KPIの管理手順と漏れなく管理するための4つのポイントを紹介

KPIを正しく管理できず、目標未達が続いているという方は「KPIの設定自体」が間違っているかもしれません。

現実的なKPIを設定しなければ、社員のモチベーションも下がり、KPI管理がずさんになります。

この記事ではありがちなKPI管理の失敗例を参考に、漏れなくKPIを管理するためのポイントや手順をご紹介しています。

PR業務を効率化、見える化したい広報担当者の方へ


目次

KPI管理が失敗する理由は設定の間違い

KPI管理が失敗するほとんどの原因は「KPI設定が間違っていること」です。

目標が明確でないのに、「無理なKPI」を設定してはいけません。社員が絡むKPIの場合はモチベーションの低下につながります。

また、広告運用のような外的要因によってCV数・売り上げが変わるKPIも未達に終わる可能性が高いです。

目標を達成するためにはどれだけの数値が必要かを計算できており、それに合わせてKPIを設定する必要があります。

KPI管理の失敗は設定部分だけではなく、KPIを達成するための姿勢も関係します。

以下では、KPI管理に失敗するよくある例を4つ紹介します。

  • KPIに設定した指標により顧客をぞんざいに扱ってしまう
  • 成果の出にくいKPIを設定している
  • 外的要因によって成果が変わるKPIを設定している
  • 一度設定したKPIを更新しない

それでは詳しく解説します。

参考:失敗例から理解するKPI、KGIとPDCAによるKPIマネジメントとは?
   成功するKPIマネジメントの特徴とは? 企業の失敗事例と成功に必要な要因について

KPIに設定した指標により顧客をぞんざいに扱ってしまう

KPIによっては、顧客をぞんざいに扱ってしまい、信頼関係を失う可能性があります。

売上高をKPIに組み込んだ場合、少しでも売上をあげようと既存顧客にニーズの合わない商品を提案して、関係性が崩れる可能性があります。このようなKPIは、見直す必要があります

従業員側の考えとしては「売り上げのためにやった」と言い、何も悪いと思っていない状況が生まれるためです。そうなると、事業にとって大切なことの本質を見誤る可能性があります。

KPIによっては、顧客との信頼関係を失うリスクがあることを念頭に置いた上でKPIを設定する必要があります。

成果の出にくいKPIを設定している

成果の出にくいKPIを設定すると、目標未達に終わってしまいます。

例えば、「売上を上げる」をKPIに設定しても、具体的に何をすれば良いのか、どうすれば目標を達成できるのか見えてきません。それよりも成果が出やすいKPIは、「売上アップのために新規顧客を増やす」です。

テレアポ〇〇件、営業リストをつかったDM送付1日○件行う、など具体的な行動が見えてきます。

参考:営業目標達成に直結する営業KPIの設定方法や管理のポイントを紹介

また、KPIをLTVが高い=顧客満足度が高いのであれば、新規顧客獲得をKPIに設定したほうが売り上げアップにつながります。

KPIは自社の状況や課題を見極めた上で、確固たる根拠、データをもとに適切に設定すれば、目標未達に終わるような失敗はありません。

外的要因によって成果が変わるKPIを設定している

自社のシステムや働き方を変えても、どうにもできないKPIを設定している場合もあります。例えば広告会社が売り上げをKPIに設定した場合を上げてみましょう。

「クライアントの売り上げを増やすために広告経由による売り上げを増やす」ことを目的とした場合、時期やLPの品質によって成果が変わるためKPIを達成しにくくなります。

逆に「顧客からの問い合わせを増やすためにPV数を増やす、もしくは直帰率を改善する」だと、数値によって結果が出るためKPIの達成がしやすくなります。

この他にも、国の法整備により報酬体系やルールが厳しくなり、売上が上がりにくくなる場合があります。適切なKPIを設定するためには、外的要因に影響されないKPIを設定しましょう。

