絶対やるべき塾の集客方法4つ!成功ポイントと失敗回避のコツ

今やコンビニ並みに増加している学習塾。

競合のひしめく中、生徒に入塾してもらい経営を安定化させるには、集客を行い自社を選んでもらうことが大変重要です。

一方、このようなお悩みはないでしょうか。

「色々やればいいのはわかるが手が回らない」「効率的に集約できる方法を知りたい」

塾の集客で効果を上げる様々な方法があるなかでも、最優先でやるべきは「ホームページ」「ネットを含む口コミ+チラシ」「紹介イベントやキャンペーン」の3つです。

塾は教育業界であり、口コミによる評判や事前情報が塾の集客に大きな影響を与えるため、信頼性を担保しながら丁寧に顧客が求める情報を開示していく必要があるからです。

そこで本記事では、最低限やるべき3つの施策、その他の方法の特徴や集客に成功するためのポイントなどについて解説します。

この記事を読めば、自分の塾の場合はどの集客方法を行うべきかがしっかりと検討でき、すぐに企画を作り始めることができます。


これだけは実施すべき塾の集客方法4選

塾の集客は、見込み顧客からの信頼を重視し、丁寧に行っていく必要があります。

美容室や飲食店といったサービス業とは異なり、単なる興味や好奇心よりも「信頼」があって初めて人が集まるものだからです。

具体的な方法として最初に取り組むべきは以下の4つです。

  • ホームページ
  • 口コミ対策
  • チラシ
  • 紹介イベントやキャンペーン

ホームページ

塾の顔とも言うべきホームページは、集客のために必ず用意しておくべきです。

保護者や生徒は、口コミやチラシなどで塾に興味を持ったら、最終的には自分でホームページを確認し、問い合わせや体験を申し込むからです。

ホームページがないと保護者・生徒は情報収集がしづらく、具体的なアクションにもつなげづらいので、他の塾を検討する可能性が高まってしまいます。

もちろんホームページを作ったからといって、すぐに生徒が確保できるというわけではありませんが、各集客ツールから来る問い合わせに対する最終的な受け皿として用意しておくのが望ましいです。

また、長期的にコンテンツを運用していけばブランド力も高まり、自社の資産にもなります。

ホームページを制作する際は、以下の3つがポイントです。

  • 塾の教育方針、強み、学習カリキュラムがわかること
  • 体験入学、資料請求、問い合わせの方法がわかること
  • 保護者や生徒の疑問や不安を解決するコンテンツがあること

塾の方針、強み、学習カリキュラムがわかること

ホームページには必ず、その塾の方針やほかにはない強み、どのような学習カリキュラムで運営しているのかがわかるような情報を入れます。

塾を他社と比較検討する際に、子どもや自分自身に合うかどうかを見極める重要な要素だからです。

まずは自社の強みや方針を、以下のように言語化したうえで、ホームページに掲載しましょう。

  • 方針=個別指導で苦手を徹底的に克服
  • 強み=難関●●校合格率99%
  • 学習カリキュラム=1コマ50分、受験コースと補習コースの2コース制、など

体験入学、資料請求、問い合わせの方法がわかること

また、体験入学、資料請求、問い合わせの方法がわかるようにしておくのも大切です。

興味を持った顧客に次のアクションを起こしてもらいやすくするためです。

例えば、トップページのメインビジュアルのすぐ下や、各ページのヘッダーの右上などの目立つ場所に資料請求ボタンを設置しておくなどの対策を行って、見てくれているユーザーが迷うことのないようにします。

保護者や生徒の疑問や不安を解決するコンテンツがあること

多くの保護者や生徒が抱く疑問や不安を解決するコンテンツを設置してください。

顧客が塾を選ぶ際、情報を集め、比較検討を重ね、信頼できるとわかってようやく契約します。顧客からの信頼を勝ち取るためには、顧客が抱える悩みを解消できるコンテンツを用意することが大切です。

例えば、「料金システム」「休講時の対応」など塾のシステムに関する情報はもちろん、「受験対策はいつからすべきか」などターゲットとなる顧客の潜在的な悩みを解消できるコンテンツを用意しておきましょう。

