【広告代理店向け】ネット広告の商談前に準備しておくべきこと

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商談の成否は事前の準備で決まります。これはネット広告の世界でも同様です。

※広告会社向け:テレビCMの提案方法

しかし、忙しくて準備の時間が十分に取れなかったり、そもそもどんなことを準備すべきかあいまいなまま商談に臨んではいないでしょうか。

本記事では、ネット広告の商談前に準備しておくべきこと、またよくある間違った準備方法もあわせて解説します。

商談に臨む前に、一度この記事に目を通して準備が万端か確認するようにしてください。

商談前のアポイントメントの取り方についてはこちらで解説しています。
参考:商談につながる!ネット広告代理店の必勝テレアポ術

※本記事はデジタルマーケティングのeラーニングサービス「ジッセン!オンライン」の講座を参考に執筆しております。

この記事のご覧の方には代理店で二次代行を探している方もいるのではないでしょうか。
代理店なら、運用やレポート・シミュレーション作成などを委託できます。積極的に活用し戦略立案・設計にリソースを寄せることをお勧めします。

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なぜ商談前の準備が重要なのか

まずは、なぜ商談前の準備が重要なのかを改めて考えてみましょう。

サーブコープジャパン株式会社がビジネスパーソン300名に行った調査によれば、十分な準備ができているときと準備不足の時では、勝率に50%もの差が開いているということです。

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引用:【営業300人に聞きました!】プレゼンや商談の勝率は、事前準備で決まる!準備を十分に行う人の7割が成功と回答|SERVCORP BLOG

準備が出来ていれば商談が上手くいくというのは当たり前に思えるかもしれませんが、数字に表すと準備せずに商談に望むという選択肢は考えられません。

また良い商談というのは、目的達成に向けて準備した情報を活用しながら、商談がスムーズに進むようにコントロールできている状態です。

逆に悪い商談は、先方にペースを握られてしまい、目的達成のための商談ができていない状態です。

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コントロールというと聞こえが悪く感じるかもしれませんが、商談は双方がそれぞれの思惑を持って臨んでいます。

場当たり的に商談に臨めば、どうしても相手の進めたい話の流れになってしまいます。

そのため、事前に商談の目的を定めて、その目的を達成するにはどういうふうに話を進めていけばいいのか、また相手がどんな返しをしてくるのかを考えておく必要があります。


これで大丈夫!商談に向けた準備の方法

商談前の準備の重要性を理解した上で、事前準備の方法を解説していきます。

1.目的を定める

まずは商談の目的を定めましょう

商談を進めていると、進めたい方向から話が逸れていくことはよくあります。目的を定めずに漫然と商談に臨むと、そうした寄り道に多くの時間を使ってしまい、発注という最終ゴールに到達できずに終わってしまいます。

何のための商談なのか、ゴールはどこなのかを意識しながら商談をする必要があります。

また設定しておく目的ですが、最高の望ましい目的から、最低限達成しておきたい目的まで3つほど用意しておくと良いでしょう。

  • MAX:目的としていた内容の全ての商談成立(例:発注をいただく)
  • Good:目的としていた内容の一部の商談成立(例:一部内容のみ発注いただく)
  • MIN:最低限の目的達成(例:次回の提案機会をいただく)

提案する内容全てが成立することがベストですが、話を進めていく中で全ては厳しいとなることはよくあります。

事前にこれだけは達成しておきたいという最低ラインを設けておけば、そうなったときにも商談の進め方に迷うことが無くなります。

2.目的を達成するための材料を収集する

次にその目的を達成するための材料を収集しましょう。

例えば以下の内容を調べて整理します。

  • 先方のビジネス環境
  • 競合情報
  • 業界のトレンドやニュース
  • Webサイト(使い勝手やタグの設定状況)

