YouTube広告をスタートさせるべきか検討している方で「具体的に効果が見込めるのか分からない」と疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
YouTube広告は多くの潜在的な顧客を見つけ、認知を高めたい場合に効果的な動画広告です。
全世界で20億人を超える膨大な視聴者数や広告の種類、ターゲティングのバリエーションを活用すれば、マス広告のように多くの潜在的な顧客を見つけられるでしょう。
参考:ネット専業広告代理店によるテレビCM提案のコツと、地方・中小企業の支援にも効果的なワケ
さらに自社サイトやLPへのリンクの設置も可能なため、商品の購入検討まで、認知からさらに1歩踏み込んだユーザーの行動を促すこともできます。
ここでは、YouTube広告の具体的な5つの効果と成功事例、効果を出しやすい企業、成果を上げるための4つのポイントを紹介します。YouTube広告へ広告を出稿すべきか検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
YouTube広告の効果
YouTube広告の効果は、顧客に対して得られる効果と、広告費用に関する効果に分けられます。ここではそれぞれの効果について、詳しく解説します。
YouTube広告によって得られる顧客への3つの効果
まず、顧客に対し得られるYouTube広告の効果は、次の3つです。
- 自社ブランドの認知拡大が期待できる
- 潜在層にリーチでき新規顧客の獲得を促せる
- 製品サイトやLPへ誘導し購買やCVを促進させられる
自社ブランドの認知拡大が期待できる
繰り返し広告視聴が行われることで、ユーザーの記憶に自社ブランドが定着され、認知拡大が期待されます。
特にYouTubeは1日10億時間以上再生されており、日本における利用者数は1ヶ月当たり6,200万人(2018年12月時点)と、広告配信の対象となるユーザー数が圧倒的に多いことが特徴です。
さまざまな属性を持つユーザーへ広く商品やサービスを宣伝することで、自社ブランドの認知拡大が起きれば、その後のアクション次第で多くの見込み客を獲得できるでしょう。
さらに認知拡大効果を高める方法として、テレビCMとの併用があります。
瞬間的なアプローチが可能なテレビCMと、YouTube広告を組み合わせることで、長期の認知拡大が可能になります。詳しくは長期的に認知拡大効果を実感できる!テレビCM×YouTube広告の組み合わせ施策をご覧ください。
潜在層にリーチでき新規顧客の獲得を促せる
YouTube広告なら、まだ自社製品やサービスと接触のない、完全な潜在層へリーチできる可能性があります。その理由は、幅広い視聴者層です。公式ガイドブックによると、日本において18~44歳の年齢層だけでも、3,000万人以上の視聴者がいるとされます。
また、世界規模で見れば、YouTubeへログインして利用する視聴者は20億人と、多くのユーザーが利用しています。
YouTube広告を通じて、豊富な潜在層へリーチでき、新規顧客の獲得を促せるでしょう。
参考:youtubeguidebook2020.pdf (google.com)
製品サイトやLPへ誘導し購買やCVを促進させられる
YouTube広告では、認知を目的とした通常の広告と比較して、ユーザーに購買行動を想起させやすい配信を行えます。動画クリエイティブとして、広告の見出しやCTA(サイトへの誘導ボタン)を設定できるためです。
たとえば、動画広告の最後や途中で、商品に関するサイトやLPへ誘導するCTAを設置することで、動画が配信されたユーザーの、もっと内容を詳しく知りたい、という欲求を叶えられるでしょう。
また、YouTube広告を閲覧できるデバイスはスマートフォンやPC、タブレット、テレビなど豊富です。ユーザーが広告を閲覧する機会を日常のさまざまなタイミングで得られるため、認知を新たに得たユーザーの中から、さらに興味の高いユーザーを製品サイトやLPへ誘導でき、購買やCVの促進につなげられる可能性があります。
YouTube広告によって得られる費用面での2つの効果
TVCMに比べると、比較的安価に広告を出稿できるYouTube広告は、費用面でも次の2つの効果をもたらします。
- 広告動画がスキップされれば料金が発生せず費用対効果が高い
- ターゲティング機能が優秀で効果的な広告配信ができる
広告動画がスキップされれば料金が発生せず費用対効果が高い
YouTube広告は、限られた予算内でも、ユーザーに認知拡大を行いつつ、サイトへの誘導などさらに踏み込んだアクションを促せる可能性があります。1日1円から予算を設定できるため、テレビや新聞への出稿よりも費用を抑えやすいでしょう。
また広告タイプによっては、広告が一定時間閲覧されないと課金が発生しません。広告に興味がないユーザーは広告をスキップできるため、より広告の内容に興味があるユーザーに対し配信を行いつつ、リーチ獲得費用を抑えることができます。
ターゲティング機能が優秀で効果的な広告配信ができる
YouTube広告ではGoogleがもつ8つのプラットフォームのデータをもとに、次のようなターゲティングが行えます。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 趣味嗜好
- 行動習慣
