BtoB ECとは、企業間で行われる電子商取引のことで、インターネットを介して行われる企業間取引を意味します。
BtoB ECを活用することで、インターネット上で商品の受発注ができるので、データ処理や書類作成、郵送対応などの手間がかからず業務負担の軽減が見込めます。営業の幅が世界に広がり受注の機会が増えるので、新規顧客の獲得にも効果的です。
BtoB ECの市場規模は年々増加傾向にあり、企業間取引のEC化が一般的になりつつあります。
【メーカー向け】世界134か国の販路開拓ができるBtoB ECモール
電話やFAXなどのアナログな企業間取引やEDIを用いた取引に課題を感じている企業は、BtoB ECの導入を検討してみましょう。
本記事ではBtoBのEC化について解説した上で、BtoBのECサイトの構築方法や事業課題に合わせた導入方法について解説します。
目次
BtoB ECとは企業間での電子商取引のこと
BtoB ECとは、企業間におけるEC(電子商取引)を指す言葉です。
電子商取引とは「インターネット上で行われる物・サービスの売買」を意味しますが、これを企業間の取引で活用しているのがBtoB ECです。企業が企業に対して発信・展開しているECをイメージするとわかりやすいかもしれません。
BtoB ECを導入することで、ネット環境さえあれば受発注業務を行える環境が構築できます。FAXなどのアナログな手法と比較して受発注にかかる手間も軽減できます。BtoB ECの場合ではマーケティング施策の実行や効果測定なども可能です。
社内リソースを補うだけではなく、売上をあげるための販売促進にも効果が期待できます。利用する顧客もインターネット上で商品情報をすぐに確認でき、そのまま商品の発注になるので、発注時の利便性の改善にもつながります。
BtoB ECの市場規模は増加傾向にあり、企業間の取引においてもEC化が一般的になりつつあります。
BtoC ECとの違い
BtoC ECとは、企業と消費者間でECを用いて行う電子商取引です。いわゆる通販サイトがこれに該当します。
取引方法 | 取引対象 | ECに求められる機能 |
---|---|---|
BtoB EC | 企業 | ・企業ごとに異なる商品・料金を表示する機能 ・単品から複数まで商品をまとめられるカート機能 ・クレジットカード、代金引き換えだけでなく、掛売りができる決済サイトに求められる機能 |
BtoB EC | 消費者 | ・顧客に共通の商品・料金を表示する機能 ・単品から複数まで商品をまとめられるカート機能 ・クレジットカード・代金引換が利用できる決済機能 |
取引対象が異なるのが大きな違いです。BtoBの場合「企業」が、BtoCの場合「消費者」が対象となります。取引対象が異なるため、ECに求められる機能も変わります。
BtoBの現場では製造品数や発注納期によって割引・割り増しなど個別に料金設定をすることが一般的です。
また、BtoBの決済では一般的な掛売り(後払い)に対応する必要があります。対応してないければ取引ができない可能性もあり、新規顧客獲得の機会損失になり得ます。
主な取引形態は「BtoB ECサイト」と「EDI」
BtoB ECの主な取引形態は「BtoB ECサイト」か「EDI」のいずれかとなります。どちらも企業間取引における受発注業務を担うシステムですが、内容には大きく差があります。
EDIは定型化された書類業務の効率化に特化したシステムで、同じような取引を継続的に行う場合に有効です。
一方でBtoB ECサイトは受発注の確認や商品の販売、マーケティングまで一貫して行えるため、できることや機能の数に違いがあります。
BtoB ECサイト
BtoB ECサイトとは、BtoB ECを実現させるための専用のサイトを指します。インターネットにアクセスできる環境さえあれば取引を始めることが可能です。
利用する企業が購入する商品を都度自由に選択できます。また新商品の情報発信など、取引先とのコミュニケーションをとってアップセル・クロスセルを狙うことも可能です。
参考:BtoB ECモール「スーパーデリバリー」サービス資料
EDI
EDIとは、企業間の取引の効率化を図るため、自社と取引先との間で専用回線をつなげ、手作業で行っていた受発注等の伝票作業を電子化するシステムのことです。
取引の際に電話や紙の書類でのやりとりでは、受発注までに時間やコスト的にも大きなロスが生じます。そこで企業間の取引に専用回線を設置し、受発注や取引情報をリアルタイムで共有できる環境を構築するのがEDIになります。
例えば、自動車業界ではメーカーや部品メーカー、工場などでは、マーケットの需要や販売状況に応じて部品の製造を行う必要があり、リアルタイムでの情報交換が必須です。
このような現場では、EDIの導入が進んでおり、自動車メーカーに関わる企業が全世界でEDIでつながっています。
