インフルエンサーマーケティングのメリットと成功事例、始め方まで徹底解説

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、今もっとも効果の高いマーケティング手法と言われています。

インフルエンサーのフォロワー属性が一目瞭然の検索ツール「Astream」

代表的なSNSの一つであるTwitterを例に取ると、利用率が約31%(前年比+4%)と実際に利用率が伸びている状態です。施策として実施するなら、今からでもまったく遅くありません。

この記事では、インフルエンサーマーケティングのメリットや注意点、成功事例や実際の始め方まで詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。


インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーマーケティングとは、特定のコミュニティでユーザーの支持を集めている「インフルエンサー」を起用したマーケティング手法です。

具体的には、インフルエンサーが企業から提供された製品やサービスを利用し、使用した感想や使用している様子をSNSやブログで発信することで、企業がPRしたい内容を拡散することをさします。

特定のターゲットを狙えるインフルエンサーマーケティングは、従来のマスメディアを媒体としたマーケティングよりも低コストで高い効果を発揮します。

従来のマーケティング手法との違い

従来のマーケティングでは、企業が直接消費者に向かって情報発信していました。雑誌広告やCMなど企業がマスメディアを通して消費者に伝えたい情報だけを発信しており、本当に消費者が知りたい情報とは異なり共感を得られにくい面もありました。

インフルエンサーマーケティングにおけるインフルエンサーは、芸能人やスポーツ選手などの有名人も含まれるものの、マスメディアには登場しない一般の若者や主婦も存在します。フォロワーにとっては、等身大で、より自分の身近に感じられる存在です。その身近な存在であるインフルエンサーを通じて、消費者が商品やサービス情報に触れるので、共感が得られやすくなります。

注意すべきなのはステルスマーケティングにならないようにすることです。ステルスマーケティングとは、その発信が広告やPRであることを伏せて、インフルエンサーが情報発信する行為のことを指します。公平な情報を提供せず偏った部分だけを強調するなど、ユーザーに誤った判断をさせようとする点が広告とは異なります。
ステルスマーケティングは、インフルエンサーに共感を持つユーザーを欺くだけでなく、法令違反となることもあるので注意が必要です。

インフルエンサーマーケティングと相性の良いサービス

インフルエンサーマーケティングと相性の良い商材は、メイクアップ製品やスキンケア製品、ボディケア製品など、女性が日常的に使うものです。次に若者に人気のスマホアプリ、さらにアパレル、レストラン・グルメ商品などが向いています。

写真中心のSNSであるインスタグラムには、ファッションやビューティに関心の高いユーザーが集まるので、インフルエンサーが推奨するビューティ関連情報を参考にする人が多いです。

効果の出やすいSNSサービス

インフルエンサーが活躍するSNSサービスとしては、Instagram、Twitter、Facebook、YouTubeという4つのプラットフォームがあります。

各プラットフォームの特徴を紹介します(参考:SNSマーケティングとは?主要SNS4種と効果を解説)。

Instagram

Instagramは写真投稿を中心としたSNSで、利用者は10代から30代の若年層が多く、写真映えする化粧品や食品と相性が良いです。

参考:他のSNSと何が違う?インスタグラムマーケティングとは|事例からひも解くメリット・活用法

Twitter

Twitterは動画や音声、画像などを投稿できるだけでなく、リツイート機能などでユーザーが気になった投稿をワンクリックでシェアしやすい機能を備えています。情報を広く拡散したいなど、ユーザーへの情報発信を重視するマーケティングに適しています。

参考:基本を押さえる!Twitterの効果的なプロモーション方法とは?

Facebook

Facebookは実名登録制のコミュニケーションメディアで、顔見知りと相互フォローすることが多く、ビジネス向けの商材と相性が良いです。

参考:Facebookページ活用法┃広告との違いと投稿のコツ10選

YouTube

YouTubeは世界最大の動画共有サービスで、効果を出すには商材とYouTuberの相性が重要になってきます。

参考:新規顧客の獲得に繋がる!3つの事例から学ぶYouTubeマーケティング


インフルエンサーマーケティングの3つメリット

インフルエンサーマーケティングには、以下の3つのメリットがあります。

  • ユーザーへの影響力が高い
  • 広告感がないので受け入れられやすい
  • 顧客ロイヤルティの向上

インフルエンサーは、発信内容やインフルエンサー自身に共感するフォロワーを多数持っています。このため、共有したコンテンツは、PR広告であっても、フォロワーに高い関心を持ってもらえます。

