インフルエンサーマーケティングはなぜ流行している?その実践方法・活用事例も紹介

近年、インフルエンサーマーケティングをプロモーションに使う企業が増えており、InstagramなどのSNSを利用した事例も多く見られます。

インフルエンサーのフォロワー属性が一目瞭然の検索ツール「Astream」

本記事では、インフルエンサーマーケティングとは何か、メリットとデメリット、代表的な媒体について解説しています。

販促だけでなく、ブランド認知を高める手法としても期待されているインフルエンサーマーケティング。実際の進め方や事例なども紹介していきますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次


インフルエンサーマーケティングとは?

インフルエンサーマーケティングとは、社会的に強い影響力を持つ人物(インフルエンサー※後述)を起用して自社製品・サービスの広告宣伝を行い、認知度のアップや関心を集めるマーケティング手法です。

インフルエンサーマーケティングにおいて、アメリカでは実際は企業が1ドル投資するのに対して、得る利益は6.5ドルであるというデータがあります。低コストで集客や収益に直結する手法として注目を集めているのです。
参考:インフルエンサーマーケティングとは?まず押さえるべき基本と注意点
参考:【SNS別】インフルエンサーマーケティングの基本情報とケース・スタディ3選|innova

インフルエンサーとは?

インフルエンサーとは、他者や社会に対して大きな影響力を持っている人を指します。以前は主に芸能人など知名度のある人を指していましたが、現在ではメディアへの露出はないもののフォロワーの多い一般の人々もインフルエンサーと呼ばれるようになりました。

これまで情報を受け取るだけだった消費者も、SNSを通じて積極的に情報を発信するようになりました。

広告出稿と比較したメリット

インフルエンサーが活躍するほとんどの媒体(YouTube、Instagram、Twitterなど)には、広告を出稿できます。それらの広告出稿と比べて以下のようなメリットがあります。

消費者に届きやすく、拡散されやすい

SNSのタイムラインにはアルゴリズムが導入されており、身近な人や興味を持って見ている投稿は上位表示されやすい仕組みになっています。そのため、企業よりインフルエンサーの投稿のほうが消費者により届きやすく、拡散されやすくなります。

広告ブロック機能を使用している層にも商品を訴求できる

インターネットユーザーの中には広告を視聴していない人や、ブロック機能を用いて広告を非表示にする人もいます。インフルエンサーを介した商品訴求なら、広告に関心が薄いユーザーにもアプローチできます。

広告出稿よりも低コストで効果が得られる可能性が高い

拡散性、広告以上のユーザーリーチのしやすさだけでなく、インフルエンサーの費用は広告出稿と比べても安くなります。商品とインフルエンサーの相性がよい場合は、より高い費用対効果を望めます。

費用に関する詳細は後述する「インフルエンサーマーケティングにかかる費用とは?」を参考にしてください。

広告出稿と比較したデメリット

上記に挙げた「低コストで消費者に届きやすい」というメリットがある反面、以下のようなデメリットが考えられます。

投稿される内容に関して企業側のコントロールが難しい

企業側がインフルエンサーの投稿する内容まで管理することは一般的に難しくなり、きめ細やかな管理を行うことが必要になります。

投稿される内容によってはイメーダウンにつながることもある

インフルエンサーの投稿した内容によっては、企業や商品のイメージダウンにつながることがあります。そのため、事前の打ち合わせや内容についての管理が必要です。

コストに見合う効果が得られるかどうか判断が難しい

ノウハウを持った専門業者に頼むことで、ある程度の効果の予測は可能ですが、思うような効果が出ない場合もあります。


インフルエンサーマーケティングが加速した背景

インフルエンサーマーケティングが近年加速してきた背景には、SNSの普及が影響しています。消費者が商品やサービスを選択する際、情報収集の手段としてSNSが多く使用されるようになりました。

SNSで発信される情報の中でも、インフルエンサーが発信する情報はフォロワーからの信頼が厚く、影響力が高い傾向にあります。そのため企業側にとっても、特定のターゲットに向けて効果的に情報を発信できる手法として注目されるようになったのです。


どの媒体がインフルエンサーマーケティングに適している?

インフルエンサーマーケティングで使われる媒体はさまざまです。それぞれの利用者層や特徴によって効果的なジャンルがあります。よく使われる3つの媒体をピックアップして以下にまとめました。

利用者層特徴効果的なジャンル
Instagram 10~30代の女性・写真映えするかどうかが決め手となる。
・リンクが貼れない。
・ブランドのイメージアップや認知度アップが期待できる。
・美容やファッション、インテリアや旅行などの女性に興味を持たれやすいジャンル。
Twitter 20~40代までの男女・拡散性が高い。
・画像や動画の挿入が可能。
・リンクが貼れる。
・日常の商品からウェブサービスまで幅広いジャンル。
・拡散力を利用したイベント告知や集客。
YouTube子供から大人まで幅広い層・インフルエンサーと商品の特性をマッチさせやすい。
・リンクが貼れる。
・視聴した後に購入やサイトへの誘導などにつなげやすい。
・食品やおもちゃ、化粧品など、実際に使用した感想がユーザーに求められやすい商品やサービス。
・細部まで伝えたい商品やサービス。

