避けるべきです。

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