インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを効果的に使用し自社のターゲットにアプローチをするマーケティング手法です。
インスタグラムを使用している若い世代を対象にした企業のブランディングや商品の認知拡大や販売などに効果的です。
他のSNSに比べて画像の加工機能が充実しているため、クオリティの高い画像でPR・ブランディングが行えるというメリットがあります。
今回はインスタグラムマーケティングの概要から実践方法、事例まで、他のSNSと比較しながら詳しく解説します。
この記事を読んで、インスタグラムマーケティングの全体像を把握し、ぜひSNSマーケティングに活用してください。
目次
インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを効果的に活用し、ターゲットにアプローチする手法
インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを効果的に使用し自社のターゲットにアプローチをするマーケティング手法です。
企業のブランディングや商品の認知拡大や販売など、目標に応じて下記のような手法を活用します。
- インフルエンサーを起用する
- インスタグラム広告を出す
- ユーザー参加型のキャンペーンを実施する
- ストーリーズのアンケート機能を使う
- ハッシュタグの活用
インスタグラムのユーザー数は年々増えてきており、2019年時点で国内月間アクティブアカウント数が3,300万を超えています。
また、インスタグラムはユーザーが多いだけではなく、投稿を見たあとの検索や購買行動に結びつきやすいプラットフォームとして、多くの企業から高い指示を得ています。
参考:House of Instagram Japan 2022 DAY1 ダイジェストまとめ
そのため、企業が効果的なインスタグラムマーケティングを行うことができれば、ターゲットの購買行動に結びつけることが可能となります。
インスタグラムマーケティングのメリット
インスタグラムマーケティングの実施には様々なメリットがあります。
- 商品・サービスの魅力を視覚的に伝えられる
- 購買につなげやすい
- 様々なアプローチを実施できる
具体的には、上記のようなメリットが挙げられます。
商品・サービスの魅力を視覚的に伝えられる
Instagramで画像や動画を投稿すれば、ユーザーに商品・サービスの魅力をダイレクトに訴求できます。
例えばアパレルや雑貨など、商品の見た目がウリの企業がInstagramを使えば、ユーザーに商品の魅力を視覚的に伝えることが可能です。
そのため、商品の見せ方を工夫して投稿すれば、認知していなかったユーザーからの興味・関心を得られる可能性が高いです。
購買につなげやすい
インスタグラムマーケティングを実施することで、商品・サービスの購買につなげやすくなります。
ECサイトを持つ企業であれば、商材の画像にショッピングタグを付けて購入ページに遷移させることが可能です。
また、商品・サービスや店舗の内装などの魅力的な投稿で、店舗への来店を促すこともできます。
投稿の工夫次第で購買や店舗への来店につなげられるのが、インスタグラムマーケティングの魅力です。
様々なアプローチを実施できる
Instagramは、画像や動画などのフィード投稿のほか、IGTVやリール、ストーリーズなど様々な機能を使ってユーザーにアプローチができます。
Instagramの主な機能と特徴は以下の通りです。
機能 | 特徴 |
---|---|
フィード | 写真や動画を投稿、閲覧、いいね、コメントができる |
ストーリー | 24時間限定の写真や動画を投稿し、フィルターやスタンプを使える |
ハイライト | ストーリーで投稿した内容をプロフィールに残すことができる |
ライブ配信 | リアルタイムでのビデオ配信ができ、コメント機能もある |
IGTV | 1分以上60分以下の長時間の動画を投稿できる |
リール | 15秒のショートビデオを投稿し、音楽やエフェクトを使える |
ショップ | ビジネスアカウントで商品の販売ができる |
ガイド | トピックや商品に関する情報をまとめたページを作成できる |
Instagramはフィード投稿をメインで見る方もいれば、おすすめのリール投稿を流し見する方もいます。
このように、様々な使い方をするユーザーに、多角的なアプローチができるのがInstagramマーケティングのメリットと言えます。
インスタグラムマーケティングのデメリット
インスタグラムマーケティングにもいくつかデメリットはあります。
具体的なデメリットは以下の通りです。
- BtoB向けの商材を扱う企業は難易度が高い
- 拡散するのが難しい
- 競合との差別化が難しい
それぞれについて解説します。
BtoB向けの商材を扱う企業は難易度が高い
Instagramは、主に若年層や女性層の利用が多く、BtoB向けの商材を扱う企業にとっては、ターゲット層に届けることが難しい場合があります。