参考:初心者必見!ホームページ作成の方法3つと作成の流れを解説 | LISKUL

ホームページからの問い合わせや体験の申し込みの誘導には、LINE公式アカウントの活用が有効です。

ほとんどの人が日常で使っているLINEで申し込みできるようにすることでハードルが下がるだけではなく、LINEは保護者世代も使用しているためです。

体験授業後にも個別にコミュニケーションが取れるため、本申し込みも獲得しやすくなります。

LINE公式アカウントの運用に慣れていない方は、専用ツールを活用してみましょう。登録してくれた方へのメッセージ配信や顧客管理を半自動化でき、効果的な運用ができます。

口コミ対策

口コミ対策も、やっておきたい集客方法です。

口コミは塾を検討するきっかけとなることが多いです。限られた商圏内で「自社の良い評判」を伝えるためには口コミが有効です。

塾側が意図的に口コミの内容を操作することは難しいですが、良い口コミを書いてもらうためにすべきことは多くあります。

例えば、Googleビジネスプロフィールで、開校時間や問い合わせ先などの基本的な情報をしっかりと掲載することや、書き込まれたコメントに対して誠意を持って返信することで信頼してもらいやすくなります。

また、口コミは人から人に言葉で伝わっていくものであるため、「簡潔に伝えやすいフレーズ」を用意しておくことも大切です。

例えば、独自のAIを使った指導メソッドがあるといった場合「AIを活用した最先端の塾」、計算力を上げるために毎回スピードを競わせたりポイントがたまったりする場合「ゲーム方式で学べる塾」と表現すると魅力が伝わりやすくなります。

参考:Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)とは?活用すべき理由から登録方法まで解説 | LISKUL

チラシ

チラシの実施も塾の集客におすすめな手法です。

塾はエリアに密着した業界であり、エリアごとにセグメントして告知できるチラシと相性が良いからです。

ポイントは、チラシはあくまで「きっかけ」、つまりホームページへのアクセスやリアルな交流の場面での話題をつくるための誘引剤として捉えて連動させて活用することです。

例えば、「部活との両立に悩むなら●●塾」など心を掴むキャッチコピーや、インパクトのあるデザインで興味を喚起し、QRコードからホームページへ誘導する流れなどを設計します。

また「チラシ持参で初回受講料OFF」などとして、足を向けてもらうきっかけにするのも良いでしょうし、友人や知人同士で紹介の際にも使ってもらいやすいです。

夏休み前や、学年が上がるタイミングなどに合わせたスポットでの集客に向いている方法ですので、ぜひ実施してみてください。

参考:事例で学ぶ!生徒数が増える塾のチラシの作り方と5つのコツ | LISKUL

紹介イベントやキャンペーン

3つ目は紹介イベントやキャンペーンです。

紹介制度は、既存顧客の紹介で新しい他の顧客を連れてきてもらうリファラルマーケティングという仕組みで、信頼性が担保された上で質の高い顧客を獲得することができるのが大きな特徴です。

友人が実際に通っている塾であれば、利用者の生の声が伝わるため心理的なハードルが下がり、「行ってみよう」「試してみよう」と行動を起こしてもらいやすくなります。

例えば以下のような特典を用意し、既存塾生を通じてチラシを配布したり、ホームページでも告知したりなどを行います。

  • 紹介した人・された人双方にギフト券(図書カード、QUOカードなど)贈呈
  • 授業料割引
  • 教材割引
  • 季節講習割引
  • キャッシュバック

チラシからLINEに連動させるような仕組みも加えることができれば、IDを取得して見込み顧客を得ることなども可能になります。

参考:脱テレアポ!紹介営業(リファラル営業)で新規顧客を獲得する方法と成功のポイント | LISKUL
   学習塾集客に欠かせない「お友達紹介キャンペーン」事例特集|KUCHICO PREMIUM


目的別・塾の集客方法一覧

塾の集客方法は、先ほど紹介したもの以外にも多くの方法があります。

新規開校のために新たに生徒を獲得したいのか、単発で通塾した生徒のリピートを獲得したいのか目的やターゲットによっても、適した方法が変わります。

極端な場合、新しく開校する自分の塾は認知を高めることが重要です。「高い専門性が魅力」といって、YouTube配信やブログでの情報発信だけを行っても、直接的な集客は難しいです。

また、よくあるチラシやポスティングだけ行って、集客の受け皿となる方法を用意していなければせっかくの集客効果が薄れてしまいます。

単一の方法だけで集客が成功するのではなく、ホームページとチラシをセットにするなどの対策を行うようにしてください。

それぞれの特徴について、以下に表でまとめましたので参考にしてください。

塾集客一覧表


塾の集客を成功させる4つのポイント

塾の集客を成功させるためには、飲食店や美容室といった店舗とは違い、以下の4つのポイントを踏まえることが大切です。

  1. 集客できるエリアを絞る
  2. Webの自社情報を定期的にチェックする
  3. ターゲット顧客層に合わせて施策を決める
  4. 入塾を検討しやすいタイミングに合わせて実施する

