新規事業に積極的にリソースを投入して早期に事業を軌道に乗せたい、営業力を強化して今伸び悩んでいる自社の商品やサービスの売上を伸ばしたいなど課題は多いのに、割り当てられる営業担当者がいないという悩みをお持ちの組織も多いでしょう。人材については全て自社でまかなうのではなく、外部に委託する方法もあります。
営業アウトソーシングサービスを活用することで、自社に不足している営業リソースを外部から補うことが可能です。社外に営業力の補完を求めるサービスでは、営業アウトソーシングの他「営業代行」(参考:営業代行とは?営業代行会社を選ぶ3つのポイントとオススメ厳選6社 )もあります。
この記事では営業アウトソーシングとは何か、そのメリット・デメリットについて解説します。さらに「営業アウトソーシングサービス目的別9選」を紹介し、サービスを利用する上で知っておきたいポイントも解説します。ぜひ自社に合ったサービスはないか検討してください。
目次
営業アウトソーシングとは?
営業アウトソーシングは、営業部隊を自社の外に置く外部委託サービスのひとつです。サービスを受ける企業は、自社の営業業務全般を外部委託する状態となります。
この業務は、クライアントから依頼されたとおりに決まった範囲の営業活動を行うだけにとどまりません。営業活動で得られた知見をもとに、様々な前向きの提案を行うという特徴があります。いわばマーケティングの視点を持った営業で、クライアントの経営の根幹に寄り添ったサービスといえます。
営業アウトソーシングのメリット・デメリット
営業アウトソーシングサービスを利用した場合のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
メリット
営業アウトソーシングサービスを活用するメリットには次のようなものがあります。
営業コストを削減できる
新人の採用と育成には手間と費用がかかり、備品なども新たに用意しなくてはなりません。営業アウトソーシングの利用により、必要時のみ営業力を強化できます。組織をスリム化でき、人員配置の最適化につながります。
競争力の強化につながる
人材の育成には時間がかかります。特に変化が早い業界では臨機応変な対応が求められます。営業アウトソーシングを活用することで、ここぞというときに営業力を手厚くすることができ、競争力の強化につながります。
営業のプロである
営業アウトソーシングのメンバーは営業に精通したプロです。よって、自社の営業スキル不足や商品・サービスの売り上げの伸び悩みなど、組織が抱える課題を解決してくれる可能性があります。
新規顧客の開拓ができる
営業アウトソーシングの活用は、自社だけでは開拓できなかった企業へのアプローチの可能性を高めます。これまで入り込むことができなかった新規顧客の獲得も期待できるでしょう。
デメリット
営業アウトソーシングサービスを活用した場合に得られるのはメリットだけではありません。起こりうるデメリットについて説明します。
営業活動の詳細を把握できない
委託先から営業報告はあっても、実態を全て把握することは難しいです。成果を出すために強引な営業を行う代行会社も存在するため、取引先や顧客の信用をなくさないよう、代行会社を選ぶときは注意しましょう。
代行会社に依存しすぎてしまい、自社で人が育たない
売り上げが伸びても、自社のノウハウの蓄積にはなりません。委託先に依存しすぎると自前の人材が育たず、自社の営業力は弱いままになってしまいます。
一方で営業代行会社の中には、営業代行をしながら自社の営業体制の構築支援をしてれくる企業もあります。そのような企業を使えば営業リソースをスピーディに確保しながら、営業ノウハウのストックと営業体制の構築ができます。
情報流出の可能性
自社の顧客情報や商品情報を委託先に渡すことになるため、委託先の取扱いが適切でない場合には情報流出の危険性があります。事前に機密保持契約書を交わし、委託先社内の情報管理体制も確認しておく必要があります。
アウトソーシングを導入する際の注意点
アウトソーシングサービス導入にあたって気をつけるべき点があります。まず、提供企業に依頼すれば、すぐに課題が解決するとは限らないということです。イメージだけで依頼しても成果にはつながりません。
外部のアウトソーシング先に依頼する前に、営業上のどんな課題を解決したいかを明確にしておきましょう。課題を明確にした上で、細かいタスクに落とし込み、何をいつまでに達成するのかといった目標を共有することが必要です。やるべきことを明確にし、目標を共有した上で仕組み化されるので、安定して稼働するまでにきめ細かいコミュニケーションを維持していく必要があります。
営業アウトソーシングを成功させるためのポイント
営業アウトソーシングは依頼すれば必ず成果が出るというものではありません。成功させるために大事なポイントを解説します。