また、専門的な商品やサービスを提供する場合には、説明が必要な場合があり、Instagram上で十分に説明することができない場合もあります。
拡散するのが難しい
Instagramにはリツイート機能やシェア機能が無いため、Twitterのように一気に拡散を広げることが難しいです。
投稿に様々なハッシュタグをつけても、他の投稿に埋もれて見られない可能性があります。
競合との差別化が難しい
Instagramは、多くの企業やブランドが利用しているため、競合との差別化を図ることが難しい場合があります。
同じような商品やサービスを提供している場合、差別化ポイントを明確にすることが求められます。それに加え、コンテンツの魅力的な作り方や、自社の強みをアピールすることが重要になってきます。
インスタグラムマーケティングを実施すべき企業の特徴
インスタグラムマーケティングを実施すれば、効果が見込めそうな企業の特徴は以下の通りです。
・10~20代の女性向けの商品・サービスを提供している企業
・アパレルや美容関連などBtoC商材を扱っている企業
令和3年度に行われたInstagramの利用率の調査によると、10代が72.3%、20代が78.6%と高い水準になっています。また、日本国内の利用者は、男性が48%、女性が57%という比率になっています。
このことから、Instagramには10~20代の女性のユーザーをターゲットにしている企業はインスタグラムでアプローチしやすいと考えられます。
参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>
Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 | Metaについて
また、Iアパレルや美容関連などBtoC商材を扱っている企業は、優先してInstagramを活用したマーケティング施策を行うのがおすすめです。
参考:Instagramの運用に失敗する企業の共通項と運用力を左右する3つの変数
Instagram・Facebook・Twitterの違い
同じSNSでも、InstagramはFacebook・Twitterとは特徴が大きく異なります。それぞれの特徴を記載しました。
参考:Instagram集客のコツ8つとやりがちな失敗例、成功事例を解説
写真・動画がメインの「Instagram」
- 写真、または動画を使って投稿。
- 他のSNSに比べて拡散力が高くない。
- 投稿の表示はアルゴリズムによって決まり、時系列に表示されない。
- ハッシュタグやおすすめ投稿の表示から流入されることが多い。
実名制のため知っている人とつながりやすい「Facebook」
- 文章のみ、または文章+写真(動画)で投稿。
- 実名制のため、自分のことを知っている人(仕事関係の人・昔の友人など)とつながりやすい。
- 他のSNSと比べて拡散力が低い。
- 企業のニュースやキャンペーンなど、ビジネスシーンでの活用に向いている。
拡散性が一番高い「Twitter」
- 文章のみ、または文章+写真(動画)で投稿。
- リツイートやいいね、おすすめ投稿で表示される。
- 他のSNSに比べて拡散されやすい。
- トレンドやニュース関連の発信向き。
インスタグラムマーケティングの始め方
インスタグラムマーケティングを実施する場合、以下の流れで取り組みましょう。
- 目的を明確にする
- ターゲット層を決める
- コンテンツ戦略を練る
- 投稿のタイミングを考える
- ハッシュタグを活用する
- インフルエンサーとのコラボレーションを検討する
- 広告を出稿する
それぞれの方法について解説します。
目的を明確にする
インスタグラムマーケティングを始める前に、まずは目的を明確にすることが大切です。
- 自社のブランドイメージを向上させるためにやっているのか
- 商品の売り上げをアップさせるためにやっているのか
- 知名度を上げるためにやっているのか
上記のように目的を明確にすることで、投稿するコンテンツや投稿頻度など、マーケティング戦略を練ることができます。
ターゲット層を決める
ターゲット層を決めることで、自社の商品やサービスに関心を持ちそうな人々に対して投稿を行うことができます。
例えば、女性向けの化粧品やファッションアイテムを扱う企業であれば、女性を中心にターゲット層を設定することが適切です。
ターゲットを特定すれば、そのターゲットが好みそうな投稿にするためにはどうすればいいか考えやすくなります。
コンテンツ戦略を練る
Instagramに投稿するコンテンツは、ブランドイメージや目的、ターゲット層に合わせて選定する必要があります。
インスタグラムマーケティングをする上で、投稿の統一性は重要です。途中で投稿のテイストが変わってしまったり、コンセプトがうまく伝わらない内容であれば、ユーザーは離れてしまいます。
そのため、投稿を始める前にどのようなコンテンツにするべきか考えておきましょう。
