【例文付き】督促・催促メールの適切な書き方やポイントを解説

業務をスケジュール通りに進めるためには督促メールを送らなければいけない場面が多くあります。

しかし、督促メールを初めて書く場合「どのような点に気を付ければよいのか」「失礼のない書き方がわからない」などと悩むかもしれません。

確かに社内の上司や大切な取引先へ送る場合、相手に不快感を与えないためにある程度気を配る必要があります。

しかし、督促・催促メールは特定のポイントに気を付けて、定型文をもとに作成をすれば相手に失礼のない内容に仕上げることができます。

本記事では、取引先との営業や部内でのお仕事で必要となってくる「督促メール」について、相手に不快感を与えない書き方、送信する前に注意したいポイントを徹底解説します。

この解説を最後までお読みいただければ、督促メールを送る際に気を付けるべきことやどのような内容が適切か、また効率よく督促メールを送る方法が明確になります。

また、相手に不快感を与えずに、主張をしっかりと伝えられるような督促メールを作成することが可能です。

初心者の方にも丁寧にわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。


督促メールを送る前に事前にチェックをすること

督促メールは気を付けて送信をしないと相手に失礼な印象を与えてしまうため、事前にチェックをすべきことが主に3つあります。

  • 相手からの返信メールが来ていないか
  • 既に入金や宅配便(不在通知)がないか
  • 最初の連絡メールが未送信になっていないか

ここでは、メールの送信前に確認すべきことを3つ見ていきましょう。

相手からの返信メールが来ていないか

先方と連絡が行き違いになる可能性を考慮して、すでに連絡がきていないか確認をしましょう。

実際は相手から返信が届いているのに、自動で迷惑メールフォルダに振り分けられている場合があります。

先方から連絡が来ているにもかかわらず督促メールを送るのは、失礼に当たります。

督促メールを送る直前にメールがきていないか再度、受信・迷惑フォルダの確認をしましょう

既に入金や宅配便(不在通知)がないか

入金や宅配便の送付が遅れているために督促しなければいけない場合、メール送信前に再度入金や不在通知などが届いていないかを確認します。

銀行振込の場合、金融機関によっては15時に着金する場合もあるため注意が必要です。

入金があったにもかかわらず、督促メールを送信すると相手に不信感を与えてしまうため気をつけなけばなりません。

宅配便の場合、到着予定の翌日に不在通知が届いていないことを確認したうえで、先方へ連絡を取りましょう。

最初の連絡メールが未送信になっていないか

2度目以降のメール送信前に、念の為下書きフォルダや送信フォルダをチェックして送信がされていたかどうか確認を取りましょう。

1度目の送信を終えているつもりが、知らないうちにエラーが起き下書きフォルダへの保存や未送信メールとなっている可能性があります。

数多くのメールを送信していると、未送信になっていることに気づかない場合があります。
そこで役に立つのがRPAです。RPAはロボットが自動でメール送信してくれるため、未送信を防ぎます。