一度設定したKPIを更新しない

一度設定したKPIを更新していない場合は、間違った指標を追いかけ続ける可能性があります。

事業を立ち上げた際に決めたKGIからKPIを設定した場合に、実際にこのKPIが達成できるとは限りません。

KPIは一度決めたら終わりではありません。設定したKPIが達成できたら、目標の変化に合わせてKPIを更新しましょう。同時にKPIを見直すタイミングを想定しておくと、対応がスムーズになります。


KPI管理の手順

KPI管理の手順
KPIが管理できていない状態とは、KGIを達成できていない状態です。原因は「KPI設定が間違っている」ということです。

社員ごとの「数値進捗」を確認することも大切ですが、そもそもの設定が間違っている場合はKPI管理がうまくいきません。

KPI管理を適切にやるためには、チーム全体でのKPI指標の認識を統一しましょう。ここが曖昧だと、正しい判断ができずKPIに向けた行動ができなくなります。

営業の現場で例えると、KPIを成約率に設定すると、現場の担当者がアポ獲得数をKPIに設定する場合があります。このような場合だと、力の入れどころが間違っているためKPIをうまく管理できず、目標達成できません。

そのため、まずはKPI管理の方法をフェーズごとに見ていきましょう。

参考:KPIを効率的・効果的に管理する方法とは?KPIの管理・運用に成功する組織づくりのポイント

KPI設計のための準備フェーズ

それでは、KPIを設計するために必要な準備について解説します。ここで必要な準備は以下の通りです。

  • KGIを設定する
  • KSFを設定する
  • KPIを設定する
  • 指標定義を社内で統一する
  • データの取得方法を明らかにする

それぞれの段階について詳しく解説します。

KGIを設定する

KPIを決める前に、最終目標であるKGIを設定しましょう。

KGIとは「Key Goal Indicator」の略語で、「重要目標達成指標」と日本語で訳されます。つまり、企業が目指すべき数値で、何を達成したいのかを決める必要があります。

一方、KPIはプロセスの進捗状況を評価するための指標なので、先に最終目標であるKGIを設定しましょう。

KPIとKGIの具体的な違いについては、以下の記事を参考にしてください。

参考:KPIとKGIの違いとは?目標達成のために覚えておきたい正しい設定方法

KSFを設定する

KGIが決まったら、ゴールを達成するための要因、つまりKSFを決める必要があります。

KSFとは「Key Success Factor」の略語で、「主要成功要因」などと日本語で訳されます。

例えば、製品・サービスの品質や価格、顧客サービス、ブランドイメージなどがKSFとして挙げられます。

成功の鍵を握るのは何か決めることで、具体的に設定するべきKPIを考えることができます。

KPIを設定する

KGIとKSFを決めた上で、「プロセスの進捗状況を評価するための指標」であるKPIを決めましょう。

たとえば、KGIが「企業の売上高アップ」だった場合、KPIは受注数●●件アップ、受注単価▲▲件アップと設定できるでしょう。

KGIを達成するために、何をどのぐらい達成する必要があるのか洗い出してみましょう。

指標定義を社内で統一する

KPIを設計する前に、指標定義を社内で統一しておきましょう。指標の認識が組織内で違っていると、KPIの達成度や進捗を正しく判断できません。

例えば「アポイントメントの取得」は日付が決まった段階を指すのか、相手と連絡が取れた段階で判断するのか、など判断の基準も明確にできるとベストです。成果を正しく判断するために、指標の認識を統一させましょう。

そしてKGIを確認し、KGIの数値と現状のままの数値で終わった場合のギャップを確認する必要もあります。KGIの設定が正しいものでないと、KPIの策定の方向性がブレてしまうためです。KPIは具体的な行動を社員レベルで落とし込み、評価できる必要があります。