参考:EDIとは?種類や仕組み、メリット・デメリット、Web EDIについてわかりやすく解説|SI Web Shopping
BtoB ECが注目されている理由
BtoB ECが注目されているのには、以下の2つの理由が挙げられます。
- BtoB EC市場が年々伸びている
- EDIからECサイトへの移行を検討している企業が増えている
1.BtoB EC市場が年々伸びている
BtoB ECの市場規模は年々増加傾向にあります。経済産業省が発表した「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」では、EDIを含む日本のBtoB ECの市場規模は2021年に時点で372兆円と、2017年の318兆円と比べるとおよそ50兆円も増加しています。
前述した市場規模を見ると、BtoB取引においてEC化が浸透しつつあることがわかります。
また、新型コロナウイルス感染拡大以降の2020年以降では、インターネットを介して取引ができるBtoB ECの利用率が増えているのも特徴です。
上記の表は業界全体のEC化率を表していますが、製造業のほとんどがEC化を進めており、今後もBtoB ECによる取引が広がっていくことが予想されます。
参考:【BtoB-ECとは?】新時代の企業間取引を解説! | Bカート ブログ
2.EDIからECサイトへの移行を検討している企業が増えている
EDIは1970年代から利用されている企業間取引を効率化させるシステムですが、EDIからBtoB ECサイトへの移行を検討している企業が増えています。
理由として挙げられるのは以下の2つです。
- 中小企業にとって取引先や業界ごとに異なるEDIを利用しなければならず業務効率が悪いため
- EDIの通信規格「ISDN回線」が2024年を目途にサービスを終了し古いEDIが刷新されるため
もともとEDIは互換性のあるシステムを選ばなければならないなど制限が多く、有効活用できていない企業も多くいました。さらにEDIの回線を固定電話からIP網に移行する必要が出てきたため、これを機にEDIよりも柔軟性の高いECサイトに移行する企業が増えると予想されています。
BtoBのECサイトであれば、EDIのように対象企業によって通信システムを使い分けるなどの手間がかかりません。またEDIにはない「顧客管理」の機能を有しているため、顧客データベースと連携することでデジタルマーケティング施策が行いやすいです。
参考:BtoB ECモール「スーパーデリバリー」サービス資料
参考:7つのポイントでEDIを優しく解説!EDIの必要性と課題|ebisumart Media
BtoB ECを導入するメリット
BtoB ECを利用するメリットは以下の通りです。
- 新規顧客獲得につながる
- 業務負担を軽減できる
- 人的ミスを削減できる
新規顧客の獲得につなげられる
BtoB ECを導入することは新規顧客の獲得に効果的です。
営業の幅を全国・世界に広げられ、受注機会を増やすことができます。ネット環境さえ整っていれば、いつ、どこにいても受注の可能性があります。これまで対面の営業や紹介だけで販路を拡大していた企業にとっては、大きな集客効果が期待できます。
BtoB ECは成長市場でもあり、今後はBtoB EC化が取引の一つの判断基準になるはずです。EC化が普及していない業界の場合は競合優位性を高めることにもつながり、販路を増やしたいと考えている企業と相性のいい施策です。
受発注業務にかかる業務負担を軽減できる
BtoBをEC化することで、データの処理や請求書・見積書等の書類作成といった業務負担を軽減できます。ECサイトを導入することで、受発注や請求書・見積書などの書類をペーパーレス化でき、紙の書類の発行・郵送対応がなくなります。
サイト上に商品や料金を掲載しておくことで、電話やメールによる問い合わせも少なくなるため、カスタマーサポート業務の負担を軽減できます。
人的ミスを削減できる
BtoB ECを導入すれば、誤発注・誤出荷などの人的ミスを削減できます。
ECサイトで受発注を管理することで、自動で受発注管理ができるため、アナログ業務が少なくなるからです。
例えば、FAXや電話で受発注を行うケースでは、担当者の聞き間違いか記入ミスにより誤発注や誤出荷が起きる可能性があります。
BtoB ECを導入すれば取引先からの受発注はシステムに自動で取り込まれるため、誤発注や誤出荷を未然に防ぐことができます。
BtoB ECの種類
BtoB ECは大まかに分けると以下の2つに分類されます。
- クローズド型BtoB ECサイト:既存顧客のみ取引を行うECサイト
- スモール型BtoB ECサイト:インターネットに公開して新規顧客を解体するためのECサイト
参考:BtoB ECとは?基本情報やメリット、成功に導くポイントを事例と併せてご紹介 | ecbeing