一般的にインターネットユーザーは広告に嫌悪感を持っており、あからさまな広告は無視したり、ブロック機能を使って情報を遮断する傾向が強いです。しかし、ユーザー自身がフォローしたインフルエンサーが紹介する製品情報は、好感を持って受け止められることが多く、顧客ロイヤルティの向上が期待できます。)


インフルエンサーマーケティングの導入事例

実際にインフルエンサーマーケティングを導入した事例をご紹介します。

【Instagram】1投稿に8,000件のいいねがついたフレッドペリーの事例

アパレル企業のフレッドペリーがファッションモデルの横田ひかるさんを起用したPR事例です。フレッドペリーがターゲットとする20代を中心とする若い女性は、横田さんのフォロワーと合致します。約28万人のフォロワーをもつ横田さんが、フレッドペリー商品を着用したコーディネートの紹介写真を投稿した結果、約8,000件もの「いいね!」が付きました。

参考:インフルエンサーに依頼し、商品を魅力的にPRできた成功事例8選

【Twitter】カリスマ読モを起用して、約25万人への拡散に成功した映画のキャンペーン事例

10代女性向けのイベントスペース、「JOL原宿」は、女子高生に人気の、漫画原作の映画のプロモーションにTwitterを活用しました。具体的な手法は以下の通りです。

・投稿のアイキャッチとなる写真をユーザーが簡単に撮影できるよう、出演者の等身大パネルをイベントスペースに設置した。
・オリジナルの#ハッシュタグを作り、ユーザー参加型のキャンペーンを演出した。
・10代女性に人気のカリスマ読者モデルに「公式応援部」としてTwitter発信を依頼した。

この結果、約25万人のユーザーに情報を拡散することに成功し、映画の認知度アップに貢献しています。

参考:【メディア別】インフルエンサーマーケティングの成功事例

【Facebook】7,700万人から「いいね!」されたファンケルの事例

リアルでの知り合いとつながるためのメディアであるFacebookを、インフルエンサーマーケティングに活用する事例は日本では多くありません。
海外の事例では、シンガポールのファンケルが、有名ブロガーに対して自社製品使用の感想をFacebookに投稿依頼したところ、7,700万件以上の「いいね!」がつきました。

参考:インフルエンサーで宣伝!4種のマーケティング成功事例

【YouTube】ヒカキン・セイキン起用で想定の2倍の応募を獲得したトイザらスの事例

玩具・ベビー用品販売大手のトイザらスは、小学校低学年の子どもに人気のYouTuberであるヒカキンとセイキンをインフルエンサーマーケティングに起用。パイ投げゲーム商品のイベント予告では、当初は2000~3000人程と予想していた目標を大きく超える5,000人以上の応募を集めることに成功しました。

参考:トイザらス YouTuber起用キャンペーン施策の舞台裏


インフルエンサーマーケティングを始めるための6ステップ

インフルエンサーマーケティングの始め方について解説します。

1.ターゲットを決め、目標を定める

SNSプラットフォームやインフルエンサーにより、利用者属性は異なります。自社がターゲットとするのはどんな層なのか、また何をプロモーションの目標とするのか最初に決めておかなければなりません。効果測定指標としては、インプレッション数、広告主の公式アカウントのフォロワー数、いいね!やコメントの数などがあります。

2.キャスティングを決める

どのインフルエンサーを起用するか決めることをキャスティングといいます。
キャスティングの方法は主に3種類あります。

  • 自社でリサーチして選出
  • キャスティング専門会社や広告代理店へ依頼する

インフルエンサーマーケティングに慣れないうちは、代理店に依頼するのがおすすめです。
現在、インスタグラムを活用したインフルエンサーマーケティングの場合、1フォロワーあたり5円が平均と言われています。さらに専門会社や代理店を利用すると、一般的に手数料10~30%が上乗せされます。(参考:インフルエンサーマーケティング一覧 ≫

