テレビCMの費用(料金)はいくらかかるのか?費用対効果についても解説

テレビCMに踏み切るべきかどうか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際にどれくらいの費用がかかり、どのような放映方法があるのかなどが分からず情報が漠然としていては、実施すべきか判断することは難しいでしょう。

本記事では、テレビCMにかかる料金の目安について、あらゆる場合を例に挙げて説明していきます。ぜひテレビCMを制作する上で参考にしてみてください。


テレビCMの費用は、放映費と制作費の合計

テレビCMにかかる費用は放送局に払う放映費と広告代理店に払う制作費を足した金額になります。

参考:ネット専業広告代理店、テレビCM提案本格化。DACが仕掛ける統合プランニング支援の全貌

以下で、テレビCMにかかる料金の目安をいくつか例をあげながら説明していきます。テレビCMの制作に踏み切るかを決める際に参考にしてください。

放送局合計放映費(1回あたり)制作費
東京キー局 制作あり145万円75万円70万円
関東関西独立局 制作あり80万円15万円70万円
ローカル局 制作あり73万円3万円70万円
東京キー局 制作なし90万円75万円15万円
関東関西独立局 制作なし30万円15万円15万円
ローカル局 制作なし18万円3万円15万円

参考: CM料の目安はいくら?|べんくり テレビCM|広告代理店|メディア価格がわかる『広告ダイレクト』

できるだけ低コストで始めたい場合

「とりあえず最初はできるだけ低いコストで始めてみたい」という方は、撮影なしで制作し、地方局で流すケースが考えられます。

その場合の目安としては、最低30万円で出稿可能です。 【内訳】 放映回数:約3~7回 制作費:約15万円(撮影がない15秒CMの制作費)

予算を抑えつつ、それなりの成果をあげたい場合

「依然としてコストは抑えながら、成果をあげたい」という方は、撮影ありで制作し、地方局で流しましょう。

その場合の目安としては、100~150万円で出稿可能です。 【内訳】 放映回数:約15~25回 制作費:約70万円(撮影ありの15秒CMの制作費)

予算をかけて大きな成果をあげたい場合

「コストをかける余裕はあるので、成果を重視したい」という方は、撮影ありで制作し、最大限の回数の認知獲得につながる回数を流しましょう。

その場合の目安としては、最低200~300万円で出稿可能です。 【内訳】 放映回数:約60~70回 制作費:約70万円(撮影ありの15秒CMの制作費)

(参考)局数の少ない地域では、およそ300万円で1,500GRP出せる

CM放映回数ごとの視聴率を足した数値をGRPといいますが、はっきりとしたCM効果を感じたい場合、GRPは1,500〜2,000程度を目指すのが理想です。クライアント様のGRP目標を達成するために必要な金額感もざっくりと算出することが可能です。

エリアによって1GRPあたりの費用(パーコスト)は大きく変わるので、地域ごとに各放送局へ見積もりをとり、費用感を算出します。例えば宮崎や徳島など局数の少ない地域ではかなり安く、およそ300万円で1,500GRPを出せるはずです。

参考:ネット専業広告代理店によるテレビCM提案のコツと、地方・中小企業の支援にも効果的なワケ | LISKUL


放映費の内訳

テレビCMにかかる費用の1つである放映費は、簡単にいうと以下のように決まります。

CM放映費用 = 各放送局のCM放映費用 × 視聴率

そして、細かい内訳としては「CMの種類」「CMの放送局」「番組の視聴率」の3つの軸によって決まります。それぞれについて、詳細にみていきましょう。

CMの種類がタイムCMなのか、スポットCMなのか

CMの放映費は、タイムCMかスポットCMかによって費用体系が変わります。

スポットCMとは

スポットCMは、番組は決めずおおよその時間帯だけを指定して、その時間内でランダムにCMを流す方法です。

スポットCMの料金体系は、先ほど述べた放送局と視聴率によって放映費が決まります。

タイムCMとは

タイムCMとは、特定の番組のスポンサーになり、その番組のCM枠で自社のCMを流す方法です。

タイムCMの放映費は、その番組でCMを流したいと考えるスポンサーの数によってさまざまです。そのため、必ずしも先ほどの式が当てはまるとは限りません。

どの放送局なのか

放映費はCMを流す放送局によって変わります。 今回は特に関東と関西の局に絞って料金の目安を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

関東の放送局

放送局名CM15秒1本あたりの放映費
日本テレビ750,000円〜1,000,000円
TBSテレビ750,000円〜1,000,000円
フジテレビ750,000円〜1,000,000円
テレビ朝日750,000円〜1,000,000円
テレビ東京250,000円〜500,000円
東京MXテレビ40,000円
テレビ神奈川40,000円
千葉テレビ35,000円
テレビ埼玉30,000円
とちぎテレビ25,000円
群馬テレビ25,000円

関西の放送局

放送局名CM15秒1本あたりの放映費
読売テレビ150,000円〜250,000円
毎日放送150,000円〜250,000円
関西テレビ150,000円〜250,000円
朝日放送150,000円〜250,000円
テレビ大阪35,000円
サンテレビ35,000円
KBS京都35,000円
びわ湖放送12,000円
奈良テレビ15,000円
テレビ和歌山15,000円