指標データを取得する方法を明確にする

指標定義を決めたら、指標となるデータを取得できるか確認しましょう。

例えば社員の勤務時間や作業時間の中から営業訪問件数を何件対応できたか、といったデータが取れると、社員一人当たりの業務効率を確認できるようになります。

このデータを元に、業務効率の改善につなげる、次の改善策を見つけるといった方法が見つけられるようになるでしょう。

また、KPIを設定する場合もデータ分析できる設定した方が、KGIに向けてPDCAをまわすことができます。

KPIの達成度や進捗を見えるようにして、振り返りをすることで次の計画へ生かせるようになるためです。データが取得できない場合は、指標を変更することも視野に入れておかなければなりません。KPI達成は実務に時間をかける必要があり、データ取得で時間がかかると達成しにくくなります。

KPI管理のルール決めフェーズ

KPI管理の準備を終えたら、次にルールを決めます。「いつ」「だれが」「何を」「何のために」「どのように」管理するかを整理するのが重要です。どの部門がどんな役割や責任を担うかを決めて、体制を整えましょう。

具体的なルールとして必要な点は、以下のようなものです。

  • 指標の「見える化」を図るため、KPIの達成度や完成度などの表記ルールを設定する
  • KPIの進捗を「見える化」できるツールや仕組みを導入し、組織全体で共有する
  • 1カ月、半年、1年などのサイクルで、KPIやKPIマネジメントの見直しを行うタイミングを設ける
  • 調整が必要な際の対応方法を考える

それぞれの準備について、詳しく解説しましょう。

決裁者の設定

まずはKPIについて誰が管理、承認するのかを決める必要があります。KPIの決裁者を設定しないと、KPIが達成できない時に誰に責任があるのかが曖昧になってしまう恐れがあるからです。

KPIを設定する前に各部門において「誰が」「どのような責任を負うのか」を明確にしておきましょう。

決裁者を選ぶ際にKPI管理の業務が増えることで既存の業務が手いっぱいになってしまうこともあるかもしれません。

また、KPIの管理で責任や役割を分けすぎると、柔軟な対応ができなくなることもあります。このように難色を示される場合は、メンバーや決裁者が相互に納得して決める必要があります。

指標の理解度を高めるための表記ルールを決める

KPIを管理するにあたって、担当者ごとでデータの表記が違うと分析しにくくなるため、表記のルールを決めておきましょう。

例えば、ある社員は「成約数」と書き、ある社員は「商談数」と表記が異なる場合、数字を集計する際に混乱が生じやすくなります。

それを防ぐためにも、表記ルールを統一する必要があります。また、この時の数値設定も部門ごとや管理者・現場での合意をとることも重要です。

これがないと、KPI設定時の意思決定に齟齬や認識の違いが生じやすくなってしまいます。全社での共通の認識を持つようにすれば、このような違いも少なくなるでしょう。

KPIの達成度合いがわかるよう可視化する

KPIを見える化することで、社員のモチベーションアップにつながります。

例えば「今月はKPIを達成した」「KPIを達成するまであと○%の行動が必要」など数値で示すようにすると、KPI達成までに何をすれば良いのかが明確になり、モチベーションが上がります。

このモチベーションが上がるというのは、KPIが好材料になっている証拠です。逆にKPIの設定が間違っている場合は、メンバーのモチベーションが下がる可能性もあります。

また、KPIの達成度合いを可視化するために、評価基準や達成度合いを表記する方法、報告の手順などを明確にすれば運用自体もスムーズになります。そのためにツールを導入するのも、一つの手段と言えるでしょう。

調整事項が発生した場合の対応方法を決める

KPIマネジメントを運用する際、進捗状況によっては、管理者が調整や意思決定する場合があります。

たとえば目標達成に向けたプロセスに変更が必要な場合や、KPIを変更せざるを得ない場合などが想定されます。

この時に、対応方法を決めていないとどうすれば良いのかわからず慌ててしまう可能性もあります。

さまざまな状況を想定して、調整を行う場をどう設定するか、調整・判断の手順をどうするかなどを整理しておきましょう。

管理者や部門ごとで協議を行って対応のマニュアルを作成する、もしくは普段からコミュニケーションをとることが大切です。

KPIの共有方法を決めておく

KPIの進捗情報を共有することで以下2つのメリットがあります。

  • 他の社員のKPIを見て競争性が高まり、いい刺激になる
  • 共有できる仕組みを作ることで管理が楽になる

この部門は毎月KPIを達成している」など達成度を可視化することでKPIに対する意識が高まったり、社員や部門間に良い刺激をもたらしたりして、KPIの管理活動が大いに盛り上がる可能性があります。これがメンバーのさらなるモチベーションに繋がることもあるでしょう。

