営業力が低い3つの要因と強化するために組織が取り入れるべき4つの施策

売上を伸ばしていくには、営業部門全体の営業力の強化が必要です。

しかし、営業力ってどうやって伸ばしていくの……?とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

営業力を強化するにあたって、営業マン個人のスキルアップに着目してしまうことが多いですが、それ以上に組織としての営業方針や体制の見直しが重要です。

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営業力を強化するには「顧客ニーズの把握」「業務効率の見直し」「社内体制の整備」の3点を意識しましょう。

この記事では、営業力が低い3つの原因について解説したうえで、実際に組織の営業力を強化する6つのポイントや取り入れるべきツールを紹介しています。


営業力が低い3つの原因

組織の営業力が低い主な原因として、以下の3つが挙げられます。

  • 顧客のニーズを理解できていない
  • 営業効率が悪い
  • 情報共有の社内体制が整備されていない

顧客のニーズを理解していない

顧客ニーズを正確に理解していない企業は、顧客の興味を引く提案ができず、成果につながりにくいです。

ネットが普及する以前は情報を得ることが難しく、営業担当者は商品知識・魅力を伝えるだけでも、商材さえよければ受注が取れていました。

しかしネットが普及した現代では情報を簡単に取得できるため、他社商品と比較を容易に行えるようになり、単に商品を売り込むだけでは受注が難しくなっています。

現代では商品の売り込みや上手なトークだけではなく、多様化された顧客ニーズに合わせた提案を行うなどして、「顧客に価値を提供する」ことが求められています。

自社商品を選んでもらうためには、顧客自身すら知らない課題を発見できるほどのニーズ理解が必要になります。

顧客のニーズを理解できていないと、顧客が求めていない商品を提案したり、購買意欲の高い顧客を見逃したりと機会損失を生んでしまう可能性があるのです。

営業効率が悪い

業務効率の悪い企業は、成果を上げるための業務だけに集中できていないため、営業力が低いです。

無駄な事務作業や既存システムの入力に時間がかかっており、本来重点をおくべき商談やニーズ調査などの売り上げに繋がる業務にリソースを割けていないからです。

売り上げに繋がらない事務作業や使いずらい既存システムを使い続けている様では生産性が下がる一方です。

コア業務に集中できる環境を作れていない企業は営業力が低く傾向にあります。

情報共有の社内体制が整備されていない

社内体制が整っておらず、営業チームとしての連携がとれていない組織は営業力が低いです。

ナレッジや情報共有の体制が整っていないため、優秀な営業担当者ありきの営業になってしまいます。

成果につながる貴重なノウハウを共有する体制が整っていなければ、営業の属人化が進んでいく一方です。

エースに依存した営業力はもろく、「優秀な営業マンがいなくなったとたんで売上が下がってしまった」なんてこともよくあります。

顧客に関する情報や営業に関するナレッジがチーム内で共有できている状態が営業力の強化には必要です。


営業力を強化するために開始すべき4つの施策

組織全体の営業力を強化していくには、以下の4つを実践することから始めてください。

  • 顧客へのヒアリングを通してニーズを把握する
  • 情報を共有・管理し、属人化しない営業体制を作る
  • 社内でナレッジを共有し合う体制を作る
  • ノンコア業務を削減する

顧客へのヒアリングを通してニーズを把握する

顧客にヒアリングを行い、顧客自身が明確にできていない悩みを見つけるようにコミュニケーションを取りましょう。

顧客の隠れた悩みを解決するためのヒアリングを行うことで、失注したとしても顧客の業界のニーズを知ることができます。

現在の営業では「顧客自身が明確化できていないニーズ」を知ることがとにかく重要です。顧客の悩みを明確にしてあげることで、信頼を獲得でき提案が通りやすくなります。

情報を共有・管理し、属人化しない営業体制を作る

営業担当ごとに顧客情報を共有しておけば、案件の進捗状況やそれぞれの活動スケジュールを把握できるようになり、再現性のある営業活動が実現できるようになります。

優秀な営業マンであれば顧客の状況を観察し、タイミングごとに提案内容を変えているかもしれませんが、営業マンの能力に依存しており、再現性がある営業体制とは言えません。