いわゆる3C分析(自社、競合、市場)を行うことになりますが、厳密にやると時間が掛かりすぎるため、上記のような内容に絞って実施するのが良いでしょう。

詳細は次章「ネット広告の商談前に調べておくべきこと」で詳しく解説します。

3.目的達成のためのシナリオを考える

集めた材料をどう組み合わせて、達成したい目的までもっていくかのシナリオを考えます。

先方の課題に沿った王道のシナリオはもちろん、ネガティブな反応を想定してそれに対する切り返しのトークも考えておきましょう。

例えば競合のネット広告の実施状況を材料として提案する場合、よそはよそと言われる可能性はあります。

そうしたときには競合の成功事例を見せて、どれだけ機会損失をしているのか、今から取り組めばどれだけの売上インパクトがあるのかを、事例を通じて認識してもらいます。

このように、最終的なゴールに到達するためのシナリオを複数用意し、そのシナリオ通りいかないとしたらどういう状況かもあわせて考えておきましょう。

4.話さないことを決める

最後に、用意した材料の中で話さないことを決めておきましょう

せっかく調べたので、心理的にあれもこれも話したくなってしまいますが、目的達成のためには言わない方がいいこともたくさんあります。

目的を定め、それを達成するためのシナリオを考える。そのシナリオに不要な材料は話さない。

こうすることで、余計な寄り道をすることがなくなり目的達成の可能性が高まります。

また目的と関係ないアイスブレイクもやめたほうがいいです

アイスブレイクも目的達成のための手段の一つとして捉え、業界のニュースなど必要なアイスブレイクをするように心掛けましょう。


ネット広告の商談前に調べておくべきこと

ネット広告の商談前に必須で調べておくべきこととして、以下の6つはまずおさえておきたいです。

  • 先方のビジネス環境
  • 競合情報
  • 業界のトレンドやニュース
  • Webサイト(使い勝手やタグの設定状況)
  • 配信可能なターゲティング
  • 想定の費用感

先方のビジネス環境

まず先方のビジネス環境がどうなっているのかは確認しておきましょう。

Webサイトの企業情報や決算情報を見て、先方のビジネスモデルがどのようなものか、客単価がどのぐらいなのか、利益率はどのぐらいなのかといった情報を収集します。

また扱っている商品・サービスについても確認しましょう。

競合他社と比べてどういう強みがあるのか。市場ではどのような評価を得ているのか。

可能なのであれば、実際に購買して体験してみるのも良いでしょう。ユーザー目線でのお話ができれば、提案内容の質が一つ上がります。

競合情報

次に競合情報についても同様に調べましょう。

Webサイトやニュースを確認し、新規参入業者がいるのかなど、ビジネスの外部環境を把握することはとても大事です。

またリスティング広告であれば、関連ワードで検索することで競合の出稿状況が確認できます。

Facebook広告であれば、広告ライブラリという実際に出稿されている広告クリエイティブを確認できるツールが用意されています。

このようなツールを確認して、競合の広告出稿状況を確認出来ます。

参考:広告ライブラリ|Facebook

業界のトレンドやニュース

商談相手の業界のトレンドやニュースも確認しておけると、商談の際の話のネタに活用出来ます。

特に2021年現在、新型コロナウイルスの影響によって業界の状況が大きく異なっています。

参考:新型コロナウイルスによる企業業績への影響調査(2020年度4-12月期決算速報)|帝国データバンク

業界分析の重要性がより増しているといえます。

他にも、SPEEDAなどの市場分析サービスを利用するのも手でしょう。

Webサイト(使い勝手やタグの設定状況)

先方のWebサイトの商品が見やすいのか、購入しやすいのかなどの使い勝手も確認しておきましょう。

競合サイトとも比較し、優れている点と劣っている点を抽出し、できれば改善点まで用意できると良いです。

またネット広告の場合、Webサイトのソースを見てタグの実装状況をチェックしておくと、先方のネット広告の実施状況がかなり見えてきます。

Ghosteryというブラウザ拡張機能を使えば、設定している広告関連のタグやアクセス解析のタグの種類、ソーシャルプラグインの導入状況もわかります。

タグがなければネット広告を実施していないということになりますし、タグマネージャーを使わず直接記述しているようであれば、あまりリテラシーは高くないのではと推察できます。

ソースの記述次第では、現在委託している代理店が分かることもあります。

こうしたところまでWebサイトを深く見ておきましょう。

配信可能なターゲティング

媒体ごとの配信可能なターゲティングを調べておきましょう。

例えば富裕層向けの商材の場合、Google広告であれば推定ではありますが世帯収入によるターゲティングが可能です。

このように、先方の商材に合ったターゲティングが何で、どの媒体で可能かは事前に調べる必要があります。

リスティング広告の場合は、設定するキーワードが一番のターゲティング方法となります。

仮に提案前のヒアリングのアポだったとしても、事前にどういったキーワードに対し配信するのかを考えてみて、それらでどういう競合がどんな広告文で配信しているのか確認しましょう。