また、共有方法が決まっているとKPIの進捗情報を社員が自発的に共有する仕組みができるので、進捗確認などの管理が楽になります。

KPI管理の振り返りフェーズ

KPIの管理方法の準備ができたら、進捗状況を確認する方法を決める必要があります。以下では、KPI管理の振り返りフェーズについて解説していきます。

KPI管理の見直しを行う期間を設ける

KPIは、一度設定しただけで放置せず、目標設定やプロセスが適切かを定期的に見直す必要があります。

例えば毎月のKPIに対する達成率や進捗をチェックしながら、目標を変えることは問題ありません。

また、目標とするKGIが変化した場合もKPIを見直す必要があります。KPIの達成率が低い場合や進捗が思わしくない場合は、現状に合わせてKPIを見直しましょう。

この時にKPIを変える場合のルールや対応方法を決めておけば、慌てずにKPIの変更を行えます。

現場を含め、社員全員がKPIを理解できているか確認する

KPIの達成においては、会社全体でKPIの重要性を理解し、達成していく必要があります。なぜかというと、理解していない社員がいるとモチベーションが下がったり成果にばらつきが出てくるためです。

KPIを設定している理由のか、管理職の意図を現場で理解・納得した上で業務に取り掛かるようにすることが大切です。

KPIは営業部門や生産部門だけでなく、総務や人事といったバックオフィスの間接部門にも導入しやすいです。

チーム全体で進捗を把握できるようにすれば、目標に対してどれだけ行動をすべきかも明確にできるでしょう。

ビジネスを取り巻く外部環境・状況変化の確認対応

KPIはビジネスを取り巻く外部環境・状況変化によって管理方法が変化します。例えば新型コロナウイルス感染症の流行による生産活動の制限や物流の変化なども、これに当てはまります。

このような外部の変化があると、KPIの進捗や達成に影響が出ます。外部環境や状況変化が予測ができるものである場合は、変化の兆しに何があるのか、読み取るために必要な情報は何かを事前に洗い出すことも大切です。

予測できるものであれば、その対応策まで準備しておけば対応がスムーズになります。外部環境や状況変化の確認や対応に関しては、定期的に行いましょう。


漏れなく管理するためのポイント/コツ

KPI管理で大切なのは、PDCAを回すことです。原因がわかり数値で出せるようにすれば、目標に対してこの状況が「良い」のか「悪い」のか判断ができます。また、管理に時間がかかってしまうと、管理の効率が悪くなるので管理は簡単にできるような体制にしましょう。

そして具体的な方法としては、以下のような点があります。

  • KPI管理における業務の運用方法を最適化
  • KPIの重要性を理解
  • KPI達成後の評価を明確にする
  • 時期に合わせて、KPIを更新する

上記の内容について詳しく解説します。

参考:KPIの管理に、もう手動入力やExcelはいらない!日本語で利用できるおすすめKPI管理ツール3つ
   KPI管理の5つの手順と成功ポイントとは?役立つツールも解説
   KPI管理する上で欠かせないポイント
   KPIとは?業界ごとの具体例や設定のコツをわかりやすく解説

KPI管理に関わる業務の運用方法を最適化する

効率的かつ効果的に運用するためには、ツールを導入するなどの対策が必要なこともあります。

なぜならKPIの管理において、業績に関連するあらゆる数値を測定・入力・計算したり、その時々の取り組み状況を複数の社員が記録したりといった手間が発生するためです。

この時に、個々の社員が記録している状態だとデータがバラバラになる可能性もあります。また、データの管理方法が定まっていないと集計に時間がかかることもあるでしょう。

そのため全社や部署によって共通のKPI管理ツールを導入する、あるいはKPI管理の運用方法を統一するといった対策をしましょう。

KPIの重要性を社員に理解してもらう

社員が当事者意識を持って「KPIは達成するべき」という考えを持ってもらえるように、KPIの重要性を社員に理解してもらう必要があります。

KGIを達成できるKPIを設定しても、管理者・社員が「所詮目標だし、達成できなくてもいいだろう」というような考えではうまくいきません。

もともとKGIは、経営者や管理者層が考える「会社のなりたい目標」です。それを細分化した目標がKPIです。つまり、KPIをおろそかにしてKGIの達成は成り立ちません。