1.集客できるエリアを絞る

塾の集客は、ターゲットをどのエリアから集客するかを明確に絞ることがポイントです。

小学生の保護者が塾を選ぶ決め手の4割は「自宅からの距離や交通の便」であり、通いやすい距離にある塾の中から選ぶ傾向にあるため、塾と家が離れて通いにくいターゲットは集客できる可能性が低いからです。

特にチラシでポスティングを行う場合は、そもそもニーズが薄い・ない家にもチラシを配ってしまう可能性がありますので、しっかりとセグメントすることが重要となります。

エリア内のターゲットに対して積極的にアプローチし、効率的に集客するようにしてください。

参考:小学生の親、塾選びの決め手TOP3は「通いやすさ」「授業形態」「口コミ」=イオレ調べ= |ICT教育ニュース

2.Webの自社情報に信頼性があるかを定期的にチェックする

2つ目に、Webの自社情報に間違いがないかどうか、信頼性があるかを定期的にチェックすることです。

塾は教育施設であり、信頼や実績がその評価に大きな影響を及ぼすため、万一間違った情報や誤解に繋がる情報があっては信頼を失ってしまいます。

例えば、掲載している「金額」が実際とは違っていたり、記載されている「塾の開校時間」に電話をしても電話に出なかったりなどの間違いがあると、不信感を抱かせてしまい、せっかく興味を持ってもらった顧客が離れてしまうという致命的なミスに繋がります。

チェックするための方法としては、ホームページを月に1度は見直す、Googleビジネスプロフィールを週に1度はチェックするなど具体的にチェックするタイミングを設けて間違った情報が掲載されていないかを確認することをおすすめします。

自分の塾が発信している内容に間違いがないか、しっかりと確認するようにしてください。

参考:【学習塾の集客方法】あなたの教室を選んでもらう戦略と戦術を徹底解説 | HP制作から運用まで/東京を中心に全国対応!|CMSpro

3.ターゲット顧客層に合わせて施策を決める

3つ目は、ターゲットとなる顧客層に合わせて施策を決めることです。

集客する塾が小学生対象なのか、中学生以上なのかによって、効果的な集客方法も異なり導線が変わるからです。

小学生の塾の場合だと、有効なターゲットはその保護者です。

この場合、友人や同級生の親など周囲の評判(口コミ)が重要ですので、集客方法としてはGoogleビジネスプロフィールやチラシなどを活用すると良いです。

保護者は、2~3件の中から授業内容や合格実績、自宅からのアクセスなどをポイントに比較するため、これらを魅力的にわかりやすくアピールすると効果的です。

また、中学生以上が対象の塾の場合、受講する生徒自身がターゲットとなります。

中学生や高校生は、リアルの交友関係やWebの口コミはもちろん、自分でWebやSNSから情報収集することも増えるため、集客方法にはSNSやYouTubeでの配信も視野に入ります。

YouTubeやSNSなどで当事者向けのノウハウ発信に注力するなどで、信頼獲得につなげると良いです。

このターゲットが塾を選ぶ際に重視するポイントは、個別指導か集団指導の条件面や講師との相性の部分が大きいので、この部分の疑問解決に役立つ情報を網羅しておくようにしてください。

参考:【経営】新規入塾者を増やすための8個の施策 |学習塾ハック

4.入塾を検討しやすいタイミングに合わせて実施する

塾の集客は、入塾を検討しやすいタイミングに合わせて実施することも大切です。

通塾の必要を感じにくい時期に集客予算をかけても、効果的ではありません。

具体的な年代ごとの検討タイミング例としては、以下です。

  • 小学生の場合:新学年に上がるタイミング、特に高学年を控えた5年生1学期から
  • 学校の授業を補う「補習塾」の場合:学年を問わず2~3月の早い時期から
  • 中学受験の場合:3年生2月から
  • 中学生以上の場合:各学期の中間・期末の定期テスト前後、特に1学期の期末テスト前後、2学期の中間テスト前後。学年が切り替わる前の3月の前

なお、保護者や生徒は、塾をどこにするかの検討に約1ヵ月かけています。

そのため、集客を完了させたい月から逆算して、最低1ヵ月前から集客活動を開始しなければなりませんので、一年の中であらかじめスケジューリングしておくようにすると良いです。

