
DSP広告とは、DSP(Demand Side Platform)=広告主向けのプラットフォームを通じて配信される広告のことです。
広告主の目的に合わせて、様々な配信面に配信したいターゲットを設定して広告配信をすることが可能です。
本記事では「DSP広告」の定義から仕組みまで、メリット・デメリットを含めて解説します。
また、おすすめのDSP広告サービス11社の料金や特徴などを徹底比較しています。
重要度を客観化するために、DSP広告を紹介している既存のサイト10個を調査し、出現頻度をスコアリングしました。頻度の高い順に掲載しているので、効率よく良質なDSP広告サービスを見つけられるでしょう。
目次
- DSP広告とは?
- DSP広告サービスを選ぶ際に着目すべき2つのポイント
- 主要DSP広告サービス11選
- 各DSP広告サービスの紹介(出現頻度順)
- 1.国内初の独立系DSPで、ブランド施策に強い「FreakOut(フリークアウト)」
- 2.国内シェアNo.1で配信デバイスも多様な「MicroAd BLADE」
- 3.Google社製で海外にも配信可能な「ディスプレイ&ビデオ 360」
- 4.BtoBマーケティングに特化「MarketOne」
- 5.海外への配信ができる「Bypass」
- 6.初期費用・ランニングコスト無しの「Logicad」
- 7.楽天の膨大なデータを扱える「RMP-Trading Desk」
- 8.運用型と自動型両方の要素を併せ持つ「ScaleOut」
- 9.アトリビューション分析や位置情報による広告配信が可能な「AdInte」
- 10,天気やオフィスのIPアドレスなどでユニークなターゲティングが可能「ADMATRIX DSP」
- 11,潜在層向け施策に強みを持つ「GMO DSP」
- その他おすすめのDSP広告
- まとめ
DSP広告とは?
DSPとは、Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略称で、広告主の広告効果最大化のためのプラットフォームのことです。DSP広告を用いると、複数のアドネットワーク(広告掲載枠の束)を介して広告を配信することができます。
DSP広告の仕組み
DSP広告は以下のような流れで配信されます。
① ユーザーがサイトを訪問する
② SSP(広告掲載側のプラットフォーム)に通知が届く
③ SSPがDSPにオークション形式でリクエストを出す。この際、ユーザーの情報も送られる
④ ユーザーの情報に基づき、DSP側でオークションにより広告主が選定される
⑤ SSPが、その中からさらにオークションをおこない、1つの広告主に決まる
⑥ 落札した広告主の広告が掲載される
DSP広告では、リアルタイムの入札が広告掲載ごとに瞬時におこなわれます。このような仕組みを、Real Time Bidding(リアルタイムビディング)といい、「RTB」と略します。
DSP広告を活用するメリット
DSP広告を活用するメリットとしては、以下が挙げられます。
- 細かなターゲティングに基づいて広告配信できる
- 手動では不可能な高度な最適化が可能
- 広告管理の工数削減が可能
DSP広告サービスを選ぶ際に着目すべき2つのポイント
具体的なDSP広告サービスの比較に入る前に、選ぶ際に着目すべきポイントを2つ説明します。
ポイント1:課金方法|CPC課金か?インプレッション課金か?
DSP広告サービスの課金方法は「CPC課金」と「インプレッション課金」の2種類が主流です。他に「インストール課金」という特殊な課金方法もあります。自社の予算などを考慮し、適切な課金方法を選びましょう。
CPC課金
CPC課金とは、ユーザーがクリックする毎に課金される方法であり、クリック数に応じて課金されます。
インプレッション課金(CPM課金)
インプレッション課金とは、広告の表示回数ごとに課金される方法です。広告が、1,000回表示されるごとに課金されます。
インストール課金
インストール課金とは、スマートフォンなどのアプリの利用促進を目的としている、アプリ広告独自の課金方法です。アプリケーションがインストールされた段階、もしくはアプリケーションを起動された段階で課金されます。
ポイント2:運用方法|自動型か?運用型か?
