F2転換率とは、新規顧客のどのぐらいが2回目の購入を行ったかを示す指標です。
新規顧客をリピーターに転換することは、ビジネスの持続的な成長と利益の最大化を実現するための重要なステップですが、この転換を評価するために有効な指標がF2転換率であり、これによって新規顧客のうち何割が2回目の購入を行うかが分かります。
F2転換率163%UPを実現したECプラットフォーム 「W2 Repeat」
本記事では、F2転換率の基本的な定義から、その計算方法、さらには業界平均のF2転換率、そしてF2転換率がビジネスにとってなぜ重要なのかについて詳しくご紹介します。
また、F2転換率を高める方法や、リピートが発生しない場合の考えられる原因についても解説いたしますので、ぜひ最後までご一読いただき、リピーターの獲得に向けた施策の参考にしていただければと思います。
目次
F2転換率とは
F2転換率とは、新規顧客が2回目の購入を行う割合を示す重要な指標の一つです。
商品を複数回購入する顧客の割合(リピート率)は、ビジネスの収益向上において重要な指標です。なかでも、初回のリピート購入の割合を示す「F2転換率」は、継続的な購入を促進する上で重要な役割を果たします。
例えば、10人の新規顧客のうち5人が2回目の購入を行った場合、F2転換率は50%となります。
ここでの「F」は「Frequency」(購入頻度)の頭文字であり、F2は2回目の購入を意味します。同様に、F3は3回目、F4は4回目の購入を指し、数字が増えるごとに購入回数が増加しています。
F2転換率の計算方法
F2転換率の計算方法は以下のとおりです。
2回目の購入した人の数から初回の購入者数を割るだけなので簡単ですね。
たとえば以下のようなケースの場合の計算式はこうなります。
2回以上購入した人の数:50人
3回以上購入した人の数:20人(※F2転換率の計算には使われない)
F2転換率 = 2回目の購入をした人の数 ÷ 初回購入者数 × 100
= 50 ÷ 100 ×100
= 50%
併せて覚えておきたい2つのリピート指標と計算方法
次に併せて覚えておくと便利な2つのリピート指標、リピート率とリピーター率について紹介します。
F2転換率を含め混同されがちな指標なので、別物であることを理解しておきましょう。
リピート率
F2転換率は初めての購入を行った顧客の中で、2回目の購入を行った顧客の比率を示しますが、一方でリピート率は、特定の期間内に商品を購入した全顧客の中で、2回以上購入を行った顧客の比率を示します。
計算方法は以下のとおり、特定の期間内のリピートした人の数から新規の購入者数を割ります。
リピーター率
リピート率は新規顧客の中で何パーセントが再度利用してくれるかを示す指標であり、一方でリピーター率は総顧客数の中でリピーターの占める割合を示す指標です。
リピーター率の計算式は以下のとおりです。
リピート率やリピーター率について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
参考:リピート率とは?計算方法からリピート率を上げる施策まで徹底解説│LISKUL
F2転換率の平均値
次にF2転換率の平均値を紹介します。
業界や商品、単価、宣伝方法などによっても大きく異なるので一概には何パーセントですというのはとても難しいですが、以下に目安を共有します。
業界 F2転換率 アパレル 20〜35% 化粧品・健康食品 20〜30% 消耗品・生活用品 40〜50%
※上記はあくまでも目安であり、様々な要因で変化するものですのでご了承ください。
F2転換率が重要となる4つの理由
F2転換率は他のリピート指標と異なり以下のようなことが分かります。
1.継続購入を促すには「2回目の購入」が重要
新規よりリピーターのほうが広告費を抑えられる分、利益を確保しやすいのですが、中でも2回目の購入(初めてのリピート)がとても重要です。
一度リピートした顧客は以降も継続的にリピートしてくれる傾向にあるのですが、まずリピーターになってもらうこと自体が最初のハードルとなるからです。
2.新規顧客が初めての購入や利用の経験にどれだけ満足しているかがわかる
F2転換率は、新規顧客が最初の購入や利用からどれだけ満足し、再利用の意思があるのかを判断することができます。
初回の顧客体験がどの程度ポジティブであったかは、リピートを前提としたビジネスではとても重要な指標です。
3.新規顧客へのマーケティングやプロモーションの効果がわかる
マーケティングキャンペーンやプロモーションの成果を評価する際にも、F2転換率は役立つ指標です。
新規顧客がプロモーションを通じて初めて製品やサービスを体験し、それを気に入って再利用した場合、そのキャンペーンは成功だったと言えるでしょう。
4.新規顧客が将来的にどれだけの価値をもたらすかを予測する参考になる
F2転換率は、LTV(顧客生涯価値)を予測する際にも重要な参考データになります。
初回リピート率が高いと、その顧客が未来にもリピートしてくれる可能性が高まり、それによって生涯価値も上昇することが期待できます。
参考:LTV(顧客生涯価値:Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは?計算方法と広告活用での成功事例│LISKUL
F2転換率を高める5つの方法
次にF2転換率を高める方法ですが、基本的にはリピート率向上施策と同様に顧客の満足度を上げることが重要です。
1.顧客満足の調査とサービスの改良を繰り返す
商品やサービスのクオリティを高めることはなにより重要です。
定期的に顧客満足度の調査を行い、顧客のフィードバックをもとに改良し、高品質な商品やサービスを提供することで、顧客のリピート購入を促進していく中長期的な施策です。
参考:顧客満足度調査とは?実施のメリットと、調査を成功させるための6つのコツ│LISKUL
2.リピーター向けの特典や割引を設ける
リピーターに対して特別な割引やポイントプログラムを提供します。