クローズ型BtoB ECサイト
既存顧客限定で取引を行うために構築するのがクローズ型BtoB ECサイトです。
既存顧客だけがログインできるID・パスワードを発行し、一般のユーザーがアクセスできないように制限をかけるタイプになります。
以下のようなケースに該当する場合、クローズ型BtoB ECサイトの選択がおすすめです。
- 顧客ごとに発注方法や料金設定、支払い時期が異なる
- 紙の書類や従来の電話やメール、FAXで受注する方法を変えたい
- 既存顧客が多く、新規顧客の獲得を考えていない
クローズ型BtoB ECサイトは主に、既存顧客との取引を効率化したい場合や、独自の商習慣に対応できるECサイトを構築したい方に向いています。
また、EDIからの移行を考えている方もクローズ型BtoB ECサイトがおすすめです。
スモール型BtoB ECサイト
新規の法人顧客との取引のために構築するのがスモール型BtoB ECサイトです。
誰でも閲覧可能で法人顧客のみサービスに登録でき、サイト上から受発注ができるタイプになります。
スモール型BtoB ECサイトを選ぶべきケースは以下の通りです。
- インターネットを用いて販路拡大を目指している
- 売り上げアップを目指している
- う
スモール型BtoB ECサイトは取引先が少なく、あるいは売り上げアップの施策を検討しており、販路拡大の一手として自社商品を多くの人に見せるためにECサイトを構築したいと考えている方におすすめです。
BtoB ECの構築方法
BtoB ECの構築方法は大きく分けて2つあります。
- 自社EC型:自社でカスタマイズできるよう開発する形式のECサイト
- モールEC型:既存のECサイトに自社ページを出店する形式のECサイト
自社EC型
自社EC型は、自社でECサイトを構築・運用する方法です。
専用のECサイトを構築できるため、取引先とシステムを自動連携して受発注業務を効率化したり、取引先ごとに管理画面や表示画面を変えるなどの柔軟なカスタマイズが可能です。
自社EC型を選ぶメリットは以下の通りです。
- 自由にカスタマイズできる:独自の商取引にも対応できる
- 顧客やサイト分析でリピート率を高められる:マーケティングにも活用できる
- ランニングコストを抑えて利益率を上げられる:初期費用は高額でも月々の運用費がやすく商品販売に応じた販売手数料が発生しない
自社EC型の構築方法は主に以下の3つがあげられます。
- ASP型:基本的なECサイトの機能が備わったクラウドサービス
- パッケージ型:自社仕様に開発を依頼できるソフトウェア
- フルスクラッチ型:一からオリジナルのECサイトを構築するソフトウェア・クラウドサービス
参考:自社ECとは?ECモールとの違いやメリット・デメリット、構築方法の種類を解説|LISKUL
1.ASP型
ASP型は商品登録やカート機能などのECサイトに必要な基本機能を搭載したクラウドサービスです。
項目 | 詳細 |
---|---|
初期費用 | 5〜10万円前後 |
月額費用 | 1〜5万円前後 |
構築期間 | 即日〜1週間前後 |
ASP型は初期費用・ランニングコストが抑えられることと、開発期間が短く、導入までにかかる期間が短いことが特徴です。ASP型は「スモールスタートでBtoB ECを始めたい」という企業に向いている方法で、ASP型のECサイトを提供しているサービスでは無料トライアルでお試し利用が可能です。
ただし、ASP型はカスタマイズ性に乏しく、独自性のあるECサイト構築には向いていません。独自の商取引や細かいカスタマイズを検討している方は「ECパッケージ」か、フルスクラッチでの構築を検討しましょう。
2.ECパッケージ型
ECパッケージ型はECサイトに必要な標準機能に加え、機能の追加や独自のカスタマイズができるシステムです。
項目 | 詳細 |
---|---|
初期費用 | 数百万円〜数千万円 |
月額費用 | 数千円〜数万円 |
構築期間 | 数週間〜数ヶ月 |
取引先ごとに異なる対応が求められる場合に適しています。カート機能や決裁機能、書類の電子化といったBtoB ECに必要な標準機能はもちろん、「取引先が使いやすいようにシンプルな設計にして欲しい」「取引先と自動連携できる機能を搭載して欲しい」といったカスタマイズも可能です。
ECパッケージ型の特徴はパッケージの構築や導入費用、サーバーのインフラ構築などの初期費用に加え、追加する機能によっては構築期間がかかりますが、必要な機能を確実に搭載できることです。
ただし、パッケージ型はカスタマイズ性が高い分、初期費用も高いため必要な機能を見極めた上で導入を検討する必要があります。また、開発期間も長くASP型のようにお試し期間もないためスモールスタートができない点もデメリットです。
参考:【2022年版】ECパッケージおすすめ15選を比較!選び方も紹介|LISKUL