DSP広告サービスは、「自動型」と「運用型」の2種類の運用方法があります。両者の特徴が組み合わされたDSP広告もあるので、どの型式がよいかを考えた上で選びましょう。
自動型(アルゴリズム型)
自動型では、DSP独自のアルゴリズムによって、自動的に広告効果(CPA)が最適化されます。人手が不要のため、低コストでの運用が可能ですが、自由に配信をコントロールできません。
運用型
運用型では、人がユーザー属性に関するデータを見ながら運用をします。人の手が入るので、様々な条件に応じて柔軟に対応できます。
主要DSP広告サービス11選
会社名 | 特徴 | 導入実績 |
FreakOut | ・国内トップクラスのシェア ・ブランド施策に強い | 非公開 |
MicroAd BLADE | ・国内トップシェアのDSP ・デジタルサイネージなど多様なデバイスに配信可能 | ・アカウント開設社数18,000社突破(2018年2月現在) |
ディスプレイ&ビデオ 360 | ・GoogleのDSP ・膨大なデータに基づくターゲティングが可能 ・ワークフローを一元化可能 | 非公開 |
MarketOne | ・BtoBマーケティングに特化 ・u-Predictを利用した予測/最適化配信 | 非公開 |
Bypass | ・海外への配信可能 ・初期費用なし ・ランニングコストなし | 非公開 |
Logicad | ・ソニーグループの高い技術力 ・レポーティングによる透明性 ・柔軟な運用力 | ・ダイレクトレスポンス系広告主、ブランド広告主 |
RMP-Trading Desk | ・楽天グループの膨大なデータに基づくターゲティング | 非公開 |
ScaleOut | ・運用型と自動型の中間 ・使いやすい管理画面 | 非公開 |
AdInte | ・アトリビューション分析や位置情報による広告配信が可能 | 非公開 |
ADMATRIX DSP | ・天気やオフィスのIPアドレスなどを活用したユニークなターゲティングが可能 | 非公開 |
GMO DSP | ・GMOグループ ・様々なターゲティング機能 ・アトリビューション分析可能 | 非公開 |
各DSP広告サービスの紹介(出現頻度順)
1.国内初の独立系DSPで、ブランド施策に強い「FreakOut(フリークアウト)」
概要
FreakOutは、2010年に創業した、国内初・独立系のDSPベンダーです。後述のMicroAd BLADEに次いで、国内で大きなシェアを占めており、月間1,500億PVに達しています。評価が難しいブランド施策の、パフォーマンス最大化に強みを持っています。
特徴
- 評価が難しいブランド施策効果の数値化
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
ブランディング施策にDSPを利用したい方
2.国内シェアNo.1で配信デバイスも多様な「MicroAd BLADE」
概要
MicroAd BLADEは、国内トップクラスのシェアを持つDSP広告プラットフォームです。現在、月間約1,600億インプレッションの広告枠を確保しており、アカウント開設社数は18,000社を突破しています。
国内最大規模のオーディエンスデータを保有し、高精度で多彩なマーケティングが可能です。また、PC・スマートフォン以外に、デジタルサイネージなどへの配信も可能です。
特徴
- 国内トップシェアのDSP
- 屋外のディスプレイなど多様なデバイスに配信可能
価格
要問合せ
導入実績
- アカウント数17,000社突破
こんな方にオススメ
PC・スマホ以外のデバイスにも広告出稿したい方
3.Google社製で海外にも配信可能な「ディスプレイ&ビデオ 360」
概要
ディスプレイ&ビデオ 360は、Googleの提供しているDSP広告プラットフォームです。Googleの膨大なデータに基づいたターゲティングが可能で、様々なキャンペーンを一元的に管理することができます。また、グローバルな広告配信もおこなえます。
特徴
- 海外にも配信可能
- 膨大なデータに基づくターゲティングが可能
- ワークフローの一元化
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
海外にもDSP広告を配信したい方
4.BtoBマーケティングに特化「MarketOne」
概要
MarketOneは、株式会社プラットフォーム・ワンが提供するDSPです。国内最大級の在庫ボリュームを持ち、予測/最適化配信や多彩なターゲティングが強みです。
特徴
- BtoBマーケティングに特化
- u-Predictを利用した予測/最適化配信が可能
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
BtoBサービスのプロモーションを検討されている方
5.海外への配信ができる「Bypass」
概要
Bypassは世界への配信に対応したDSPです。海外パートナーとの連携によりグローバルなマーケティングをサポートしてくれます。初期費用・ランニングコスト共に無料である点も魅力です。
特徴
- 海外への配信が可能
- 初期費用 / ランニングコストなし
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
海外へDSP広告を配信したい方
6.初期費用・ランニングコスト無しの「Logicad」
概要
Logicadは、独自の人工知能を搭載し、ソニーグループの優れた技術をもとに開発された国産DSPです。
特徴
■配信設定の柔軟性
簡単設定による最適化配信と自由設定による高度な配信の選択が可能
■自社内製開発の独自アルゴリズム
ソニー、ソネットの持つ技術力・分析力をコアとする配信システム
■独自の設定補助機能や多彩なレポーティング
配信設定単毎に、ドメイン、ブラウザ、フリークエンシー等の詳細状況が参照可能
■丁寧な運営サポート
広告代理店や広告主の要望に合わせた広告配信の最適化を支援
価格
要問合せ、初期費用・ランニングコストなし
導入実績
- 化粧品、健康食品、金融、エンタメなどダイレクトレスポンス系の広告主と、動画メニュー等を活⽤したブランド広告主の2方面にて、活用実績あり。