例えば、カフェや量販店などでよく見るポイントカードなどの施策は、リピート購入するほどポイントが貯まり、特典が受けられる仕組みです。
初回だけでなく2回目以降もお得にすることで購入を促す即効性のある施策と言えるでしょう。
3.顧客とのコミュニケーションを強化する
メールマーケティングやSNSを活用して顧客とのコミュニケーションを強化します。
例えば、メールで、顧客にリピート購入を促すようなお知らせやキャンペーン情報を送信します。
こちらも商品販売時に連絡先を得ることができる通販などのビジネスであればすぐに始められる施策です。
参考:顧客とのコミュニケーションを図るためのツールの種類と使い分けのポイント│LISKUL
4.アフターサービスを向上する
顧客の満足度を高めるには、商品のアフターサービスを充実させ、顧客の信頼を得ることも重要です。
例えば、商品の不具合に対して迅速な対応を行う企業に対して「ちゃんとしている」と感じたことがあるのではないでしょうか。
こちらはビジネスの業態や人員次第ではすぐに強化できるものではないかもしれませんが、重要なので覚えておきましょう。
5.チラシの同梱やDMを送付する
他にも、昔ながらの方法としては、チラシの同梱やダイレクトメール(DM)は、リピート率を高めるためのとても効果的な施策の一つです。
商品を購入した顧客に対して、次回の購入を促すクーポンや特典が記載されたチラシを同梱したり、DMを送付することで、リピート購入のインセンティブを提供できます。
この方法では、購入した商品と相性の良い関連商品のクーポンを同梱することで、顧客の次回の購入を促すことができます。
また、DMによるフォローアップは、顧客とのコミュニケーションを強化する効果もあります。
手書きのお礼メッセージや次回割引の付いたアンケートの依頼を含めるなどすることで、顧客満足度を高め、リピート購入の可能性を高めることができます。
参考:チラシで効果は上げられる!効果的な集客方法・事例・作成のポイント│LISKUL
ダイレクトメール(DM)のデザイン例と作成する際のコツ、テンプレートを紹介│LISKUL
F2転換率が低いときによくある原因
前述のような施策は実施しているのにリピートされない場合には、別の箇所に問題があるかもしれません。
F2転換率にお悩みの方は以下の点を確認してみましょう。
価格が適正でない可能性がある
商品やサービスの価格が高すぎる場合、顧客はリピート購入を控えることがあります。
初回は割引を含めてお得に感じて購入したが、2回目に適正価格で買うには高く感じている可能性があるということです。
満足度の調査や競合他社との比較を行い、適正価格で提供できているかを確認してみましょう。
初回購入時の宣伝と実体験の乖離が激しい可能性がある
初回購入の際に宣伝や広告で伝えたメッセージと、実際に商品を使用した顧客の経験に大きな乖離があると、顧客は失望し、2回目の購入を行わない可能性が高まります。
宣伝内容が実際の商品やサービスと一致しているか確認し、必要に応じて修正を行いましょう。
配送のスピードが遅い
オンラインショッピングの場合、配送のスピードが重要です。
配送までの時間が長いと、顧客は不満を感じたり、2回目の購入を躊躇し、近場で類似品を購入できないか検討することもあります。
配送プロセスの見直しや改善を検討して、顧客の満足度を向上させましょう。
マーケティング活動が不足している
リピート購入を促すためには、継続的なマーケティング活動が必要です。
メールマガジンの配信やSNSを利用した情報発信など、コストを抑えつつ手軽に始められる施策もあるので、まずは商品やサービスの魅力を再度アピールしましょう。
F2転換率に関するよくあるご質問
F2転換率に関係するQ&Aをまとめています。
Q.F2転換率とリピート購入率の違いは?
A.F2転換率は、初回購入者が2回目の購入に進む割合を示しますが、リピート購入率は、特定期間内に再度購入を行った顧客の割合を示します。F2転換率は初回から2回目の購買に特化しているのに対し、リピート購入率はそれ以降のすべての購買を含む広範な指標です。
Q.F2転換率とカスタマージャーニーの改善の関係は?
A.F2転換率を向上させるためには、カスタマージャーニー全体を最適化し、顧客がスムーズに2回目の購入に進むようにすることが重要です。例えば、初回購入後のフォローアップや、再購買を促進するプロモーションなどが効果的です。
Q.カスタマージャーニーとはなんですか?
A.カスタマージャーニーとは、焼死者が商品やサービスの認知してから、購入・利用へ至るまでのシナリオを時系列で捉える考え方です。時系列をマップ化するカスタマージャーニーマップにまとめるとアプローチを整理しやすくなります。
カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考:5分でわかるカスタマージャーニーとは?取り入れ方や分析のコツを事例とともに解説
Q.F2転換率の改善が企業ブランディングに与える影響は?
A.F2転換率が高まることで、顧客がブランドに対してより強い信頼感を持つようになり、企業ブランディングが強化されます。ブランドの認知度や評価が向上し、さらなる顧客の獲得にもつながります。
まとめ
F2転換率は新規顧客の中で2回目の購入を行った割合を示すもので、ビジネスの利益向上に寄与する重要な指標です。
F2転換率を高めるためには、顧客満足度を向上し、良いショッピング体験を提供することが重要です。
具体的な方法としては、満足度調査などから商品の品質を向上したり、メールなどでリピート購入を促進するための割引や特典の提供、顧客が関心を持ちそうな商品情報の提供などがあります。これらの施策により、顧客の満足度が高まり、リピート購入の増加に期待できます。
しかし、逆に商品がリピート購入されない要因も考慮する必要があります。商品の品質が低い、価格が高い、配送に問題がある、マーケティング活動が不足しているなどが挙げられます。
これらの問題を解決することでリピート購入の障壁を取り除き、顧客へ良いショッピング体験を提供することで、ビジネスの利益を向上しましょう。