自社の課題を整理する
営業アウトソーシングサービスを利用する前に、まずは自社の営業のどの部分が問題なのか課題を明確にする必要があります。
- 不足しているリソースは何か
- 新規案件の獲得が少ないのか、クロージングで失敗しているのか
- 獲得した顧客の維持ができていないのか
など、自社の弱い部分を把握・整理した上で必要な部分を強化するために利用する、という視点が重要です。
費用対効果を検証する
価格だけで依頼先を決定することはおすすめしません。判断基準になるのは以下の指標です。
- 新規見込み客創出費用
- 見込み顧客との商談費用
- 顧客からの契約獲得費用
- 獲得した顧客1人あたりの利益
自社営業における各指標の数値を把握し、強化すべきポイントを明らかにした上で、最も費用対効果の高い会社を選ぶようにしましょう。
契約形態を確認する
営業アウトソーシングには「成果報酬型」と「固定報酬型」があります。固定報酬型の多くは業務委託契約で、設定した目標を達成できなくても契約時に決めた費用を支払う必要があります。成果報酬型では成果が上がるまでは費用を払う必要はありませんが、営業プロセスが見えないケースの方が多いと考えた方が良いでしょう。
後悔しないために、見積もりの検討、契約段階でどのようなサービスが含まれているのか、きちんとチェックしておくことが必要です。
おすすめの営業アウトソーシングサービス紹介
営業アウトソーシング戦略を成功させるためにはアウトソーシング先選びが大切です。ここでは「法人営業の実績が豊富」「個人向け営業も対応可能」「業界に特化した営業」それぞれの特徴別に、おすすめのサービスを紹介します。
なお、重要度を客観化するために既存の営業アウトソーシングサービスを紹介した4サイトを調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よく良質な営業アウトソーシングサービスを探すことができます。
※出現頻度が同数の場合は、アルファベット順に掲載しています。日本語名については、ローマ字表記で判断しています。
法人営業の実績が豊富な営業アウトソーシングサービス【3選】
CEREBRIX
特徴
CEREBRIXは過去に支援した総数1万2,000サービス以上と実績豊富な営業アウトソーシングサービスで、以下のような強みを持っています。
- 支援数が多いため営業ノウハウが豊富
- 営業人材育成についてもノウハウを持っている
- 独自の営業ツールや営業システムを持っている
料金
月額60万円からの固定報酬型が基本です。
成果報酬型を希望する場合は、「固定費+成果報酬費」といった、部分的に成果報酬の形のみ相談可能です。
株式会社エグゼクティブ
特徴
エグゼクティブは法人営業専門の営業アウトソーシングサービスです。相談から2週間で営業活動がスタートできるなどスピーディーな実行力が持ち味です。
- キーパーソンとのアポイントメント獲得
- Web集客請負
- 新規見込み顧客獲得や獲得した見込み顧客の育成
- 営業活動を一括でまかせられる
- 営業所レンタルサービス
料金
1か月単位の成功報酬型です。
アイランド・ブレイン
特徴
アイランド・ブレインの特徴はサービスを新規見込み顧客の獲得に特化していることです。営業先は法人限定となります。アイランド・ブレインの強みは以下のとおりです。
- 累計75,000件以上の商談実績
- 完全成果報酬型で追加費用が必要ない
- 専門チーム体制で取り組む
- わかりやすく明朗な料金体系
料金
成功報酬型です。
新規見込み顧客との商談1件あたり16,500円(税抜)と明朗で比較的手頃な料金体型となっています。
個人向け営業も対応可能な営業アウトソーシングサービス【3選】
完全成果報酬
特徴
株式会社完全成果報酬の特徴は社名のとおり、成果報酬型で営業アウトソーシングサービスを提供することです。営業先は法人に限りません。
- 完全成果報酬型で初期費用は0円
- BtoBだけでなくBtoCにも対応する
- マーケティングに関わる内容もオプションサービスで対応する
- テレアポによる見込み顧客獲得と獲得した顧客への訪問営業を代行する
料金
成功報酬型です。アポイント1件あたり15,000円〜など導入しやすい料金です。
ビズコール
特徴
ビズコールは電話によるアポイント獲得を代行するサービスを提供しています。
- テレアポ代行の実績が長くノウハウを蓄積している
- 700万件を超えるターゲットリストを保有している
- アポイントが取れるまで架電を続けるアポイント補償制度あり
- アポイント率は2〜10%
料金
固定報酬型です。
1コールあたり99円と、同業他社に比べて導入しやすい料金です。
エフテック
特徴
エフテックの営業アウトソーシングサービスの特徴は個人向けのBtoCサービスに特化していることです。