また単純にその担当が退職などでいなくなったときに、引継ぎに時間がかかったり、すぐにフォローできない体制は避ける必要があります。

上司が部下の進捗状況や活動スケジュールからアドバイスできるようになるので、担当者の営業スキルの向上にも期待できます。

顧客情報の共有方法については外出先でも確認できるようにオンライン上で管理できるものが望ましいです。

社内でナレッジを共有し合う体制を作る

社内でナレッジの共有が行われることは、再現性のある営業活動の実現につながります。

成功事例を社内で共有すれば、鮮度の高い情報を全社員が受け取れることになり、すぐに営業現場で実践できる様になります。失敗事例を共有すれば、同じミスを起こさないよう注意を促すことも可能です。

また、優秀な営業マンのトークを録音してそれを社内で共有できると部下・後輩の育成を効率的に行えます

ナレッジの共有方法ですが、オンライン上で保存できるツールがおすすめです。

オンライン上でナレッジを保存していれば、後々確認したい時にいつでも見れるので便利です。リンクを共有すれば誰でも閲覧可能なスプレッドシートやナレッジ共有専用のマネジメントツールがあります。

ノンコア業務を削減する

営業活動におけるノンコア業務は積極的に削減していき、社内リソースを開放していきましょう

ノンコア業務にかかりきりで、顧客とのコミュニケーションや営業スキルの向上に時間を使えないのは本末転倒です。

以下のような業務にかかる時間は、ツールや営業代行会社を使うことで削減可能です。

  • 提案書・見積書の作成
  • 報告書・日報の作成
  • 営業リストの作成
  • 社内会議の参加

営業力強化に使える4つのツール

営業効率の改善や情報共有の体制構築にはツールを活用しましょう。

営業の効率化につながるツールとして以下の4つが挙げられます。

  • SFAツール
  • CRMツール
  • BIツール
  • ナレッジマネジメントツール

SFAツール

SFAツールとは、営業支援システムのことで、営業業務の効率化を図れるツールです。

1つのツールで営業担当ごとの日報やスケジュール管理、行動管理や顧客管理といった機能を利用できます。

SFAを導入すれば、営業活動の報告にかかる時間の短縮や、案件対応状況をリアルタイムで共有できます。

SFAツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

参考:代表的なSFAツール9選!各営業支援システムの機能・価格・特徴を徹底比較

CRMツール

CRMツールとは、顧客情報を収集・分析し、顧客ごとに最適なアプローチを提案してくれるツールです。

顧客情報を入力するだけで顧客を分析し、顧客の属性に応じて最適なアプローチ方法を提案してくれます。

営業現場で活用すれば、CRMで顧客情報を集約できるので、情報を共有しやすくなります。顧客分析も自動的に行ってくれて、顧客が興味を示しやすいアプローチ方法も提案してくれます。

CRMツールについてはこちらで詳しく解説しています。

参考:【2021年版】CRMツールおすすめ74選の特徴と価格を徹底比較!選び方も丁寧に解説

BIツール

BI(Business Intelligence)ツールとは、営業に関わるデータを分析し、売上予測や顧客別の利益率の計算、計算後の資料作成をワンクリックで行えるツールです。

経営の意思決定に関わるような数値分析が自動で行えるだけでなく、資料作成も簡単にできるので業務効率化にも役立ちます。

BIツールについてはこちらで詳しく解説しています。

参考:【2021年版】BIツール厳選31選を徹底比較!絶対失敗しない選び方のポイントまで解説

ナレッジマネジメントツール

ナレッジマネジメントツールとは、担当者自身が持っている知識や経験といった独自のノウハウを収集・整理・活用できるツールです。

  • ナレッジの検索
  • 顧客管理ができる機能
  • 参加者同士でコミュニケーションが取れる機能

ツールによって使える機能が違いますが、ノウハウを収集・整理・活用できる機能は標準機能として備わっています。

ナレッジマネジメントツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

参考:おすすめナレッジマネジメントツール44選!導入メリットや比較ポイントをまとめて紹介


まとめ

営業力の低い主な要因は、「顧客のニーズを理解していない」「営業効率が悪い」「社内体制が整っていない」があります。

原因を踏まえ、営業力を強化するには以下の4つの施策を実践しましょう。

  • 顧客へのヒアリングを通してニーズを把握する
  • 情報を共有・管理し、属人化しない営業体制を作る
  • 社内でナレッジを共有し合う体制を作る
  • ノンコア業務を削減する

社内情報の共有・管理や業務効率化にはSFAやCRMをはじめとしたツールの利用をおすすめします。