- 指定したウェブサイトやアプリにアクセスしたことがあるユーザー
- 特定のキーワードをGoogleで検索しているユーザー
- 商品の価格検索やレビューサイトを閲覧しているユーザー
- これまで動画広告を視聴したことのあるユーザー
すでに自社の商品やサービスを好むユーザーの特徴がわかっていれば、より求める行動を起こしてくれるユーザーへ優先的に広告を配信できます。
1人あたりの獲得コストを下げながらCVや認知拡大といった目的達成を目指しやすくなるでしょう。
参考:youtubeguidebook2020.pdf (google.com)
YouTube広告で実際に成果を上げた事例
ここでは、YouTube広告で成果を上げた事例を基に、効果のあったクリエイティブが、どのような形で広告配信されていたのか解説します。
購買意欲の高い属性を持つ顧客に広告を配信し、売り上げ1億ドルを達成したマットレス販売企業の事例
高品質なマットレスを販売するTuft & Needleでは、初期費用が6,000ドルと限られている中で、購買意欲の高い潜在顧客を見つけ出したい、新規顧客を獲得したい、という課題がありました。
そこで、ウェブサイトへアクセスしたユーザーや不動産を探しているユーザー、また「マットレス」に関し検索をかけているユーザーをターゲットとして、動画広告の配信を行いました。
また、広告クリエイティブを制作する際は、30秒から長くても2分以内に納め、自社のマットレスと他社のマットレスを比較する動画で、商品の違いを潜在顧客に明確に打ち出す内容にしました。
その結果、6,000ドルで立ち上げた企業は、5年間で年間売上1億ドルを超えるまでに成長しています。またユーザー数も100万人を突破させることに成功しました。
参考:Tuft & Needle: 動画広告を活用してビジネスを拡大 – YouTube 広告
美容意識の高い視聴者層に広告を配信し、リーチを3倍に増やした製薬会社の事例
製薬会社大手であるエーザイ株式会社では、毛穴汚れを落とす化粧品の潜在顧客へのリーチに、課題を抱えていました。
ターゲット層である20~40代の女性が、従来CMを打ち出していたテレビよりも、ネットでより多くの動画を視聴するようになったためです。
そこでYouTube広告のオーディエンスターゲティングにより、特に美容意識の高い層を中心に動画配信を行いました。
広告配信により、ターゲット層へのリーチは8%増加、売上も前年同期より向上しました。さらにこの成果を利用し、ターゲット層に最適な動画素材をあらためて制作することで、より効果的な配信を模索しています。
その結果、ターゲット層へのリーチは最初のYouTube広告配信時よりも約3倍に増加しました。
また広告閲覧者が宣伝商品を検索する数は915%増加しています。ターゲット層に適した効率的な配信により、リーチ単価も6分の1以下に下げることに成功しました。
参考:チョコラBBプラス「桃子と桜子のチョコラBB物語」篇 – YouTube
YouTube広告で成果を出しやすい企業
YouTube広告で成果を出しやすい企業は、次の3つに当てはまる企業です。
- ファッションや美容に関連するサービス・商品を提供する企業
- 個人の趣味や興味が購買意欲を左右する車やスポーツ用品などをあつかう企業
ファッションや美容に関連するサービス・商品を提供する企業
YouTube広告は、新商品や新サービスに対し、より興味を持ちそうなユーザーへ情報を届けたい場合に効果が出やすくなりますやすいです。ターゲティングや配信方法によって、小さいが一定の市場規模をもつ消費者グループ(スモールマス)に対し、効果的に広告を配信できるためです。
実際の事例として、ある化粧品メーカーでは、新商品の発売時にテレビCMではなくYouTube広告を活用し、認知拡大やユーザーへの理解促進を行った結果、対発売期比でシェア率を322%上昇させることに成功しました。
また、この事例では、さらにSNSなどでユーザーが「YouTubeの広告を見て購入した」というコメントを投稿し、それを見た人が商品へ興味を持つ、という循環が起きています。YouTube広告では、投稿した広告動画に対しユーザーがコメントもできるため、顧客とつながりを作ることも可能です。コメントから得られた反応をもとにさらなる認知拡大を目指せるでしょう。
個人の趣味や興味が購買意欲を左右する車やスポーツ用品などを扱うの企業
YouTube広告では、個人の趣味や興味に関する商品を扱うBtoC企業にとって、相性が良いとされます。実際、2015年のadform社の調査によると、動画広告においては、次のような商品のクリック率が高いことが分かっています。
- 自動車
- スポーツ
- ファッション
また、YouTubeの広告ガイドブックによると、2018年7月時点で、月1回以上ネットを利用し、商品を何かしら購入した約24,000人のユーザーのうち、50%以上のユーザーが商品やブランドを決める際にYouTubeの動画を参考にしています。
参考:youtubeguidebook2020.pdf (google.com)
ユーザーがYouTubeを通じ、自分の欲しいものを検索している人が増えていることをふまえると、YouTube広告においてBtoC企業は成果を出しやすい企業といえます。
YouTube広告の費用対効果を高める4つのコツ