3.フルスクラッチ:企業ごとに個別のフローを作りたい方向け
フルスクラッチ型は一からECサイトを構築するシステムです。
自社商品や商品を提供するフローに応じて、管理画面や操作性をカスタマイズできます。
項目 | 詳細 |
---|---|
初期費用 | 数千万円 |
月額費用 | 数万円〜数万円 |
構築期間 | 数ヶ月〜 |
フルスクラッチ型はやりたいことを自由に実現できるため、自社や取引先に100%マッチしたECサイトを構築できます。
ただし、フルスクラッチ型は初期費用はもちろんのこと、月々の運用費用もかかります。これには、サーバーインフラだけでなくセキュリティの導入費用などのシステムを正常に稼働させるための費用が含まれています。
また、構築後のサイト改修は自社で行う必要があるため、BtoB ECの専門知識を持った担当者で部署を立ち上げて運用できるような企業はフルスクラッチ型がおすすめです。
参考:BtoB ECの構築は自社ECとモール型どちらがいい?それぞれのメリットとデメリット
モール型EC
モール型ECとは、すでにECサイトとして完成されているサービスに自社の商品やショップを出店する形式のECサイトです。
モールEC型のメリットは以下の通りです。
- リソースをかけずに販路拡大につながる
- 出展できる企業は与信が高く、安心して取引できる
- モールからのサポートが受けられるので、知識がなくても始められる
モール型ECは認知度の高いECサイトで自社ページを掲載できるため、自社ECで一から構築するよりもスピーディーな集客や販路拡大を行うことができます。
ただし、モール型ECは売り上げに対して数%の手数料がかかる場合もあり、既存顧客のみの取引にECサイト活用を考えている方には不向きです。
BtoB販売の取引先が少ない、あるいは新規顧客獲得が苦手な企業にはおすすめです。
参考:BtoB ECモール「スーパーデリバリー」サービス資料
参考:BtoB ECサイトの構築は自社ECとモール型どちらがいい?それぞれのメリットとデメリット
BtoB ECとは?市場規模やBtoC ECとの違い、成功のポイントをわかりやすく解説します|SI Web Shopping
BtoB ECを始める際の注意点
BtoB ECを始める際の注意点は以下の通りです。
- 業務フローが明確でないと自社に適したECサイトを導入できない
- トップダウンによる推進を行わなければ中途半端な導入に終わる可能性がある
- 新規顧客を獲得するためにはマーケティングの知識が必要となる
- 導入後には顧客のフォローが不可欠となる
1.業務フローが明確でないと自社に適したECサイトを導入できない
業務フローが属人的で目に見えない業務が多い場合は、自社に適したECサイトを導入できない可能性があります。
BtoB ECの導入はすなわち、これまで行っていた電話やFAXでの受発注、販売管理や経理、基盤システムとの連携や取引先とのコミュニケーション全ての業務フローが変わります。
BtoB ECを起点とした業務フローの変更が求められるため、現在の業務フローを明確にしておかなければ、運用が複雑になったり、ECサイトに必要なカスタマイズが不明瞭になり、自社に適したECサイトを導入できない可能性があります。BtoB ECを導入する前には、既存顧客との取引や受発注や商品の発送などの業務フローを全て洗い出しておく必要があります。
業務フローの洗い出しについては、大きな業務から細かい作業ごとに洗い出していくといいでしょう。例えば、受発注業務の場合は以下のように振り分けていきます。
【受発注業務】
- 電話やFAXによる発注確認
- 受発注状況の確認
- 納期の確認
- 見積書の発行・郵送
- 入金確認
このように1つの業務を細分化していくと業務フローを明確にしやすいはずです。
2.トップダウンによる推進を行わなければ中途半端な導入に終わる可能性がある
BtoB ECを導入するためにはトップダウンによる推進を行わなければ、導入後も古いシステムを利用する社員が出てくるなど、BtoB ECが社内に浸透しない可能性があります。
社員等は日々の業務においてミスがしにくく、新しいシステムを覚える必要もないため、「やり慣れた方法」を選びがちです。
BtoB ECの利用の推進はトップダウンで進めなければ、導入したにもかかわらず浸透せずにBtoB ECの効果が得られない可能性があります。そうならないためにも、BtoB ECの導入を経営層や決裁者に対してBtoB ECの必要性を伝え、経営者自らが社内改革にむけて取り組んでもらう協力体制を築くことが大切です。
参考:【全解説】BtoB-EC市場と4つのBtoB-ECサイト構築手法の解説
3.新規顧客を獲得するためにはマーケティングの知識が必要となる
BtoB ECを導入したからといって新規顧客が増えるわけではありません。
