3年間で300記事制作してようやくわかった検索ニーズを満たすコツ

記事を書く時に「検索ニーズを満たすこと」は最重要項目です。しかし、キーワードからユーザーの検索ニーズをつかむのは決して簡単ではありません。

私はLISKULで3年間、約300記事をディレクションしてきて、ようやく「検索ニーズを満たした記事の作り方」が理解できるようになってきました。

今回の記事では、私の実体験を参考に検索ニーズを満たす記事制作のコツについてご紹介しています。本記事を読むことで検索ニーズを満たすための考え方がクリアになり、今までよりも自信を持って記事制作ができるようになります。

執筆者

堀内 翔太(ほりうち しょうた)
SO Technologies株式会社 顧客開発支援室所属。 コンテンツマーケティング支援会社での記事制作・ディレクションの経験後、2019年にソウルドアウト株式会社入社。LISKULでは2022年6月現在までで約300記事の記事ディレクションを担当。


検索ニーズを満たすことで記事はこれだけ変わる

まずは2つの記事を比較し、「検索ニーズを満たす」ことが記事にどの程度影響を与えているのかご説明します。

Good例:Zoom導入の意思決定から導入までの手順を解説し、「Zoom」単体で2位を獲得した記事

タイトル:3分で理解する「Zoom」とは?今日からできる「始め方」「使い方」まで解説 キーワード:Zoom ※公開後1年間のPV推移

  • 公開日(2020/6/24)から2022/7/1現在までの総PV数:1,298,019
  • 過去16か月間の最高順位:2位
  • 過去16か月間の平均掲載順位:3.8位

Web会議ツール「Zoom」に焦点をあてて書いた記事です。 検索順位は「Zoom」単体で最高2位を獲得し、公式サイトの次に表示されていた記事です。2021年の9月まで検索上位をキープし続けていました。

「Zoomはどんなツールか」 「他のツールと比べて優れているのか」 「自分(自社)はZoomを導入すべきか」 「Zoomの利用を始めるためには何をしたらいいのか」 などの検索ニーズに応えるように記事をまとめています。

Bad例:「キャッシュレス決済の導入手順」というニーズを満たせずに検索順位・PVともに振るわなかった記事

タイトル:今なら無料!キャッシュレス決済をすぐに導入したほうがいい理由とは キーワード:キャッシュレス決済 導入 ※公開後1年間のPV推移

  • 公開日(2019/9/30)から2022/7/1現在までの総PV数:11,737
  • 過去16か月間の最高順位:52位
  • 過去16か月間の平均掲載順位:86位

検索ニーズの中心は「キャッシュレス決済の導入手順・方法について知りたい」です。

しかし、この記事では手順・方法についての記載がなく、補助金制度やキャッシュレス決済の種類ごとの違いなどの解説に終始しており、明らかにニーズを取り違えています。


検索ニーズを満たせていない記事は、検索ユーザーの深掘りができていない

検索ニーズを満たせていない記事は、そのキーワードで検索しているユーザー像をイメージしきれていないケースが多いです。

「何を知りたいのか」 「どんな悩みを抱えているのか」 「検索時点ではどんな感情を抱いているのか」 「どんなことができるようになりたいのか」 など、想定読者がそのキーワードで検索した理由・きっかけ・検索時の状況を言語化しないと、検索ニーズを表面的にしか理解することができません。

その結果、ユーザーが求めている情報を記事に盛り込めなかったり、不要な解説を長々と繰り返したりといった原因となります。

自身の検索体験から気づいた「検索ユーザー像の重要性」

検索ユーザーの深掘りが重要だと理解し始めたのは、2年ほど前の自分自身の検索体験がきっかけでした。

急激な睡魔に襲われたものの、本日済ませておきたいタスクはまだ残っており、眠るわけにはいかない……。今すぐこの眠気をどうにか解消したいと思い、「眠気覚まし 方法」で検索し、2つの記事に出会いました。