YouTube広告の費用対効果を高めるためには、クリエイティブや広告の選択において、下記のポイントが挙げられます。YouTube広告の特徴と共に、それぞれ順番に解説していきます。
- 動画の冒頭の5秒に要点を盛り込む
- 視聴者に没入感を与える動画広告を作成する
- 目的に応じた広告の種類を選択する
- 誘導先のURLを適切に設置する
動画の冒頭の5秒に要点を盛り込む
ユーザーに伝えたいブランド名やロゴ、キャッチコピーは、動画の冒頭5秒~6秒以内に含めましょう。なぜなら、5秒~6秒以内は、ユーザーが広告をスキップできないからです。
5秒~6秒以内に伝えたいことが込められれば、まずユーザーに伝えたい情報のポイントを理解してもらえます。
しかし、5秒過ぎると動画をスキップできるようになるためスキップされない動画構成が重要です。
インパクトがあり、誰に向けた、どのような製品・サービスなのか分かりやすく提示することで、ユーザーに継続して広告を視聴してもらいやすくなります。
ユーザーにリンククリックや商品名の検索など、行動を起こしてもらうことが動画キャンペーンの目的となる場合は、起こしてほしい行動を動画の最後に入れるとよいでしょう。ユーザーが情報を判断し、行動を選択する猶予が作れるためです。
視聴者に没入感を与える動画広告を作成する
ユーザーが視聴中に「自分が使っているみたい」と感じられる動画広告を制作することで、広告効果を高められます。ユーザーがサービスや商品を身近に感じ、実際に利用する自身の姿を想像できるためです。
ユーザーに没入感を与える動画の成功事例では、製薬会社が毛穴汚れを落とす商品のYouTube広告を出稿した際、クリエイティブにターゲット層が共感しやすい「毛穴汚れに悩む女性主人公」を出すことで、成果を上げています。
また大手航空会社の事例では、一人称視点のクリエイティブを活用することで、ユーザーに「旅をしている気分」を味わってもらい、15秒程度の動画広告で予約数を17,000件増加させました。また、Webサイトから直接予約した人のうち、52%は動画を通じてアクセスしています。
没入感を高めるには、モバイル画面でユーザーが目にしたときにも分かりやすくすることがポイントです。
参考:United Case Study: Video Conversions – YouTube Advertising
目的に応じた広告の種類を選択する
YouTube広告の広告を高めるには、4種類の広告の中から、目的に適切な広告の種類を選ぶことが重要となります。
それぞれ表示時間や表示場所、再生タイミング、課金の発生条件が異なるためです。
認知度を目的とするならインストリーム広告とバンパー広告
TrueView インストリーム広告とバンパー広告は、動画視聴の合間に広告が流れるため、認知度向上が目的の広告に向いています。
特にバンパー広告の場合は、動画視聴中にユーザーにスキップされず、6秒間必ず視聴されるため、潜在層へのリーチにも有効です。
インストリーム広告とバンパー広告は潜在層へのリーチにも有効
潜在層へのリーチに有効な広告の種類として、インストリーム広告とバンパー広告が挙げられます。どちらも、5秒~6秒は必ず、視聴してもらえるためです。
TrueView インストリーム広告の場合は、5秒後にユーザーが自由にスキップできるようになる広告です。逆を言えば5秒間は必ず見てもらえる可能性があります。継続して見てもらうには、5秒間にユーザーの興味を引けるクリエイティブを目指す必要があります。
購買促進を目的とするならディスカバリー広告
YouTubeの検索結果やトップページ、関連動画のそばに掲載されるディスカバリー広告は、購買促進を目的とする場合に向いている広告の種類です。
コンテンツに関連するキーワードを検索しているユーザーであるほど、広告が表示されやすくなります。
メリットとして、ユーザーが動画を能動的にクリックしない限りは広告が再生されないことが挙げられます。他のフォーマットに比べても、より興味の高いユーザーに配信できるため、費用対効果が高いです。
すでに動画広告やWeb広告を運用していて、リスティング広告の経験がある企業であれば、キーワードによりターゲット層を絞り込むことで、さらなる購買促進を行えるでしょう。
誘導先のURLを適切に設置する
YouTube広告に設定するURLは、目的に合わせた適切なものを選ぶようにしましょう。興味を持ってくれたユーザーが、URL先で「思っていたのと違う」と感じ、サイトから離脱するのを防ぐためです。
認知が目的となる場合は、製品サイトやブランドサイトのURLが当てはまります。一方で購買を目的にする場合は、LPやECサイトのように、購買行動を促しやすいページを設定することがポイントです。
まとめ
YouTube広告は、1日10億時間を超える再生数と膨大なユーザーを持ち、まるでテレビCMのように、自社製品・サービスと接点のないユーザーから認知や潜在リーチを得たうえで、獲得まで繋げられる点がメリットとなる動画広告です。
広告の種類によっては、より興味の高いユーザーだけに配信を行い、費用対効果を高めることもできます。
しかし、目的に合わせたクリエイティブの制作や、YouTube広告の種類を選ばないと、効果を活用できないのも事実です。出稿の目的に合わせ、効果が得られるか、今回の記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。