もちろん社員の意識を変えるのは、大変に感じるでしょう。それでもKPIを管理し、達成するためにはKPIの重要性を理解してもらうことが大切です。

KPI達成後の評価を明確にする

評価システムは誰もが理解できる・見える仕組みにしましょう。

KPI達成に向けての活動・成果を可視化できるようにすると、進捗を全員が確認できれば社員同士で競い合い、モチベーションが上がり、達成に向けた行動を取るようになります。それによって、組織の生産性が向上するでしょう。

業種によってはKPI達成後のインセンティブを設定することも効果的です。インセンティブがあることで社員のモチベーションを上げることもできます。

KPIの振り返り・見直しをして定期的に更新する

KPI管理は、KPI自体の更新も大切です。事業開始時期と成長期では、KGI達成のためのKPIが異なります。

また、高すぎるKPIや低すぎるKPIは、社員のモチベーションが下がってしまう恐れもあります。このため、KPIは振り返りと見直しが欠かせません。

そして、KPIには期限が必要です。同じ目標でも1ヶ月で達成するのと、1年で達成するのとでは事業の成長具合が異なります。あまりに時間がかかるようだと、競合他社に抜かされてしまう可能性や、費用対効果が見合わない事態が起きることもあります。

このため、KPIは設定当初のものを使い続けるのではなく、定期的に更新する必要があります。定期的にKPIそのものを見直し、新しい施策を取り入れるようにしましょう。


KPI管理に使えるツール

KPI管理に使うためのツールは、以下の観点で選ぶことをおすすめします。

  • 知識がなくても使える
  • リアルタイム性がある
  • 可視化できる

なぜかというと、ツールによって誰もがKPIを共有できる必要があるからです。KPIを管理する人は複数おり、かつKPIを達成するには、それに向けた行動がどのように影響を与えているのかが見える必要があります。このため、KPI管理ツールは皆が使いやすいツールを選びましょう。

それでは、KPIを管理するそれぞれのツールについて、メリットとデメリットを比較しながらみていきましょう。

ツールの種類メリットデメリット
Excel/スプレッドシート・システムを追加しなくても使える
・知識がなくても利用できる
・数字を入力・加工・可視化するのが難しい
・可視化のためのグラフを作るのに時間がかかる
・手動で数値を入力する必要があり、入力ミスや記入漏れが起こりやすい
CRM/SFA・顧客の一元管理が可能
・リスト作成できる
・操作が難しいため定着しにくい
・顧客管理を目的としたツールであり、社員の評価がしにくい
・初期費用・ランニングコストがかかる
目標管理ツール・ツール内でKPIの進捗状況を確認しながらやり取りできる
・KPI管理に使えるフレームワークが備わっている
・ビジネスに活かしやすく、分析・改善にかかる業務工数を減らすことができる
・進捗状況可視化しやすい
・目標管理以外に使える機能はない
・初期費用・ランニングコストがかかる
BIツール・KPI管理用のダッシュボードが備わっていて管理しやすい
・KPIレポートも簡単に作成できるから上長への報告等も容易
・KPIを達成できていない理由、達成できた理由を調べやすい
・ツールを使いこなすことが難しい
・初期設計が難解で設定に時間がかかる
・初期費用・ランニングコストが他のツールと比べて高い

Excel/スプレッドシート

Excel/スプレッドシートは、表計算ツールのことです。日々の業務において使用している方も多いかもしれません。

そんなExcel/スプレッドシートをKPI管理に使うメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • システムを追加しなくても使える
  • 知識がなくても利用できる