>>SNSマーケティングとは?主要SNS4種と効果を解説

Instagram:写真映えするアイテムやサービスに有効

Instagramは女性に興味を持たれやすいファッションや美容、インテリア、旅行、グルメなどのジャンルとのマッチングに有効です。Instagramの主な利用者層は10~30代の女性です。

写真の投稿に特化したSNSであり、写真映えが重要視されるので、フォトジェニックなアイテムやサービスのプロモーションに効果があります。

Instagramの特徴について、もう少し詳しく知りたい方はこちら

>>他のSNSと何が違う?インスタグラムマーケティングとは|事例からひも解くメリット・活用法

Twitter:幅広い商品やサービスに有効

Twitterは日常的に使用されている商品からウェブサービスまで、幅広い商品やサービスのプロモーションに有効です。Twitterの利用者層は主に20代を中心とした20~40代で、拡散力の高さが最大の特徴となっています。

画像や映像の他、URLリンクを貼ることもできるので、プロモーションしたいサイトへの誘導も可能です。拡散力を利用してイベントの告知や集客を狙えます。

>>基本を押さえる!Twitterの効果的なプロモーション方法とは?

YouTube:感想を知りたくなる商品やサービスに有効

YouTubeはおもちゃや食品、化粧品などの、実際に使った感想を知りたい商品のプロモーションに有効です。これはYouTubeが子供から大人まで幅広い層をターゲットにしたSNSであるためです。

インフルエンサーが取り扱うジャンルと、商品の特性がマッチしやすいので、ターゲットとするユーザーにもダイレクトに情報が届きやすくなります。

またリンクを貼ることができるので、視聴後商品ページに誘導するなど行動を促しやすくなります。

>>新規顧客の獲得に繋がる!3つの事例から学ぶYouTubeマーケティング


インフルエンサーマーケティングにかかる費用とは?

費用は1フォロワーあたり平均5円で計算されることが一般的です。たとえば、フォロワーを1万人持つインフルエンサーが1回投稿すると、フォロワー1万×5円で5万円の費用がかかります。これに加えて代理店を利用すると、手数料10~30%が上乗せされます。

実際にアクセスされるリーチ数は平均30%なので、1万フォロワーであれば3000リーチが得られます。先ほどの費用50,000円を1リーチあたりで計算すると16円以上となり、代理店を利用しても数十円の投資で済みます。

比較的低コストとされる、ディスプレイネットワーク型広告(サイトを閲覧している時に右端などに現れる広告)でもワンクリック20円から100円程度なので、ウェブ広告と比較しても低いコストで効果が得られることがわかります。

参考:【2018年版】インフルエンサーマーケティングの料金相場と費用対効果|zeroxeed Marketing Blog


インフルエンサーマーケティングの進め方

インフルエンサーマーケティングを自社で導入したいと考えた時、どのように進めていけばよいのでしょうか?ここで詳しく解説していきます。

1.ターゲット・目的を明確にする

どのSNSを活用するかでターゲットやプロモーション方法が異なりますし、インフルエンサーの活躍の範囲はある特定のコミュニティやセグメントに限られています。まずは自社製品やサービスのターゲットとなる層や目的を明確にすることが必要です。

2.キャスティング方法を決める

インフルエンサーをキャスティングする方法は主に3つあります。

自社で直接選ぶ方法

コストは最小限で済みますが、どのような人を選んでいいかわからない場合もあり、思ったような効果が得られないこともあります。

キャスティング専門会社や広告代理店に依頼する方法

利用料が発生しますが、交渉から支払いまでのすべてを代行してもらうことができます。ノウハウがあるため効果が得やすいというメリットがあります。

参考:インフルエンサーマーケティング会社10選!代理店選びの3つのポイントと特徴

既に取引のある広告代理店に依頼する方法

自社をしっかり理解した上でのキャスティングとなるので効果を得やすいメリットがあります。しかし、下請けに再発注される場合も多く、想定より利用料がかかる場合もあるので注意して依頼しましょう。

3.インフルエンサーを選定する

インフルエンサーを選定するポイントは以下の3つです。

ポイント1:ブランドとの関連性があるか

インフルエンサーは、自身の興味関心のある分野で独自の投稿を行うために努力を重ねています。アプローチする前にその分野が自社ブランドと関連性があるかをしっかり調査しましょう。

ポイント2:フォロワーの属性が商品にあっているか

インフルエンサーとフォロワーの属性が異なる場合があります。たとえば、女性向けブランドなのにフォロワーの7割が男性というようなケースです。フォロワー属性と自社ブランドが合っているか確認が必要です。