参考:テレビCM|広告代理店|メディア価格がわかる『広告ダイレクト』

視聴率がどれくらいなのか

CMの放映費は視聴率に比例します。

視聴率1%につきいくら(これをパーコストと言います)と決まっているのです。つまり、たくさんの人が目にしている広告であれば、CM料金も高くなるという傾向にあります。

なお、パーコストはどの時間帯でも同じというわけではありません。昼間の15時などは、そもそもテレビを見る人が少なく、主婦や高齢者に限られるのでパーコストは低めです。

それに対し、ゴールデンタイム(19時〜22時)はテレビを見る人が多く、特に働く世代が見ているのでパーコストは高くなります。


制作費の内訳

続いて、テレビCMにかかる費用のもう1つの内訳である制作費がどのように決まるかを、以下の3つの項目に分けて解説していきます。

企画費用

CMの内容を考えて企画する人をCMプランナーといい、この企画に対して支払うコストを企画費用といいます。

CMを制作するためには、まず決められた時間で自社のサービスをどのようにアピールするかを考えなくてはなりません。

CMの出来栄えは商品の売れ行きを左右します。世間に受け入れられるCMをつくるため、CMプランナーは重要な仕事を担うことになります。

企画費用の目安は以下の通りで、CMの時間によって異なります。

・15秒:3万円〜
・30秒:5万円〜
・30秒以上:10万円〜

参考:CM制作費の相場はいくらか|ぺんくり

撮影・編集費用

CMの企画内容を決めたら、次は実際に撮影しそれを編集する費用が発生します。

内訳としては、以下のとおりです。

撮影

撮影に必要な機材やロケ地にお金がかかります。

機材は基本的にレンタルが多く、ロケ地についてもスタジオを使用する場合には時間単位で使用料が発生します。

また、カメラマンや照明技師などの人件費も忘れてはいけません。人件費はカメラマンなどの技量次第で上下しますが、カメラアシスタントであれば1日15,000円〜20,000円と考えてよいでしょう。

編集

編集作業では、エディターやミキサーの他に編集スタジオの使用料もかかります。スタジオによってさまざまですが、1時間で50,000円ほどは必要になります。

参考:ズバリ、CM制作っていくらお金がかかるの!? – 発注者向けノウハウ

出演料

人気タレントの著名度を買って、自社のCMに出演してもらうことがあります。このときタレントに出演料を支払います。

出演料はタレントの人気度などによってピンキリなので一概には言えませんが、人気タレントになると、年間契約で4,000万円~、1クールの契約で2,000万~が目安となります。


テレビCMの費用対効果をどう考えるか

テレビCMからの成果は明確には分かりづらいです。なぜなら、テレビCMを見た人が本当にテレビCMの影響で商品やサービスを購入しているか、計測する術がないからです。

それではテレビCMの費用対効果はどのように考えるべきなのでしょうか。費用対効果の考え方と、実際の計測の方法を以下で解説していきます。

間接的効果を考えるのが重要

テレビCMなどのオフライン広告には、直接購入につながる画面などがありません。

テレビCMは、そもそも商品やサービスに興味を持ってもらう役割があるので、間接的効果を考えることが重要になってきます。

顧客が、商品の購入に至るまでの流れの一例をみてみましょう。 1)テレビCMを何度も見ているうちに商品に興味を持つ 2)ネットで検索してみる 3)気に入ったら購入する

このように、テレビCMをみて、購入にすぐ至るというよりは、複数の媒体をとおして購入に至るケースの方が多いと考えられます。そのため、テレビCMはWeb広告のように直接的な効果を捉えるではなく、購入のきっかけを作る間接的な効果をもたらすと考えましょう。

GRPをもとに効果測定できる

GRPとは、番組の平均視聴率(世帯視聴率)にCMの本数をかけた数値です。「延べ視聴率」とも言われます。

たとえば、平均視聴率15%の番組に2本のCMを流した場合は、30GRP( = 15 × 2 )となります。 GRPはテレビCMの露出量を示しており、高ければ高いほど世間の目に触れ、費用対効果も高くなると考えられます。

参考:データ・事例に見るテレビCMの広告効果|測定の方法・成功のポイント|LISKUL


まとめ

本記事をとおして、テレビCMの費用が、想像よりもかからないという印象を持った方も多いのではないでしょうか。

費用の内訳となる、放映費と制作費の金額の考え方は、覚えておきましょう。あわせて、テレビCMの費用対効果の考え方もマスターして、実際に出稿すべきかご検討してみてください。

参考にしたサイト

テレビCMの費用について|TVCM CM料の目安はいくら?|ぺんくり スポットCMを打つのに料金はいくらくらいかかる?|ぺんくり テレビCM|広告代理店|メディア価格がわかる『広告ダイレクト』 CM制作費の相場はいくらか|ぺんくり ズバリ、CM制作っていくらお金がかかるの!?|クラウドソーシング研究所 テレビCMの効果測定ってどうやるの?知っておきたいGRPとGAPとは|エビスマーケティングカレッジ

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