参考:中学生の高校受験対策、塾にいつから通う?おすすめ開始時期とは|塾探しの窓口
参考:【2023最新データで見る】小学生はいつから塾に通う?最適な時期を解説|塾探しの窓口


塾の集客で失敗しないための3つのポイント

塾の集客で失敗しないためには、以下のポイントを抑えることが大切です。

  • 大手を同じことをしない
  • 効果を測定し検証する
  • 既存の生徒や保護者のニーズを放置しない

大手と同じことをしない

1つ目は、大手と同じことをしないようにすることです。

塾の月謝や授業方式などが大手フランチャイズの塾と同じであれば、多くの場合は知名度があり、実績や信頼のある大手を選ぶからです。

大手はブランドとして既に確立されているため、同じ戦略を取っても勝ち目はありません。

大手がよく行う戦略には以下のようなものがあります。

  • TVCMの実施
  • 最新の指導法
  • 圧倒的な合格実績数

これに対抗する具体的な方法として例えば、

  • 英検を受験する生徒に対して授業前に特別ミニ講義をする
  • 直前の欠席の場合にも振替を可能にする
  • 受講前の自習時間であれば学校の宿題をやってもよい
  • 少しでもわからないところがあれば家からでもメールやチャットで質問可能、など

このように、大手にはできないサポートや対応で自社ならではの取り組みを行ってください。

参考:必読!塾の経営で失敗する典型的な3つの厳しいパターンとは|BIT CAMPAS

効果を測定し検証する

2つ目は、集客施策を実施した後には、効果を測定し検証するようにします。

きちんと検証するようにすれば、継続的な改善を加え安定経営と発展につなげることができるためです。

例えばチラシであれば、配布枚数や問い合わせ数、実際の入塾者数、配布コストから、顧客の獲得単価を割り出して、改善に役立てます。

また、ホームページからの問い合わせ数や申し込みフォームでの回答、面談時で塾を知ったきっかけのアンケートなど、数字情報やヒアリングデータを収集し、分析するようにすると良いです。

既存の生徒や保護者のニーズを放置しない

3つ目は、既存の生徒や保護者のニーズを放置しないことです。

集客に注力しすぎて、今いる顧客の満足度を上げることができなければ、顧客離れの可能性が高まり、集客しつづけなければ人が集まらない構造を生み出してしまいます。

塾業界に詳しいサービス企業「株式会社POPER」の調査によると、小中学生が対象の塾の場合、保護者のニーズに多いのは「塾からの連絡手段は電話ではなくデジタル化してほしい」というものです。

しかし、塾側は「ブログの更新」ばかりに注力していて、連絡体制は見直さずという状況になっていると、既存顧客の満足度を高めることはできません。

既存顧客のニーズと合っていないサービスは見直すべきです。

一方、中学生以上が対象の塾の場合であれば、塾に対してより詳しい受講内容や勉強法を知りたいというニーズが多いため、ブログなどの情報発信に注力するとより信頼性が高まります。

今いる生徒と保護者の信頼を落とさず、満足度をさらに上げることが、良い評判に繋がり口コミにも反映されることを忘れないようにしてください。

参考:【保護者300人と学習塾70教室に聞いた「保護者と学習塾の意識調査」】「コミュニケーションのデジタル化」を進めたいという共通認識がある一方で、「学習塾選びの基準」や「連絡手段」の認識に乖離あり|PR TIMES


まとめ

塾は「信頼」が重視される教育業界であるため、集客は信頼性を担保しながら丁寧に行っていかなければなりません。

集客方法で最低限やっておくべきは「ホームページ」「ネットを含む口コミ+チラシ」「紹介イベントやキャンペーン」の3つです。

そのほかにも、SNSやリスティング広告など多くの方法があるので、それぞれの特徴を踏まえたうえで、目的に応じた方法を選んだり組み合わせたりします。

なお、塾の集客を成功させるためのポイントは、以下の4つです。

  1. 集客できるエリアを絞る
  2. .Webの自社情報の信頼性を定期的にチェックする
  3. .ターゲット顧客層に合わせて施策を決める
  4. 入塾を検討しやすいタイミングに合わせて実施する

塾の集客で失敗しないためのポイントは、以下の3つです。

  • 大手を同じことをしない
  • 効果を測定し検証する
  • 既存の生徒や保護者のニーズを放置しない