ネット広告を活用したイベントプロモーションの提案について、以下のようなご質問をよくいただきます。
急きょ、1ヶ月後に開催を控えたオフラインのイベント集客のために、追加で予算が獲得できたので、ネット広告を提案して欲しいと言われています。どういう観点で、どんなことに注意して提案すべきでしょうか?
結論から申し上げると、「できるだけ早く・ミスなく配信を始められるように、運用実績が豊富で手慣れている媒体を活用するのが無難」です。
開催まで期間がないのであれば、1日でも早くネット広告を開始することが重要です。より短い期間で一気に集客しようとすると、クリック単価が高騰し、結果的に集客数が落ちてしまいます。
本記事では、タイトなスケジュールで集客が必要な場合の、ネット広告を活用したイベントプロモーションの提案方法について、覚えておくべきポイントとあわせて解説します。
執筆者
SO Technologies株式会社 LISKUL五代目編集長
広告運用者⇒広告レポートツール『ATOM』カスタマーサクセス⇒LISKUL編集部。 「日本のすみずみまでWebマーケティングの力を」モットーに日々活動しています。(執筆記事一覧 )
タイトスケジュールで集客をする場合、運用実績が豊富で手慣れている媒体を活用すべき
1か月後など、タイトなスケジュールでイベントに集客をするために、急きょネット広告を実施するケースがあります。筆者の場合、1か月どころか2週間後にイベント開催ということもありました。
このような場合には、以下の点に注意して、媒体選定や提案をする必要があります。
- 運用実績が豊富で、オペレーション慣れしている媒体を選定する
- 主要媒体(Google・Yahoo!・Facebookなど)を活用するのが無難
- 必ず複数媒体を実施する
本章ではこれらの理由を解説しますが、その前提として、イベントのプロモーションなので多くの場合以下であることに注意してください。
- 事前の来場予約などは不要なため、コンバージョンのトラッキングは実施しない
- 単発のイベントであり、過去の集客実績がなく参考にできない
理由1.トラブルを避けてより早く・確実に配信できる
タイトスケジュールでのイベントプロモーションの場合、何よりも重要なのは「より早く・ミスなく」広告を配信することです。
配信する期間が短くなるほど、クリック単価が高くなってしまい、結果として集客数(クリック数)が減ってしまいます。
また、ミスを起こして配信ができないなどのトラブルが起きてしまっては、集客どころの話ではなくなってしまいます。
そうしたときに、過去に運用実績が豊富にあり、入稿や入札といったオペレーションに慣れている媒体にした方が、ミスの可能性を減らすことができますし、配信開始までの期間も短くすることができます。
タイトなスケジュールで慣れていない媒体を実施するのは、一気にミスの可能性が高くなって危険です。
理由2.ユーザー数の多い主要媒体の方が、予算分の配信を確実に行える
イベントなどのスポットの案件で絶対に起こしてはいけないのが、予算分の配信を行えずに予算を余らしてしまうことです。
先述のトラブルの場合や、設定したターゲティングが狭すぎて想定ほど配信がされない場合に起こり得ます。
予算を余らしてしまうのは、その分丸々機会損失になるので絶対にしてはいけません。
そこで肝になるのが、主要媒体の方がユーザー数が多いため、ターゲティングをして絞り込んでも配信量が多いということです。
ユーザー数の少ない媒体でターゲティングをして絞り込みをすると、予算分の配信量が確保できないことがあります。その場合、無理やりターゲティングを広げたり、急きょ別の媒体を追加するということになってしまいます。
そうしたことがないように、主要媒体を活用したほうが良いでしょう。
理由3.複数媒体を提案することで審査落ちに備えられる
スポット案件で怖いのが「審査落ち」です。
審査落ちすると、配信が遅れてしまったり、最悪配信が間に合わない可能性もあります。
一度審査に合格しても、「事後審査」で配信中にいきなり審査落ちするケースもあります。
こうした不測の事態に備えて、複数の媒体を提案しておいた方が良いでしょう。
複数の媒体を実施すれば、先述の予算が余ってしまうケースにも備えることができます。
ネット広告を活用したイベントプロモーションの提案のポイント
タイトスケジュールでイベントプロモーションの提案をする際は、手慣れている主要媒体を主軸に選定・提案すべきとお伝えしました。
しかし、実際にどう選んでいけばいいのか迷われることかと思います。
そこで、媒体選定・提案時の重要なポイントをいくつかご紹介します。
以下の記事でも、代表的な媒体のご紹介や、それぞれのポイントを解説しているので、是非ご参考にしてください。
参考:成功事例から学ぶWeb広告を活用したイベント集客の方法、ポイント
ポイント1.「商流・SNSアカウント・審査・クリエイティブ」で考える