デメリット

  • 数字を入力・加工・可視化するのが難しい
  • 可視化のためのグラフを作るのに時間がかかる
  • 手動で数値を入力する必要があり、入力ミスや記入漏れが起こりやすい

こんな人におすすめ

  • 新しいシステム・ツールを導入したくない
  • 無料でKPIを管理したい

CRM/SFA

CRMとは、顧客関係管理システムのことを指します。一方、SFAとは営業支援システムのことをさしています。それぞれシステムの内容は異なりますが、共通したメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 顧客の一元管理が可能
  • リスト作成できる
  • 顧客管理に特化していて営業職・マーケティングに向いている

デメリット

  • 操作が難しいため定着しにくい
  • 顧客管理を目的としたツールであり、社員の評価がしにくい
  • 初期費用・ランニングコストがかかる

こんな人におすすめ

  • 顧客満足度を上げたい
  • 営業に力を入れたい

参考:【2022年版】CRMツールおすすめ57選を比較!選び方も紹介
   【2022年版】おすすめSFAツール29選!機能・価格を徹底比較

目標管理ツール

目標管理ツールとは、立てた目標に対して取り組みを評価したり、進捗を管理するためのツールのことです。そんな目標管理ツールを使用するメリット・デメリットは、以下のような項目があります。

メリット

  • コミュニケーション機能があり、ツール内でKPIの進捗状況を確認しながらチャットやメッセージを送ることができる(進捗状況を確認する手間がなくなる)
  • KPI管理に使えるフレームワークが備わっている(OKRなど)
  • ツール内で分析・フレームワークを活用できるからビジネスに活かしやすくなる。分析・改善に業務工数を減らすことができる
  • 可視化しやすく目標の意識づけができる

デメリット

  • 目標管理以外に使える機能はない
  • 初期費用・ランニングコストがかかる

こんな人にオススメ

  • 目標に対する進捗の見える化にこだわりたい
  • KPI管理を簡単にしたい

参考:MBO(目標管理制度)とは?OKRとの違い・成功のポイント

BIツール

BIツールとは、企業の持つ様々なデータを分析するツールです。このBIツールには、KPI管理用のダッシュボードがあります。

メリット

  • KPI管理用のダッシュボードが備わっていて管理しやすい
  • KPIレポートも簡単に作成できるから上長への報告等も容易
  • フィルタリングで分析したい内容に合わせたデータを取り出せるからKPIを達成できていない理由、達成できた理由を調べやすい

デメリット

  • ツールを使いこなすことが難しい
  • 初期設計が難解で設定に時間がかかる
  • 使える機能が多い分、初期費用・ランニングコストが他のツールと比べて高い

こんな人におすすめ

  • KPI管理を簡単にしたい
  • データ処理に関する知識がある

参考:【2022年版】BIツール厳選31選を徹底比較!絶対失敗しない選び方のポイントまで解説


まとめ

今回は、適切なKPIを設定する方法、その後効果的に運用していく方法まで解説しました。

目標が未達に終わるのは、KPIの設定方法や管理がずさんな証拠です。KPIは、「準備」「ルール決め」「振り返り」の3つのフェーズで設計する必要があります。

KPIの設定や管理方法を細かく決めることで、進捗管理の効率化や社員のモチベーション向上を促すことができます。

また、KPIのもれなく管理をするなら管理の重要性を社内に伝える、評価を明確にする、業務の運用方法を最適化することも大切です。もちろん、会社の状況に合わせた更新も忘れずに行う必要があります。

KPIの管理は業績に関連するあらゆる数値を測定・入力・計算したり、その時々の取り組み状況を複数の社員が記録したりといった手間が発生します。そのため、楽に入力できるツールを導入すれば正確なデータの収集や分析を行えます。

無料で使えるスプレッドシートからKPI管理に適した目標管理ツールなど様々な種類があるので、社員のITリテラシーを考慮して自社に適したツールを選びましょう。