3.インフルエンサーを選ぶ

インフルエンサーを選ぶにあたり、重視することは以下の3つです。

  • インフルエンサーが自社ブランド、商品と関連性があるか
  • インフルエンサーのフォロワー属性が自社製品とマッチしているか
  • プロモーション内容が拡散される見込みはあるか

プロモーションが拡散されるかどうかは、いいね!やリツイート、コメントなどユーザーからの反応数を示すエンゲージメント率で確認できます。

4.拡散する媒体を選ぶ

拡散する媒体の選定にも力を注ぎましょう。
女性ユーザー向けにビューティやファッション、フードや旅情報を発信するならInstagramが向いています。リアルタイム性を重視するなら、若い世代の利用者が多いTwitterが良いでしょう。子どもから大人まで幅広いユーザーをターゲットにするならYouTubeが適しています。

自社のブランドイメージ、発信内容と親和性の高い媒体を見極めましょう。

5.投稿方法を決める

インフルエンサーに、どのような流れで投稿してもらうか、はじめに決める必要があります。よくあるのが、プロモーションして欲しい商品やサービスをインフルエンサーに無償で提供し、使用感や内容をSNS上でシェアする方法です。1フォロワーあたり5円と考えれば、1万人のフォロワーがいるインフルエンサーであれば5万円となり、比較的低コストで実施できます。

この他、商品紹介のためのイベントやパーティを開催してインフルエンサーを招待し、ブランドの世界観や商品の魅力を体験してもらうという方法もあります。

6.実際に投稿し、効果を解析する

投稿した後は、どのような効果があったのか必ず解析しましょう。消費者の好感度向上を目的とするインフルエンサーマーケティングは、従来のWEB広告とは効果測定のポイントが異なります。口コミの効果を測定する指標としてはインプレッション数、クリック数、エンゲージメント数などが使われます。


インフルエンサーマーケティングを始めるときの注意点

インフルエンサーマーケティングを始めるときには、いくつか注意すべき点がありますので詳しく紹介します。

使うSNSを慎重に決める

各SNSは、それぞれ相性の良い商材が異なります。自社製品やサービスと相性が良く、ターゲットとするユーザーの利用が多いプラットフォームを選定することが、インフルエンサーマーケティング成功の秘訣です。

インフルエンサーとの関係性を明示する

インフルエンサーに情報発信してもらう場合、全ての投稿において自社との関係性を明示する必要があります。明示方法としては「PRであることがわかるタグ付け」「本文中のPR表記」「スポンサー名を表記」などがあります。それらを表記しないまま、ステルスマーケティングになってしまわないように注意が必要です。

事前にインフルエンサーに表示内容について伝えるだけでなく、自社でも投稿内容をチェックするようにしましょう。

商品やサービスイメージに合ったインフルエンサーを起用する

インフルエンサー起用時は、自社の世界観や、商品イメージにマッチしたインフルエンサーを起用しないと効果は出ません。インフルエンサーのフォロワー属性が、自社がターゲットとするユーザーとマッチしているか、必ずチェックしましょう。フォロワー数だけで判断すると期待した効果が出ないことがあります。

投稿前に、写真や投稿内容をチェックする

インフルエンサーの投稿内容が自社の意向に沿ったものか、投稿前にチェックすることが大事です。商品PRなのに「商品ロゴが写っていない」「写真の中の商品が小さすぎる」など、意図しない投稿となっている場合があります。

またユーザーにとって不愉快な内容や誤解を生む表現が含まれていると、「炎上」することがあるため、投稿内容に問題がないことを事前にチェックしましょう。インフルエンサーによって制作物のクオリティには差があるので、きめ細かくフォローするようにしましょう。


まとめ

WEBの状況は、日々変化し続けていますが、現時点でインフルエンサーマーケティングは高い認知効果が見込める広告手段となっています。自社の商材との相性が良いと見極められたなら、すぐに導入した方が良いでしょう。

ただ独自にノウハウを収集したりキャスティングのリサーチをするのは、手間がかかり過ぎる場合があります。インフルエンサーマーケティングをスピーディに展開し、ノウハウを蓄積するためにも最初は代理店に依頼することをおすすめします。

インフルエンサーのフォロワー属性が一目瞭然の検索ツール「Astream」

参考にしたサイト

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