媒体を選定する際のポイントとして、「商流・SNSアカウント・審査・クリエイティブ」の4つがあります。
商流
提案したい媒体の商流が自社にない場合は、新たに仕入れをしなければなりません。
しかし、タイトスケジュールでのスポット配信の場合、それでは間に合いません。間に合わせようとすること自体がリスクなのでやめたほうが良いです。
この場合は、商流のない媒体は候補から外すか、あるいはその媒体の取扱いがある二次代行先にお願いするかになります。
SNSアカウント
SNS広告を実施する場合、SNSアカウントが必要になります。
クライアントにSNSアカウントを用意してもらう必要がありますが、実施をするならどの程度時間が掛かるか確認しておきましょう。
時間が掛かるようであれば、その媒体はやめることも選択肢の一つです。
ただし、イベントプロモーションにおいて、その拡散力からSNS(+SNS広告)の活用は非常に有効です。
特にTwitterは、今なにが起きているのか、トレンドを知りたくて活用しているユーザーが多く、リツイートによる拡散力も高いため、イベントプロモーションにマッチしている媒体です。
SNSアカウントがあるのであれば是非実施したいメニューです。
審査
媒体によって審査にかかる期間や、審査の基準が異なっています。
ある媒体では通ったが、別の媒体では審査に落ちたということがあり得ます。
ランディングページやクリエイティブを見て、どの媒体なら問題ないか、落ちるかもしれないかを判断する必要があります。
この判断はある程度運用実績がないと難しいので、二次代行先に運用を依頼するのであれば意見を聞いてみましょう。
クリエイティブ
その媒体用のクリエイティブが用意できるかどうかも重要な観点です。
すでにテレビCM素材があって流用できるのであれば、YouTubeなどの動画媒体が候補に入ります。
また、複数サイズのバナーの用意に時間がかかるようであれば、いったん今あるサイズで配信可能な媒体で実施するのが良いと思います。
バナー・動画を用意してあるか、どんなサイズのバナーがあるのかを提案前に確認するようにしましょう。
ポイント2.ターゲットを明確にして相性の良い媒体・配信セグメントを絞り込む
どういったユーザーをターゲットとして配信するのかを明確にすることが、まず何よりも大事です。
そのうえで、そのユーザーと相性の良い媒体やセグメントを選ぶようにしましょう。
例えば、ある著名人のイベントをプロモーションする場合、その人がtwitterアカウントを持っているのであれば、フォロワーターゲティングでそのフォロワーや類似のユーザーに配信ができます。
このような案を出すためには、その媒体の特徴や、可能なターゲティングについて把握しておく必要があります。
またオフラインイベントの場合は、必ずエリアでのターゲティングもするようにしましょう。
クリエイティブ上に場所の情報を盛り込んでいるとは限らないですし、ユーザーが見落とす可能性もあるので、ターゲティングの時点で絞り込んでおいた方が良いです。
ポイント3.スポット配信に慣れている代行業者を使う
もし自社がスポット案件の運用に慣れていないのであれば、スポット配信に慣れている代行業者に依頼することを検討してみてください。
配信開始まで数週間かける継続案件と、急ぎで準備が必要なスポット案件では勝手が違います。
いざ実施してみたら、想定よりも時間が掛かってしまってトラブルにつながる、ということがないようにしましょう。
先述の通り、自社で取り扱いがない媒体の商流をその業者が持っているのであれば、その媒体を代行先経由で実施することもできます。
ポイント4.バナーは複数用意する
バナーは必ず複数パターン用意するようにしましょう。
1パターンだけでは、もしそのクリエイティブがだめだった場合取り返しがつきません。
スポット配信ではどのクリエイティブがヒットするか検証する時間がないので、事前に複数パターン用意する必要があります。
また複数パターン用意することで、審査落ちに備えることができます。
審査落ちした場合に備えて、3パターン用意できるとベターです。
まとめ
もしタイトなスケジュールで、ネット広告を活用したイベントプロモーションの提案が求められたら、運用実績が豊富で手馴れている主要媒体を提案するのが良いでしょう。
複数媒体を提案することで、トラブルによる配信不良や予算を余らせることを防ぐことができます。
また媒体選定・提案時のポイントとして以下の4つをご紹介しました。
- 「商流・SNSアカウント・審査・クリエイティブ」で考える
- ターゲットを明確にして相性の良い媒体・配信セグメントを絞り込む
- スポット配信に慣れている代行業者を使う
- バナーは複数用意する
以下の記事もあわせて、是非提案時に参考にしてください。
参考:成功事例から学ぶWeb広告を活用したイベント集客の方法、ポイント
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