想定の費用感

実際の提案の際はもちろん、ヒアリングのアポの場合でもどれくらいの費用になりそうかは事前に算出しておくべきです。

リスティング広告であればGoogleキーワードプランナー、Youtube広告であればリーチプランナーを使えば、大まかな配信ボリュームやクリック単価が確認できます。

Facebook広告であれば実際に管理画面にターゲティングを設定してみることで、どれくらいの配信ボリュームになりそうかが確認できます。

あとは過去の自社内での配信実績などを基に計算することで、ざっくりとでも想定の費用が算出できます。

このような、仮で配信してみた場合の想定結果を算出することを、広告シミュレーションといいます。

広告シミュレーションについては下記で詳しく解説しています。
参考:広告運用者必見!意外と簡単な広告シミュレーションの考え方・作り方


よくある間違った準備

ここまで商談前の準備の方法をご説明してきましたが、最後によくある間違った準備についてお話します。

筆者の経験上、間違った商談準備として以下の3つのケースがよく見られます。

  • 先方のニーズを把握していない提案資料
  • 他社への提案資料の焼き直し
  • プロダクト起点の提案

先方のニーズを把握していない提案資料

先方がどういうニーズを抱えているのかを把握せずに、提案資料を準備してしまうケースです。

提案先の企業のニーズを把握せず、前提の与件が間違っていれば、提案資料の準備にかかった時間やリソースがすべて無駄になってしまいます。

Webマーケティングの場合であれば、大きく「集客・接客・追客」のどれに課題があるのかを把握する必要があります。

集客に課題があるのであれば、どうWeb広告を活用して集客をするのかを提案する必要がありますし、接客に課題があるのであればWebサイトの改善策をメインにした方が良いでしょう。

集客に課題を感じているわけでないのに、新たにYoutube広告をやりましょうなどと提案しても、ニーズ=求めている提案ではないので受注するのは難しくなります。

こうした齟齬を防ぐためには、事前の先方へのヒアリングが重要です

電話やメールでヒアリングしたり、初回のアポをヒアリングの場として設定して、ニーズを確認すると良いでしょう。

ヒアリングの詳細な方法や項目については、下記で詳しく解説しています。
参考:Web広告代理店10年の営業マンに聞いた!Web広告営業を成功に導く事前準備

他社への焼き直し提案資料

他社へ提案する際に作成した資料の、焼き直し資料を準備してしまうケースです。

先方の置かれている環境や成長フェーズによって、提案内容は全く異なってきます。他社用に作った資料をそのまま流用するのはやめましょう。

ただし、事業規模や業界、成長フェーズごとに施策を整理し、提案資料のテンプレートを用意しておくことは、業務効率の改善につながるので有用です。

あとは、競合に提案したものの焼き直しを持っていくのも避けるべきです。置かれている環境や成長フェーズによって提案もまったく違ってきます。

プロダクト起点の提案

プロダクト起点で提案を考えてしまうケースです。

先方が求めているのは、あくまで成果です。新しい広告プロダクトの情報は欲していますが、自社の課題を解決するためのソリューションでなければ意味がありません。

最新の広告メニューをやれば必ず結果につながるわけではないですし、競合が出していないところに出せば上手くいくかというと、まったくそんなことはありません。

起点とすべきは顧客課題です。


まとめ

商談前の準備の有無とその質により、商談の成否は大きく左右されます。

商談前の準備は、以下の4つのステップを踏んでいきましょう。

1.目的を定める
2.目的を達成するための材料を収集する
3.目的達成のためのシナリオを考える
4.話さないことを決める

またネット広告の商談前には、以下のことは調べておきましょう。

・先方のビジネス環境
・競合情報
・業界のトレンドやニュース
・Webサイト(使い勝手やタグの設定状況)
・配信可能なターゲティング
・想定の費用感

商談の準備で一番大事なのは、顧客の課題起点で行うことです。
そのためには、事前にヒアリングをしておかなければなりません。

ヒアリングも含めて事前の準備と考え、商談に備えるようにしてください。

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