督促メールを送る際に意識すべきポイント

督促メールは用件がわかりやすく、先方に失礼のないような内容にすることがポイントです。

急ぎで対応してもらうために用件がなにかわかりやすい内容にすることはもちろんですが、表現に気を付けなければ先方に悪い印象を与えてしまう可能性があります。

そうならないよう、以下の点に気を付けてメール作成をしましょう。

  • 件名は一目でわかりやすいものにする
  • メール内容にはフォローを盛り込む
  • 上から目線にならないようクッション言葉を使う

件名は一目でわかりやすいものにする

メールの件名を一目見てわかりやすいものにすることで、メールに気づいてもらいやすくなります。

メールの件名を付ける時に重視したいポイントは次の3つです。

  • 短く簡潔に
  • 明確な用件
  • 期日がある場合、件名に記載

短く簡潔に記載することは大切ですが、「督促の件」などとすると相手に必要以上のプレッシャーを与え、開封を躊躇させてしまうため注意が必要です。

相手から返信が来ない場合は、1通目を見ていない可能性も考慮し「【再送】〇〇について」としてもよいでしょう。

先方からの入金や納期・送付が遅れている場合は、「〇〇のご確認」や「〇〇のお伺い」と具体的に何を確認したいのか、先方に一目で伝わる件名にします。

依頼内容を明確にする

メールを見た相手がどのような対応をすれば良いのかがわかるよう、具体的な内容を盛り込みます。

先方がすぐに行動しやすいよう、明確な期日の記入も欠かせません。

以前送付したメールがある場合はその内容を文章内に引用することで、先方の確認の手間を減らせます。

一般的に催促時に伝えたい具体的事項は次の3つです。

  • 依頼内容の確認
  • 連絡または行動(入金など)の依頼
  • 期日

催促の理由があれば添えておきましょう。理由を明示することで、先方が行動しやすくなります。

ここでは3つのケース別にみていきましょう。

入金の催促

期日が過ぎたのに入金されない場合、先方に依頼したい行動は次の3つです。

  • 入金日の確認
  • 金額の確認
  • 振込

そのため、例文は次のようになります。

〇月に、×月分の請求書を送付しておりますが、ご確認いただけましたでしょうか。

〇月〇日までのお振込みをお願いしておりましたが、ご入金が確認できておりません。

〇月分のご請求金額は〇〇円となっております。

お忙しいところ恐れ入りますが、〇月〇日までにご入金をお願いいたします。

見積り書の催促

取引先から見積書が来ない場合、依頼したい行動は次の2つです。

  • 見積り依頼の確認
  • 見積りの実施
  • 見積書の発行

そのため、例文は次のようになります。

〇月〇日に、見積りをご依頼しておりましたが、その後いかがでしょうか。

お忙しいところ恐れ入りますが、〇月〇日までにご送付頂ければ幸いです。

なお、見積りについてご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

日程調整の催促

日程調整の返事が来ない場合、依頼したい行動は次の2つです。

  • 日程調整の確認
  • 日程調整の連絡

そのため、例文は次のようになります。

〇月〇日の「〇〇会議」日程調整の件ですが、その後いかがでしょうか。

お忙しいところ恐れ入りますが、明日までにご回答頂ければ幸いです。

上から目線にならないようクッション言葉を使う

上から目線になるような口調を使うと、相手にプレッシャーや不快感が募り、悪い印象を植え付けてしまう可能性が高くなります。

そのため、督促メールだとしてもできるだけ丁寧な言葉を用いましょう。

催促をする内容であればつい言葉になりがちですので、以下のようなクッション言葉を活用するのがおすすめです。

  • 【再送】(※件名に使用)
  • その後いかがでしょうか
  • 行き違いになっているかもしれませんが
  • ~頂ければ幸いです
  • お力添え頂ければ~
  • ~についてご不明点はありませんか?
  • 念のため~

メールは午前中に送る

なるべく早い時間帯に担当者に読んでもらえるよう、督促メールは午前中に送信するよう心がけましょう。

午後に送付すると、翌日の開封に回される可能性があります。

午前中は比較的時間的な余裕があることが多いため、返信の確率があがります。

また、終業時間近くに送ってしまうと、場合によっては相手に残業を強いることにつながります。

先方が帰宅する場合は、メールを開封したもののよく読まないまま、翌日内容を忘れ去られる可能性が高まるためできるだけ午前中に送りましょう。

特に、始業前に届くように送ると、朝一番で読まれる可能性が上がります。

再度メールを送る場合は3日後に

1回目の督促メールに対する反応がなかった場合は、最初の送付から3日後を目安に再度メールを送りましょう。

先方が休業日の可能性や担当者が休んでいる可能性があるため、3日ほど様子を見て連絡をしてみるのがおすすめです。

緊急レベルに合わせて、できるだけメールの間隔をあけるようにしましょう。

行き違いの可能性を考慮する

見落としや、タイミングが合わず行き違いが起きる可能性を考慮し、必ず一文添えておきましょう。

例文は次のとおりです。

  • なお、本メールと行き違いになっている場合は、何卒ご容赦くださいませ。
  • 本メールと行き違いでご入金いただいていた場合は、何卒ご容赦くださいませ。

これらの例文を添えることで、実際に情報が行き違いになった場合に相手に不快感を与えずにすみます。


活用できる状況別の例文4つ

ここからは、督促メールを送る際に利用できる具体的な例文を見ていきましょう。

社内用・取引先企業用・顧客用とありますので、必要に応じてご利用ください。

社内のスタッフ(上司・部署のメンバーなど)