ポイント3:拡散する可能性があるか

SNSユーザーの反応率を表すエンゲージメントを確認すれば、そのブランドの商品やサービスの投稿をした際にどれだけ情報が拡散されたのか、効果を知ることができます。ただしフォロワー数などを多く見せかけるため、お金を払って機械的に作られたアカウントにフォローやいいねをさせている場合もあります。インフルエンサー選定の際にはチェックも必須となります。

4.媒体を選ぶ

自社のターゲットへ効果的にリーチできる媒体の選定も重要です。
媒体によってターゲットの層は異なります。子供から大人まで広い世代にリーチしたい場合はYouTube、10代~30代までの女性をメインとしたい場合はInstagram、20代をメインとした若い世代であればTwitterが適切な媒体です。

5.投稿方法を決める

よくある手法として、インフルエンサーに商品をプレゼントして紹介してもらう方法や、実際に購入してもらう方法があります。形のないサービスの場合は、関連する画像や情報をSNS上で発信してもらいます。これらはいずれも低コストで済む方法です。

パーティやイベントにインフルエンサーを招待し、その場の雰囲気を感じたり実際に体験してもらったりして、ブランドや商品の良さを伝える方法もあります。

6.注意点を事前に伝える

インフルエンサーによる投稿が、ステルスマーケティング(企業から金銭を受け取っているのにそれが宣伝であることがわからないように宣伝すること)と認識されないように注意することが大切です。どのような投稿をするかはインフルエンサー個々の判断に任せられている部分が多いため、注意点がある場合は事前に伝えておきましょう。

ただし、細かな注文をつけすぎることもインフルエンサーとの関係において好ましくありません。コミュニケーションをしっかり取り、効果的に魅せるプロであるインフルエンサーを信頼して一任する姿勢も大切です。


インフルエンサーマーケティングの事例

インフルエンサーマーケティングが実際に活用されている事例を、媒体別に詳しく見ていきましょう。

Instagramの活用事例

インフルエンサーがイベントに参加する形での活用事例

Instagram活用事例

30代女性のフォロワーを多く持つインフルエンサーが、イベントに参加する形で活用している事例です。ファッションやライフスタイルで注目を集めるインフルエンサーを起用することで、女性が関心を持ちやすいヘアケア製品を扱うブランドに興味を持ってもらうことが期待できる投稿です。イベントへの集客効果を狙うこともできます。

フォトジェニックなブランドブースで、イベント情報や環境保全活動をプロモーションすることでブランドイメージ向上に一躍買っています。

参考: インフルエンサーマーケティングとは?インフルエンサーを利用した効果的なPR法を完全攻略!|DigitalMarketingblog

Twitterの活用事例

リンク先添付で誘導したいサイトへのリーチ効果を狙った事例

Twitter事例
オリジナルダンスや歌の投稿を行うなど、幅広く活動している10代の双子モデルのインフルエンサーです。Twitter上で画像を公開するだけでなく、リンク先を添付しているため誘導したいサイトへのリーチ効果が期待できます。

またアプリを利用した動画や画像投稿から、アプリの認知度やダウンロード数アップを狙えます。若い世代のフォロワーがリツイートを行うことで、さらなる拡散が期待できる事例です。

参考:【Twitter版】人気のインフルエンサー年代別まとめ|Insta Lab

YouTubeの活用事例

企業とタイアップした商品紹介の活用事例

YouTubeの活用事例
YouTubeを媒体とし、子供から絶大な人気を集めるインフルエンサーです。ヒューマンビートボックスなど自身の特技を披露する動画のほか、企業とタイアップした商品紹介動画の再生回数が多く、商品売上にも貢献している事例です。

店頭でパッケージングされた状態の商品や画像だけからでは伝わりにくい、おもちゃの細部や使ってみた感想を、映像とインフルエンサーのリアクションを通して消費者に伝えることができます。

参考:『インフルエンサーマーケティング』とは?自社サービスでも有効?|エムタメ


まとめ

インフルエンサーマーケティングはさまざまなSNSの登場や普及とともに、今後も広がっていく可能性を秘めています。口コミを重視する現代の消費者に対して、効果的にアプローチが行える他、インフルエンサーと商品やサービスのマッチングが合えば、費用に対して大きな効果を得ることが期待できます。

自社ブランドの認知度や売上アップを目指して、インフルエンサーマーケティング導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、すべてインハウスで行うというのはやはり難しいです。プロの力を借りるというのも良いでしょう。

インフルエンサーのフォロワー属性が一目瞭然の検索ツール「Astream」

参考資料

『インフルエンサーマーケティング』とは?自社サービスでも有効?|エムタメ
インフルエンサーマーケティングとは?インフルエンサーを利用した効果的なPR法を完全攻略!|DigitalMarketingblog
【2018年版】インフルエンサーマーケティングの料金相場と費用対効果|zeroxeed Marketing Blog
【Twitter版】人気のインフルエンサー年代別まとめ|Insta Lab
インフルエンサー|BIZHINTO