投稿のタイミングを考える
投稿のタイミングも重要です。
フォロワーやターゲットが一番アクティブになっている時間帯に投稿することで、コンテンツが多くの人々に見てもらえる可能性が高くなります。
たとえば、就寝前の20~22時のゴールデンタイムはアクティブ率が高いため、その時間帯を狙えば反応してもらいやすくなります。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグを活用することで、自社のアカウントを検索する人々に見てもらえる可能性が高くなります。
ハッシュタグをうまく活用することで、フォロワーを増やすことができるため、マーケティング戦略に欠かせない要素となっています。
インフルエンサーとのコラボレーションを検討する
インフルエンサーとのコラボレーションを行うことで、広告効果を高めることができます。
インフルエンサーのフォロワーが、自社の商品やサービスに興味を持ち、フォロワー数を増やすことができるため、効果的なマーケティング手法の一つです。
ただし、適切なインフルエンサーを選定し、適切な報酬を提示することが重要です。もし見つけるのが難しい場合は、インフルエンサーを紹介してくれる代行業者に依頼するのがおすすめです。
参考:【2022年最新版】インフルエンサーマーケティング会社9選!代理店選びの3つのポイント
また、インフルエンサーを起用する際、ステマにならないように投稿には気を付けましょう。
参考:ステマって何?5分で分かるステマの意味と法規制、有名事例7選を紹介
広告を出稿する
広告を出稿することで、自社のアカウントや商品、サービスを広く知ってもらうことができます。
Instagramには、自社の投稿の他にも、ストーリーズやフィード上に広告を出稿することができます。広告出稿は、自社の商品やサービスを効果的に宣伝するための手法の一つです。
Instagram広告の具体的な始め方については、以下の記事を参考にしてください。
参考:5分でわかるInstagram広告とは?広告の特徴と出稿の流れ
Instagram(インスタ)広告にかかる費用と必要な予算感とは?
Instagram(インスタ)広告の種類・最適な出稿形式
インスタグラムマーケティングの活用方法と事例
1.ユーザー参加型のキャンペーンを実施する
ユーザーが参加したくなるようなキャンペーンをインスタグラム上で実施する方法があります。
実施することで、フォロワーを多く獲得できたり、認知拡大につなげたりすることが可能です。
やり方
ユーザー参加型のキャンペーンの場合、テーマに沿った写真を撮ってもらい、指定したハッシュタグをつけて投稿してもらいます。もしくは、参加条件を「フォロー」と「いいね」にし、ユーザーにとってメリットがある特典をつけます。
事例
星野リゾートが、抽選で星野リゾートに宿泊できるという特典をつけて、大人女子に向けて「ごほうび」や「癒し」の瞬間を撮影した写真を募集しました。キャンペーンに使われた、「#ごほうびリゾナーレ」での投稿数は2,269件(2017年4月現在)となりました。
参考:SEASON_RISONARE INSTAGRAM 宿泊プレゼント 17 Autumn|星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
Instagramキャンペーンの事例8選!目的別の活用方法まとめ
成果を出すポイント
- ユーザーが参加しやすいものにする。
- インスタグラムの利用層を考えて、主に10〜30代の女性に向けてのキャンペーン設計にする。
2.ストーリーズのアンケート機能を使う
ストーリーズのアンケート機能を活用すると、2択のアンケートができます。
アンケートは気軽に回答できるため、ユーザーと双方向のコミュニケーションを取ることが可能です。
アンケート内容例
- 「どっちがいいと思う?」と投げかけ、ファンの意見を取り入れる。
- 「動画はもう見てくれた?」などと投げかけ、プロモーションのリマインドに活用
やり方
アンケート機能の利用は簡単です。以下でInstagramのアンケート機能を使う手順を解説します。ホーム画面左上にあるカメラアイコンをタップし、Instagramストーリーズ作成画面を開きます。
アンケートで使いたい画像や動画を撮影し、スタンプをタップします。
スタンプの中から「アンケート」を選択します。アンケートで質問したいことをテキストで入力します。
参考:Instagramストーリーズにアンケート機能が登場! 使い方と活用事例9選まとめ | ソーシャルメディアラボ
事例
タオル通販を行っている「we LiOru」では、Instagramのストーリーズにて、ユーザーにタオルは「ふわふわ派」か「しっかりめ派」かアンケートを取りました。
アンケートを行った結果、約7割の方が「ふわふわ派」であることがわかりました。
実際のアンケート結果をフィード投稿で共有しています。
参考:we LiOru – Instagram:ストーリーズで行ったアンケート結果発表!!