ECサイトを用いて新規顧客を獲得するためには自然検索からの流入や広告運用を行って、自社のECサイトにアクセスを増やしたり、認知度を高めて見込み客との接点を増やさなければ新規顧客の獲得にはつながりません。
具体的には以下のような施策が必要になります。
- 自然検索でアクセスを増やすためのSEO対策
- BtoB取引を検討している事業者に向けた広告キャンペーン施策
- 見込み客に対して資料やメルマガを配信し、顧客育成を行うナーチャリング施策
これらを実行するためには広告運用やカスタマーサクセスに強い人材を集めたり、専門部署を設置して集中して取り組める環境作りも必要になります。
マーケティングに関しては代理店に広告運用を依頼したり、クラウドソーシングでECマーケティングが得意な人材にスポット発注する方法もあるので、自社の予算にあった方法を選ぶといいでしょう。自社でWebマーケティングを行う場合は、SEO対策の極意や広告運用の秘訣を紹介している以下の記事が参考になります。
参考:ECマーケティングで押さえるべき商品訴求のコツと集客方法9選|LISUKL
リスティング広告運用中級者は必 ず実施している3つの運用手法|LISUKL
4.導入後には顧客のフォローが不可欠となる
BtoB ECの導入後は既存顧客がこれまでどおり受発注できるようフォローする必要があります。電話やメールの発注に慣れている顧客に対して、ECサイトでの発注方法をレクチャーしなければ、発注ミスや不備がでる可能性があるからです。
BtoB ECサイトを導入する場合は、既存顧客がスムーズに発注できるように、発注マニュアルの作成やデモサイト、操作説明に関する動画作成などを行わなければなりません。
参考:【BtoB-ECとは?】新時代の企業間取引を解説! | Bカート ブログ
BtoBにおけるECに関するよくあるご質問
BtoBにおけるECの導入を検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.ECにおけるリードタイムの短縮方法は?
A.リードタイムを短縮するためには、注文処理の自動化や、リアルタイム在庫管理システムの導入が有効です。また、サプライチェーン全体の効率化も、迅速な商品供給に寄与します。
Q.ECでの定期発注を効率化するための機能は?
A.定期発注機能を提供することで、顧客企業が簡単に再注文できるようにすることが可能です。さらに、発注履歴からワンクリックで再発注できる機能や、定期的に自動発注されるサブスクリプション機能も便利です。
Q.ECにおける取引先企業の与信管理の方法は?
A.与信管理機能をECシステムに統合することで、取引先の信用状況をリアルタイムで把握し、支払い条件を自動調整できます。また、定期的な与信評価を行うことで、リスク管理が強化されます。
Q.ECにおける在庫管理の効率化方法は?
A.在庫管理の効率化には、リアルタイムでの在庫状況の把握が重要です。ECプラットフォームと倉庫管理システム(WMS)を連携させることで、在庫の自動更新や、過剰在庫・欠品の防止が可能になります。
在庫管理の効率化を目指している方は、以下の記事も参考にしてください。
参考:【2024年最新版】同時在庫管理ECシステムおすすめ18選を比較!
【2024年最新版】倉庫管理システム(WMS)おすすめ15選を比較!選び方も紹介
Q.ECサイトでの購入プロセスの最適化方法は?
A.購入プロセスを最適化するためには、カートの保存機能、簡易化されたチェックアウトプロセス、再発注機能などを導入します。また、顧客が過去の注文履歴を簡単に参照できるようにすることで、リピート購入を促進します。
まとめ
本記事では、BtoB ECの基礎知識から構築方法について解説しました。
BtoB ECとは、企業間での受発注をインターネット上で行うこと、またはその仕組みを意味します。受発注業務の負荷の軽減や、新規顧客の獲得などに効果的です。
BtoB ECはこれまで電子商取引を実現するために利用されてきた「EDI」よりも拡張性が高く、市場規模も右肩上がりで増加しているため、多くの企業から注目を集めています。
BtoB ECには「クローズ型」と「スモール型」の2種類のECサイトのタイプがありますが、既存顧客との取引に重点を置いている企業は「クローズ型」、認知向上や販路拡大を目指している企業は「スモール型」を選びましょう。
ECサイトの構築方法には「自社EC型」と「モール型」の2つがありますが、カスタマイズ性を重視する場合は「自社EC型」、ECサイト構築にスピードやコストの低さを重視する型はモール型を選ぶのがおすすめです。
メーカー向け!世界134か国の販路開拓ができるBtoB ECモール【PR】
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