イノベーションの本当の意味とは?「ありそうでなかった」を実現した身近な事例7選

本やネットでよく耳にする「イノベーション」。
もはやビジネス現場では聞かない日はないくらいに飛び交っている言葉の1つです。しかしあなたは「イノベーション」という言葉の意味をしっかり理解した上で使用していますか?

今回は「イノベーション」という言葉について説明に加え、身近なイノベーションの事例をご紹介します。ぜひこの記事を読んで「イノベーション」についての理解を深めてください。


イノベーションとは

物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
(※Wikipediaより抜粋)

Wikipediaをはじめ、イノベーションの意味をネットで検索すると小難しく説明されている事が多いです。しかし分かりやすく一言で言うと「ありそうでなかったもの」と定義できるのではないでしょうか。ではなぜそう言えるのか、イノベーションの具体的な事例を紹介します。


身近なイノベーション事例

【キーボードをなくしたことで電話を再発明したiPhone】

山田_141120_01
Appleに魅了され、iPhoneを持っている方は多いと思います。今までのガラケーと根本的に違う点は「キーボード」をなくし画面だけにしたことでしょう。「指で画面操作する」という誰でも簡単に操作することができる点を採用したことでこれまでのスマートフォンとは異なる斬新なデバイスを開発したのです。
既存のものから何かを引き算するという考えから生まれたイノベーションの例です。
参考:Youtube┃iPhoneを発表するスティーブ・ジョブス(日本語字幕)

【友人の友人を可視化したことで世界を小さくしたfacebook】

山田_141120_02
「スモールワールド現象」という言葉をご存知でしょうか?これはネットワーク論の1つで「平均6人以上の友人を介すと世界中の誰とでも間接的な知り合いになれる」という仮説です。

この現象を可視化したものが今やユーザー数10億人を誇るface bookです。Face bookは「自分と相手の共通の友人やその人数」を表示してくれます。そのため自分がつながりたいと思う人を検索した時に、その人との共通の友人が表示されるとどこか親近感を感じますよね。このようにFace bookは友人の友人を可視化したことで世界を小さくしたのです。

「実名であること」「実際に出会った人としか友人にはなれない」というルールを課したことでイノベーションが生まれた例と言えるでしょう。

参考:バズ・マーケティング 自信があるならクチコミで売れ┃ミルグラムの「スモール・ワールド実験」とは

【人々行動様式を逆に利用するクレジットデビットカード】

山田_141120_07
クレジットデビットカードをご存知でしょうか?他のクレジットカードと何が違うのかというと購入時に口座からすぐ引き落とされるカードです。しかも端数分を繰り上げ、きりのいい額で精算してくれます。つまり15,300円の商品を購入すると16,000円が引き落とされます。そして差額の700円が貯金口座に振り込まれる仕組みとなっています。

これがアメリカ中下層に大ヒットしたのです。その理由がアメリカでは貯金できない人の行動を分析したところ、購買機会が多いことが発見されたのです。

デビットカードはこの購買機会が多い人ほど貯金が貯まる仕組みにしたところです。貯金するためにお金を使うことを抑制するのでなく、人々の行動様式を逆に利用することがまさにイノベーティブと言えるでしょう。

【業界初めて成功報酬型ビジネスモデルを市場に持ち込んだJobSense】

山田_141120_03
タウンワークやフロムエー、anなどの紙媒体のビジネスモデルは求人を紹介する広告の枠の大きさによって掲載費が異なります。しかしそもそも求人を記載する広告枠の大きさによって広告効果が異なるのか?そう疑問を持ったのがJobSenseを運営しているLIVESENSEです。

バイト求人を記載する企業は採用が決まることを期待しているからこそ掲載費を事前に払うという前提があります。しかし求人に対して応募がなかった場合は投資した広告に対して見返りを回収することは不可能です。求人を掲載する企業からすればこれがネックとなっていました。リブセンスは採用が決定した時に初めて掲載料を支払う成功報酬型の導入することでこの不満を解消しました。

このモデルを採用することで企業もリスクが完全になくなったのです。またユーザーに対して祝い金制度を導入したこともユニークなアイデアです。この制度を導入したことでユーザーの意欲が高まりサービスの成長を推進したと言えるでしょう。

【途上国の子どもたちの教育支援を行うe-Education Project】

山田_141120_04
途上国の子どもたちの教育支援を行っているe-Education ProjectというNGOが日本に存在します。この団体は途上国の教育格差を解消するために映像教育モデルを展開しています。

創業者の税所さんは自身の東進ハイスクールの映像教育の体験を元にお金や距離の問題で良いチャンスに出会えない子どもたちのために最高の授業を提供しています。

以前から途上国では先生不足に悩まされていましたが、1人の先生の授業を映像化することで解消され、子どもたちにも平等な教育機会を与えています。「東進ハイスクール」のビジネスモデルを途上国に輸入することで途上国に教育によるイノベーションを起こしている例です。

【メガネの常識を変えたJINS】

山田_141120_05
以前までだとメガネは「視力が悪い人がするものだ」という認識が一般的でした。この常識を変えたのがJINSです。

JINSはPCやスマホから発せられるブルーライトが多く発生していることにいち早く気づきました。それがブルーライトをカットするJINS PCです。これによりメガネをは視力矯正の役割だけでなく、「目を守るもの」という新しい常識を創造したのです。

【徹底的な消費者の立場に立って作られたAKB48】

山田_141120_06
今や国民的アイドルのAKB48。総選挙のたびに私たちをワクワクさせるこのアイドルグループにもイノベーティブな要素が隠されています。

それはファンによる人気投票でメンバーを格付けするというゲーム的要素です。今までのアイドルグループというのは提供者側の理論で作られた商品でした。メンバー構成や各メンバーのキャラ付けが一方的に提供者側で操作されてるため、アイドルというものはテレビの中の憧れの存在だったのです。

CDに投票券が1枚入っており、自分が誰に投票するかでその子のアイドルとしての市場価値やメンバー構成が変化します。このようにシンプルではありますが、自分の関わり方次第でアイドルの物語が変化するというゲーム的要素が爆発した人気を生んでいる原因の1つだと考えられています。


まとめ

いかがだったでしょうか?「イノベーション」に対する理解が深まったと思います。

どの事例を見てもわかるようにイノベーションは「あぁその手があったのか!」というものばかりです。「ありそうでなかったもの」これがまさにイノベーションだと思います。決して自分には無縁の話だとは思わず、物事をいろんな視点から考え直すことからイノベーションの第一歩が始まるのではないでしょうか。