こんな方にオススメ
・初期コストを抑えたい方
・柔軟な運用を期待する方
7.楽天の膨大なデータを扱える「RMP-Trading Desk」
概要
RMP-Trading Deskは、楽天の提供しているDSPで、楽天マーケティングプラットフォームのサービスの1つです。国内最大級ECである楽天の会員データや閲覧履歴、楽天グループが保有する様々なデータを活用したターゲティングが可能です。楽天市場のみならず、楽天トラベル・GORA(ゴルフ)・みんなの就職活動日記など、様々なサービスからのデータがあるため、高精度のターゲティングが可能です。
特徴
- 楽天グループの膨大なデータに基づくターゲティングが可能
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
膨大なデータに基づくDSP広告配信をしたい方
8.運用型と自動型両方の要素を併せ持つ「ScaleOut」
概要
ScaleOutは、Supership株式会社が提供しているDSPです。運用型と自動型の中間的な存在であり、設定項目が柔軟で、レポーティング画面も分かりやすくなっています。月間2,200億インプレッションの実績があります。
特徴
- 運用型と自動型を使い分け可能
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
運用型と自動型を状況に応じて使い分けたい方
9.アトリビューション分析や位置情報による広告配信が可能な「AdInte」
概要
スマートフォン向けDSPのAdInte。ユーザーの興味・関心をリアルタイムで解析できます。
特徴
- リターゲティング配信やオーディエンスターゲティング配信などの豊富な配信
- 京都大学との技術連携
- アトリビューション分析が可能
- 位置情報やクーポン利用などを利用した広告配信に対応
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
位置情報を活用した広告配信を検討している方
10,天気やオフィスのIPアドレスなどでユニークなターゲティングが可能「ADMATRIX DSP」
概要
ADMATRIX DSPは人工知能による独自のターゲティングで、様々な広告配信を実現したDSPです。
特徴
- 国内インターネットユーザーの93%以上にリーチ可能
- ユーザーの行動履歴を人工知能が学習し、広告効果を最適化
- 天気やオフィスのIPアドレスなどによるユニークなターゲティングが可能
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
天気やオフィスのIPアドレスに基づいたターゲティングを検討している方
11,潜在層向け施策に強みを持つ「GMO DSP」
概要
GMO DSPはGMOインターネットグループが提供しているDSPです。潜在層ユーザーを探し出すブロードリーチや、検索ワードターゲティング機能などが特徴です。また、アトリビューション分析を加えたレポーティングが可能です。
特徴
- GMOグループ提供のDSP
- 潜在層ユーザーを探し出すターゲティングに強み
- アトリビューション分析も可能。
価格
要問合せ
導入実績
非公開
こんな方にオススメ
潜在層向け施策に注力したい方
その他おすすめのDSP広告
今回ご紹介したDSP広告サービス以外にも、下記のようなサービスがあります。それぞれ異なった特徴がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
クロスリスティングDSP
Criteo
KANADE DSP
GREE Ads DSP
イグニッションワンDSP
Yahoo!プレミアムDSP
Sphere
AdRoll
admage
TubeMogul
UNRULY
アスタDSP
GenieeDSP
HugMug+
Fullout DSP
ExLead
SniperAd
忍者Ad Targeting
360 DSP
sokuhan
+a
Oath Ad Platforms
ADmeme
LOGLY lift
Profile Passport DMP&DSP
GeoLogic Ad
まとめ
本記事では、DSPの仕組み種類・メリットから、11個の主要なDSP広告サービスまでを紹介しました。DSPの特徴や導入費用を考慮して、あなたの目的に合ったDSPを選ぶことが大切です。
おすすめのDSPを以下の通り。目的別にまとめてあるので確認してみてください。
- 潜在層向けのブランディング目的でDSP広告出稿を検討している方は「Freak Out」「GMO DSP」
- PC・スマートフォン以外の多様なデバイスにも配信したい方は「MicroAd BLADE」
- 海外への広告配信を検討されている方は「ディスプレイ&ビデオ 360」「Bypass」
- BtoBサービスのプロモーションを検討している方は「MarketOne」
- 初期コストを抑えたい方は「Logicad」
- 国内向けに大規模データを基づいて配信したい方は「ScaleOut」「RMP-Trading Desk」
- 天気や位置情報を活用したユニークなターゲティングをお求めの方は「AdInte」「ADMATRIX DSP」
DSPを活用して広告運用にかかっている工数を削減するとともに、効率的にマーケティング施策を推進していきましょう。
参考にしたサイト(一部)
【図解】いまさら聞けない「DSPとは?」~基礎知識編~|Urumo!
DSP広告の種類と選び方を基礎から解説|アドリス
DSP広告の仕組みを徹底解説|アドリス
DSP広告とは|知っておきたい4つの基本特徴|MarkeHack
DSP(Demand-Side Platform)とは?を初心者にも分かりやすく解説します|SATORI
DSP広告とは|配信までの仕組みや国内主要プレイヤーについて|Pinto!
DSP、SSPの仕組みと特徴|デジタルマーケティングラボ
【2分で読破】DSP広告とは?|F.LIGHT
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