- 近畿地区を対象にサービスを展開
- 個人向けに営業業務・販売業務を代行
- 営業所出店のコストを削減できる
- 営業所代行のレンタルオフィスサービス
- バックオフィス業務をアウトソーシングできる
料金
固定報酬型です。業務委託費として月額固定の料金制をとっています。
業界に特化した営業アウトソーシングサービス提供会社【3選】
ビーモーション
特徴
ビーモーションは家電量販分野に特化した営業アウトソーシングサービスを提供しています。法人向けのBtoB営業代行の他、店舗での販売代行サービスを展開しています。
- 家電分野に特化したサービス
- BtoB、BtoCどちらも対応
- 小売店での販売代行を行う
- 販売支援だけでなく売り場の確保、シェア拡大
料金
固定報酬型です。詳細についてはお問い合わせ下さい。
エグゼメディカル
特徴
エグゼメディカルは医療業界に特化した営業アウトソーシングサービスです。医療機関向けへの新規営業やニーズ調査に強みを発揮します。
- 医療業界に特化したサービス
- 医療機関
- 医療業界分野での業務実績10年
- 経験に基づく営業ノウハウとスキル
料金
固定報酬型です。詳細についてはお問い合わせ下さい。
EBA
特徴
EBAはIT分野に特化した営業アウトソーシングサービスです。クライアントの提供するWEBサービスを営業代行します。
- IT分野に特化したサービス
- クライアントのWEBサービスを営業代行する
- システム制作、ソフト・アプリ販売、SEO対策、ECサイト代理運営、ショッピングカート販売、アフィリエイト広告といった商材を取り扱う
料金
固定報酬型です。詳細についてはお問い合わせ下さい。
営業のアウトソーシングに関するよくあるご質問
営業のアウトソーシングでお悩みの方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.営業アウトソーシングの適切なタイミングは?
A.営業アウトソーシングの適切なタイミングは、新規顧客開拓が急務である場合や、社内の営業リソースが不足しているときです。また、特定のターゲット市場に迅速にアクセスしたい場合も効果的です。
Q.営業アウトソーシングを依頼する際に重要な契約ポイントは?
A.契約ポイントには、業務範囲、成果目標、費用体系、解約条件、情報保護に関する取り決めなどが含まれます。特に、成果に対する評価基準を明確にすることが重要です。
Q.営業アウトソーシングはどのような業界で効果的ですか?
A.営業アウトソーシングは、IT、医療、金融、不動産、製造業など、特定のスキルやネットワークが必要な業界で効果的です。特に新規開拓が求められる業界で利用されています。
Q.営業アウトソーシングを選ぶ際に注意すべき点は?
A.信頼できる業者を選ぶことが重要です。特に、業者の実績、業界知識、契約内容、成果報酬の条件、コミュニケーションの頻度に注意し、慎重に選びましょう。
Q.営業アウトソーシングのリスク管理方法は?
A.情報流出のリスクを防ぐため、契約前に適切な情報保護契約を結び、業務範囲を明確にしておくことが重要です。また、外部パートナーと定期的なコミュニケーションを保ち、問題発生時に迅速に対応できる体制を整えましょう。
まとめ
すぐに営業力強化が必要なとき、営業アウトソーシングサービスという手段があることをご紹介しました。ただ、導入に当たっては、メリットとデメリットがあります。サービスを利用して成果を出すためには、正しい手順や注意すべきポイントを知っておかねばなりません。営業アウトソーシングサービス先選びで迷っている方はぜひ本記事の内容を参考にしてください。
参考にしたサイト一覧
営業アウトソーシングって、なに? | 株式会社Surpass(サーパス)| 女性営業アウトソーシング
今さら聞けない営業代行の基本、そのメリットとデメリットは?|テレマLab
営業代行サービスを利用するメリット・デメリット
営業代行のメリットとデメリット | アースマウンド
アウトソーシングとは何か?その3つのメリット | 【NOC】誰も知らない教えてくれないアウトソーシングBPO
営業代行会社を利用するメリット・デメリット|比較jp
知っておきたい!アウトソーシングでトラブルになりがちな10のパターン | 【NOC】誰も知らない教えてくれないアウトソーシングBPO
第92回 「営業アウトソーシング成功の5つのポイント」 | 知恵ぶくろ・べからず集 | 株式会社日本能率協会コンサルティング[JMAC]
» 【保存版】営業代行会社を選ぶ時に絶対に注意すべき6つのポイントタクセル-気合と根性・勘と経験の営業をデジタル大変革-
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