社内向けの督促メールの例文です。「日程調整の確認」や「書類提出の確認」など幅広く利用できます。

件名:【再送】〇〇のご確認

〇〇課長

お疲れ様です。××です。

〇月〇日にお伺いしておりました、××の件はその後いかがでしょうか。
〇〇のため、本日中にご回答いただければ幸いです。

前回のメール内容は下記のとおりです。

―――――

※前回のメール内容から、必要な箇所をコピー&ペースト

―――――

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。

(メール署名)

社外の取引先企業

取引先企業向けの督促メールの例文です。「見積書の発行依頼」や「請求書の発行依頼」など、必要に応じて利用できます。

例文では【重要】と記載していますが、このような書き方を好ましく思わない方もいるため注意が必要です。

先方との関係性に応じて、利用を検討するとよいでしょう。

件名:【重要】〇〇のご確認

株式会社〇〇 □□事業部
〇〇〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の××です。

先日は〇〇の件、誠にありがとうございました。
その後いかがでしょうか。
〇〇の件について、ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

〇〇の件につきましては、〇月〇日までのご回答をお願いしておりましたが確認できておりません。
お忙しいところ恐れ入りますが、〇月〇日までにご送付頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

なお、本メールと行き違いになっている場合は、何卒ご容赦くださいませ。

(メール署名)

未入金のお客様への督促

未入金の顧客へ送る督促メールの例文です。

確認ミスや行き違いの可能性を考慮し、強い文章にならないように丁寧な記載を意識するとよいでしょう。

件名:【重要】入金のご確認

〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の××です。

〇月末日に〇月分の請求書を送付しておりますが、ご確認いただけましたでしょうか。
本日時点で、弊社にて入金が確認できておりません。
すでにお支払い済みの場合は大変恐縮ですが、念のためご確認をお願いできますでしょうか。

なお、本メールと行き違いになっている場合は、何卒ご容赦くださいませ。

(メール署名)

2回目以降の再督促

2回目以降に督促メールを送る場合の例文です。

2回目以降に督促する場合、先方の目に止まるように件名に【再送】と記載してもよいでしょう。

件名:【再送】〇〇のご確認

株式会社〇〇 □□事業部
〇〇〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の××です。

度々のお願いとなり誠に恐れ入りますが、〇月〇日に、再度、〇〇のお願いをさせていただきました。

ご状況はいかがでしょうか。大変失礼とは存じますが、本日まで〇〇について確認できていないため、ご連絡させていただきました。

本メールと行き違いになっておりましたら、申し訳ございません。

前回のメール内容は下記のとおりです。

―――――

※前回のメール内容から、必要な箇所をコピー&ペースト

―――――

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。

(メール署名)


効率的に督促メールを送るためにはRPAの導入がおすすめ

定期的に督促メールを送っている企業の担当者であれば、RPA(Robotic Process Automation)の導入がおすすめです。

参考:【2022年最新】RPAツール比較17選!プロが教える絶対に失敗しない選び方

督促メールを送るためには、業務の進捗情報の確認や入金確認などの、さまざまな手間がかかりがちです。

RPAの導入により、機械的な事務作業を自動化して業務効率化を行うことができます。

メールに関するRPAの導入メリットは次のとおりです。

  • 期日の確認などの単純作業をRPAに任せることで、業務が効率化できる
  • 督促メールを数多く送信し業務時間を圧迫していた場合、コスト削減にもつながる

さらに、督促メールを送るたびに担当者がプレッシャーを感じることも少なくありません。

自動化により、担当者の心理的負担軽減につながります。


まとめ

ビジネスにおいて先方が期日に遅れている場合、催促・督促メールを送信しなければならない状況は少なくありません。

しかし、督促メールを受け取った相手は不快感を与えることがあるため、メール内容には注意が必要です。

督促メール作成の際は、先方が不快に思うことのないよう、細心の注意を払いましょう。

具体的に意識すべきポイントとしては次のものなどがあります。

  • 件名は一目でわかりやすいものにする
  • メール内容にはフォローを盛り込む
  • 上から目線にならないようクッション言葉を使う

行き違いが生じる可能性を考慮したうえで、丁寧な言葉を用いて作成しましょう。