最初に見た記事(A)は「眠気のメカニズム」や、「太陽光を浴びる」「規則正しい生活をする」などの情報ばかりが書かれています。次に見た記事(B)では「眠気を抑えるツボ」や「ブドウ糖を摂取する」というように、今すぐ試せて即効性のある眠気覚ましの方法が複数書かれていました。

AとBでは「検索ユーザーのイメージ像」の粒度に大きな違いがあります。

Aの記事では「眠気に困っている人」程度のイメージしかなく、検索時点のユーザーが置かれている状況に目を向けられていません。そのため、ユーザーがその時欲しい情報を記事に含めることができていません。事実、私はすぐに読むのをやめてしまいました。

一方Bでは、「眠ってはいけないのに睡魔に襲われている」「いろいろ試してみて、今すぐ眠気を飛ばしたい」など、検索時点の状況が考慮されています。そのため、ユーザーが今その時に必要としている「すぐに試せる、眠気覚ましの方法」にフォーカスして記事が書かれています。 実際、私はこの記事に書かれている内容を片っ端から試してみて眠気をごまかし、何とか業務を終わらせることに成功しています。


検索ニーズを満たすためにはユーザー視点を身につけることが重要

記事の検索ニーズを正しくとらえるためには、そのキーワードで検索するユーザーの視点から情報を整理することが大切です。

以下ではユーザー視点を身につけるためのコツを解説しています。

自分に向けて記事を書くつもりで情報をまとめてみる

ユーザー視点に立って記事の構成を考えるためのコツは、「自分に向けた記事と思って書くこと」です。

「匿名の誰かに向けて記事を書く」と思うと、どんな内容が求められているのか想定できません。検索するユーザーを自分に置き換えて考えるようにするとイメージがつきやすいです。 もしイメージが湧きづらいのであれば、家族や友人など自分に関連する人を検索ユーザーとして仮置きしてみるのも良いでしょう。

すぐに検索上位の記事を読まず、事前に検索ニーズをイメージする

ユーザー視点を身につけるためにやってほしいのが、「検索結果を見ないで、事前に検索ニーズを想定しておくこと」です。

まずキーワードから「自分ならどういう目的で検索するか」を考えます。検索ニーズの仮説を立てたうえで検索上位の記事を読み込み、自分のイメージが正しいか「答え合わせ」をします。

先に検索結果を見る癖がつくと、「上位記事に含まれている情報がユーザーに求められている」という消去法的思考が先行してしまい、「ユーザー視点に立って記事を書く」という視点が養われません。

「検索上位記事に含まれている情報を中心に記事をまとめる」という書き方でも、一定品質の記事が書けます。実際、私自身もLISKULに入る前はこの形で記事を書いていました。

しかしこの書き方では想定読者について深く考えることがないので、検索上位の記事に依存してしまい、記事の品質ブレやすいです。
もちろん検索上位の記事に書かれている情報が必要なケースも多くありますが、大切なのは「なぜその情報をユーザーが求めているのか」を推察する能力を身に着けることです。 検索結果に依存しすぎないためにも、先に検索ニーズの仮説を立てましょう。


まとめ

記事を書くうえで「検索ニーズを満たすこと」は特に重要な要素です。実際に検索ニーズを満たした記事・満たせていない記事とでは、SEOにおける成果も大きく変わります。

検索ニーズを満たせていない記事の多くは、ユーザーをイメージしきれていないことが原因です。そのキーワードで検索するユーザーの深掘りが甘いと、表面的なニーズだけで記事を書いてしまうことになり、求められていない内容で執筆してしまうケースがあります。

ユーザー視点を身に着けるためのコツは、自分に向けて記事を書いてみることです。匿名の誰かに向けて書くとなるとイメージしづらいのですが、自分に向けてであれば検索時点の状況などもつかみやすいです。

また、検索ニーズの仮説を立ててから検索結果を見るようにしましょう。検索上位の記事に惑わされないためにも、事前の仮説立てが重要です。

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