成果を出すポイント
- ユーザーが答えやすいような質問にする
- 事前に仮説を立てたうえでアンケートを設計する
3.インフルエンサーを起用する
フォロワーが多いインフルエンサーに拡散してもらえれば、短期間で多くのユーザーからの認知獲得ができます。
やり方
自分でインフルエンサーをリストアップしてコンタクトをとるという方法もありますが、各インフルエンサーの特性を把握するのは難しいです。うまく見つけられない場合は、インフルエンサーのキャスティングをしている企業に頼む方法もあります。(参考:国内PR会社の一覧 ≫)
インフルエンサーマーケティングのキャスティングサービスとしては、「Find Model」「3MINUTES」「Adgenic」などがあげられます。
詳しくは以下を参照してください。
インフルエンサーを起用し、商品を魅力的にPRできた成功事例8選 | インスタラボ
国内のサービス/サービス提供企業を完全網羅!「インフルエンサーマーケティングパーフェクトガイド」
インフルエンサーを起用する際、ステマにならないように投稿には気を付けましょう。
参考:ステマって何?5分で分かるステマの意味と法規制、有名事例7選を紹介
事例
韓国料理屋の「銀座 ポチャ情」は、フォロワーが約63万人もいるグルメ系インフルエンサー「りょうくんグルメ」とタイアップPRを出しました。
店舗の魅力がわかる動画投稿によって、2,000件ちかくの「いいね!」を獲得することができました。
成果を出すポイント
- ブランド・商品のイメージにぴったり合うインフルエンサーを起用する
- 企業側の想定外の投稿内容となってしまうことがあるので(特に芸能人の場合は)、事前にしっかりと投稿内容をすり合わせる
4.インスタグラム広告を出す
インスタグラム広告を出稿すれば、多くのターゲットにリーチさせることができます。
やり方
Facebook、Instagramアカウントを取得する
InstagramアカウントとFacebookのアカウントをリンクさせる
広告マネージャー/パワーエディタのいずれかでInstagram広告を作成し公開
広告マネージャー/パワーエディタの使い方については以下を参照してください
広告マネージャーの使い方
パワーエディタの使い方
また広告の種類は写真広告、動画広告、カルーセル広告、ストーリー広告の4つがあります。
事例
メルセデス・ベンツは、シリーズの写真広告を使って、コンセプトカーの美と自動運転のある未来のビジョンを強調することにしました。その結果、広告想起が27ポイント上昇、キャンペーンの認知度が5ポイント上昇、メッセージ理解が6ポイント上昇しました。
メルセデス・ベンツ: Instagram広告の成功事例 | Instagram Business
成果を出すポイント
- 広告は年齢、性別、地域などで絞れるので、そのターゲットにあった広告を出稿する。
- 広告を見たユーザにとってもらいたい行動を誘導するボタン(CTA)が適切なのかどうか考える。
- ハッシュタグの選定が重要。ユーザーがハッシュタグをクリックしてしまったために、本来の目的以外のリンク先に誘導してしまうケースもあるので注意。
- 広告の効果測定を分析する
参考:Instagram広告運用のおさえておきたい4つの鉄則
Instagram広告とは|5分でわかる活用事例と出稿方法
インスタグラムマーケティングに関するよくあるご質問
インスタグラムマーケティングに役立つQ&Aをまとめています。
Q. インスタグラムでフォロワーを増やすための効果的な方法は何ですか?
A.定期的な投稿や、視覚的に魅力的なコンテンツを作成することが重要です。ハッシュタグやリールを効果的に活用することで、多くのユーザーにリーチできる可能性が高いです。
Q. インスタグラム広告の主要なフォーマットにはどのようなものがありますか?
A.主な広告フォーマットには、写真広告、動画広告、カルーセル広告、コレクション広告などがあります。それぞれの広告フォーマットは、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。
Q. インスタグラムの「ショップ機能」とは何ですか?
A.「ショップ機能」は、ビジネスアカウントで商品の販売ができる機能です。ユーザーは投稿から直接商品を購入することが可能で、ECサイトと連携させることで、シームレスなショッピング体験を提供できます。
Q. インスタグラム広告の課金方式にはどのようなものがありますか?
A.インスタグラム広告には、CPM(インプレッション課金)、CPC(クリック課金)、CPI(インストール課金)、CPV(ビュー課金)の4つの課金方式があります。広告の目的に応じて適切な方式を選ぶことが重要です。
まとめ
以上、インスタグラムマーケティングのポイントを事例とともに紹介しました。近年SNSのサービスが多様化しています。各サービスによって、年齢層や傾向が違います。インスタグラムは比較的に若者向けで女性の使用率が高いSNSツールだと言えます。このターゲットに絞ったマーケティングを行うことで、より効果的な戦略を練ったり、広告費を抑えたりすることができます。
本記事が、インスタグラムでマーケティングの検討を使用している方に参考になれば幸いです。
インスタグラムは比較的安価にマーケティングで成果を出すことが可能ですが、成果を継続して出すには細かな運用と工夫が必要です。